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【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ起きたのはいいけど、少し眠いわね…… (337) 2013/10/30(Wed) 08時頃 |
―― 廊下 ――
[自分を呼びとめたのは、詩文部の後輩だった。
例の紅茶を自分に飲ませた後輩でもある。]
理事長室?あ、はい
[素直に頷くと後輩はいたちのように駆け去ってしまったけれど
そもそもなんで彼女は自分にいちいち
理事長の思惑を差し向けるんだろう。
彼女本人がやればいいのに。]
―― 理事長室 ――
はい?
[入室した自分にビアンカが開口一番語るのは
地下に素敵な部屋ができたの、という内容。]
地下…ですか
[詳しく聞こうとビアンカを見つめると
昨日はお楽しみだったのね、といった旨の言葉。
話が脱線しすぎである]
そ、それ、なんで知って……
[だって顔が恋する乙女だもの、なんて]
いや、あの……
恋って、そんな、まだ、そんな段階じゃないです。
[ただ彼女の言うとおり、
心の中を占めているのは一人の少女の存在だった。
確かにあの子のことが気になって仕方ないし
自分のせいで、と自責する気持ちと同時に
お見舞いという口実で会いに行けるという嬉しさもあって。]
……。
マドカのこと知ってるんですか?
[あら、お相手はマドカさんっていうのね、と
理事長は本当にお人が悪かった。
墓穴を掘ってしまったことに赤面し]
そ、そ、それは今は置いといて。
地下の部屋ってなんですか?
[問えば、ようやくビアンカは、地下室の詳しい話を教えてくれた。
ない知識を振り絞って要するに、ラブホテルみたいなところか、と
そんな結論を出したのだった。]
なんで私が、そんなところにいざなう役目を…
[だって私の紅茶飲んだでしょう?と言われた。
横暴だ。理不尽だ。無茶苦茶だ。
でも言葉にはできなかった。相手は理事長なんだもの。]
[貴女達が行きたくなるくらい素敵な部屋よ。と
微笑んで言われ]
お断りします……
私まだ、あの子とそういう関係じゃないです。
[あらあら、と微笑むビアンカに一礼して、]
理事長の命令は断れません。
…やります、から、どうか内密に。
[そう言って、部屋を出た**]
[ふっと思い出したのは、あれから聞こえていない声。
紅茶の効力が切れたのか、それとも、どちらも意識して喋っていないだけなのか]
――あー、あー。
ただいま脳内マイクのテスト中……っと。
[さて、通じてるんだろうか。まあいい]
この紅茶通信、何か判ったか?
暇があったら、俺も図書室で調べるつもりなんだけどよ。
[用件だけ告げて、あとは返事があろうがなかろうが。
そのまま廊下を幾らか歩いて、ふいと思いつき]
――と、そうだ。
お前らさ、地下室の噂って知ってっか?
[どこの誰か知らないが、普段接することのない相手なら、情報網の種類も違かろうと]
あ……はい
[聞こえた声に返事をする。
紅茶通信はまだ継続中のようだ。
いつまで続くんだろう。]
今日、理事長先生に会ったのだけど、
紅茶がどうのって言ってたから、
やっぱり原因は紅茶で間違いないみたい。
[次いで地下室の話題になれば、一寸黙り込んだ後]
……理事長から聞いた話では
ラブ、ホテル、みたいなところじゃないかしら。
と言っても、誰でも入れるわけじゃないみたい。
それこそ、この私か……
プリシラは理事長に呼ばれてないの?
[ミルフィの声が聞こえないので、実行委員は分からないが]
私が、その部屋に誰かを誘導するような役目を仰せつかったわ。
ハロウィンだからって、こんなこそこそと……
本性を隠す人狼みたいな扱いしてからに。
[全く、と憮然とした様子で言う。
人狼という例えは、先ほどの購買のお姉さんの影響だろうが]
あー……んじゃ、あの紅茶か。
あのクソ教師め……。
[拳を掌に、パンと打ちつける。
まあ、物理的な音が伝わるかどうかは知らないけど]
今からそいつを殴りにいこうか……、……ん、理事長?
[あれ、と首を傾げる。どうして理事長が出てくるんだろう。
いや、それも疑問だが、今なんつったコイツ――ラブホテルて、おい]
……て、手前なぁ!
いきなり爆弾放り込むんじゃねぇよバカ!
[ちょっと廊下で挙動不審になってしまったじゃないか]
ん!?
[ちょっと思っていた展開と違った。]
プリシラは理事長に直接何か言われたりは してないの?
ミルフィもどうなのよ、そこ。
[ミルフィはいわゆる優遇生徒だから、
理事長と繋がっていると言われた方がむしろ自然だ。]
じゃあ私だけか、私とミルフィだけ
理事長直々に何か言われてる……?
[プシリラは同じ紅茶通信でも立場が違うのだろうか、と
教室でハテナマークを飛ばしまくっている。]
あ、あぁうん、ごめん、ただその
一番控え目な表現がそれかなって……。
[ベッドがあって、道具がいっぱいあって、他にも何か色々とあるらしいから、自分の乏しい知識――というよりも、クラスメイトが下級生と行ってきたと自慢していた教室での話を耳に挟んで、そのホテルの存在を知ったのだが――それに一番近い気がしたのだ。]
……んーにゃ? 呼ばれてねぇよ?
理事長なんて、行事のときに見るくらいだな。
[何やら話が妙な方向のようだが]
……誘導?
誰かって……その、ラブホテル、ってなら、カップルとかか。
[カップルといっても、この学園では女同士しかいないわけだけど]
……ハロウィンはお前、もっと陽性にパーッとやるもんだろ。
いや、秘密の部屋でやり放題ってのも、パーッとなのか……?
[幾らかズレた相槌を打ちつつに]
人狼ねぇ……、
ありゃ結構古いんだよな。ローマ時代から……、
[言いかけて――違和感に気がついた]
つか……、なんで名前知ってんだ。
俺、あんたらに名乗った覚えねぇんだけど。
[二人はどうも知り合いのようで、名前で呼び合っていた気はするが]
そう、なんだ。
じゃあ強いて言うなら……私が理事長の使いの狼になるなら
プリシラはそれに協力する立場……?
[それだと何になるんだろう。子狼というのも変だし]
うん、カップルを送ってあげて、って。
貴女達も行きたくなるとか言われた日には
そんな相手いませんよ、と泣きながら帰ってきたけどね……
[誇張表現だった。]
ハロウィンだからっていうのは、うん、まぁ関係ないけど
こうやって紅茶通信のことも隠しているわけだし
犯人と共犯者、ってとこなのかしらね。
えっ
[むしろ逆に聞きたかった。]
私の声ってそんなに特徴ない?
[昨日お風呂であんなに真面目に話したのに。
ちょっとしょんぼり。]
ごめんね、自己紹介遅れて。
昨日お風呂で会ったピッパよ。
ミルフィとは面識がないかもしれないけど。
[因みに名前を知る前から、知った後まで
こんな喋り方をするのは一人しかいない、と
勝手に思い込んでいたのだが、それは正解だったらしい。]
……協力だぁ?
なんだって、そんな面倒に付き合わなきゃいけねぇんだ。
頼まれたってなら、あんたはそれで理事長の覚えも目出度くなるんだろうけど。
こっちは働き損じゃんかよ、アホらしい。
誰に頼まれたわけでもないのに、そんな趣味の悪い仕事するほどヒマじゃねぇよ。
[と、悪態を吐く。
狙ったのか葉を間違えたのか知らないが、やっぱり、あの養護教師はブン殴ろう]
相手いませんのか、残念な奴だな。
[いやまあ、かくいう自分も特定の相手はいないけど]
……んー?
[お風呂、お風呂。
風呂で会った……というと、リンダの知り合いの上級生か?]
あー、あーあー……、あんたか。
悪ぃな、連れが茹で上がる騒ぎになったんで、すっかり。
いや、ま……風呂って声がヘンに響くし水音とかもしてっし。
この紅茶通信もアレだ、直接の声じゃねぇから微妙に感覚違ってな。
アレだよ、自分の声だって、普段聞いてるのと録音したのとじゃ違うだろ。そんな感じだ。
[なんだか声がしょげた調子になったので、一応のフォローを試みる]
えっ。
協力してくれないの?
ほら、力仕事とか……あ、だめか。
無理矢理引きずり込むのは私が許せないし……。
うーん。じゃあ、うん。
この紅茶通信で話聞いてくれるだけでもいいわよ?
それと、この紅茶通信のこと、皆に内緒にしてね。
[プリシラが誰に怒っているのかわからないが
自分だったらどうしようとちょっとびくびく。]
残念ですみませんね……
清く正しく真面目で通ってます。
携帯電話は2500通りの中から一番似た声で聞こえるだけで
本物の声じゃないのみたいな感じ?
[謎の無駄知識。]
あ、いいのいいの。
目立たないもの、私。
自虐じゃなくてそうやって生きてるの。
だから覚えてなくても、気にしないよ。気にしないわ。
……いや、だってメリットねぇだろ俺に。
清くも正しくも真面目でもねぇんで、タダ働きはしねぇぞ。
[ばっさりした。たぶん、残念でもない]
ま……これも縁っちゃ縁だけどよ。
にしたってお前、カップルご案内なんて――、
[そこで、ふいと言葉を切る。あ、いいこと思いついた]
――……そういや、明日も小テストがあんだよなぁ。
真面目なセンパイ様なら、きっと簡単に答えが解るんだろうなぁ。
[とてもとてもわざとらしく、脳内ひとりごと]
くっ……これは、脅されてる……!?
[でも、この仕組み作ったの理事長みたいだし。
そのくらいは黙認してくれるはずだ。
だって……そうじゃないとプリシラが紅茶通信のこと
誰かに話しちゃうかもしれな――]
……。
……。
……大問4、5で手を打つわ。
[普通の1、2、3は自力で解きなさいと一応先輩らしく。]
……お、おう。
ま、まあ……悪目立ちするより、いいんじゃねぇの。
[気にしてないって奴は、大抵気にしてるもんだけど。二回も言ったし]
あん? 脅してなんてねぇよー?
ちょっと考え事が、紅茶通信のせいで洩れちまっただけで。
[勿論、意識して喋ろうと思わなければ洩れないわけで]
……そういや、ふっと思ったけど。
考えたことが伝わるなんて、こんな不思議、話のネタには最高だよなぁ。
[つい一瞬前、他の人に話すなと云われたばかりである。
色々と悩んでいるのであろう沈黙に、口元がにやにや歪む]
――よーし、そんなら2科目。
4と5だけなら、1科目じゃ割に合わねぇ。それで契約成立な!
[反論の隙を与えず、強引に話を先に進める]
あ、明日のは三コマ目の英語な。
もう一個はどれにするか考えて、あとで伝えるわ。
そんで、協力って何すんだ。
カップル見つけたら、あんたに報告でもすりゃいいのか?
そうよね。
[孤高のおおかみさんなんだわ……と教室で一人遠い目。不審者だ]
ちょ、待って
話のネタにしちゃだめっ……!
……くっ。
[大問だけじゃ手を打てなかったか。
二年生のテストなら問題なく解けると思うけれど]
……私がカンニングに協力するなんて……
[嘆きつつもそれは承諾を意味している。]
そうね。そんな感じでいいんじゃないかしら、今のところ。
おいおい。
カンニングなんて誤解を招く表現は止めようぜ、センパイ。
俺がたまたま試験の問題を頭のなかで繰り返し考えてて、
たまたまそれを聞いちゃったセンパイが、つい答えを思い浮かべちゃうってだけだろ。
この不思議な紅茶通信による、ただの事故だよ事故。
何も問題ねぇって。何の証拠もねぇし。
ノーリスクハイリターン、素晴らしいね。
[よくまあ、言ったものである]
……そうね。
たまたま問題が聞こえちゃったら
つい解いちゃう私がつい答えを言っちゃうなんて
事故でしかないわよね。
うん、――問題ないわ。
[自己洗脳。]
話が早くて助かるね。
んじゃ、ちっと気をつけて見てるようにするわ。
ただ、カップルってもよ。
その、なんだ……ラブホテルみたいなとこなんだろ?
清く正しいお付き合いの連中を放り込んでも……どうなん?
[ちょっと気になったので、確認しておく。
いちゃいちゃしている程度の連中なんて、わざわざ探すまでもなくそこら中にいる気がするが]
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