人狼議事


240 なんかさ、全員が左を目指す村

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 生まれてくるのは、男の子かな。女の子かな。
 僕と理津どっちに似るんだろう。
 楽しみだな。

[招集を受けた時は、祖父を喜ばせられればと思っていただけだったのが。
今はそこに息づいたばかりの彼の子供が、どうしようもなく愛おしい。
とはいえ、彼が産むことになった時のことを忘れたわけではない。

 ……ねえ。やっぱり、子供は君が育てるのかい?

[一度言ったた引かなさそうなのは、わかっている。
確認してから、うーん、と数秒唸って。]



 あのさ、一つ提案があるんだけど。
 理津が子供を引き取るっていうなら
 僕が、子供ごと理津をもらうってのは、どう?

 僕も仕事があるから子育て出来る時間は限られるけど
 幸い、お金だけはあるからね。
 ベビーシッターを雇えばいいし、
 それなら理津も学校に通えるよ。

[最終手段で弁護士を立てて親権争いなんてのはできればしたくない。
睦言にしては現実的で甘さが足りず、やっぱりムードの欠片もないのは諦めるとして。

今、己が本当に言いたいことはこれではない。]


[彼の空いた手を取り、指を絡めて。
顔の前まで引き上げれば、瞼を伏せ。
もう一度その指先に唇を落とした。]


 言っただろう。僕は理津の全部が欲しいんだ。
 これから先も含めて、全部。

 僕に、理津と。
 生まれてくる子の責任を取らせて欲しい。*

 


[指輪が用意できるならすぐにでも贈るのに。
順序もへったくれもありはしない必死のプロポーズは彼に届いた否か。

そんな事後の部屋の空気を破るように、徐に部屋の扉が開かれた。


 ………………………。


[あれは隣の部屋のガチムチ系男。それも半裸。
無言で何事もなかったように再び閉じた扉を見つめて。
一言ぽつりと。]


 ……ああいうのが好みなんだよね。


[彼の言葉を真に受け。
扉の向こうに消えた筋肉隆々の身体と己とを見比べ、ジム通いを検討すべきか真顔で呟いたのだった。]*


[シュウロの腕を枕に、汚れたシーツの上へ横たわりながら。
荒い呼吸を繰り返すのは、全てを欲しがる我が儘な男が。
本当に貪欲なまでに、理津の全てを根こそぎ喰らい尽くしていったからだ。

汗ばむ額に触れる指先を知覚して。
閉じていた瞼を開ければ、満足という一言に尽きる表情を浮かべたシュウロの顔が間近に迫り。
開いたばかりの瞼を再び閉じて、やわらかく眉間へ触れた唇を受け入れる。

眉間から始まった優しすぎる口付けの雨は幾度も降り注ぎ。
微かな笑みを浮かべる唇を終着点にした。]

 ………足りないって…
 何回したと、思って…

[絡め取られた足。
太腿に擦りつけられる熱源に、くらり…として目元を覆う。
スプリングのよく利いたベッドの上で目眩を起こすのはこれで何度目だろうか。]


[シュウロの視線が下を向くのに気づいて、後を追うように理津の視線も下を向く。
そこにあるのは、薄く平らな自分の腹。
本当に、そこに自分以外の命があるのか疑問に思う。

男として生きて来て23年。
バライラ因子が発見され、Birth Liberty計画が実施されて早十年
まさか自分がその計画に巻き込まれて、子を産むことになるとは思わなかったけど…。]

 さぁ…
 どっちでもいいんじゃない?

[若干無気力気味な声は、幾度も重ねた疲労故に。
ただ、自分の腹を見下ろす目だけを微かに細めて。
向かい合う男が父性を自覚し始める傍ら、母となる理津に、母性の目覚めはまだ遠い。]


 ………ん?
 …うん、まぁ……。

[尋ねられて、曖昧に返事を濁す。
あの時は啖呵を切ったものの、実際に大学生である自分が一人で赤ん坊を育てられるかと言われれば、非常に謎だし不安の方が大きい。

今更、やっぱり無理だとシュウロに丸投げしてしまっては呆れられ…、いや、嫌われるだろうか…。

唸るシュウロを前に、不安に目を伏せ。
卵とやらが有るか無いかも分からない腹をそっと撫でる。]


 ………え?

 あ、………は……?


[そんな状況で提示されたのは、あまりにも理津にとって都合がよすぎる提案
これが部屋へ入ったばかりの頃であれば「馬鹿にするな」と一蹴して終わりだっただろうが。
困ったことに今の理津には、断る理由がひとつもない。]


[腹を撫でていた手を取られ。
瞼を伏せたシュウロが、誓いを奉げる騎士のように指先へ唇を落とす。


 ―――………っは…


[言葉や感情よりも先に、ただひとつ零れた吐息。
本当に、見た目のいい男は狡い。
なにをしてもさまになるんだから。]

 責任とか、世間体とか。
 そーいうのを気にして言ってるんだったら、俺はいらない。

 どうしても、子供だけ欲しいって言うんだったら…
 考える……けど…、

[絡めた指先に、少しだけ力を込めて。
真剣な眼差しを向けるシュウロから視線を逸らしたのは、ほんの少し、続きを言う事に勇気と決意が必要だったから。]



 浮気と二股。
 絶対しないって約束してくれるなら…

 もらわれても、いい…よ…?


[順序もへったくれも無い、シュウロの必死のプロポーズに。
もうふたつ、条件を付け足した。*]


[ピロートークと言うには色気もムードもない会話の切れ目に、音もなく扉を開いて現れた闖入者

目が合って数秒の沈黙の後に、お隣さんとは違う部屋へ入って行ったガチムチ系おっさんの片割れは静かに部屋を出て行った。

一体なんだったんだろうと冷静に思う理津に、羞恥や憤怒の色はない。
なにせ普段からモデルのアルバイトでヌードやセミヌードを披露しているのだ。
真っ最中でもあるまいし、男同士で裸を見られたからといって何がある。

ただシュウロの方はそうでもないらしく…

 ん……?
 あぁ、うん…。結構好み。

[好きか嫌いかで言えば好きだと、若干間の抜けた調子で答える。石膏像の肉体美など何時間眺めていても飽きが来ない。

出産(?)までの一月をここで過ごすのだという事を注いでのように思い出し。
もしおっさんさえよければ、その見事に鍛えられた男性的な肉体をデッサンさせてもらえないだろうかと。
トランクの中にあるスケッチブックを思いだして悩む理津が、シュウロがジム通いを検討し始めたことなど知る由もない。*]


【人】 親方 ダン

[身重となる大切な吾郎を俵担ぎになんて出来ないし、
おんぶをすれば子供じゃないと駄々を捏ねられてしまいそうで。

結果、選んだお姫様抱っこにやや不満げな顔。>>34
女扱いだなんて、とんでもない。>>35
愛しい相手に情を寄せての動作を、高が異性に向けるものか。]

 ……どうかしたか?

[びく、と硬くなった体に視線を下ろせば、
はくはくと金魚のように口を開閉するだけの吾郎。>>37
上司に全裸でお姫様だっこされたのを見られたのが嫌らしい。

腕で後孔付近を覆い、見られないよう配慮はしたのだが、
見られたという衝撃はそんな配慮すら吹っ飛ばすようだ。]

(46) 鯖 2015/11/16(Mon) 01時頃

【人】 親方 ダン

[水柱が上がった余韻で浴槽の外にと溢れ出た湯は、
宛ら世界再生の大洪水──…と呼ぶには水量が物足りないが。
祝福の喇叭を七度吹き、溺れる羊を救えば問題がどこにある。

人を射殺す視線を受けても物ともせず、>>41
神の眷属が相手を放った両腕と違い、此方は確り掴んでいる。]

 歳を考えろよ、老けた面しやがって。

 ……………俺だって、見せつける趣味はないな。
 後で拗ねられるのもごめんだし、見せるのは勿体無い。

[死滅するのは子種より先に、毛根かもしれない。>>41
大丈夫、禿げても問題のない顔の造りだ。
腕の中に吾郎を隠すように引き寄せ、
意気揚々と頷く顔に嘘偽りは一切合切浮かべてやらずに。]

(47) 鯖 2015/11/16(Mon) 01時頃

【人】 親方 ダン

[背後から、再び聞こえる水柱が立つ音。>>44
痴話喧嘩は犬も喰わんとそちらに視線を向けてやらないが、
奴等の子にはしっかりと今日のことを耳打ちしてやろう。

お前らのパパとママは仲が良くて、初めて会った日にも
風呂場ではしゃいで滑ったくらいなんだぞ──…と。

それが嫌なら改装費をポケットマネーで弾め、守銭奴。
くく、と上がる口角は悪魔が裸足で逃げる悪辣さが滲み、
素っ惚けた顔で伴侶に擦りつくのであった。*]

(48) 鯖 2015/11/16(Mon) 01時頃

【人】 親方 ダン

[そうして、真っ直ぐになった吾郎の濡れ髪を背後から堪能し、
自分の体で囲った彼に逃げ場などあるものか。>>37]

 何って、吾郎のことばかり考えている。

[少しだけ、と触れた手が理性を失ってしまうのは致し方ない。
シャワーから湯を出しっぱなしにして水音で声を掻き消すが、
跳ねた声は小さく反響し、向こうにも届いてしまいそうで。

指先で突起を押し潰されながら、
それでも健気に潤んだ瞳で睨み付けてくる。>>38
ゾク、と快感が背を駆けるのは己が節操なしだからではない。]

(50) 鯖 2015/11/16(Mon) 01時半頃

【人】 親方 ダン

[── だが、同時に見過ごせない感覚も消えてはくれず。
手を出すのをやめろと訴える吾郎をきつく抱き締め、
下肢を擦り寄せるのだけは何とか耐えながら。

耳朶を口内に含み、落とす囁きは彼だけに向けたもの。]

 なぁ、吾郎。

         ───…抱いてくれって言ったら、呆れるか?

[じくじくと熱を持ち、疼きを訴えるせいもあるが
吾郎が今まで抱いた男達に、どんな表情を見せたのかと。
抱かれて快楽に啼く姿だけでは足りないだなんて、
強欲すぎて嫌われないだろうかと肩口に顎髭を押し付ける。

きゅう、と眉尻を下げて駄目かと懇願する姿に
威厳もなければ、男らしさの欠片もなかった。*]

(51) 鯖 2015/11/16(Mon) 01時半頃

【人】 親方 ダン

[吾郎の声が掻き消されずに済んでいるのは、
この距離と、意識を一心に向けているが故に。>>56

睨み付ける瞳の奥で情欲がちらつき、淫乱、とつい囁いて。]

 ……あの変な飲み物を、飲んだせいだ。

[抱くのは俺だと押し通してから日も跨がずにいるのだから、
認めようにも認めきれず、飲み物のせいにして。
洗い立ての髪を撫でる手に、おずおずと頭を擦り付ける。>>57

視界の端に、既に臨戦態勢を取る雄を捉えると溜め息を吐き、
どっちが好き者だか、とベッドでのやり取りを掘り返した。>>3]

(59) 鯖 2015/11/16(Mon) 19時半頃

【人】 親方 ダン

[顎を掬う指に抗わず、自分の体で背後からの視線を遮り。
口付けを交わす唇に漏らすのは、もどかしげな吐息。]

 横抱きに出来なきゃ、抱く資格はねぇのか?
 格好良いリードとか要らねぇよ、格好悪いのも吾郎なんだし。


 …………うっせ、あたりまえだろ。ばーか。


[ぞわりと肌が粟立つ感覚は、嫌いじゃないが。
威圧のない罵倒をしたくなる気持ちが、よく分かった。
こそばゆくて、恥ずかしくて、悪態を吐かねばやってられん。

居心地の悪さに、体を小さく身動がせば伸びてくる悪戯な手。
湯で濡れた窪みを叩かれた瞬間、背が弓なりにしなり。]

(60) 鯖 2015/11/16(Mon) 19時半頃

【人】 親方 ダン

[─── ゴッ!]

 ヤるなら、部屋に戻ってから、な。

 一人で立てない癖に調子に乗るな。

[それは、場所や自分の立場を忘れきった男への制裁。>>58
頭突きした額はじんじんと痛むが、構うものか。
それでも痛がる姿にはやりすぎたかと反省し、
キスの雨を降らせて吾郎の曲がった臍を整えよう。

表面を触られたせいで増した疼きは頭が眩むほどで、
やっぱ抱かない、なんて言われた日には卒倒してしまう。

体に残っていた泡を流して落とし、手早く髪を乾かせる。
着替えは脱衣所に用意されていたが、袖を通すこともなく、
己が全裸な以外は行きと変わらない格好で部屋にと戻って。]

(61) 鯖 2015/11/16(Mon) 19時半頃

[せいやっ、と勢いを付けて吾郎をベッドの上に転がした。
その横に倒れ込むと、まだ湿り気の残る髪を掻き上げる。]

 ………………、

[なんと言って良いか分からずに、口を開けてから閉じ。
吾郎の腹に手を伸ばし、膨らんでないそこを優しく撫でる。]

 あー、妊娠してるだろう、から、
 あまり無茶とかは、するなよ。

 ───…もう、吾郎一人の体じゃないんだから。

[言ってから、実感と羞恥が交互に襲ってきて、
みるみる赤くなった頬は目の錯覚ということにしてくれ。*]


 ―――へッ !?

[ベッドの軋む音が一際大きく鳴り響く。
仮にも身籠る身体がディーによってベッドへと勢いよく転がされる。
その横へまるで悪びれもなく身体を沈めるディー。

髪を掻き上げる仕草は可愛いと言うよりは格好良いと言うべきなのだろうか。]

 人をベッドに転がしといてその台詞を言うのか……、まぁディーらしいけど。
 んじゃ無茶しねぇように上に乗ってもらおうかね?

 ――――わかってるよディー、俺とディーの子だからな。

[ディーの方を見れば目の前で顔を真っ赤にしているではないか。
此れは此れでもの凄く可愛いものを見れたな、と口許を緩ませて。
ゆっくり身体を起こしながら彼の上へと覆いかぶさる。]


 俺、優しくは出来ないかもよ?
 ヤられたことは倍返ししないと気が済まないタチでね。

[フン、と愉快に鼻を鳴らして顔を近づけ鼻を甘噛みする。
容赦なく何度も己の身体を貪ったからには、倍ぐらいヤり返さなければいけないなと。

俺の欲が早く突っ込みたいからと言う我儘を彼のせいにして優しくしないと言うのは致し方なし。
ちゅ、と頬へリップ音を立てながら数度口付けを落として、
己の両方の五指を彼の五指へと絡ませて、暫し彼を見つめながら。]

 ディー、愛してる。
 お互いの子を一緒に産んで、一緒に育てようぜ?

[耳許へ唇を寄せて甘く囁いて。
彼の希望も俺の希望も両方叶えばもう言う事はないだろう。

後は愛に溺れるだけの事だから。**]


[まだ触れ足りない。
けれど、同じくらい彼も大事にしたい。
理性はシーツに沈む身体を労ろうとするけれど、まだ収まらない煩悩は足を絡ませて触れる肌の範囲を少しずつ増やしていく。

年上の自分がこんなじゃだめだろう。
疲労が滲む掠れた声一つでまた貪りたくなるのを耐えて。

煮えきらない返事に、やっぱりそうかと早合点を。
畳みかけた提案に返ってきたのは、拒絶ではなく。戸惑い。
期待しても、いいだろうか。
この先を告げても、この手が振りほどかれないことを。
僅かな緊張で、鼓動が早くなるのを感じながら。

微かな吐息に、指を絡めたまま息を詰める。
握り返される指先に、祈るような想いで瞼を上げれば。視線が逸らされ落胆した。

けれど。]




 ………え。


[了承の言葉と共に付け足されたのは、条件。
それの両方とも己にとっては、考えつきもしなかったもの。
必死だった分だけ気が抜けたせいで。思わず聞き返すような声を漏らしてしまい、慌てて釈明する。]

 違う違う。
 どっちも考えてもいなかったから驚いただけで…っ。

[本当にそれだけでいいのか。
彼の目を覗きこむように見つめて。ふ、と頬が緩んだ。

絡んだ指を押しこみ、硬く握るように繋ぎ直し。
背に回した腕に力を込めて、もう一度強く抱き締める。

その約束が、彼にとって言葉にするほど大事なものなら。
己も同じように、大事にしよう。]




 約束する。
 浮気も二股も、絶対しない。

 だから理津を全部、僕にちょうだい。
 僕も全部、理津にあげる。


[曖昧さを取り払った『全部』が、彼に伝わればいい。]*


[色気もムードもないとしても。
実質新婚ほやほやの雰囲気に割り込む闖入者。
元より人の視線には慣れている。
腕の中の彼と同じく、真っ最中でもなければ。向けられる視線に邪なものが混ざりらない限り、平然としたものだが。

ただ彼の口から聞こえた答えだけは。
わかっていても、面白くなかった。]

 ……ふぅん。
 そうなんだ。

[思いの外拗ねた声が零れてしまったことに、ハッと気づいて。
なんでもない、と鬱血が散る彼の首筋に顔を埋めて誤魔化そうとした。

好みの対象が石膏像であることも。ヌードモデルのアルバイトのことを知るのも。
アルバイトを断らせるために彼の身体に定期的に痕をつけたがるようになるのも。

全ての真相とその顛末は、もう少しあとの話。]*


[涙ぐむ姿が嘘泣きだってことくらい、分かっている。
それでも甘やかしてやりたくて、静かに唇を寄せた。

その一方で身重だと気遣う体を放り投げるのだから、
呆れられても、見捨てられても、文句も言えない。]

 いや、その。
 ……乗れって言って、その行動はなんだ。

[照れ隠しだ、分かれ馬鹿と緩み切った口を睨み付け。
覆い被さって来た体に心臓が跳ね、肩を震わせた。

もっと屈辱的な想いをすると思っていた。
だが、実際、こうして押し倒されてみると照れ臭さや
むず痒さはあっても、嫌な気がするどころか、むしろ。]



 その時は、その時だ。
 体だけは頑丈なんだから、手加減せずに来い。

 吾郎の全てを受け止めてやろう。

[噛み付かれた鼻に、くく、と喉を鳴らして片目を閉じて。
復讐に燃える吾郎を煽るように、腰を太腿で撫ぜてやる。

たかが上下が反転しただけだというのに、
頬に落ちる柔らかさと、絡む指の逞しさの落差に眩暈がした。
つい先程までは可愛いと囁いた吾郎に可愛いと囁かれて、
悔しいと思うよりも嬉しさがこみ上げるだなんて。]

 互いに産めば、幸せも二倍になる。
 政府から養育費をたんまりと毟り取ってやろう。

[くすくすと笑い声を共鳴させながら肌を合わせ、
激しくも甘い蜜の坩堝にただただ、落ちて行くだけ。**]


【人】 親方 ダン

[そうして、時は少しだけ流れて。
吾郎の仄かに膨らんだように見える腹に耳を当て、
胎動を聞き取ろうとしつつ、内股を撫で回す男が一人。]

 いっそ、うちの一族から離れるのも良いかもしれないな……。

[元々、緩やかな滅びに向かっていたDの一族だ。
その末端が他に移ったとて、誰一人と文句は言えないだろう。
悪魔の名を捨て、ただの人間として、夫婦として生を繋ぐ。

あるはずのない未来をこの手に手繰り寄せて、不可能を可能に
してくれた実績があるのだから、何だって出来るとも。
―――…そう、バライラ因子ならね。]

(76) 鯖 2015/11/16(Mon) 23時頃

【人】 親方 ダン


 吾郎はどうする?
 俺の名を貰うか、俺をお前に染めてくれるのか。

[五指を絡め合って、問い掛ける声はただひたすらに優しく。
どちらの答えであろうとふ、と髭を撓めて。]

 そうか。吾郎が決めるなら、それが最良だな。 

 子供の名前は既に決めてあるんだ。
 ダンテか、お前の名を借りるなら男吾郎。

[ダンテはともかく、男吾郎はダサいと笑うだろうか。
それならそれで、一緒に考える楽しい時間が増えるだけだ。**]

(77) 鯖 2015/11/16(Mon) 23時頃

【人】 親方 ダン

 ― 数年後 ―

[託児所と化したレーヴで今日も今日とて漂う、甘い匂い。
子供たちにと振舞われるタルトやケーキの端っこをかじり、
嫉妬で渋面を晒す遠戚に行儀悪く指を差しては大笑いをかまし。

御曹司と政治家の二大パトロンの甲斐もあり、
子供の玩具やお菓子、服などには困ることもなく。
付けられなかったという厨二臭い名前候補で呼吸困難に陥り、
蹲ったカウンター内でのキスで平穏を取り戻して。]

  ……幸せ、だな。

[店内には友人らの談笑に紛れ、自分の血を、
愛しい人の血を分けた元気な子供達の声が響く。
ぽつりと零した独り言が示すのは、目の前の光景と、
譲れない想いを常に持ち続けていることに対して。>>83

夢は形を変え、色を変え、ただそこに在り続ける。*]

(88) 鯖 2015/11/16(Mon) 23時半頃

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