276 ─五月、薔薇の木の下で。
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[ その清い手で触れ、
その清い指先で咲かせ、
その清い心で濡らし、
その清い唇で吸い上げ、 ]
[ 主よ、 罪とは 何なのでしょうか。]
[ 主よ、 罰とは ……───── ]
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ー廊下ー
[廊下を進む、ペタペタという気の抜けた音。 部屋に戻ったら足を洗おうとは決めたが、靴がないのもこれはこれでなかなか楽しい。 普段は靴底に遮られて知りえない床板の軋む感触も、一部タイルが埋め込まれた床のひんやりとして滑らかな感触も、素足だからこそわかるというもの。 調理室に向かう道中、時折満月へと視線をやるたびにどこか花の香が際立つように思えた。 今自分が探しているのは、小麦の匂いなのだけれど花の香りもまあ悪くはない]
…?
[進んでいくうちに見つけたもの>>114。 魚の一片は誰の落とし物か。 手には取らず、しゃがんで、その色をじっと見降ろすだけ]
(130) 2018/05/17(Thu) 23時半頃
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俺の、欲望――
俺のは、そうだな。
[捉えどころなく降る言葉は、けれどするすると誘うように想いを引き出す。
芽吹かせるための種も、養分も、何処にあるのか未だ見つけられないが。]
乱暴なのは、好きじゃないし。
『こっち見ろ、莫迦』かな。
[食堂を出る前なら、きっと庭番の顎を掴んで無理にも振り向かせていたところだ。
今は道を違えてしまったから、くつくつと笑い喉鳴らすのが風に乗るだけ。]
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[栞の魚は小さな床の池の上。 何故ここにいるのだろう。 誰かが落としていったと考えるのが順当だが、その一方でなんだか迷い語を見つけてしまった心持ちだ。 じい、とそれを見下ろすこと暫し、小さな世界の落とし主を探すのも悪くはないと拾い上げたところに聞こえた声>>133に視線を向ける。 花の香り、小麦の香り]
先輩。
[ひらひらと、栞の魚を宙に緩やかに躍らせればとある東の五月の風景に少し似て]
これくらいじゃ平気でしょ。
(136) 2018/05/18(Fri) 00時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2018/05/18(Fri) 00時頃
[ 喉を鳴らす音、後ろで響くそれに。
音なく、けれどしかし唇を弧に歪ませた。
顎を捕まれていたとしても、きっと同じ顔をしただろう。 ]
キミは向日葵が好きなのか?
それとも、月下美人が好みかな?
その想いを向けられる相手が
羨ましいね。
[ 空っぽの箱を揺らすように。
中身のない声が落ちる。 ]
[ 罪を謳うように。
罰を願うように。
聖書のページを、捲るように。 ]
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五月病?なにそれ。 体が冷えるとなるわけ?
[はあ、と生ぬるい相槌。 何せいつも通りの、あんまり表情がよくわからない顔>>142で仰るものだからただの季節性の怠慢もなんだかすごい病気のように聞こえてくる。 紙の魚をどこに保護したものかと迷いながら]
目的地?調理室。 フェルゼと落ち合うって話してて。 先輩がまたパン焼いてたらごしょーばん、に、預かりたいなーと、ですね。
[胃袋にはどんな時でも素直。 小麦の匂いと花の匂いが混じる不思議に首を捻りつつ]
(154) 2018/05/18(Fri) 00時頃
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[花に例うる、好みの話。
向日葵か、月下美人か。]
――いいや。
紫陽花かな。
[花の名前なんて多くは知らない。
けれどもしも例えるならば、きっと。
これから雨を浴びる薔薇と、今度こそ道を違えながら。]
紫陽花。
キミ好みの色をつけて
そちらを向いてくれればいいけど。
[ その《花》がさすものを、俺は知らない。
けれど興味こそあり。
木を彫り何かを生み出す、そのモリスの手が何に触れるのか。
何を求めるのか。 ]
紫陽花にも毒があるから。
気を付けて?
[ その《花》にも毒があるのだろうか。
道を違えても、薔薇の香が届く限り。
興味は尽きず。 ]*
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[珍しい反応>>162だと率直に思う。 いつもはこちらの言葉に対して殆ど微動だにしない相手だけに、指が耳裏をなぞるのをしげしげとみる視線]
夜食。 んー…まあ、そんなとこ。 ありがとうございまっす!
[そうだ、今は夜だった。 施されるパン・オ・レザン。 無造作に寄越されるも聖餐であるそれを戴くこちらは恭しく、受け取れば鼻をくすぐる香ばしさと甘さの入り混じる香りに表情がわかりやすく緩む。 これは間違いなく今回も美味しい]
(170) 2018/05/18(Fri) 01時頃
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ん? あー、持ち主知ってるならお願いします。 迷子じゃかわいそうだもんね。
[ひらひら泳ぐ紙の魚は聖餐と引き換えに。 ふと、聖書を持ち歩く男の手に渡る魚を覚えば頭の奥に過るイクテュス。 栞とケヴィンの間、泳ぐのはこちらの視線。 結局は、それを差し出す。 受け取った二本を抱えなおしながら]
…先輩のその調子だと、きっとフェルゼは調理室にはいないよね。
[そうでなければ自分に二本渡すとは思えなかったので]
(171) 2018/05/18(Fri) 01時頃
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[そう、迷子はかわいそうなのだ。 魚も、親からはぐれた子供も、迷える子羊も。 パンを抱えなおしたとき、ごく小さく響いた金属の音]
(174) 2018/05/18(Fri) 01時頃
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そっかー、じゃあやっぱりちょっと探すしかないか。
[まあ、そこまで行動範囲が広くない相手を探すこと自体はそこまで難しくはないだろうと高を括る。 かなりの確率でいる場所といえば、自分がすっかり寄り付かなくなった四阿だから。 久しぶりに満月の下でピクニックと洒落こむのも悪くはないだろうし]
毎度ごちそーさまです。 また新作作ったら何卒。何卒。
[パンのお恵みを。 栞の魚をあずけた男>>191を拝み倒してから裸足であることもわすれて進行方向は中庭へ踏み出せば青芝の力強さが足の裏をくすぐった**]
(194) 2018/05/18(Fri) 02時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2018/05/18(Fri) 02時頃
[ 隠されたものは暴きたくなる。
美しいものは穢したくなる。
完成したものは壊したくなる。
嫌われているのなら、もっと。
好かれているのなら、もっと。
胸に渦巻くのはいつだって
背徳的なことばかり。 ]
[ だから、モリスの彫る作品を受け取れない。
美しく完成したものは、ぐちゃぐちゃに壊したくなるから。
だから、ケヴィンには容易に近付く。
この香りに酔わせて、震わせたいから。
だから、花を咲かせる。
花を慈しむんじゃない。
手折るために。 ]
[ シャワー室には、数枚。
どこから落ちたかわからない薔薇の花弁が、ふたつ、ひとつ。 ]**
―――― 俺は、誰なんだろうな。
[途切れたはずの呟きは、胸の奥で抱えられた結果、ほろりと零れ落ちる*]
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―中庭―
[月の明かりが落ちてくる。 煌々と冴える明かりも好きだが、どちらかといえばふんわりとその光が仄かに霞を描く朧月夜のほうが好きだ。 冴えすぎる光は、誰かの秘密を暴いてしまいそうで。 さくさくと芝を踏む音を立てて、足は進む。
ふと、誰か>>205に名前を呼ばれた気がして視線が、動きが、動きを止める]
(217) 2018/05/18(Fri) 12時頃
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なあ、フェルゼ知らないか?
[抱えた聖餐は二本。 それからチョコレートの包みがひとつ。 幾ら自分たちがそこそこの食べ盛りとはいえ、そこまで頬袋も胃袋も大きくはない一人が全部食べるには多すぎる分量。 見当をつけても外れることはあるから、少しでも引き当てる確率を上げておくに越したことはない。
モリスと自分の距離は開いたまま。 結局は自分の勘に頼るしかないのだろうと手を振って東屋へむかう。 勘というよりは、脈、かも知れないが]
(218) 2018/05/18(Fri) 12時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2018/05/18(Fri) 12時頃
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ー東屋ー
[さらに足をまだ進める。 月のうつくしいよるに薔薇の垣根を越えるのに抱えているのはパンとチョコ。 風情なんてものはなく、ただの食い意地が露呈しているだけ。
マーク>>166は、まだそこにいただろうか。 今年の初め、この年齢の割に背の高い後輩を、最初は編入生だと思っていた。 まさか去年までの中庭の眠り姫だなんて最初は一致しなくて。 彼のそのスタイルもあって、まあこちらからは知っているという程度。 学年が二つ違えば、意図的に関わりを持たねば入ってくる噂なんて風のそれ。
言葉を交わす余裕が彼にあるなら、やはりフェルゼの所在を知っているかを尋ねるだけなのだけど*]
(219) 2018/05/18(Fri) 12時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2018/05/18(Fri) 13時頃
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ー東屋の側ー
…ん? 俺じゃないほうがよかった?
[誰かと待ち合わせでもしていたのだろうか。 マーク>>236の言葉に少し首を捻る。 まあ、こんな月の明るい夜ならば寝台を抜け出して誰かと遊びまわりたくもなるだろう。 高々二つとはいえ、有り余る若さはきっと彼のほうが多いと勝手に推測する]
ああ、やっぱりあそこにいるのか。 解りやす。
[扉のあるほうを見る。 まさか、尋ね人以外にも人がいるとは思ってもいないが]
(276) 2018/05/18(Fri) 22時頃
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…凹む?フェルゼが? おっけ、わかった。 なんかあったら伝えとくけど?
[それをマーク>>237は自分のせいだという。 どういうことなのか、今来たばかりの自分は首を捻ることしかできなくて。 ただ、目の前の後輩もどこか自分には凹んで見えたから、彼が何か言い残すことがあるならそれを預かるつもり。 本人同士、面と向かっては言いづらいこともあるだろう。 その背中を見送りながら、ぽつり]
…ま、俺の言う事じゃないか。
(277) 2018/05/18(Fri) 22時頃
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[音楽を手放そうとしている理由を言わないせいで、何処か自分たちの関係が拗れていることくらい自覚している。
月を見上げればやはりそこには煌々とした光。 いっそ曝け出したほうが楽なのかもしれないと、惑う思考は薔薇の香りのせいなのか。 とめた足を再び動かし歩きだせば、再び芝を踏むさくりとした音]
(278) 2018/05/18(Fri) 22時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2018/05/18(Fri) 22時頃
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ー絲ー
[愛していた。 それを若さ故の感情だと、過ちだったと、少女が言おうと。 赤い絲を信じていた。 愛していたから、愛しているから。 そんな言葉>>144を聞きたくなかった。
彼女が永遠なんてなかったというのなら、自分が永遠にすればいい。 大切なものを、ひとつ、またひとつ、盗りあげてやればいい。 優しい彼女はきっと苦しむ。
そうやって、苦しんで、もがいて、嘆いて、自分を思えばいい。 狂った愉悦は、ほんの少しだけ感情を満たした]
(304) 2018/05/18(Fri) 23時半頃
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[愛しいから、許さない。 苦しいからから、憎み続ける。 この、黒い絲が永遠になるまで*]
(306) 2018/05/18(Fri) 23時半頃
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ベネットは、オスカーが東屋から出てきたのを見つけてあからさまに嫌そうな顔。
2018/05/18(Fri) 23時半頃
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ー東屋ー
[マークから預かった伝言>>289に作る指のサインは了解。 自分でよかった、という言葉の意味に首を捻る。 特別彼に何か恩を売った感覚はないし、何がどう作用して彼の中でよかったという判断になったのかもベネットには理解しえない。 ここで確実になった尋ね人の居場所へと向けた足は内側から扉が開いたことに聊か驚いた。 中から出てくるのはてっきり淡い色の同級生だと思っていたので]
(311) 2018/05/19(Sat) 00時頃
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……何でお前がいるんだよ。
[おっと、うっかり声に出してしまった。 フェルゼがそこにいるとしか聞いていなかったので、オスカー>>273が出てきたのを見て出てきた言葉を包み隠す余裕がない。 しかも相変わらずの顔で笑うものだから、こちらからすればさらに感じが悪い。 だから、こちらから引き留めるなんてことはもちろんしなかった]
(312) 2018/05/19(Sat) 00時頃
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