人狼議事


194 花籠遊里

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視点:


トレイル7人が投票した。
丁助1人が投票した。

トレイルは村人の手により処刑された。


亀吉! 今日がお前の命日だ!


時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
亀吉が無残な姿で発見された。


現在の生存者は、ヴェスパタイン、ニコラス、朧、丁助、ヘクター、櫻子の6名


【人】 墓荒らし ヘクター

[微笑みの裏から突き刺す一言につい笑ってしまった。>>3:128
微笑を花として取繕うのに、言葉は裏切り、その差異を愛でた。]

 慈善事業を気取る気は更々ねぇよ、
 お前さんが覚えがねぇなら、俺の戯言よ。
 またお綺麗に微笑んで流しゃ良い。

[ただ、手繰り寄せる指先は離さなかった。
咽返りそうな情交の中、真実を晒す金華の前。偽りだらけの花と蝶が視線を交わし、指を強く握りこんだ。]

 ―――だが、聞き流せねぇなら、もう諦めろ。
 
[色に濡れても眼差しの強さ変わらず、引いた指の節へと口付けを落とす。罅が入って、砕けた先を知らない。揺れる心が求めるを知らない。

けれども、やはり、彼の焔に似た髪色は嫌いでなかった。]

 誰に言われず、誰に愛でられず、誰の目にも留まらずとも。
 ――― 造花なんて、寂しい振りするんじゃねぇよ。丁助。

[言葉の最後、そっと彼の節に歯形を残した。*]

(0) 2014/09/21(Sun) 02時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[悲鳴が響く、心地の良い悲鳴が。>>3:129

発露を知らぬ蝶の深層を暴き、彼が抱える膿を吐き出させるよう手荒に抱いた。加減を知らぬのは彼の熱に惹かれる所為だ。己はつくづく正直に出来ている。

抱擁を強め、体温を交換し、生まれたままの彼を砕く。
強いられる事に喜びを覚えさせ、喉が嗄れるまで好きよう貪り尽くした。実に満悦なる饗宴であった。

振り乱す金の髪が視界で揺れると、糖度が喉に溜まった。男の支配欲を彼の痴態は癒してくれる。
強請られるままに与えてしまうのは、聊か興に反したが、今更身体が欲以外の言い分を聞く訳もなし。囀りに誘われたと、胸内で誰にともなく言い訳を並べたてた。

溺れてしまえば良い、沼に足を取られ、沈んでしまえば良い。
そんな夢想を抱くほど、壊れて行く蝶の美しさは筆舌し難く、どろりと溶け合い境界線を見失う。>>3:130

彼は漸く、彼自身を捕まえたように見えた。
喉を滑り落ちる甘い呼気。

もう一つ飴をやる変わりに、彼の痩躯を抱きしめた。]

(1) 2014/09/21(Sun) 02時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[結局、その夜は驕傲の限りを尽くした。

捕まえた金華の中に幾度も精を注ぎ込み、彼の腹内を重く温め。
涙も声も最後一滴まで味わい、関節を軋ませ、愉悦に浸る。
翌日は如何様な顔をして逢うかなどという無粋は考えなかった。
金華の側面暴いたとしても、彼の備える無邪気な傲慢さは変わらないだろう。
一歩自己の理解を深める背を押したに過ぎない。


けれど、人の体温はやはり、一時の充足を呼んでくれた。

一夜の戯れだと知っていても、夜は折り重なって出来ている。
子種を塗りこめるように放った果ては、深い夜に紛れて濡れた。


――――積み重なる深い夜は、*いつも己に夢を見せる。*]

(2) 2014/09/21(Sun) 02時半頃

墓荒らし ヘクターは、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 02時半頃


看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 07時半頃


可愛い吾が子達。

今日もお前たちに潤いが降るよ。
恵みの雨とはよく言ったものだねえ。

[毎日それは繰り返される。
牢に降るは紙の雨。
丁の許へと降らすは二倍。
よく働いたねと微笑み落とし。]


天のお告げ (村建て人)

昨夜も、昨夜も、狂気は落ちる。

夢の終わりを迎える空に、揺れる宵闇の長き束。
籠の外へと逃げる足音聞きながら。

蝶の舞う朝焼けに目を細め、男は唇に弧を描く。

(#0) 2014/09/21(Sun) 08時頃


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

 
 
どうぞ、またイラッシャイ。
 
 

(3) 2014/09/21(Sun) 08時頃

天のお告げ (村建て人)

次の朝には虹さえ浮かび。
何か祝福するかのようだった。

天高く、空は秋晴れ。

謳い文句が繰り返される。
おうや、おうやと宵闇訪れ。

けれどもしかし
蝶は減り、花は減り。

(#1) 2014/09/21(Sun) 08時頃


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン



ヘクター殿。
季節外れの櫻、お気に召さぬなら切り捨てましょうか?
 
 

(4) 2014/09/21(Sun) 08時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[唇吊り上げて、嗤う貌。
悪辣な夜蛾と花咲かぬ梢、合わぬ事よと揶揄含め。]

(5) 2014/09/21(Sun) 08時頃

天のお告げ (村建て人)は、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 08時半頃


【人】 看板娘 櫻子

―― 霧雨の夜 ――

[櫻樹に月が縋るのでしょうか、月に櫻樹が寄りそうのでしょうか。
 霧雨降る夜に呟かれる小さな名前は、厚い雲に隠され>>3:110
 僕の耳には届かなかったのでございます。
 ですが、その唇が何を綴ったのか
 邪推では在りますが、わかった気がしたのでございます。

 辛い、哀しい。
 失くし物の名を、きっと呟かれたのではないでしょうか。

 ですから僕は、そっとぬくもりを分け与え続けるのです。
 たとえ心の隙間を埋め尽くすことなど出来なくとも
 ほんの少しの気紛れになればいいのです。
 『花』は一夜の『夢』としてあればいいのです。
 相手が『蝶』であれ、『花』であれ。]

(6) 2014/09/21(Sun) 09時半頃

[朧月夜の言の葉に
 漸く藤の花が一輪、籠から消えたことを知りました。]


 ────…。


[何を言葉に出来ましょう。
 否定して頂きたかった言葉は、されず
 思っておりましたことを、肯定するように紡がれたのです。]


【人】 看板娘 櫻子

[今宵は、月が泣いておりました>>3:120
 たった一筋の雨が、頬を伝っておりました。
 雨は籠の中、櫻の枝葉に
 『蝶』のようにとまります。

 僕はみるみると、哀しい表情をしたでしょう。
 射干玉に涙浮かぶことはありませんでしたが
 心の裡は確かに、ひとつの穴を開けていたのです。]

 朧、さん。

[僕は『花』の名を口にいたしました。
 僕に出来ることは、数少なく。
 僕が与えられる蜜は、量少なく。
 それでも、きゅうと抱きしめ続けておりました。]

(7) 2014/09/21(Sun) 10時頃

[知らぬ『月』の名を呼ぶことは出来ません。
 藤色のみが、それを許されていたでしょうに
 消えてしまったその『花』に、月は欠けてしまったのでしょう。

 はらはらと。
 涙の代わりに霧雨が降っておりました。
 さらさらと。
 月の欠片の砂塵が舞っておりました。]


 とても。
 ───お辛い、でしょう。


[櫻は枝葉にて、月を抱きます。
 月が眠ってしまわれるまで、そよそよと
 枝葉を濡らし、夜風に揺れていたのです。]


[藤の花欠けたことを知る朧月夜。
 もう一輪、『おうじさま』に連れ去られた『おひめさま』がおりました。

 それはまだ読んだ事のない『花籠物語』。

 咲き行く『しあわせ』。
 先行く『仕合せ』。

 それは『幸せ』な結末の向こう側。



 囁きは花籠、中庭に植えられた種
 明日にはきっと、哀しき花を咲かせるのでしょう。]


【人】 看板娘 櫻子

[舞い降るのは、紙雪ではなく霧雨でした。
 その雨もやがてはやみ、月も東雲に眠るでしょう。

 僕は朝焼けを見上げました。

 架け橋が>>#1、籠の外へと伸びているのを見たのです*]

(8) 2014/09/21(Sun) 10時半頃

【人】 看板娘 櫻子

── 中庭 ──

[僕はスコップを片手に、庭に穴を掘っておりました。
 それは何時もとそう変わらぬ風景でしょう。
 秋の彩りの中に、櫻色はひらひらと揺れておりました。

 違うことは些細なものにございます。
 軍手をしているわけではないこと。
 植える苗が用意されていないこと。
 代わりに傍にあったのは、小さな梅の花でした>>3:137

 架け橋を渡ったのは、嘘の吐けぬ『おうじさま』と
 聡明な銀月の『おひめさま』でありましょう。

 今夜は書斎でお待ちしますと告げようとして
 水鉢に浮かぶ梅花を見つけ、それを悟ったのでございます。]

(9) 2014/09/21(Sun) 10時半頃

【人】 看板娘 櫻子

 
 
‘Tis better to have loved and lost

 than never to have loved at all.


[細い指先に梅花を乗せ、呟くのは呪詛でありました。
 芽吹かぬように、深く深く掘った土の中へ。
 埋めていたのでございます。]

(10) 2014/09/21(Sun) 10時半頃

看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 10時半頃


墓荒らし ヘクターは、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 11時頃


天のお告げ (村建て人)は、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 12時半頃


許婚 ニコラスは、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 12時半頃


看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 12時半頃


 月が、欠けてしまわれましたよ?
 逢いに来てくれるのでは、なかったのですか?

[欠ける前に、必ず逢いたいと謂ってくださったのは一輪の『花』。
 『人』ではないのです。
 だからきっと、もう逢いに来てなどくれないのでしょう。
 彼の『花』は『人』となりてしまったのです。

 もう、この籠の中には咲かぬのでしょう。
 取り残された櫻の『花』は、中庭で櫻色を揺らし
 呪詛の種を埋めていたのでございます。]


【人】 墓荒らし ヘクター

― ??? ―

[その日は青い空に虹が掛かっていた。

男はその架け橋を区切られた窓から見ていた。秋風は生い茂る木々を分け、空を広げて久しい。

昨夜、金華を暴き、紅華を揶揄った。
夜に舞う夜蛾の一面、朝に戻る人の一面。
どちらも己のもので、金華に告げた本質云々は単なる経験談。
ギシ、と革張りの椅子に背を任せて軋ませる。

得体知れぬと花街で噂の男は、夜の世界に現界する常のだらしない姿ではなく、仕立ての良い黒のスーツに身を包んでいた。
己の前には重厚な執務机が飴色の輝きを放っている。]

 ―――籠の中と、外の違い。
 花と蝶の違い、ね。

[独り言をぷかりと漏らす。
日差しの中で橙灯色の髪を揺らし、耳にノックの音が届く。
入室の許可を出せば、眼鏡を掛けた背の高い男が書類を抱えて入ってきた。]

(11) 2014/09/21(Sun) 15時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[すらすらと本日の予定を告げる音階聞き流しながら、男は足と指を組み合わせ、緩慢な瞬きで瞳を洗った。
秘書めく男は揺れぬ口調で言葉を吐き出すも、最後で言い淀むように数秒の沈黙を挟んだ。

されど、意を決したように「それから…」と、漸く口火を切った。]

 「やはり一度本国へお戻りください、」

[張り詰めた声にも男の顔は動かない。
ただ、区切られた窓の向こうに視線を伸ばしたまま。]



 「エクトゥール・エトワル・ダルジャン参事官。」



[陽下で生きる名を呼ばれ、隣国示す徽章が鈍く輝いた。*]

(12) 2014/09/21(Sun) 15時頃

半の目 丁助は、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 15時頃


墓荒らし ヘクターは、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 15時頃


【人】 墓荒らし ヘクター

― 来館遊里 ―

[その日の男は珍しい風体であった。

いつも夜更けにしか訪れぬ癖、今日は黄昏に近い宵に訪れた。
いつも横着げにシャツを引っ掛けている癖、今日は漆黒に染まるスーツを着こなす。腕に下げたロングコートは秋の深まりを示し、緩めすぎたネクタイと第三釦まで開けた喉元を除けば、常と180度は違う印象。
相変わらず派手な悪人面と耳に穿った飾りは変わらぬが、花主の揶揄を誘うには十分だったらしい。>>4>>5]

 俺の一存で刈れるほど可愛い気のある櫻じゃあるめぇ。
 それとも根こそぎ倒すかね、そいつぁ庭が寂しくならぁな。

[はは、と気のない笑い声で花主の傍を通り抜け。
程なく歩けば、己は中庭で土を弄る後頭部を見つけた。>>9
回廊の窓から覗く彼の姿は、同じ視座に合って内と外とで別たれている。>>10]

 そいつをお前さんが謳うには、10年ほど早くねぇかね。

[窓枠に五指を掛け、身を僅かに乗り出しつつ。
今宵も迫る夜と共に、彼に茶化して語りかけた。]

(13) 2014/09/21(Sun) 15時頃

【人】 看板娘 櫻子

[淡藤の『花』を思い、濃藤の『花』を思い
 口にする呪詛は蓋をした心の裡で蝕んでいくようでした。
 ですから僕は梅花と共に、それを埋めていたのです。
 空は秋の色をしておりました。
 庭に植えられた秋櫻と、同じ色をしておりました。
 秋の中に櫻がひとひら揺れていた頃のことにございます。
 切り取られた窓枠、そこから見えた色と声に僕は振り向いたのでございます。]

 僕の唄ではありません。
 淡藤の唄にございます。

[これは僕の呪詛ではないと、土に汚れた手を払います。
 眸の先には珍しいお姿がありました>>13

 ……誰そ彼、とはよく謂ったものですね。

[此処に来られる時のお姿からは想像もしない様相をしておられました。
 昨夜は地下に足を踏み入れることがなかったので、姿を拝見することもなく。
 その間に嗜好をお変えになられたのでしょうか?
 射干玉をまあるくして、僕は驚いた表情を向けました。]

(14) 2014/09/21(Sun) 15時半頃

【人】 許婚 ニコラス

[昨晩の夢がまだ脳裏にちらつく。
手荒な腕の感触。求められる熱。背徳の香り。
強く抱擁されれば暴虐の腕さえ暖かく感じて。
体内も胸中もあの男に暴かれてしまった。

体液を吸ってべたつき甚振られる度に揺れていた金髪も、
もうその面影も無くさらりと流れる。
現実感の無い昨晩の淫靡な出来事が実際にあったことなのだと実感させるものはもう疼く腰の痛みだけであった。

それにしても…と思う。
欲のままに求められることのなんと心地よかったことか。
泥の沼に沈み込み、穢れた温い泥に包み込まれるようで。

ああそういえば幼い頃は身体を泥だらけにして遊ぶ農民の子が羨ましかったな、なんて昔の記憶が甦り自嘲気味に口角をあげる。

そうしてまた訪れるは花の館。
花主はお決まりの文句を告げる。]

(15) 2014/09/21(Sun) 15時半頃

【人】 許婚 ニコラス

[館に足を踏み入れれば「ああ、あちらの廊下は地下牢へ続く廊下だな」なんて、思考がどうしても淫靡な暗い宵へと連れ去られる。

何度も何度も熱い白濁をこの身の裡に受けて。
満たされゆく感覚すら好かった。
最後の方では突き上げられる度にごぽりと接合部から精が溢れ出したものだと回想すれば、無意識に舌舐めずりをする。

自身も男の腕の中で何度も達した。
宵の熱も精も尽き果てた頃には、僕はへらりと力なくも艶めいた笑みを顔に貼付けて、自分の内からぬるりと剛直が引き抜かれるのを最後に愉しんだ。]

 気を取り直さないと…。

[誰にともなく僕は呟いた。
流石に二晩続けてあんな甘い悪夢に浸ることはできない。
ああいうのはたまに見るのだから好いのだと思う。

昨日は果たすことのできなかった用事を果たすために、
僕は再び片手に包みを持って中庭に足を運んだ。
そこならあの可憐な櫻の香り漂わせる花がいるだろうと。]

(16) 2014/09/21(Sun) 16時頃

【人】 許婚 ニコラス

 おっと。

[目的の花はそこに咲いていたが>>9同時に悪辣な毒蝶も存在していた。>>13

気まずいから顔を会わせづらいということでもない。
だが彼が珍しい格好をしているものだからなんとなく立ち入っては行けないような気がして、僕は見つからぬように回廊からそっと中庭の様子を窺った。]

(17) 2014/09/21(Sun) 16時頃

【人】 看板娘 櫻子

[宵に、『花』の蜜にと誘われる『蝶』が
 ひらひらと集まり始める時刻です。
 いつもは夜も更けてから訪れる色を、珍しげに見ていたからでしょう。

 甘い蜂蜜を煌めかせる『蝶』が息を潜めていることに>>17
 気がつかなかったのでございます。]

(18) 2014/09/21(Sun) 16時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[庭に埋められたのは、花の欠片か。>>14
彼はこの廓に永い花。過ぎ去っていく蝶も、枯れていく花も飽くほど見ているだろうに、丁寧な埋葬は、彼の大切なものを埋めたように思えた。櫻の下には確かに花の亡骸が埋まっているのかもしれない。]

 そいうや、見てねぇな。
 色恋に溺れて世でも儚んだかね。

[彼の歌を思えば、口から出るのは碌でもない予想。
自然と窓枠に自重を掛けて、上体を折り曲げつつ、腕を組んだ。]

 ちと明日は朝が早ぇんだよ。
 アパルトマンも払っちまったから、屋根を借りれりゃ良い。

[上背に合わせてオーダーされた生地は上等で、彼らを買い求める貴族のそれとも、高級娼館の案内役とも違う意匠の黒衣。
二次性徴の終わりを抜け出せぬような童顔に鼻を鳴らし、既に首に下がるだけのネクタイを更に引いて寛げる。

夜に馴染んだ香でなく、今宵の男が纏うのは外の匂い。
己の言葉が示すのは昼の顔。彼の知らない世界の話。]

(19) 2014/09/21(Sun) 16時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[世間話のように繰り広げる中、不意の気配に視線を起こす。
人目が増えてくる頃合に、花を独占していれば衆目も集めよう。
だが、男が察したのは覚えのある気配。

昨夜、とろりと馴染んで溶けた、金華の気配。]

(20) 2014/09/21(Sun) 16時半頃

[黒衣を纏う男は、彼の昼の顔とよく似ていた。
責背負い、裏と表を使い分ける。
だからこそ、人の気配にも聡く、発音にも癖が付いて回った。]

 ―――…ニコラス坊やか?

[小さく呟いた声は彼の耳に届いただろうか。
強いられる彼の痴態がフラッシュバックして、甘い重さを腰に自覚すると、自身も軽く頭を振った。
気を抜けば飼い猫へするように、彼を呼んで仕舞いかねない危うさだ。]


【人】 看板娘 櫻子

[梅花を埋めるとき、ぽつりとひとつ溢しましたが
 小さな声は風に浚われてしまったことでしょう。
 過ぎ去る『蝶』も枯れゆく『花』も、櫻樹はたんと見てまいりました。
 そして大事な『花』枯れる度、心裡に埋めていくのです。]

 虹を渡って行かれたのです。

[『人』になりに、とは謂いませんでした。
 謂ってはならない気が、無意識に唇を閉じさせたのでございます。]

 今宵は、『花』もお買いにならないのですか?
 本当に珍しい、明日は雪でも降るかもしれませんね。

[『外』を知らない僕には、価値などさっぱりとわかりませんが
 彼のお召し物は、質がよいなどと謂う範疇を越えているもののように感じます>>19
 首にあるネクタイは、随分とぐうたらに緩められておりますが
 それは『外』のお姿のひとひらなのでしょう。
 お話しされるお言葉も、まるで永遠に続く夜ではなく
 照らされた昼のことを話しておられるようでした。]

(21) 2014/09/21(Sun) 16時半頃

 
 
 あなたは、『しあわせ』ですか?
 
 


[『花』でもなく、『蝶』でもなく。
 『人』同士で紡ぐ『夢物語』なら。

 どうか、『しあわせ』であってほしいのです。

 梅花を埋めながら、僕の『しあわせ』を
 赤魚を埋めながら、僕の『呪詛』を
 まるで希望と絶望添えるように、埋葬したのでありました。]


【人】 看板娘 櫻子

[あぱるとまん、とは住まう家のことでしょうか。
 屋根があればいいと謂う、珍しすぎるほどの言葉に
 じいと、成長止まった僕の顔を向けて
 射干玉が見つめていたのでございます。]

(22) 2014/09/21(Sun) 17時頃

【人】 許婚 ニコラス

[ああしていればまるで昼の世界の住人のようだ、なんて窺い見て失礼な感想を抱く。当たり前だが彼にだって昼の顔はあるのだろう。考えても見なかった。
急な現実感が昨晩の出来事を夢のように霞ませるが腰の疼きは変わらなかった。

…なんだか胸の動悸が激しくなってきた気がする。
そうか、そうだ。きちんと夜も昼もこの世に実在している人間に昨晩の痴態を見られてしまったのだ。
後悔するわけではないが、これ以上ない程羞恥を感じたと思った昨晩の出来事にまた新たな羞恥を加えられた。]

(23) 2014/09/21(Sun) 17時頃

[櫻子とヘクターの会話はよく聞こえてこなかったが、自分の名を呼ばわる小さな呟きは何故か妙に耳についた。]


 ふぁ、はい…!

[ぼうっと昨夜のことを夢想しかけていたところに声をかけられたので、なんとも情けない声をあげて返事した。
彼の事が恐ろしいわけではないが緊張はして、背筋がぴんと伸びる。]


【人】 墓荒らし ヘクター

 縁起悪ぃな。

[七色の光が終わる先を己は見たことがない。>>21
天の門を潜るのだと一般的には言われるが、御伽噺のような絵空事は信じていない。
ただ、甘い蜜の夢より価値ある大切なものを見つけたのだろう。と、月輝と月下蝶が脳裏にゆらりと立ち込め消えた。]

 未練がましく土いじりなんてするんじゃねぇよ。
 お前さんは何時から墓守の真似事を始めたってぇのか。

[何のために此処から抜け出したかは、考えるまでもない。
だが、目の前の彼はいつも見送る立場らしい。
中庭の繁栄も、長きに渡る彼の管理の賜物だろう。

何処にもいけない櫻樹は、ずっとこの花籠に咲く。]

(24) 2014/09/21(Sun) 17時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

 ――…まぁ、粗方毟っちまったからな。
 名無しの黒子の渋顔は悪くねぇが。

[己の悪行三昧は口にせずとも、想像付く範疇。
昨夜も蝶を一頭、花を一輪、地下の深みに引きずり込んでいる。
己の顎鬚をざらりとなぞってから、閃いたように口を開いた。

夜色の双眸に、悪趣味なる笑気の顔を映して。>>22]

 金を落とさねぇ蝶に貸す枕はねぇってんなら、
 櫻の小枝でもへし折って枕元に挿しておくさ。

[やはり今日も、夜蛾は性質が悪い。]

(25) 2014/09/21(Sun) 17時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[ガサと揺れた茂みに音なく笑い、彼の影も手招こうか。>>23
ついでに、腰は無事かい。と揶揄を飛ばし、嗄れた喉から搾り出される声を清澄するよう、耳を傾けた。**]

(26) 2014/09/21(Sun) 17時頃

墓荒らし ヘクターは、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 17時頃


【人】 許婚 ニコラス

[>>26手招きされれば流石に出て来ざるを得ないだろうと観念して、中庭へと僕は姿を現した。]

 だ、大丈夫です…まだ少し痛いですけど。

[櫻子の前で昨夜のことを暴かれたような気分になって、顔を赤らめた。どうやら格好は変わっていても中身は変わらないようだ。]

 その、チョコレートクッキーをもってきたので
 櫻子さんにあげようかなと…あはは。

[赤い顔で笑って誤魔化した。
櫻子とヘクターの会話の内容は聞こえなかったとはいえ、盗み聞きしていたような形となったのだ。
そのことも少し気まずかった。]

(27) 2014/09/21(Sun) 17時半頃

【人】 看板娘 櫻子

 ええ。
 でもきっと。

[「縁起悪ぃな」>>24と仰られて、僕は素直に肯きました。
 丁という『花』が違う咲き方を求めた末路を知っているからであり
 そしてそれ故に「きっと」と続けました。
 願いの篭められた、あるいは祈りの篭められたその言葉の後には
 何も続きませんでした。]

 土いじりは、いつものことです。
 花を植えて育てるんですから、…墓守なんかじゃありません。

[『花』を植え、『花』を育てているのです。
 そしてまた枯れ朽ちた『花』を土に返し───…。
「墓守」と謂われて、返す言葉を探しましたが
 上手く返す言葉が出てこなかったのは
 本当にそうだと、どこかで自覚していたからでございます。]

(28) 2014/09/21(Sun) 18時頃

【人】 看板娘 櫻子

[とまらぬ『花』が目の前にあるでしょうに。
 決して口には出しません。
 言の葉にすれば、まるでそれこそ未練がましく思われて
 また揶揄で返されてしまうのでしょうから。

 射干玉に映りこむのは、悪趣味に笑まれる顔で
 それを映す僕は、微笑むこともなければ怒るでもなく
 ただ、ふわりとした印象があるだけの無表情。

 それが一度微かに揺れたのは
 性質の悪いお言葉>>25に、でした。]

 …───意地悪な『蝶』。

[手折る気などないくせに。
 僕は長い睫毛を一度伏せました。
 自覚もなく、愁いを帯びて俯きかけたのでございます。]

(29) 2014/09/21(Sun) 18時半頃

【人】 看板娘 櫻子

[俯きかけたその顔が地面へと落ちずにあったのは
 手招きする姿を眸が捉えたからでございます。
 そしてその先、姿を見せるのは金色の蝶でありました。]

 ベルさまっ。

[陰っていたはずの表情は、ぱあ、と明るさを取り戻します。
 ふわり、微笑みを浮かべると
 どうやら御二方とも、なにかあったご様子でした>>26>>27
 意地の悪い御方の表情、揶揄。
 そして美しい御方の染まる顔。
 長くこの廓にあれば、大体の予想はつくもので。
 『蝶』が『蝶』とお戯れになったのでしょう。
 交互にお二方を見て、少しの間口を噤み。
 そして、もう一度『花』の微笑みを浮かべました。]

(30) 2014/09/21(Sun) 18時半頃

 
[きゅうと、唇を引き結んでおりました。
 表情は微笑みを湛えているというのに。

 どうして僕は、小さく唇を噛んでいるのでしょう。]
 


【人】 看板娘 櫻子

 ちょこれーと…!

[微笑みはすぐに、満開の笑みへと変わります。
 また逢いに来てくださったこと、それに甘味のお土産です。
 嬉しくて、頬が緩まぬ筈がありません。
 甘味の中でも、ちょこれーとが僕は一番好きなのです。
 ベルさまにはお話していないのに、なんて素敵な『しあわせ』でしょうか。]

 頂いても、よろしいんですか?
 お茶でもお淹れします、ご一緒にどうですか。

[盗み聞きだなんて思ってもいません。
 ですからベルさまがどうして気まずそうにしているのか判らないまま
 小走りにベルさまのお傍へと寄りました。

 ベルさまには、笑顔でお傍に寄るというのに
 彼の『蝶』へは自ら近付きもせず、ただ射干玉を向けるだけです。]

(31) 2014/09/21(Sun) 18時半頃

半の目 丁助は、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 18時半頃


看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 19時頃


【人】 許婚 ニコラス

[僕の姿を見るなり櫻子が明るい笑顔を見せるので僕はびっくりしてしまった。けれどもその微笑みは好きだったので僕も微笑み返す。

そして交互に僕とヘクターさんとを見比べる櫻子の視線に、どうやら悟られてしまったなと微笑が苦笑に一寸変わる。]

 ん、なあにチョコレート好きなの?
 じゃあクッキーじゃなくて
 ザッハトルテでも持ってくればよかったかな。

[なんてチョコレートの膜で覆われたケーキの名前を口に出す。
こんなに嬉しそうにしてくれるのなら会いに来て良かったと思う。

僕がどこで何をしてようと櫻子は会えば毎回こんな笑みを向けてくれるのだろうか。
もしそうなら、僕はずっとこの館に通ってもいいなって。未来のことを少し考える。]

(32) 2014/09/21(Sun) 20時頃

【人】 許婚 ニコラス

 うん、一緒にお茶しようか。

[頷いて、傍に寄ってくる櫻子にまるで何かの小動物みたいだなと思う。猫、よりも人懐っこい犬の方が近いだろうかなんて。]

 良かったらヘクターさんも食べます?

[櫻子が近寄ろうとしない毒蝶にも僕は微笑みを向けて、チョコレートクッキーの包み一つ取り出して見せる。
丁助など他の花にも会ったときに分けれるように、クッキーを小分けに包んでおいたのだ。

彼と一緒にお茶する姿など想像もつかないが、クッキーくらいは受け取ってくれたらいいななんて。]

(33) 2014/09/21(Sun) 20時頃

【人】 半の目 丁助

―昨夜の牢―

 ……造花は、寂しいのですか?

[綺麗に微笑むには、亀裂が多すぎた。
掴む力に抗う事無く。

己は、花籠に咲かなくては為らない花。
大金を枷に繋がれ、
其れに慣れる以外に、花の振りをする以外、
何でもない事だと笑う以外、どんな顔をすれば良かったと言うのか。]

 諦めておりますよ、俺は。

(34) 2014/09/21(Sun) 20時頃

【人】 半の目 丁助

[睨みながら、嘘と真を綯交ぜに、歪に笑う。

花籠の掟に諦め、未来に花籠を出ることを諦めず、未来など在る筈もないと無いと諦めた。
きっと、己が笑みを被り護っているのは、奥底にこびり付いた僅かなもの。

彼の本心は何処にか。
意地が悪い蝶のこと、刃は揶揄うつもりの一言に過ぎないだろう。

そんな物には揺らぎたくないと。
歯形を残す相手へと、唸る代わりに、低く熱く、息を吐いた。]

(35) 2014/09/21(Sun) 20時頃

【人】 半の目 丁助

[男同士の交わりに、奥歯を強く噛み締めた。]

(36) 2014/09/21(Sun) 20時頃

[夜の香りを色濃く残す虫籠に、金の雪が降る。

今夜は何もしていない、と否定もせずに、多く散らばった其れをかき集める。

夢を、見ている。
素直だと嘲る声を身に受けながら、
こうしていればいつか、外へと戻れるかもしれないという夢を。

其れは儚い唯の夢でしかないと、心の何処かで諦めながら。
この花籠に浸りきった身体に、他の居場所等有りはしないのではないかと疑いながら。

それでも。]


墓荒らし ヘクターは、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 20時頃


看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 20時半頃


【人】 墓荒らし ヘクター

[昼の世界に馴染み、彼を暴いた指先で日常を送る。
黙っていれば、軽薄な悪人面も多少緩和されるが、昨夜を知る身には難しいだろうか。しかし、男は常と変わらず指先を閃かせ、ニコラスを迎えた。>>23]

 花に貢物とはお前さんも隅に置けねぇな。
 
[へぇ、と呼気を漏らして彼の目的を知れば、数泊の間を空け視線を流し>>27]

(37) 2014/09/21(Sun) 20時半頃

【人】 看板娘 櫻子

 ちょこれーと、大好きなんです。
 あっ、でも、くっきーもすきですっ。

[ベルさまは微笑み返してくださいました>>32
 そのお顔は、やはりとても端整でお美しいと思います。

 「クッキーじゃなくて」と仰られた時には
 ふるふると首を横に振りました。
 ざっはとるてというものも食べてはみたいのですが
 それより何より、お気持ちが嬉しいのでございます。

 そして渡されるもうひとつの包み>>33
 包みの中のものと、渡されている御方とを見ては見るのですが
 ちょこれーとくっきーに、お茶に、と。
 あまりに似合わなすぎる気がいたしました。]

(38) 2014/09/21(Sun) 20時半頃


 ―――…ほう。
 まだ、中に違和が残るかね。

[ツイと、近づいてきた彼の腰に指先伸ばし、円を描く接触。
櫻樹の前での戯れは、昨夜を誘発させる因子。
染まる横顔をチラリと横目で視姦した後、密やかな声で囁いた。]


櫻子は、ヘクターさまは包みを受け取られるのでしょうか…?

2014/09/21(Sun) 20時半頃


【人】 墓荒らし ヘクター

[そうして、櫻より後半濁された言葉は、蝶たる己は知らぬ世界。
或いは途切れさせた彼にも、知らぬ先か。

花を植えて、朽ちた葉を払い、残った種で次の四季を越える。
輪廻を手繰る彼は、この庭園を作り上げたのだろう。
まるで大樹が木陰を作り、花々を慰めるように。
―――――或いは、弔うように。>>28]

 なら、いつも墓守代わりか。
 景気の悪りぃ話だな。

[片手で己の短い髪を掻いて、僅かに顎を引く。
彼の口ほどの物を言う眼差しを頬に感じると、軽い瞬きを挟み。沈黙を一拍。>>29]

(39) 2014/09/21(Sun) 20時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[何事か口を開こうとした矢先、櫻が揺れるのは金華に誘われ。>>30
失墜した言葉は口腔の内に仕舞いこみ、察した花の聡さに弁明せず無言の肯定として肩を竦めて見せた。]

 俺はともあれ、座敷代を払って、
 態々、茶飲みに来るというのも、酔狂なことよな。

[夜の茶会が、無聊の慰めとして成り立つ事は知っていたが、花と蝶の立場弁える身には縁遠い話。されど、水が此方に向けられれば、また指先で蟀谷辺りを引っ掻いた。>>31>>33]

 幼子で在るまいし、いらねぇよ。
 茶なら一杯貰おうかね。毒入りでねぇなら。

[気の良い蝶の傍ら、夜蛾は平時と違わず櫻花に揶揄を降らせた。]

(40) 2014/09/21(Sun) 21時頃

【人】 半の目 丁助

―翌日―

[秋晴れの空を、開いた窓から見上げる。
他人事のように、眩しく高い青。

視線を移動させれば、中庭に櫻の花と二匹の蝶。
じりと向けた視線を逸らす。

調子が悪いと息を吐く花の貌に、笑みは薄い。]

(41) 2014/09/21(Sun) 21時頃

 ひゃっ

[忍びやかに伸ばされた指先の感触に小さく悲鳴を上げる。]

 や、やめて下さいよヘクターさん…!

[これには流石の僕も赤い顔で抗議した。
櫻子の前で痴態を演じる羽目になるのは避けたい。
櫻子も廓の花なのだから慣れてはいるだろうが、あのくりくりとした大きな黒い瞳に見られるのはなんだか憚られた。

多分、物凄く恥ずかしいだろうから。]


丁助は、櫻子は今日も可愛いらしい笑みを浮かべていたな、と考える。

2014/09/21(Sun) 21時頃


【人】 半の目 丁助

[今日の花籠は、普段よりも幾らか静かに感じられる。

蝶の来館にムラはあれど。
花が、外へと。
良い意味でか悪い意味でか、こうも連続した事はこれまでに無かった様に思う。

何かが起こる予感のようなものに、一人、俯く。]

(42) 2014/09/21(Sun) 21時頃

【人】 許婚 ニコラス

 えへへ…はい、貢物です。

[ヘクターの軽口>>37をあっさり肯定して笑う。
クッキーだなんて可愛らしい貢物だ。
金に換算すればいくらもない。
それでも櫻子が笑ってくれるのだから、何度でも持ってこようかななんて思ってしまう。]

 そう、クッキーも好き?よかった。
 よかったら他に好きなものが
 あったら教えてくれる?

[今後の貢物の参考にしようかと無邪気に笑う櫻子>>38に問いかける。]

(43) 2014/09/21(Sun) 21時頃

【人】 許婚 ニコラス

[やはりヘクターはクッキーを受け取ってくれなかった。>>40
それに僕は気を悪くするでもなく、ヘクターさんらしいやとくすりと微笑んだ。]

 お茶、ご一緒しますか?

[けれどもお茶は一緒に飲んでもいいということだろうか。もしそうならと僕はわくわくと胸が高鳴った。

櫻子へ感じる愛おしさ慈しみとはまた違った、胸を焦がすものを微かにヘクターには感じる…。]

(44) 2014/09/21(Sun) 21時頃

ニコラスは、ヘクターに話の続きを促した。

2014/09/21(Sun) 21時頃


【人】 看板娘 櫻子

[「いつも墓守代わり」だの>>39
 何も謂わず、肩を竦めて見せたりする>>40
 そんな意地悪な御方です。
 こめかみを掻く指先は、甘いお菓子を受け取らずに居られました。
 そしてその唇がまた意地悪な語ばかりを紡ぎます。
 射干玉の眸は一度、秋色の方へと移ります。

 じ、と見詰めている間はほんの数秒だったでしょう。
 けれど明確に、少しだけの間を置きました。

 何を告げるか、開いた薄い櫻色の唇は言の葉を添えます。]


 ───あれば、入れて差し上げましたのに。


[そしてきっと、酷く哀しい顔で微笑みました。]

(45) 2014/09/21(Sun) 21時頃

櫻子は、ニコラスさまに向き直ります。

2014/09/21(Sun) 21時頃


【人】 看板娘 櫻子

 好きなもの、ですか?
 ええ、っと。

[問われて振り返る頃>>43には哀しげな色は薄まり
 何が好きだろうと、数多くある好きなものを思い返しておりました。]

 んーと…、珈琲…ちょこれーと…お花…
 我儘なので、たくさん思い浮かんでしまいます。

[少し困ったような顔をして微笑んでから
 ふと、思いついたように手を打ちました。
 折角美味しいお菓子を持って来て下さったのですから。]

 朧さんや丁助さんにも、分けて差し上げてもよろしいですか?

[それともお茶に誘ったほうがいいのでしょうか。
 甘い物を誰かと一緒に食べるのは、僕の『しあわせ』のひとつです。
 今はもう消えてしまった藤色と、数日前ここでそうしたように。

(46) 2014/09/21(Sun) 21時半頃

【人】 許婚 ニコラス

[不謹慎ながら僕は櫻子の放った冷たい一言>>45に噴き出しそうになってしまった。
真面目な場面でもにこにこしているものだから怒られるのは僕にはよくあることだったが、流石にここで笑ってしまってはいけないだろうと櫻子の儚げな表情に思う。

なので、僕は頬をぴくぴくと引きつらせて耐えた。]

 へえ、珈琲も好きなんだ。意外。

[子供らしい姿をした櫻子には珈琲は苦すぎないだろうかとつい思ってしまう。>>46
実際櫻子はいくつなんだろうか。まさか僕より年上ではなかろうと思うが。]

 ああ、元々そのためにたくさん持ってきてあるよ。

[と僕はクッキーの包みを次々取り出してみせる。]

(47) 2014/09/21(Sun) 21時半頃

[まるで、櫻の前では見得を張りたいと言わんばかりの文句
彼の素直さに主張の激しい喉仏が緩やかに上下した。

花前でも微笑を取り繕っているばかりだった数日前に比べれば、
随分彼には色が増えた。やはり、彼には才能があるのだろう。

人を惑わす天性の才能が。]


【人】 墓荒らし ヘクター


 ―――…だらしねぇ顔をしやがんなよ。
 誑かされているようだぜ。

[悪い夜蛾は彼の善意を打って算え、皮肉な笑みを乗せる。>>43
甘味は櫻樹が重ねる小さなしあわせの素の一つ。
それを与えるニコラスは良き蝶だろう。

ふむ、と吐息を一つ漏らすと、続いた言葉には首肯を浅く。>>44]

 お前さんとはこの先、そんな巡り合せもあろうかね。
 ―――…最後の晩餐には程遠いが……、

[そんな夜も悪くない、と、珍しく殊勝な心地で、相席を申し出ようとしたその時。差し挟まれる声が己の思考を止めた。]

(48) 2014/09/21(Sun) 22時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

 ――――…、

[不意に飛び出た彼の告げる架空の毒害計画。>>45
企てる花は毒を持ち得ぬ種だが、男は重い半分ほど降ろし。

口から出てこなかった言葉と、彼の告げなかった言葉が水面下でぶつかった気がした。]

 ……いや、やはり止めておこうや。
 何処に隠し持っているか知れねぇ。

[興が削げたとばかりに、片腕に下げたコートを揺らめかせ、中庭を覗いていた窓辺より別離。嬉々として仲睦まじい彼ら二人を残し、夜蛾の鱗粉撒き散らしつつ。

ただ、スーツに包まれた片腕を持ち上げれば、櫻子へと「枕を借りるぜ。」と端的な言葉を届けた。
謎かけめいたその言葉を彼が理解するのは、花主に召喚される時か。



今宵、夜蛾に櫻梢が買われたと、伝わるその時か。**]

(49) 2014/09/21(Sun) 22時頃

【人】 看板娘 櫻子

 ……?

[見上げたベルさまのお顔は、なにやら耐えておられるようで>>47
 僕は何か変なことでも謂ってしまったのでしょうか。
 判らずに見上げることしか出来ません。]

 はい、牛乳をたっぷりといれたものが。

[勿論入れずとも飲めはします。
 外見のおかげで、まさか苦すぎるだなんて心配されているとは露知りません。
 二七の歳月を、どこかで止めてしまったような僕の顔は
 次々取り出されるくっきーの包みに
 それこそ幼子のように微笑みました。

 くるりと辺りを見回したのなら
 こちらを見ていた『花』を
 見つけられることは出来たでしょうか?>>41

(50) 2014/09/21(Sun) 22時頃

["丁"という花の名を借りたのは、己の全てを掌握するあの男が好ましく思えなかったからだ。

花籠の主。
誰よりも高みから眺めるあの男に、己は居場所を決められたのだから。

もう二度と聞きたくも無い名前でしょう?
其の意味を込めて、嫌がらせに、己は"丁助"に成った。]


墓荒らし ヘクターは、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 22時頃


[白に含ませる沈丁花の香も、以前の"丁"を真似た。

赤い蕾をつける花だから。
理由は後から追いかける。]


[花として生きる花たちを、自らと同じ立場だとい言うのに、何処か遠くに感じることがある。

馴染んで居るのか、居ないのか。

花らしく微笑みながら、世界は薄い膜の中。]


【人】 看板娘 櫻子

[ふと、耳が言葉を掬い上げました。
 水鉢の中に泳ぐ魚を白く細い指先が掬い上げるように
 それは静かに、僕の心の裡へと
 ひとつの違和感となって残ったのです。

 僕の、毒の言の葉は
 お茶会の席をひとつ、奪ってしまいました。
 断る声には、まるで興が削げたとばかり>>49

 ……───。

[秋の深まりを知らせるコートが、はたりと揺らめいて
 四角く切り取られた窓辺から離れて行かれます。
 此処は籠の『中』、そしてあちらは籠の『外』。

 謎掛けにこの時はまだ、小首を軽く傾げましたが
 僕の表情は、寂しげなものであったでしょう。]

(51) 2014/09/21(Sun) 22時半頃

【人】 半の目 丁助

[踵を返し、赤は程なく、櫻の視界から消えた事だろう。>>50

一人を望むなら部屋に篭ればいいものの、じっと夜を待たずにいた染み付いた習性で、歩く。]

(52) 2014/09/21(Sun) 22時半頃

【人】 看板娘 櫻子

 ……お気を、悪くされてしまったようです。

[櫻に毒など在りはしないのに。

 物騒な発言をしたのは僕自身です。
 櫻にも毒が在ればいいと、どこかで思ってしまったのです。
 『 』という毒があれば、いいと。]

 お茶、したかったんですけれど。
 僕はあの方に、嫌われているみたいです。

[彼の『蝶』の姿が見えなくなってしまってから
 言葉とは裏腹に落ちるのは微笑みでした。
 眉尻を下げ、しゅんとした表情でありました。]

(53) 2014/09/21(Sun) 22時半頃

半の目 丁助は、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 22時半頃


【人】 看板娘 櫻子

[視線に捉えた焔の色も、どこかへ消えてしまわれました>>52
 射干玉を一つ二つ、伏せ。
 ベルさまへと向き直るのでございます。]

 行きましょうか。

[広間に行けば、お茶をお出しすることも出来るでしょう。
 ベルさまをお誘いしては
 呪詛に、種にと、植えた中庭を後にするのです。]

(54) 2014/09/21(Sun) 22時半頃

【人】 許婚 ニコラス

 誑かされて?

[小首を傾げて言葉>>48を繰り返してみるが、割かしどうでもよくてすぐに気にならなくなった。

ヘクターさんと一緒にお茶ができる…!と彼の台詞にわくわくするが、それは途中で断たれてしまいその代わり告げられるのは心変わりの意。>>49

そうか、ヘクターさんといえど自分を嫌っている相手と一緒に茶はしたくないのかと納得し、その背を見送った。]

(55) 2014/09/21(Sun) 22時半頃

【人】 許婚 ニコラス

 そっか、牛乳入れるんだ。
 僕、カフェオレにクロワッサン浸すの好きだよ。

[櫻子との歓談を再開させる。
別にヘクターさんとの時間に拘るほどのことはない…と思う。]

 あはは、そうだね。
 僕もお茶したかったなあ。

[けれども次の言葉にはおや?と違和感を覚える。]

 それほんと?
 ヘクターさんは櫻子さんに
 愛着があるって言ってたけど。
 櫻子さんが嫌ってるんじゃなくて。

[あるいは嫌うから嫌われるのかしらなんて、櫻子の不思議な微笑みを眺めながら考える。]

(56) 2014/09/21(Sun) 22時半頃

【人】 許婚 ニコラス

 うん、いこっか。

[手繋ご?と僕は手を差し出して、櫻子と共に広間に向かった。>>54]

(57) 2014/09/21(Sun) 22時半頃

看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 22時半頃


ちょう。

[男の声は“丁”の名を綴る。
在るのは普段変わらぬ一階の奥。
揺り籠に揺れる宵闇の色。]

丁。

[花が何かに心奪われ。
根腐れ起こすなどよくあるお話。
“丁”も変わらず、その一人。]


 
 
[“丁”は替わらず、ただ独り。]
 
 


[男は思い出していた。
あれはいつの頃だっただろう。

雨の日か、
或いは雪の日か、
或いは曇り、
或いは月夜、

覚えてなどいないが
蕾の色と同じ色をした
ぬるつく“紅”に濡れていた。

沈丁花の香など掻き消えて。
淀んだ空気が満ちていた。]


丁、飛べぬ花。
飛ばぬ花。

[数多、花を刈り取る命下しても。]


飛ぶことなど、赦しはしない。


[男が直に刈り取ったのは“丁”一人。]


[同じ名を持つ焔花。
それが蒲公英であるというのなら。

男は、
綿毛のひとつ、
籠から飛ぶを、

赦さない。]


【人】 看板娘 櫻子

── 広間 ──

[広間まで、繋ごうと手を差し出されました>>57
 断る理由は何一つなく、喩えそれが誑かしているのだとしても>>48>>55
 僕はベルさまの指に指を添わせ
 広間へとやってきておりました。

 朧さんほどお茶をご用意するのも上手くはありませんし
 幾日と前に此処でもてなした『花』とは
 また違ったものを用意するでしょう。]

 くろわっさん!
 でも、びちゃびちゃになってしまいませんか?

[話を続けていれば>>56、笑みも元に戻りましょう。
 気になる言の葉からは、一時眸を背けておりました。]

(58) 2014/09/21(Sun) 23時頃

【人】 半の目 丁助

[一つ、不意に浮かんだ疑問を胸に、朧の姿を探す事にする。

姿を消したのが彼ではないとは、花見習いから聞くことが出来ただろう。
普段とは様子の違う己を心配する声には、大丈夫と作り笑いを見せた。

それだけは、得意だった。]

(59) 2014/09/21(Sun) 23時頃

[それはまだ、雨が止んだ頃であったか。
珍しく一階奥の部屋にて、蝶以外の来客が通された。
一輪の花の迎えに、醜い肉塊が現れた

金は払った!
何処へ隠した!

そんな風な叫び声が部屋中に響く刹那。]


知らないねえ。

花は、人でも犬でもなんでもない。
首輪もなければ自由に咲き、自由に枯れる。

あれは元々、根を張る花とは違ったのさ。
水面に揺れる、蓮の如く。

波間に浚われてしまったんだろうよ。


しかしだ。
そんなことはどうでもいい。
金は払ったというが、どうも勘定があわなくてねえ。

お客人、利子というものをご存知かな?

他から金を借りるということは、そういうことなのだよ。

払わずして消えた花の数年の利子、
払えるのなら全て揃えて頂こうか。

無くとも、払って頂こう。
言うだろう?


―――“人間外見じゃなく、中身だ”と。


【人】 許婚 ニコラス

 え?びちゃびちゃになるのがいいんだよ?

[広間まで櫻子と手を繋いでやってきた僕は、彼の驚いたような声に何がおかしいのかと続ける。>>58
悉く湿った感触のものが好きな僕には、サクサクの生地の良さなど分からなかった。

チョコレートクッキーと、櫻子の用意してくれたお茶が卓上に並ぶ。
僕はやはりそのお茶をふうふうと吹いてから口にする。]

 ん。おいし。
 甘いものも落ち着く味だけど、お茶の味もいいね。

[なんてにっこりと隣に座る櫻子に笑ってみせた。

櫻子が先ほどの問いに答えないようなら、僕は追及しないで忘れた振りをした。]

(60) 2014/09/21(Sun) 23時半頃

[その後、その肉塊がどうなったか。
嗚呼さっぱりと覚えてなど居ない。
蛇から逃げ遂せたかもしれないし。
そうでないかも知れぬ。

今は揺り椅子に揺られ揺られて。
男は籠の中の
花の名を口にする。]


藤は今頃、どうしているのかねえ?

[罅割れた鏡花。
朧月を泣かす藤。

下町の空きを、しっかりと埋めていることだろう。
下方の孔も、しっかりと埋められていることだろう。
花籠がどれ程幸福な場所であったか、知らしめられていることだろう。

下卑た冗句。
きいきいと揺り籠は揺れる。]


……しかし、花も幾分と減ったものだ。

[ゆうら、ゆうら。
揺れる宵闇は *何想う*]


天のお告げ (村建て人)は、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 23時半頃


[彼の部屋か、あるいは館のどこかでか。

朧の姿を見つけると、己は彼に問いかける。
普段より落ち着きが無いと、心配させるかもしれないが。]

 ……朧は、此の花籠で長いよな?

 なあ、此処から、逃げ出すことは、可能だよな?
 金を貯めて、自分を買えば、叶うよな?

[困らせる問いだっただろうか。
それでも、問う。

借金を背負い、繋がれた楔から逃れる術を。

唯一己が縋った未来は、之までに叶えた事の在る花など居たのだろうか。
在り得ない幻だったのだろうか。]


半の目 丁助は、メモを貼った。

2014/09/22(Mon) 00時頃


【人】 看板娘 櫻子

 そう、なのですか…?

[びちゃびちゃとするのがいいらしい>>60
 ベルさまは不思議な御方だと思うけれど
 随分と味覚の方も個性的でいらっしゃるのかもしれません。

 取り出した甘味と、とうもろこしの香るお茶。
 緑茶でないのは、少しでもくっきーに併せてのことでした。
 もしかしてですが、これにクッキーを浸したりもされるのでしょうか。
 おずおずと、先程まで繋いでいた手を見詰めました。]

 美味しいなら、よかったです。

[ね、毒なんて入っていないでしょう?
 余計なことを謂わなければ、彼の『蝶』が座っていたかもしれない椅子。
 それに一度、視線を向けたのでございます。]

(61) 2014/09/22(Mon) 00時頃

懐刀 朧は、メモを貼った。

2014/09/22(Mon) 00時頃


【人】 許婚 ニコラス

 このお茶は緑茶じゃないみたい
 だけどなんていうお茶なの?

[緑茶は一回飲んでみたきりだが、あれとは多分味が違うと思う。そう思って尋ねてみた。

櫻子が僕の手先を見つめる視線の意味は分からなくて、小首を傾げてみせる。
筆胼胝が気になるのかなと勝手に合点して。]

 ああ、これ?
 僕ちょっと小説を書くんだよね。

[なんて説明してみせる。

櫻子の視線が空席に向けばその意味はきちんと了解して。]

 まあ、お茶会なんてまた今度できるよきっと。
 一緒にお茶したいのなら。

[なんて未来のことを*語ってみせた。*]

(62) 2014/09/22(Mon) 00時頃

許婚 ニコラスは、メモを貼った。

2014/09/22(Mon) 00時頃


【人】 懐刀 朧

―霧雨降る夜―
[一夜の慰め、気紛れ、『夢』だったとしても。
温もりは癒しとなり、朧の雫を乾かす。

みるみると悲しみに染まってゆく櫻を眺め、ふっと笑う。

済まない、お前にそんな顔をさせたかった訳では無かったというのに。
朧の名が音となれば>>7櫻を軽く抱きしめかえし、少しの間肩口に顔を埋め。
優しさに身を委ね悲しみを流していった。]

(63) 2014/09/22(Mon) 00時半頃

[音も経てずに、ただ静かに霧雨は降る。

明日には『日常(いつも)』の朧に戻るため。
『普段』の花籠で揺れる花に戻るため。

もう二度と見れぬあの色に告げる。
左様なら、さようなら、と。

櫻の微かな香りと温もりを傍に、月は眠る。*] 


【人】 懐刀 朧

―自室―
[目に眩しい、とまではいかない山吹色に、こげ茶に浮いて見える蔦色。
その手にはその日も飽きずに煙管が握られていた。
傍に置くのは長火鉢。ちょっとした小物入れがついたそれの奥には、使われる事の無い真新しい煙管。

少し寒さが走るような見事な秋晴れに浮かぶ虹。
花がまた一輪欠け落ちた事など気にもしようとせずに、男は煙を纏う。
花籠は随分と色を欠いて来たが、その一部でしかない朧にはそれを口に出す事は殆ど無く。

さて、己を探して焔の色をした花が訪ねてきたのは、どの位の時間の事だったか。]

(64) 2014/09/22(Mon) 00時半頃

[焔色に違和感を抱きながらも、己の部屋を訪れたならば茶の一つくらいは出しただろう。

焔が月に問うは、『花籠』から出るための問い。
僅かに眉間に皺を寄せながら煙を燻らせれば、暫しの間が。
吸い殻を丁寧に落としながら、ゆっくりと口を開く。]


 前者はともかく後者は然り、だな。
 


[迷ったままの視線は焔と合う事は無かったのだろう。
己に投げられた言葉には微かに光が宿っているように思えた。
しかし。
それを叶えた花など、少なくとも朧が見た中では居なかったのだろう。
……自分が花になる前なら、あったのかもしれないが。
花主がそれをただ黙ったまま見送るのかどうか。

故に朧は、そうとしか答えることはできなかった。]


【人】 看板娘 櫻子

 とうもろこしのお茶です。
 炒った実を使って、お茶にするのですよ。

[かふぇいんが入っておらず、芳ばしい香が特徴です。
 素朴な味がして好きなのだと
 他愛もない会話の中に紡いだりもしたでしょう。

 僕の視線を集めていた指先には
 ちょこれーとくっきーではなく、筆胼胝がありました。
 小首を傾げながら話してくださる姿に
 僕は純粋な尊敬の表情を浮かべました。]

 お話をお書きになられるのですか!
 本を読むのも好きなんです。
 ベルさまのお話も、読ませていただけたりしますか?

[次のお土産には、甘い『夢物語』がいい。
 僕はそんな風におねだりをしたのでございます。]

(65) 2014/09/22(Mon) 00時半頃

懐刀 朧は、メモを貼った。

2014/09/22(Mon) 00時半頃


 ――そうか。

[出された茶にも手をつけず、座して朧の紡ぐ言葉を待っていた。

抱いていた期待は、筋の通る話である筈だ。
大金の代わりにと繋がれた鎖なら、金で断ち切れると。

花籠に長くして、彼は己よりも多くの花を知っている。
其の彼の言葉なら、信じられる。]

 だよな。
 良かった。

[彼の懐に渦巻く疑問に気付かずに、焔はふわりと、微笑んだ。]


 お……
 おぼろ、僕は、何時か自分を買って、外に出たいんだ。

[之までに誰にも告げたことの無かった夢を、教えてくれた彼に打ち明ける。

其の為に今は耐えていると、言葉の裏は彼に伝わるかは判らないけれど。]

 答えてくれて、ありがとう。


【人】 看板娘 櫻子

 ……僕は、嫌ってなどないのですよ?

[優しく語られる未来が>>62
 僕の唇を少しだけ軽くさせました。
 ベルさまは「ヘクターさんは櫻子さんに愛着があるって言ってた」>>56
 そう、謂っておられました。

 それはあまりにも信じられるものではありませんでした。
 きっとこの優しい太陽が、僕に聞かせてくれる『夢物語』なのでしょう。

 僕だって嫌いなわけではないのです。
 ただ、ずっと苦手に思うだけで。]

 出来るでしょうか…。

[どうしたってそんな未来、想像など出来もしませんが。]

 ……出来れば、いいなって思います。

[隣に座り、甘味と飲み物とを並べて。]

(66) 2014/09/22(Mon) 01時頃

[ただ、ただ、苦手なのです。

 近付いてはいけないと、何かが警鐘を鳴らします。
 関わってはならないと、何処かが制止をかけるのです。]


 …───『嫌い』になれたら、


[どんなに、楽であったことでしょう。
 それもこれも、僕は花であるからだと。
 何方を好いても、何方を嫌ってもいけないのだと。
 その教えに生きているのだと、ずっと言い聞かせておりました。]


 
 
[言い聞かせて、おり 『ました』 。]
 
 


 ―――…丁助。

[ぽつりと花の名を呼ぶ。
孕む色は、迷いか、戸惑いか。何れにせよ良い感情だとはとても言えないそれを込め。
焔の微笑みは『しあわせ』を宿しているように見えた。

見えたからこそ、言うべきか言わざるべきか。

これが己では無く他の花ならば、もっと上手く丁助に答えを出してやれただろう。
月には告げられなかった。焔が我慢強く耐えていたのを知っていたからかもしれない。]


 お前にとっての幸福が、『外に出る事(それ)』ならば。
 ………叶うと、いいな。


[無責任な言葉の羅列に聞こえたかもしれないが、本心も混ざっており。
しかし、叶える助言をしてやれるわけでも無ければ、
砕くなんて惨い事もできずに。
随分と煮え切らない態度となってしまった。] 


【人】 看板娘 櫻子

[そんな未来を望む事さえ許されないのだということを
 僕が知るのは、まだこの刻ではなかったのでございます。


 櫻は今日、花籠での終わりを迎えます。


 それを知るは、今宵の櫻を買い付けた『蝶』のみでしょう。
 櫻の季節が終わったのだと。
 身を繋ぐ見えぬ鎖が、今宵の金で断ち切られるのだと。

 ──中庭も幾分、寂しくなることでしょう。

 此処でしか咲けぬ『櫻』を捨てる言葉が
 きっと愉悦滲ませながら、響いていたのでございます。]

(67) 2014/09/22(Mon) 01時頃

[例え花籠から出られようとも、それが『幸せな形』で出られるとは限らない。
花籠から逃れようとも、あの花主から逃げられるとは限らない。

……浮かんだ『不幸の形』を必死に沈めるために朧は煙をはく。
焔と同じ響きを持った花ならば、音にせずとも分かっているだろうと。]


懐刀 朧は、メモを貼った。

2014/09/22(Mon) 01時頃


 ……ん。

[頷く。
不器用な声色を、彼のらしさだと思い込んで。
思い込みたくて。]

 あっ、あ。
 変なこと、急に聞いて悪かった。

[浮かんだ予感は、消したのだ。
消したかったから、訊ねたのだ。

浮かぶ煙は、見えない何かを形作って、消える。]


【人】 看板娘 櫻子

 いつかきっと。
 だって、僕はずっと此処におりますから。

[何も知らない『櫻』はひとひら
 甘い焼き菓子の花弁を食んで、微笑んでおりました*]

(68) 2014/09/22(Mon) 01時半頃

半の目 丁助は、メモを貼った。

2014/09/22(Mon) 01時半頃


── 櫻の苗植わりし日 ──

[それは今から二十年以上も前の
 何処にでもあるような、詰まらない昔話です。]


 おかあさん。
 ねえ、どこにいくの?

[ぼくは おかあさんと てをつないでいました。
 おかあさんのあしは はやくて
 ぼくはなんども ころびそうになりました。

 おかあさんは ぼくを みおろしています。
 しらないおうちのまえで とまって。
 おっきな りぼんを ぼくに かけてくれました。]

 くれるの?
 ありがとう!

[ぼくは はじめておかあさんに ぷれぜんとをもらいました。
 おかあさんに ありがとうをいうと
 おかあさんは わらってくれました。
 すごく すごく うれしかったです。
 だっておかあさんは ぼくをみるとき いつもいつも
 おこったような こわいかおをしているからです。]


[おっきなおうちのなかから かみのながいひとが でてきて
 おかあさんは なにかを おねがいしていました。

 わらっているのに こわいかおで
 ながいかみのひとに たくさん おねがいしていました。

 ながいかみのひとに いっぱい かみを もらって
 おかあさんは とても うれしそうにしていました。
 おかあさんが うれしそうな かおをするのも はじめてみました。
 だからぼくも すごく うれしかったです。

 おかあさんは かみをもらって
 そのまま くるまにのって
 ぼくをおいて どこかへ いってしまいました。

 おかあさんが くるまにのるまえ
 ぼくに こう いいました。]


 
 
 「アンタが金になるなんて、最高の厄介払いね。」

 


[その意味を知るのは、もう少し後になってからでした。
 とある女が望まぬ妊娠をし。
 不必要な子供を遊ぶための金に変えた。

 ただそれだけの、詰まらない話でございます。]


【人】 看板娘 櫻子

── 広間 ──

[ベルさまとはどれ程お喋りをしたでしょうか。
 他愛もない会話が殆どでしたでしょうが
 それはとても、僕にとって『しあわせ』な時間でありました。

 その時が終わりを迎えたのは
 「櫻の夢が所望された」と何方かにお伝え頂いた時のことでしょう。]

 ……ベルさま、ごめんなさい。
 呼ばれてしまったので行かなくちゃ。
 今宵も、あなたさまに合う蝶と出逢えると佳いですね。

[申し訳ございませんと、恭しく席を立てば
 微笑みを向けたのでした。]

 また、お越し下さい。
 お待ちしておりますから。

[そうして、広間を後にしたのでございます。]

(69) 2014/09/22(Mon) 04時頃

【人】 看板娘 櫻子

[白い着物に変えるために部屋へと帰る道すがら
 『蝶』は何方なのかお聞きしました。

 その瞬間、聴いた名前は思いもしない名前でありました。]

 ご冗談を、そんなまさか。

[櫻など、見向きもしない『蝶』ではありませんか。
 他のどんな『花』にとまっても、毟っても
 櫻樹には寄りもしない『蝶』のはずではなかったのですか。]

(70) 2014/09/22(Mon) 04時頃

【人】 看板娘 櫻子

 やっ  …──、いやだ… 厭です!

[僕は初めて、地下へ向かうことを拒みました。
 それは子供が駄々をこねるように少し続きましたが
 結局は、向かわなければならないのです。
 その些細な反抗は、地下牢にも伝えられてしまったことでしょう。

 何が、そんなにも厭なのでしょう?

 深くを考えてはならない気がして。
 僕はしぶしぶと、白を纏っていきました。]

(71) 2014/09/22(Mon) 04時半頃

【人】 看板娘 櫻子

── 地下牢 ──

[白い着物を纏った櫻の精が、肌寒い地下に舞い降ります。
 待つであろう、探すのは秋色。
 射干玉がその色を捉えたのなら、そっと房へと格子を潜り抜け。
 清めた身体から櫻の香を漂わせておりました。]

 ……───買わぬのでは、なかったのですか?

[今宵はどんな気紛れなのか、と。
 薄い唇を引き結んで、射干玉を床へと落とします。
 白い女物の着物、けれども頭には何時もの櫻色が揺れていました**]

(72) 2014/09/22(Mon) 04時半頃

看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/22(Mon) 04時半頃


看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/22(Mon) 13時半頃


【人】 許婚 ニコラス

 へえ、とうもろこしかあ。
 そんなお茶もあるんだね。

[櫻子さんの好きなものをまた一つ知れた、と僕は嬉しく思いながら会話に相づちを打つ。>>65

小説を書いていると漏らせば櫻子が感嘆の声をあげるので僕は慌ててしまった。]

 そ、そんな大したものじゃないんだよ?
 ただの趣味……で。

[なんて頬を桃色に染めて、櫻子の瞳の輝きから目を逸らす。]

 う、ううん…僕の話を?
 それはやめた方がいいんじゃないかな…。

[櫻子は僕の人柄通りの物語を希望しているように見えたから、口に出すのは躊躇われた。しかし変に誤魔化すのも良心が咎めて白状することにした。]

(73) 2014/09/22(Mon) 14時半頃

【人】 許婚 ニコラス

 僕が好きなのは悲劇だから。

[そう、救いようのない悲劇が僕は好きだった。
それは隣の芝生が青いというより、ほらあそこにあんなにも荒涼とした大地があるのだから自分たちの庭は充分に青いでしょうと確認するような下衆な魂胆。
けれども僕はそこまで赤裸々に語ることはできなくて、こう取り繕う。]

 だって悲劇って安心するでしょう?
 最初から悲劇になると分かってるんだから。

[ふいに櫻子の口から言葉が漏れた。>>66
おそらくはヘクターのことを言っているのだろう。]

 そう、嫌ってないの?それはよかった。
 あんな人でも…こほん、ヘクターさんでも
 嫌われるよりかは好かれる方がいいはずだからね。

[いやあの男なら真っ赤に泣き腫らした顔で嫌がられるのが一番好きだなんて言い出しそうだなと想像しながらも、自分の予想とは逆の言葉を平然と口にする。]

(74) 2014/09/22(Mon) 14時半頃

【人】 許婚 ニコラス

 うん、出来たらいいね。
 そのときは僕もまた新しいお菓子を持ってくるから、
 櫻子さんの好きなお茶をまた淹れてくれる?

[ずっと此処に咲いているという櫻の花に、僕はささやかな約束を交わした。>>68

やがて櫻の花は呼ばれて席を立った。>>69]

 またね。
 僕、また櫻子さんに会いに来るよ。
 櫻子さんのこと好きだから。

[微笑みを向ける櫻子に何故か好意を表す言葉がするりと口から漏れて。
そんなことを言ってしまった自分にびっくりしながら櫻子の去る背を見送った。*]

(75) 2014/09/22(Mon) 14時半頃

【人】 看板娘 櫻子

[僕の射干玉は俯き、少しの刻を巻き戻ります。
 持て成したお茶の話、書かれていらっしゃるという小説の話>>73>>74

 朗らかに笑う、太陽の御方は「好きなのは悲劇だから」と
 ご自分の書かれたお話の事までは、お話ししてくださいませんでした。

 悲劇は安心するのだと仰られます。

 僕が書斎で『夢物語』ばかりを読んでいた、霧雨の日。
 数多の『しあわせ』と幾千の『悲劇』を眸に致しました。
 僕の心に残ったのは、どちらの物語だったのでしょう。]

(76) 2014/09/22(Mon) 17時頃

【人】 看板娘 櫻子

 ベルさま。

[僕はひとつ浮かんだことをお伺いしようとして、唇を開きました。]

 ……───。

 そのお茶会の時は、珈琲をお淹れしてお待ちしておきますね。
 だから、ざっはとるて、というものを…
 楽しみにしておきます。

[そして結局、伺うことはできなかったのでございます。
 叶いもしない未来を夢見て、約束を重ねていくのでありました。]

(77) 2014/09/22(Mon) 17時頃

【人】 看板娘 櫻子

 
 
 はい。
 僕もベルさまのこと、大好きです。


[再会の約束は、心からの言葉と笑顔でありました。
 それが最後になってしまうことを
 『悲劇』の物語だとするならば

 ───ベルさまは、喜ばれたのでしょうか*]

(78) 2014/09/22(Mon) 17時頃

看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/22(Mon) 17時頃


半の目 丁助は、メモを貼った。

2014/09/22(Mon) 19時半頃


許婚 ニコラスは、メモを貼った。

2014/09/22(Mon) 19時半頃


【人】 半の目 丁助

[それ程の長居はせずに、おぼろの部屋を後にする。
廊下を歩む花の表情からは、僅か、曇りが取れていた。]

 ……おうじは。

[中庭に見かけた、二匹の蝶と会話していた花。

今夜は、昨夜の自分のようにあの二匹に呼ばれるのだろうか。
いいや、同じ戯れは二度無いだろう。

考え、軽く息を吐く。]

(79) 2014/09/22(Mon) 20時頃

[思い出す昨夜の地下。

男に弄られ、悦ぶ男。
見せ付けられる交わりに、混同したのは過去。

氷の指先。
花の咲き方を教え込んだ籠の主。
嫌悪感に満たされながらも、受け入れ悦ぶ身体。

未知から、力任せに咲かされる夜。]

 …………

[全身を這うような気持ちの悪さに、頭を振った。]


【人】 許婚 ニコラス

[僕は櫻子が去った後も広間でゆっくりしていた。

今宵は別に花を買う気はない。
さりとて独りは寂しいし…。
話し相手を求めて花を買うのもいいだろうか。]

 うーん……。

[だとしてもどの花を。相手は誰でもいいのだが。]

 花主さんに言えば適当に見繕ってくれるかなあ。

[だがお茶の相手を見繕って下さいなんて文句は些か間抜けに過ぎるなと、冷えきったとうもろこし茶を飲みながら思案顔。*]

(80) 2014/09/22(Mon) 21時頃

【人】 半の目 丁助

[通りかかった広間に、一人きりの蝶の姿を見つけたならば、ごきげんよう、の挨拶ひとつ。>>80]

 おうじとご一緒だったのでは?
 ……何か、困りごとですか?

[と問いかけた。]

(81) 2014/09/22(Mon) 22時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[早々に談笑を切り上げてしまうと、
男はその足で、迷わず花主の下へ向かった。
中庭に残した二人を振り返ることもなく、秋風渡る回廊を闊歩。

冷たい夜気は、人肌を求めさせるには良い塩梅。
されど、余り誰かを抱く気に慣れなかったのは、
外装で花籠に訪れてしまった為か。
謎掛け言葉を櫻子に飛ばしたものの、
買うてやろうか、やろまいか。と、茶化して、
別の花を選んだ事など幾らもある。

揶揄の対象にはなるが、同衾の対象にはならない。
まるで花としての彼を評価しないとでも言いたげな態度は、
廓を寄る辺とする彼を深く苛んだだろう。

男が花籠に訪れ、数ヶ月。
ずっと櫻の咲き方を、言葉で態度で、否定し続けてきた。]

(82) 2014/09/22(Mon) 22時頃

【人】 許婚 ニコラス

あ、丁助さん。

[ごきげんようとの言葉に顔をあげると赤い花がそこに>>81。]

ああ、櫻子さんとは一緒だったんだけど、
他の蝶に買われてしまったみたいで。

[困りごとがあるわけじゃないよ、と安心させるようににこり微笑みを浮かべる。]

丁助さんは?今暇なの?
それなら一緒に…いっ、

[丁助のそばに寄ろうかと椅子から立ち上がりかけたところで、昨夜の出来事で疼く腰が少し痛んだ。]

(83) 2014/09/22(Mon) 22時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[されど、今宵、花主に申し付けたのは一輪ではなく梢であった。
切花でなく花籠に深く根を下ろし、毎年同じ場所で咲く櫻。

彼の苦労など知らず、彼のしあわせなど知らず。
ただ、巡りあわせを引き寄せる。

それは蝶の遊泳でなく、それは夜蛾の誘引でなく、人の業。
覚めない夢でも、一時の幻でもなく、確かなる現実であった。]

 ……へぇ、とうとう枝切りねぇ。
 まぁ、聞けば永く居たものじゃねぇか。
 

(84) 2014/09/22(Mon) 22時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

 もうちと稼げる気もするが、お前さんの商いは
 肝心なところで法を抜けやがるからな。
 今後とも精進潔斎してくれっと在り難てぇ。

 ―――…此処は仕事で来るところじゃねぇよ。

[花主と馴染み然として交わす言葉は、
肝心な言葉を避けて深入りせず、小さく笑んで金子を放る。
選別代わりと少し多めに包んだが、オマケとばかりに
櫻には未だ告げていないとを教えてくれた。>>67>>68

男は指先に落とした視線はそのままに、
ふぅん。と気のない相槌で取り繕った。*]

(85) 2014/09/22(Mon) 22時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

― 最後の地下牢 ―

[連日連夜の遊戯も今日でお終い。

コートを皺にならぬよう、安楽椅子の背に下げ、
ネクタイは捨てなかったが、背広の釦を全て外してしまった。
着慣れない訳でも、格式ばった装いを厭っているわけでもない。ただ、この花籠と乖離するようで、居心地が悪かった。]

 ―――……、……遅せぇな。
 これで、香でも焚いて居たと言えりゃ立派なもんだが。

 ま、駄々でも捏ねていような。

[どっかりと牀榻に腰を落ち着け、背筋を伸ばす。

最中に、想像に易い押し問答を口にしてみるも、
茶々を入れに赴く事も、面倒くさいと寝てしまうことも、
煩わしいと余所の花に浮つく事もなかった。>>70>>71]

(86) 2014/09/22(Mon) 22時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[彼が来ないというなら、それはそれでも構わなかった。
だが、思考に反し、必ず来るだろうと予想を立てていた。

彼にとって此処は花籠、己は蝶。
そして何より、彼は花。

必ず、訪れるだろうと踏んでいた。
あの寒々しいほど白い衣を身に着けて。]

(87) 2014/09/22(Mon) 22時頃

【人】 半の目 丁助

 ……成程、おうじは仕度に向かったのですね。

[蝶の言葉に頷くと、広間に入り彼へとゆるく歩み寄る。]

 ええ、僕は暇、ですね。

[微笑む蝶には、にこやかに。
脳裏に過ぎる不安やそれ以外を見せぬよう。

立ち上がり、痛みに小さく呻く彼に、足は少し速くなる。
昨夜の名残を理由に想像しながらも、それは口にせず。]

 無理は、なさらず……座ってください。

(88) 2014/09/22(Mon) 22時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[そして、彼は己の予想通り、花として牢へと降り立った。
黒衣を纏う男は、膝に前腕を乗せて、足の合間で指を組む。
ふらりふらりと舞い遊ぶ蝶でなく、悪辣な夜蛾でなく。

人として、得体の知れぬ男が、彼を待っていた。>>72]

 ―――…年がら年中咲いている櫻が、青天の霹靂語るなよ。
 
[口を開いて最初に飛ばすのは、相変わらずの減らず口。
彼が己に抱く苦手意識は、こうして直ぐに
真実をはぐらかしてしまう所にあるのかもしれない。

お前さんの慰めなど要らない。

―――と、突っぱねる強さがいつも言葉の裏に隠れていた。]

(89) 2014/09/22(Mon) 22時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

 言っただろうや、今宵は屋根を借りにきたと。
 そうも不満げな顔をするんじゃねぇよ。

[安宿なら花街以前に幾らもあって、彼を買うだけの金があれば、
コンシェルジュ付きのホテルとて宿泊できる。
しかし、そんな事実を世間知らずの彼は知らぬだろう。

この廓が櫻にとっては全てなのだ。]

 ……それとも―――、

[ひょいと、持ち上げた瞳が彼の夜色の瞳を覗きこむ。

明けない夜など無いと知っている。
けれど、彼の瞳は永劫続く常夜に似ていた。
明けない夜はないけれど、咲かぬ花はあるとでも言うように。]

(90) 2014/09/22(Mon) 22時頃

【人】 墓荒らし ヘクター


 俺に抱かれたかいね、櫻子よ。


[せせら笑う悪辣な顔。
ひらりと櫻の香を掻き混ぜる右手。

歪んだ唇から吐き出す言葉は、また、彼を傷つける。*]

(91) 2014/09/22(Mon) 22時頃

墓荒らし ヘクターは、メモを貼った。

2014/09/22(Mon) 22時頃


【人】 許婚 ニコラス

 あっはは、ありがとね。

[>>88丁助には自分の腰が痛む理由が分かられてると思うと気恥ずかしかったが、心遣いは嬉しかった。
言葉に甘えてその場に座っておく。]

 隣に座る?クッキー持ってきたんだ。
 一緒に食べようかなと思って。

[なんて、さっきまで櫻の花が腰掛けていた場所を示しながら尋ねる。]

 それとも丁助さんは僕なんかとお茶はいや?

[昨夜のことで幻滅されてはいないだろうかと、問いを重ねる。]

(92) 2014/09/22(Mon) 22時半頃

 別に構いはしないさ。だがな、丁助。
 …道を見誤るなよ。
 冷静に物事を見れる『花(ひと)』であれ。

[手折られずに、毒されずに。
その時まで根腐れも起こさずに。
自由になれる時が来れば良いなと、そんな思いを込めて。
年長からの小言に焔はどんな反応をしただろうか。
朧月は珍しくふわりと笑う。
『幸福』であって欲しいと、そんな夢を見ながら。*]


【人】 懐刀 朧

[丁助は然程長居はせずに部屋を出ただろうか。
殆ど減っていないであろう湯呑みを眺め、その視線は外へとずれる。

月が『花』にしてやれる事の少なさにため息を落とす。

嗚呼、朧月の望みは一体何だっただろうか。
叶うこと無く潰えた望み、とは。*]

(93) 2014/09/22(Mon) 22時半頃

懐刀 朧は、メモを貼った。

2014/09/22(Mon) 22時半頃


【人】 半の目 丁助

 ああ、甘いもの。
 おうじは喜んでくれましたか?

[お誘いの内容に、昨日話した事を尋ね。]

 ふふ、嫌だなどと、まさか。
 僕で宜しいのですか?

[示された椅子に腰掛け、笑う。

花には蝶を拒む術など、持たない。
染み付いた花の理に従って。]

(94) 2014/09/22(Mon) 22時半頃

【人】 許婚 ニコラス

 ああ、すっごい喜んで貰えたよ。
 ありがとね、教えてくれて。

[おかげでいい贈り物ができたと礼を言う。>>94]

 うん、丁助さんの笑顔は好きだからね。
 それより丁助さんこそ…その、

[二人の男のまぐわいなんか見させられて嫌だったろう、と口にするのはあまりにも直截すぎて言葉が途切れる。]

 それよりその、
 丁助さんは悲劇と喜劇はどっちの方が好き?

[先ほどの櫻子との会話を思い出して、会話を繋ぐためにそんな話題を差し向けた。]

(95) 2014/09/22(Mon) 23時頃

 冷静に、物事を。

 ……ありがとう。

[朧月の微笑に、赤い花も、笑う。
彼の言葉の真意に、己が気付けていたかはわからないけれど。

真摯な花の気遣いに、唯感謝した。]


【人】 半の目 丁助

 いいえ、どういたしまして。
 貴方も嬉しそうで、良かったです。

 笑顔がすき、ですか。
 ありがとうございます。

[嬉しそうな蝶へと向ける笑みは、夜を越す前と変わらぬ物。>>85
言葉を濁すような物言いには、急かす事無く少し待ってみる。

そうして、向けられた一つの問いかけ。]

 悲劇と喜劇。
 どちらも良さがあると思いますが……

[普段なら濁すだろう答え。
けれど今日は、ふと、思考の端が口に出る。]

 出来れば、幸せに終わる物語を。

(96) 2014/09/22(Mon) 23時頃

【人】 許婚 ニコラス

 そう、幸せに終わる物語…。

[ぱきり、とチョコレートクッキーを噛んだ。
咀嚼すると甘い味が広がる。]

 丁助さんにとっての幸せって?

[いつものように微笑は浮かべず、さりとて重要な話をしているという風でもなく、なんでもないことのように尋ねる。横目でちろりと丁助を見つめて。]

 僕にとっての幸せは…

[なんだろう?

朝、目覚めること。
起きて食卓に着けばそこに家族がいること。
可愛い許婚との結婚が間近であること。
それに関して友人たちが祝いの言葉をくれること。

どれもこれも一つ一つは確かにその瞬間には幸せだと思うものを感じるのだが、改めて考えると分からなくなる。]

(97) 2014/09/22(Mon) 23時半頃

【人】 許婚 ニコラス

 よく分かんないんだ、
 だから丁助さんはどう思ってるのか聞きたくて。

[多分不幸ってことが僕には良く分からないから幸福も分からないのかな、なんて。]

(98) 2014/09/22(Mon) 23時半頃

【人】 半の目 丁助

 僕にとっての幸せ、は。
 ……僕らしくある事、でしょうか。

[答えが曖昧になるのは、何処か自分らしさであってそうではない。>>97>>98

唯、悩む蝶に、少しだけ寄り添う言葉を紡ぐ。]

 幸せの形とは、きっと人それぞれなのだと思います。
 けれど目に見えず、掴めず、時に見失うような。

 失くして初めて分かる、なんてものも、きっと多くある。

 ……逆に言えば、不幸を感じない事は幸福とでも言えるかもしれない。

(99) 2014/09/23(Tue) 00時頃

半の目 丁助は、メモを貼った。

2014/09/23(Tue) 00時頃


看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/23(Tue) 00時頃


【人】 許婚 ニコラス

 丁助さんらしく、ね…。

[それもそうかもしれない。
本当の丁助さんらしさがなんであって、今それができているのかなんて知らないけれど。
僕が僕であることが出来たのなら、きっと僕は幸せだろう。

…「きっと幸せだろう」?
まるで今は幸せではないみたいな言葉だ。そんなことはない、僕は今幸せな筈なんだ。]

 失くして初めて分かるものかあ。
 僕の失くしたくないものってなんだろう。

[脳裏に浮かぶのは櫻の花の微笑み。
この館に来ればいつもあの微笑を浮かべてくれて、ベルの名で僕を呼んでくれる。
そんな時間を狂おしいほど求めているというわけでもないが、無くなるのは嫌だと思う。

ならば櫻子と過ごす時が僕の幸せか…?]

 …うん、そうだね。
 失くしたくないものはある。

(100) 2014/09/23(Tue) 00時半頃

【人】 許婚 ニコラス

 ならその反対の欲しいものは?
 欲しいものを手に入れた時も人は幸せを感じるのかな?

[自分の欲しいものは…昨夜あの男に暴かれた。
珍しく昼の格好をした彼が寂しげに中庭を去る姿が閉じた瞼の裏を過ぎる。

確かに僕は昨晩大きな悦びを得たし、嘘偽りのない自分でいられたと思う。いつもと変わった格好をしているのを見たときなんて胸が飛び上がったし…

…駄目だ、あの男について考えると何故か胸の動悸が激しくなる。何故かちっとも安らがないんだ。やめておこう。

僕は首を振って思考を中断した。]

(101) 2014/09/23(Tue) 00時半頃

【人】 半の目 丁助

[金色の蝶の考えを、思案を交えての答えを、ゆったりと耳にする。>>100>>101]

 欲しい物を手に入れた時には。
 僕は、幸福だと思います。

 ――本当に、欲しいものならば。

[彼の脳裏に過ぎる花と蝶を知らず、己を鑑み言葉にした。

己の本当に欲しいと望む未来は、昨夜の歯形に皹入れられた。
花籠で咲く花になれと、造花であるなと、強く握られた腕の感触と共に思い出す声。
焔を揺るがす感覚に、万一身を委ねるならば――

苦味を思い出しては駄目だと、瞼を臥せれば。
金色が揺れたのを目にすることは無く。]

(102) 2014/09/23(Tue) 00時半頃

【人】 看板娘 櫻子

[金の蝶の『夢物語』から還るように
 伏せていた眸をうっすらと開けることにいたしましょう。
 降り立った牢獄はやはりどこか肌寒く
 だからでしょう、僕の指先は酷く冷たくありました。
 膝の間、手を組む黒衣は秋色の彼。

 ────『人』だなど、思ってはならぬ御方です。]

 毎夜『花』を毟るあなたさまに、謂われたくなどありません。
 
[まるで拗ねているような口調になってしまわないでしょうか。
 ああ謂われたなら、こう返し。
 返したものには揶揄が返るとわかりながらも、返してしまうのがいけないのでしょう。

 撥ね付けられるような感覚。

 あのとき>>0:236は、本当に珍しく感じずにいられたのに。]

(103) 2014/09/23(Tue) 00時半頃

丁助は、櫻子を呼んだのはあの秋色かと、予測する。

2014/09/23(Tue) 00時半頃


【人】 許婚 ニコラス

[丁助さんは欲しいものを手に入れられてないと言った風な解答だな、と思う。>>102]

 そうだね、欲しいものと一口に言っても
 ただの欲望と夢との違いがあるものね。

[そういえば丁助を買ったあの晩、闖入してきた白い蝶…あの蝶の言い残したことの意味とはなんだったんだろうか。僕は気になって尋ねてみた。]

 そういえばあの蝶は丁助さんに確か、
 「男を買え」とかなんとか言ってた気がするけど。
 あれってどういう意味だったの?

[あの白い蝶と、そしてこの赤い花は何を望んでいたのか、もしくは望んでいるのかを想像を巡らせてみる。
果たして欲望を意味していたのか夢を意味していたのか。]

 言いたくないことなら、別にいいけれど。

[どこか秘密の多いこの花はもしかしたらはぐらかすだろうか。]

(104) 2014/09/23(Tue) 01時頃

【人】 看板娘 櫻子

[僕は不満げな顔をしているのでしょうか>>90
 いつものように微笑みを浮かべているはずなのです。
 そうしているつもりでいるのは僕ばかりで
 薄い櫻の唇を真一文字に引き結んだままでありました。

 彼は「屋根を借りにきた」と仰います。

 『花』を買われたわけでもなければ
 『蜜』を求めたわけでもなく
 『夢』を望むでもなく
 『櫻』を、ただ傷つけに。

 本当に酷い御方です。]

(105) 2014/09/23(Tue) 01時頃

[僕が目を背け続けていることと
 彼が表から隠そうとしていること

 ───きっと似ているものだと、判りながら。

 僕は目を背け続け。
 彼は隠している。

 そんな気が、しているのです。]


【人】 半の目 丁助

[蝶にそうですね、と頷き。>>104
次いだ問いに、少し驚き。]

 ……どういった意味、だったのでしょうね。
 あの方は、あれ以来いらっしゃいませんので、確認することが出来ずにいますが。

[ふと、僅か遠くを見やると、]

 もしかしたら――、少しだけ。
 花の生き方に、何か思うことがあったのかもしれません。
 憶測ですけれど、ね。

(106) 2014/09/23(Tue) 01時頃

【人】 許婚 ニコラス

花の生き方に?

[花の生き方に思うことだって?
そりゃあ少しは可哀想だと思うが、花が花であることは仕方ないし。そんなことに思いを巡らせて何になるのだろうと思う。
酔狂なことだ。

…それに、櫻子さんがもしも花でなかったのだとしたら、クッキー一つであんな笑みを見ることはできなかったろう。

求める者がいて、求められる者がいる。
それでいいではないか、この館では。]

そう、それは…珍しい人もいたものだね。

[なんて、また一つチョコレートクッキーを手にとって歯を立てた。**]

(107) 2014/09/23(Tue) 01時頃

許婚 ニコラスは、メモを貼った。

2014/09/23(Tue) 01時頃


【人】 看板娘 櫻子


 あなたさまは……っ
 僕を抱いては、くれないのですか?

[判っています。
 きっと抱いてなどくれません。

 たとえその眸が僕の射干玉を見詰めていても。
 たとえその指が僕の髪に触れたとしても。
 たとえその熱に僕の体が跳ねたとしても。

 長く咲く『櫻』が、まだ咲かぬ『梢』と知りながら。

 僕は息を止めていました。
 ただ、眸は逸らさずに。]

(108) 2014/09/23(Tue) 01時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

 それも今宵で最後よ。
 ―――…俺は外に、もっと遠くに帰らにゃならん。

[駄々の余韻を残す彼へ、事も無げに明日からの不在を伝えた。
また一人の男が彼の傍を通り過ぎて、花籠に櫻を残す。>>103

降り積もる櫻の花弁は柔らかで、花籠の底を隠す。
誰かの為に咲き、誰かの手で散らされ、誰のものにもならず。

堪えるような顔を双眸に映して、細い吐息を唇より漏らした。]

 酷い酷いと口ほどに物言う癖に、ちっとも泣かねぇな。
 本当に一滴たりとも―――…、
 

(109) 2014/09/23(Tue) 01時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

 お前さん、櫻の為に泣いてやらねぇな。
 
[寂しいとき、苦しいとき、哀しいとき、辛いとき。
自らの為に流す一滴を彼は知らない。>>105
憂いのない生など、どれ程美しく咲く花にもありはしない。

では、彼が流さなかった涙は何処へ行ったのか。
櫻の下に埋まっているのは死体じゃない、
きっと彼が沢山捨てたものが海を作って沈んでいる。]

(110) 2014/09/23(Tue) 01時頃

看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/23(Tue) 01時頃


【人】 半の目 丁助

 ……ええ、珍しいと言えるでしょうね。

[金色の蝶の感想に、くすりと笑う。>>107

不思議な白い蝶。
己自身はあの約束を、嬉しさと微かな躊躇いで受け取っていた。

もしも――、
目の前のこの金色の蝶が、夜の戯れにではなく花である命を強いられたならば。
あのように毎晩艶やかに啼くのだろうか。

決して口になど出せない問いが、泡沫に浮かび、消える。]

(111) 2014/09/23(Tue) 01時半頃

【人】 半の目 丁助

[甘いものが、乾いた音を立てて砕ける音色。
花は其れを手に取らず、聞くばかり。

何処かの時計が針を急かして、もうじき深い夜が来る。*]

(112) 2014/09/23(Tue) 01時半頃

半の目 丁助は、メモを貼った。

2014/09/23(Tue) 01時半頃


【人】 墓荒らし ヘクター

 庭に咲いた櫻の香りが欲しいわけじゃねぇ。
 お前さんの慰めが欲しいわけじゃねぇ。

[きっぱりと彼の問いに一声を返す。
誘ったくせに、寸でのところで心を突き放し。>>108

代わりに持ち上げた腕は、彼の腕を引いた。
五指で余る細い手首は長年を掛けて作られてきた花の造形。
引力は彼の痩躯を支配し、傾斜させる腕力が強く。]

 ―――…眼くらい閉じろよ、色気のねぇ。

[囁く声は少し冷たく、触れた唇は少し熱い。
人には注文つける癖、己は瞼を下ろさなかった。

花としてでなく、蝶としてでなく。
櫻を愛でる心地でなく、蜜に誘われる欲でなく。


ただ、そっと櫻より生まれた子の唇を吸った。*]

(113) 2014/09/23(Tue) 01時半頃

【人】 看板娘 櫻子

[まるでなんでもないことのように、それは告げられました。
 もっと遠くに、とは何処のことでしょう>>109
 『外』知らぬ僕には、きっと想像も出来ないほどの
 そんな距離を言葉に感じてしまったのです。

 籠の中にある『花』に『蝶』がとまります。
 けれどまた再び止まるかなど、知れません。
 『蝶』を繋ぎとめておく手も術もないのです。

 ───『花』である限り。

 沢山の花弁を散らしてきました。
 沢山の底を隠してきました。
 沢山の『蝶』を見送りました。
 沢山の『花』を埋めてきました。

 他のためにだけ咲き続ける『櫻』なのです。
 自らのために流すものなど、ひとつとして───…]

(114) 2014/09/23(Tue) 01時半頃

【人】 看板娘 櫻子

[突き放す言の葉と共に、真逆のように引かれた身体。
 常夜の色を映した髪には、薄い櫻が咲いておりました。
 ひらり、舞い落ちるのは彼の『人』の傍>>113

 囁かれた言葉は、秋の夜風でしょう。
 ですから、触れ合う肌が熱いのでしょう。

 接吻けに、きゅうと瞼を閉じたのは
 注文をつけられたからで、思わずなどではありません。]


 っ、 ──…


[蓋をしていたものが。
 埋め続けていたものが。
 目を背けていたものが。

 呪詛の芽が、咲こうとしておりました。]

(115) 2014/09/23(Tue) 01時半頃

【人】 看板娘 櫻子

 
‘Tis better to have loved and lost
 than never to have loved at all.

(一度も愛したことがないより、
 愛して喪った方がどれほどしあわせか。)
 

(116) 2014/09/23(Tue) 02時頃



 …───すき、です。
 
 


[背け続けた言の葉が、櫻の下の海に浮かび
 波紋を広げたのでありました。]


【人】 看板娘 櫻子

 
 
 
 ───あなたさまに逢えなくなるのなら、泣きましょう。



[滲む視界を悟られまいと。
 接吻けから離れて直ぐ、額を胸へと押し付けました。

 櫻の下に隠された海が、漣を立てて揺れていました*]

(117) 2014/09/23(Tue) 02時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[約束など花籠では、一時の夜より脆いもの。
また来るよと告げて、彼の前から姿を消した蝶はどれ程いたか。
少しお暇を頂きますと去った花は何処で枯れてしまったのか。

彼はそんな多くのものを中庭に埋め、
墓標の代わりに花を育て、慈雨の代わりに涙を捧げた。
彼の苦労も悲しみも、全く以って想像の外。]

 ―――…お前さんが花でなくなったなら。
 遠く、遠くへ、来な。

 物知らずには丁度いい道中よ。

[重ね合わせた唇から注ぐ声は静かで、喉に流し込んでいく。
引き寄せた彼の手に握らせたのは、輝く徽章。

隣国示すエンブレム、遠いシンボル。
裏に刻まれた己の本当の名前。]

(118) 2014/09/23(Tue) 02時頃

【人】 墓荒らし ヘクター


 ――…花でなくなったら、

[その時は。と飲み込んだ言葉。
続きは啄ばむ口付けに紛れさせ、夜に溶かした。

彼が自分の為に泣けるようになったのなら。
寂しい事を寂しいと、哀しい事を哀しいと。
死体を埋葬するように、中庭に蹲ることがなくなるのなら。*]

(119) 2014/09/23(Tue) 02時頃

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