158 雪の夜に
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セレストは、ホレーショーに話の続きを促した。
chiz 2013/12/29(Sun) 18時半頃
(……母親、ねぇ。)
[無意識にポケットを探る。
硬質の感触を指先に得れば、緩く伏せる瞼は]
アンジェ、まだ中にいるんだったら、
もう表に出といた方が良いぜ。
中にいたら――、間違えて噛みついちゃうかも?
[笑み混じりの尖った気配。
警告はした。後は自己責任だろう。]
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―診療所― [ソフィアが自警団に連れていかれた少し後のことだ。 診療所が再び慌ただしくなった。
『人狼だ!』
小さな人狼の少女は捕まったはずなのに、 容疑者のソフィアは自警団に連れていかれたばかりなのに、 そんな声が診療所に伝えられた。
『今、女を捕まえたばかりだろう!』 『やはり子供の他にまだいたんだ!』 『宿だ!宿で襲われている!』
バタバタと人が出入りする音が幾つも響く。 人狼確保で束の間安堵していた後の事件、 誰かが悲鳴をあげた。]
(44) chiz 2013/12/31(Tue) 00時半頃
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[診療所に伝わる新たな喧騒は、 船乗りの男達が収められている病室にも届くだろう。
『船乗りだ!船乗りの女が喰われている!』
どうやら喉をやられているみたいだ、 聞こえてくる怪我人の情報に なら助からないな…、と 待機をしている医者がぼそりと呟いた。**]
(45) chiz 2013/12/31(Tue) 00時半頃
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……あのさあ、アンジェ、
ちょっと手伝って欲しい事があるんだが、
つったら、怒る?
[妙な前振りになったのは、
ちょっと無茶振りな自覚があった所為だ。*]
怒ったりはしないけれど。
……私に出来ることが、あるかしら?
[届いた囁きには、首をかしげる。
少なくとも荒事では役に立てはしまい]
この住所に嬢ちゃんを届けて欲しい。 ……出来るか?
[言うのは一言だが、各所の目をごまかしたり、
実現するには色々と手間がかかる筈だ。]
わかったわ、――船出の日に。
[あの子供であれば。
積荷の一つでも海に捨てれば、
船に乗り込ませることくらいは可能だろう。
この町さえ離れてしまえば、
女にとってはどうとでもなることだ。]
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[気付いた時、女は船の中にいた。 馴染みのある景色、これは女の乗っている船だ。 ぼうっとでもしてしまっていただろうか、海が黒い。 まるで悪い夢でも見ていたかのようだ、 洗濯籠を持って佇んでいると遠くから名前を呼ばれた。
ヒューだ。こちらに手を振って呼ばれる。 ホレーショーや他の船乗り達も一緒にいる。 ああ、そうだ。夢だったんだ。そう笑って。
女は友人に手を振り返す。ヒュー、と名前を呼んで。]
(98) chiz 2014/01/02(Thu) 03時頃
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[呼んで。]
(99) chiz 2014/01/02(Thu) 03時頃
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[――…呼べない、声が出なかった。 どうしてだろう、不思議に眉を潜めながら 仲間達のところへ向かおうとする。
向かおうとして。
――…進めない、体が動かなかった。 代わりに足に痛みが走る。痛い、痛い。 足元見下ろして何かに気付く。音だ。 肉の裂ける音、血の滴る音、咀嚼の音。 音に合わせて、じわりと黒い海が染まっていく。 赤い、紅い、血の色に。揺らめく暖炉の灯の色に。]
(100) chiz 2014/01/02(Thu) 03時頃
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―――――……!!!!!
[ヒュー達の名前を呼ぶことができない。 どうして。 喉を潰されてしまっているからだ。 彼らのところへ駆けていくことができない。 どうして。 どうして。 足を齧られているからだ。彼に。あの人狼に。 どうして。 どうして。いやだ。 どうして。たすけて。 裂かれた喉からも血が吹き出て叫ぶことができない。
誰か。誰か。たすけて。 減っていく、音が鳴る度、自分の体が減っていく。]
(101) chiz 2014/01/02(Thu) 03時半頃
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(102) chiz 2014/01/02(Thu) 03時半頃
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[運良く一命を取り留めた女が目を覚ましたのは 運び込まれてから数日経った後のことだ。
船にはもう乗れないだろうと医者は言う。 齧られた左足は切断せざるをえなかった。 それに、足だけではなく、
そこで医者は言葉を止める。
果たして、運が良かったのだろうか。 女には金も身寄りも、戻る故郷すらないのだという。
――…死んだ方が楽だっただろうに。
独りごちるような呟き。
女と船乗り達との面会が許されるのは、 更に数日経った後のことになるだろう。**]
(103) chiz 2014/01/02(Thu) 03時半頃
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[笑みは、諾の返答を得た事も理由の一つ。]
ありがと。
これが最後だから。
[これが最後の頼み、彼女に向ける最後の我儘だ。
目尻にどこか幼い色を乗せてそれを告げる。]
後で取りに来て。
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[女が病室から出られるようになったのは、 それから更に2つの月をまたいだ後だった。 医師の助けを借り、慣れない松葉杖をついて 辿りついた港にエクストラ号の姿はなかった。 巡航船は、今年も予定通りに船出をした。 友人も何時の間にか町から姿を消していた。 本来なら自分も乗る予定だった船、仲間達。 それがあった何もない空間を見上げて。
女は、何も言わなかった。 言えなかった。 喉を裂かれ、言葉を紡げなくなったのだ。 ぅー…と弱弱しい獣のような唸り声が港に消える。 それが今女が発することのできる音だった。]
(124) chiz 2014/01/03(Fri) 00時頃
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[女に付き添う医師は語る。 読み書きも苦手な船乗りの女と話すのは苦労したと。 唸る声と手振りだけでは意志疎通は難しい。 これから字を覚えていくにも苦労をするだろう。
ずっと町医者が無償で面倒をみるわけにもいかない。 待っているのは過酷な現実ばかりだ。 あの時、死んでいた方が楽だっただろうに。 虚空を見つめる女の姿に溜息をついて。]
(125) chiz 2014/01/03(Fri) 00時頃
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[でも。]
(126) chiz 2014/01/03(Fri) 00時頃
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[彼女、義足を希望したんですよ。 それで。 また、いつか船に戻りたいって。
理想論だ。 現実をまるで見ていない。
けれども。
彼女は生きることを諦めていない。 なので好きにしたらいいと許可を出した。 無謀な前向きさに呆れたと医師は溜息をつく。
その溜息に気付いた前向きだけがとりえの女は 虚空から目を逸らし、歯を見せ医師へと声無く笑った。]
(127) chiz 2014/01/03(Fri) 00時頃
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[船乗りの女が港町から姿を消したのはその後のこと。 町に残っていた知人達に手を振る挨拶だけを残して、 小さな定期船に乗って旅立って行った。
港町の人狼事件が人々の記憶から埋もれ薄れていくように。 女のことも時間と共に人々の記憶から薄れていくのだろう。 そういうもの。よくある。それだけのこと。]
(128) chiz 2014/01/03(Fri) 00時頃
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[―――…鐘の音が港町に響き渡る。
季節と、人々の生活が一巡して再び巡航船がやってくる。 再会の喜びを運ぶ船、 今年は―――誰を乗せてきたのだろうか。**]
(129) chiz 2014/01/03(Fri) 00時頃
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