人狼議事


103 善と悪の果実

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 もう、いない…?

[届いていた言葉。
蝶のように走り出した少女。
そして栄光の死。

――彼女が、グロリアを?

もし、そうならば。]




 ―――ふふ。
 
 


[そこには蛇もいたのだろうか。
そして昨夜のように、見ていたのだろうか。

林檎を盗み出す、アダムを。

果実を啄ばもうとする、烏を。]


[少女は秘密を守りきることに無防備だ。
感情を押さえつけることも苦手だ。

欲しいから、奪う。
邪魔だから、壊す。
善も悪も、自覚はしていない。
ただ、欲望に忠実な、心を知らない蝶のような存在。

この狂気が始まったのは何時だったか―――]




 …―― ふふっ

 


[まるでそれは、わざと聞かせているような推理。
撹乱したいのか大広間を外す言葉を用いて。

本当はすぐ傍にある。
ただ誰も、気付いていないだけだ。

足元に転がる林檎のどこかに、“それ”があるだなんて。]


[見られていることにも、聞かれていることにも気づかぬまま]

 そうだわ

[人影のない、廊下の途中で手を合わせた]

 早く…あの子をつけたいわ

[黒い蝶もいつか羽ばたくのだろうか。
それとも蛇に呑まれてしまうか。

軽やかに少女が廊下を進む頃、
薄紅の褥に眠る蝶は、乾いた血で黒蝶に*成った*]


[左手が凶器に沿う。

ふつふつと湧き上がるこの感情が何なのか、分からない。
不明瞭で、だからこそ、消してしまいたい。
僕は怯えているのだろうか。

あの、おどおどとした彼のように。]


【人】 捜査官 ジェフ

─回想・廊下にて─

[すれ違い様、再度向けられるからかいの声。
出会う相手に何か弱味でも見当たれば、その傷口に指を入れずには居られない。
そんな男なのかも知れない。
薄い笑みを浮かべる刺青の髭面を一瞥した後。]

 ── あんたが死んでくれりゃ少しは楽になるんだがな。

[冷ややかに言い捨ててから直ぐ、自分の言い草に驚く。
よほど頭に血が登ると、見境がつかなくなる事もありはしたが。

今、自分は落ち着いていたはずだ。
どんなに疎ましく思う相手であろうと、そんな言葉を吐きかけたりする事は── 、いや。

俺は、いつものままだ。
変わってなんかいやしない。

胸に過ぎった言い知れない不安を掻き消すように否定しながら。
逃げるようにその場を離れた。]

(128) 2012/09/27(Thu) 19時半頃

【人】 捜査官 ジェフ

─自室─

[広間から追いかけてきたのだろうか。
煙草の火を点けて間もなくしてから、男の部屋を訪れた少年。

第一声掛けてきた言葉には、肩越しに振り向き苦笑いした。]

 すまんな。吸いたくない煙ばかり吸わせて。

[先程の刺青とのやり取りでざわついていた胸内は、見知った幼い子供の姿を前にすると、幾らか落ち着いたようだった。

テラスで彼に構う事なく煙草をふかしていた事を思い出しつつ詫びる。
煙草を手元の灰皿に押し付けて消した。]

(129) 2012/09/27(Thu) 19時半頃

【人】 捜査官 ジェフ

 …探したところで、自分のものになる訳でも無いからな。

[肺に残る煙を吐き出しながら、一つ目の問いかけには答え。
二つ目の問いかけには、怪訝に眉を顰めた。

窓を向いていた身体を返し、少年の顔を見詰める。]

 …事故?

[問い返す男の脳裏に、蘇る遠い記憶。
あれほど、大規模で凄惨な事故は、前にも後にも無かった。
事故で死者の数さえ確かにはならず、その後の事故処理がどういう経緯を辿ったかまでは、覚えてはいない。

その頃、男は未だ警察官になったばかりだった。

実地検証のために駆り出され、向かった先で見た焼け焦げた瓦礫の山。
そこに散らばる、人間の身体の一部だったもの。
すでに人だとは判別すら難しい遺体も少なくは無かったが。

引きちぎられたように瓦礫の中に転がっていた片足だけを目にした時、当時新米だった自分はその場で嘔吐するのを堪えきれず、他の警官にどやされた覚えがある。]

(130) 2012/09/27(Thu) 19時半頃

【人】 捜査官 ジェフ

[あの研究所の名称は、今、少年が口にしたものだったろうか。]

 十年前か。
 大きな爆発事故があったのは覚えているが…、それがどうかしたのか?

[男の問いかけに、少年が答えたかどうか。

林檎を探しに行くと部屋を後にする細い足首に揺れるプレート。
テラスでも、一度目にしたそれ。

だが、その時の男は、プレートに気付く事はなく。
遠い過去に見た記憶が、それ以上蘇る事もないまま。

出て行く小さな後ろ姿を見送った。**]

(131) 2012/09/27(Thu) 19時半頃

捜査官 ジェフは、メモを貼った。

2012/09/27(Thu) 19時半頃


捜査官 ジェフは、メモを貼った。

2012/09/27(Thu) 22時頃


[警官が去った後に大広間へ辿り着いた蛇には、
烏の落とした推理を直接拾う機会はなかったが。

けれどざわめく人々の言葉端より、
彼が話していたことは伝わるだろう。


…あの夜、まさに林檎へてをかけた、
他ならぬ彼の言葉を]


…そう、昨日の夜。


――――――…栄光(グロリア様)へ、永遠のお別れを。


[見開かれた瞳は、やがて力を失った]

 ………姉様、とても柔らかかった
 あたたかかった

 …今は きっと    冷たくなってしまったのね

[諦めたように呟いた後、
意思を確認しようと顔を見たがる。
少女は蛇の意図を知らず、それでもまだ、無防備なままだった]


【人】 捜査官 ジェフ

[ドアを叩く音に、開いていると声をかける。
入ってきたのは、煙草を頼んだ使用人だった。
二つの箱を受け取った後、短く礼を言い背中を向けたが。

背後で使用人が出て行かない気配に、怪訝に振り向き見る。]

 なんだ?

「恐れ入ります…。あの―― 、お客様は、夕闇伯とはお知り合いでいらっしゃいますか」

[思いもよらぬ言葉に、数度瞬く。]

 何故そんな事を聞く?

[男の促しに、躊躇いがちだった口を堰切るように使用人が話し出す。
どうやら、広間で夕闇と刺青が昨日の続きを始めたらしい。
使用人は、数度短く言葉を交わしただけの男と伯の様子を見かけ、知り合いなのではと期待をしたようだ。

あの目立つ容姿。
少しの行動も目立つのかも知れないが。]

(161) 2012/09/27(Thu) 22時半頃

【人】 捜査官 ジェフ

 生憎だが、知人ではない。
 喧嘩なら警備の連中に任せればいいだろう。

[素っ気なく言い、再び背を向ける男に、使用人はまだ暫くまごまごとその場に居たようだったが。
やがて諦めたのか、静かに部屋を出て行った。

 ―― 喧嘩か。
知人であろうとわざわざ使用人が救いを求めてくるのであれば、派手な喧嘩だろうが。

男は階下の喧噪を思い、鼻を鳴らし笑ってから。
新しい煙草の封を切り、その一本を銜えた。]

(163) 2012/09/27(Thu) 23時頃

【人】 捜査官 ジェフ

[窓際にもたれ、暫く。
時折、眼下に現れては消えていく狂犬の姿を眺めていたが。
ふと、息を吐き室内に時計を探すが見つからず。

使用人が部屋を辞した後に脱ぎ捨てていた上着を掴む。
身に着けたショルダーホルスターに収めてあるリボルバーを抜き、なんとなしに弾倉の銃弾を確かめた。

この屋敷に呼ばれたからと持ってきた訳ではないが。
借金がかさむうちに身の危険を案じるようになった男は、出来るだけ拳銃を持ち歩くようになっていた。

非番であろうと署内の規則が厳しかろうと、今更、それを守るような身の上で無くなりつつあった男に、銃器の持ち出しに躊躇いは無い。
リボルバーをホルスターに戻す。

上着に腕を通し、拳銃を収めた黒いベルトが再び奥に隠された。]

(187) 2012/09/28(Fri) 00時半頃

[赤い意思。
殺戮の匂い。

突き付けるのは、異端者を見る眸。

重ねるのは。
重ねるのは。

僕を知った人の眸。
僕を造った人の眸。]




…貴女様が望んでくださるのならば、

私は兄にでもなりましょう。


このような、下賤な浅黒い肌でも許されるのならば。


…貴女様が望んでくださるのならば、

私は。


―――――…御守りしましょう。

レディ・ポーチュラカ。


【人】 捜査官 ジェフ

―階段―

[ひとつところに人が集まってでもいるのだろうか。
男が通ってきた廊下に人影はなく、手摺に掌をかけて見上げた階段にも、誰の気配もない。

一度、辺りを見回した後、男は広く長い階段をゆっくりと登って行く。

暫く、自室にいたままで迷っていたが。
黄金が盗まれただけではない。
殺された女主人の遺体がそこにあるとなれば、何もせずに見過ごすだけも出来なくなっていた。

正義漢などではない。
何年も警官として生きてきたのだ。
その習性のように動く頭と、脚と、そして、僅かに残る使命感めいたもの。
失ったと思おうとも、消えはしない。

男が、その部屋に辿り着くのは。

 ―― 全てが終わった後だっただろうか。**]

(208) 2012/09/28(Fri) 01時半頃






 ……――――僕をみるな
 
 
 
 
 


捜査官 ジェフは、メモを貼った。

2012/09/28(Fri) 01時半頃


 兄様………?

[手の中の蝶は、同じ血を吸うことはない。
震える手は、震える唇は]


[小さな呟きは、鈍く光る銀色の運命を絶つ。
赤の殺意をもってして。
どちらかの命をもってして。



濡れた烏の、
塗り潰された黒の、
重ねた血の、
背負う罪の、

眸を開ける頃、世界は“楽園”に変わっているだろうか―――……**]


 ……ええ

[守られることになれた少女は、花のように笑う。

家族を失い壊れた少女は
けして取り戻せない欠片の幻影にすがる他ないのだ――**]


[本質は、望まれるままに]

[共にも]

[男にも]

[女にも]

[兄にですら]


[脱皮を繰り返す蛇は、己というものがまるでないように]




…けれど、確かに、手に入れたいものがあるのだ。


  


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