人狼議事


233 逢魔時の喫茶店

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視点:


【人】 樫の樹の子ら リツ

― 夢と、それから>>5:+105 ―

[きれいなゆめ。
夕日に黒い影がくっきりと。
>>5:+104約束を守ってくれたのだと、
ひそやかに、そう思っていた。

ずんぐりむっくり、
のんびり、
あくびのおと。

だから、
そう、ちょっと、
一歩、踏み出したく、なって。]

(1) azuma 2015/08/12(Wed) 22時半頃

【人】 樫の樹の子ら リツ

―部屋>>5:+106
[このありさま、百面相だ。]

――っ、な、 なに。

[何事もないと装うのは手遅れ。
いや、もともと隠せるわけもなく。
――頬に、ふれる。
は、と、息を呑む。ほんとうに、心臓が、止まるかと。]

、  は、 ……っ…


[なにを、何を普通に挨拶を。
いや、さっきひどく動揺していた様だったのにここで大あくび。真っ赤な顔を両手で隠そうとする]

ふ、ふだんは、走ってる、すずしいうち

[ようやく答えられたのは、シーツを握り締めながらだったのだ。]

(2) azuma 2015/08/12(Wed) 22時半頃

【人】 樫の樹の子ら リツ

― ベッドのうえ>>5 ―

[触れる手がこう、なんだ。
やさしい。やさしすぎる。
無骨なくせに。]

――っ、そ、そう だけど、

[くそう、寝てると思ったのに。
いや、ずるしたのは おれか
――そうか。うん。
無理やりの納得感。かわりに死ぬほど恥ずかしい。ええい、わらうな。]

……――エフ、くるんだろ
なら、歩く

(9) azuma 2015/08/13(Thu) 00時頃

【人】 樫の樹の子ら リツ

―部屋で>>11

……ぅう

[じい、と唇を引き結んで見上げ。]

―――、見つける


ちゃんと、絶対。

[約束なのだ。それは。
頬を指先でこすられて、
赤さが増した気がする。

物言いたげに口を薄く開いたけど、うまくことばにならない。]

(13) azuma 2015/08/13(Thu) 00時半頃

【人】 樫の樹の子ら リツ

でも
今日は、歩いて、いく

……あんたと、その、
いきたいし

[伸ばされた手、
おず、と伸ばした手を重ねる。]

……、

[あたたかい、手。
もっと、もっと、と、思うのは わがままなんだろうか。はじめてのことで、戸惑ってばかりだ**]

(16) azuma 2015/08/13(Thu) 01時頃

樫の樹の子ら リツは、メモを貼った。

azuma 2015/08/13(Thu) 01時頃


【人】 樫の樹の子ら リツ

―部屋>>28

[なんか。猫になった気分。
頬を撫でられるのは
きらいじゃ、ない。]

――、…勝つし。

[負けず嫌いが顔を出す。
地味な長距離走とはいえ、これでも、アスリートのはしくれなので。]

(35) azuma 2015/08/13(Thu) 10時半頃

【人】 樫の樹の子ら リツ

[ほら、そうやって、
素直に頷くだろう、俺はそのたび一喜一憂してるんだ。
獏はとてものんびりしているから、伝わっているかどうか、分からないが]

――いい天気。

[清々しく晴れた夏空。
俺は目を細める。]

手、……恥ずかしんすけど

[言うは、言うが。
朝だし、そんなに人もいないか。言葉と裏腹で指をきゅ、と握った。この行動一つにも相当勇気が要る。恥ずかしいのは、照れるのは、本当なのだ]

(36) azuma 2015/08/13(Thu) 10時半頃

【人】 樫の樹の子ら リツ

エフ。
……昼、喫茶店行ったら
ちゃんと、コーヒーおごるから

[苦くて、うまいやつ。
フロートにも興味を示してたし、試しに飲んでみてもらってもいい。

店はちゃんと開くだろうか。
そんな危なっかしさも
あの風変わりな喫茶店の、きらいじゃないところだ*]

(37) azuma 2015/08/13(Thu) 10時半頃

樫の樹の子ら リツは、メモを貼った。

azuma 2015/08/13(Thu) 10時半頃


 − 過日のcafe & bar ≪Twilight≫ −


  いらっしゃいませ

[勤続年数は間もなく二桁を越えるが、
畏まったコテツの挨拶を聞いたのは初めてかもしれない。

彼に数テンポ遅れて、いつも通り腰を曲げる。
あのケイですら堪えているのだ。
千冬と初めてここへ来た夜のことを思い出し、
不要な揶揄は裡に仕舞っておくつもりだ――今の、ところは。]


[この店の、コテツの、秘密を明かす間。
トレイルは何も言わず、給仕に励む。

一時期落ちた客足も、また戻ってきた。
『あの悪魔、昔はもっと冗談が通じたのに』とか。
『よほど今の主人に惚れ込んでいるらしい』とか。

囁く噂が耳に届いても、聞こえないふりを貫く。
ここではそういう振る舞いを求められているから。
よもやそれがうちの店主のことだとは、夢にも思わず。

『坊主はまだ人間かい?』
なんて、全身を包帯で包み真紅の瞳孔を持つ男に尋ねられても。]

  ――勿論。俺は死ぬまで、人間ですよ

[当たり前のことだと、静かに答える。
くちびるの端に、ほんの少しの痛みを抱えながら。]


[2杯目のグラスも空になる頃。
そろそろここの空気にも慣れてきただろうか。
あまり間を置きすぎると、逆に声をかけづらくなる。

日ごろ可愛がっている(本人談)同僚にエールを送ろうと、
いかにも通りすがりに目がつきました、という態で近づき。]

  どう? 楽しんでる?
  今なら珍しい料理がたくさん食べられるよ

[ゴロウに向けて微笑みかける。
ホラーの類が苦手だという前情報は受け取れなかったが、
リツよりはストレートに驚く様は確認していたので。]

  昼に比べて、夜は薄暗いから足元には気をつけて

  尻尾とか、羽とか
  ――…目玉とか? うっかり踏まないように

[さすがにそういった落し物をする客は稀だが、0じゃない。]


 ― いつかの、夜のトワイライト ―

[その扉が男を拒む事はなく、深いグリーンは昼間と同じようベルの音と共に口を開いただろう。

ただ昼間と違う個所は、
酒の並ぶカウンターの奥の風景と、店員の服装と、揃う客の風貌ぐらいか。
馴染みの顔を見つければ、やあ、と、カウンターの奥から店主が手を振った。]


[コテツから撃が飛ぶ前に、ほどほどのところで留めて。
ごゆっくり、と笑いかける。
二人にとって、忘れられない夜になることを祈りながら。

そして――…休憩を取る前に。
厨房で鍋を振るう、もうひとりの同僚の元へと近づき。]

  あの、さ……ちょっと、
  聴きたいことがあるんだけど

[きょろきょろとあたりを見渡し、
他に誰もいない――壁に耳も、扉に目もないのを確認後。

そういや蛇の時ってどうやって音を聴いてるんだろ、
なんてどうでもいいことを頭の隅に浮かべながら、問いかける。]


[厨房ならば思いっきり笑っていられる。
 料理をしつつ、口にはタオルを当ててひたすら爆笑していた。
 やばい、腹痛い。

 トレイルが入ってきたのは分かっていたが。
 暫くは腹を抱えて笑い続ける蛇であった]


  お、……とこ同士でもさ――
  セックス? ってできるもん、なの?

[相談相手として、正しいかどうか解らない。
けれどトレイルにとって、恋人以外で
一番信頼を置き、尊敬している人生の大先輩はケイしかいない。

(ホレーショーは、近すぎて逆に言えないし)
(コテツは今、それどころじゃないし)

(千冬本人に尋ねるなんて論外)

耳まで赤くなりながら、困りはてたという顔で尋ねる。
普通の人間としての人生をサボってきたツケが回ってきていた。]*


[ぶふぉ]

[まさかの問いに、吹いた。
 笑いすぎて痛い腹筋に更なるダメージが入る]


  …………生殖目的は達せられねーけど、人間同士では、交尾は可能


[聞きたいことはこれではない気がするが。
 というか相手は妖精、だよな。あいつだよな?
 さすがに妖精の交尾方法は知らんが、人間の身体であれば大丈夫だろう。

 雄雌交尾は経験有るんだろうかと考えるも
 トレイルの女性苦手な様子を考えると謎である]


  あー……… やり方、だよな
  えーと

  蛇は、ぐるぐると相手に身体を巻きつけて、全身舐めるんだが……
  えーと


[さすがに人間には不可能なので、更に考える。

 客には男相手を好むインキュバスも居る。
 彼らの話を思い出せ、思い出せ]


  そもそもお前、突っ込む方? 突っ込まれる方?


[残念ながら人間らしい羞恥心が無いせいで
 ストレートな問いが出るのだった]


  え、ちょっと。大丈夫?

[調理の間も始終笑いを堪え、時に噴き出していたし。
変なキノコでも食べたのだろうか。

なんて心配が遅れてやってくるほど、トレイルは参っていた。

この数日。宣言通り毎晩共に眠っている。
夜中時折薄く目を開くと、そこに恋人の顔があって。
流れるような項や、熱を込めた吐息にこみ上げるものはあれど。

――…なんてぐるぐるしているうちに、答えが届く。]


  ……できるん、だ……?

[相談の相手が千冬だとは、、明言していないが明確だろう。
ケイに尋ねた理由は其処にもある。

一見、彼は自身と同じ身体の構造をしているように思うが、
精霊というのはまた違うのだろうか。と考えて。

可能ということ、蛇のやり方にほうほうと頷く。
そういえば彼の舌は長いし、その身はしなやかで器用だ。
なんて感心から。

陶器のような肌を舐めたら、どんな味がするんだろう。
なんて不埒な想像に思考が傾きかけた後。]

  ええっと……からかわれる、方?

[逆に問いかけられての返事は、
一言で言えば身も蓋も、ついでにオチもなかった。]


  ………からかわれる、方
  えーっと………


[そもそも蛇は妖精の交尾方法はさすがに知らない。
 となれば、教えるのは遊び方ぐらいだろうか]


  舐めるのは、多分皆気持ちいい筈
  そうだな、コレ――チョコとか、蜂蜜とか
  ブランデーとかもイイな

  そういうの、相手の身体に掛けて―――舐めながら、ぱくっと
  うまいし、相手も面白い反応するし、こういうのがやりやすくて楽じゃねーかな
  すっげー楽しいぜ


[にんまり。
 コアなプレイだとは思っていない蛇であった]


 …あー、

[まあ、初めてでアレはきつい物があるよね。
扉を閉めてしまった客の反応はフツーの人間の物である。と、番犬もとい番悪魔をじとりと見つめる。
一旦他の物に業務を任せ、客に断り、カウンターの奥からフロアに身を滑らせると、]

 デニスちゃん用に、
 ちょっとバージョン落としといて。

[言付と共に悪魔の頬に口づけて、客を追いかけそのまま外へ。
戻ってきた時にはもう少しまろやかな外見になっていると良いなと期待しながら。]


 デーニスちゃーん、
 なんかごめんねー?
 びっくりした?

[本人からすればビックリしたどころでは無いのだが。
走って遠くまで行ってたら困るなと思っていたものの彼は案外近くに居り、まさか腰が抜けているとは思いもせず、緑の扉からひょっこり店主が顔を出しただろう。
その後ろに銀色を確認したのなら、二人まとめてエスコート。]


[ボケか、ツッコミかという質問ではなかったらしい。
これ、と示される様々な食材や酒瓶を目で追う。]

  舐めながら、ぱくっと……?
  
[チョコは、熱そうだしブランデーは酔いそうだ。
蜂蜜ならいけるだろうか。
無意識に掌を見つめ、口元に指先を宛がい考え。そして。]

  あー……うん、ありがと
  できるかわかんないけど、…頑張ってみる

[頷き、礼を述べるとそそくさと厨房を後にした。
相談を持ち掛けておいて何だが、
これ以上続けると、火傷で済まなくなりそうというか。

仕事が手につかなくなりそうで。]


  夏場ならいい感じにチョコが溶けるから
  楽だと思うぜ……って

  あれ、これだけでいいのか?

[首こてんしつつ、トレイルを見送った。
 蜂蜜に天使の雫混ぜると良いんだぜ、と言おうと思ったのに]


[取りあえずカウンター席に押し込んで、隣はヒトに近い外見の客か顔見知りで埋めるか。
いつぞや来たゴロウより派手な反応だなあとか、ここまで驚く客も随分久しぶりだなあとか、やっぱり事前説明は大事だなあとか色々考えながら、ヴェスパタインが手伝ってくれるなら二人でデニスを店内まで運搬しようか。

まあまあとにかく飲みなさいとアルコールのメニューを差し出して、…さて彼は酔う人だったっけ。
だいぶ前のファミリアで一緒に呑んだ記憶はあるにはあるが、彼の様子までは覚えていない。]


[再び店内に戻れば悪魔はきっちりボリュームダウンしており、すれ違う際よくできましたと笑みを投げる。

こっちの混乱が収まったら、後で酒を注ぎに行ってやろうか。
離れた位置で寂しそうにしている彼に労いの酒と息抜きの雑談を贈って、店を閉めたらちゃんと構ってやると、大きな角を撫でただろう。]


(あんたのことが、だいすきだ)


 まー、お察しの通り、ウチはこう言う店なの。

 はいはい。ジン、ロックでね。
 …ボンベイサファイアでいーい?

[こういう店。と、全然説明になっていないフォローを入れて、きっとあの日のコテツ以上に説明ができていない。
カウンターの内側で店主が作るのはいつものコーヒーではなく、淡い色彩のカクテルの数々。

同業者の男にジンの銘柄を伝えたものの返答はそんなに聞いて居ない。
「あくま」「このこと」の話はちょっと分からなかったけれど、そうだよと頷いて、、
ロックでも十分美味いそれをロックグラスに氷と共に注ぎ、小皿に乗ったオリーブとクラッカーをテーブルに置い――]


 …どしたの?

[突然カウンターに飛び乗った猿に驚いたものの、見下ろす目は随分柔らかい。
ふら付く身体をそっと支えて、一応デニスにジンを差し出しはしたが、彼の好きにもさせてやろうと、基本的に止めはしない。
何やら銘柄は怪しい…というか、酷く強い物のような気もしたが。]


【人】 樫の樹の子ら リツ

[予想は正しい。
――けど、俺には
こころをよむちからは、ないので。

ゆっくり歩くことを
かみ締めるように、楽しんで。]

――そうだっけ。

まあ、夏、だからじゃ、ないか

[なんて、答えるが。
せっかくなら、
晴れてる空のほうが好きだから、そう言われるのは悪い気はしない。]

――しなないけど。

[恥ずかしさは口に出すけど、いまだ1回もいやだと言った事は、ない。そりゃ、いやじゃない、し。でも、恥ずかしいんだ。わかれ。]

(81) azuma 2015/08/14(Fri) 00時半頃

【人】 樫の樹の子ら リツ


おごられる、でも
飲む、でも
どっちでも

[飲んでくれるなら、いいんだ。

まだ知らないこと、たくさんある。
知りたいこと、いろいろ。
だから、俺は、言葉を捜す。]

――ん

[でも、それはこんな寝ぼけ眼の一言に簡単に掻き消えてしまうわけで。――嗚呼、ほんとうに。俺、ばかだ。そっとつなぐ指に力をこめる**]

(83) azuma 2015/08/14(Fri) 00時半頃

 そうそう。
 いやー、来てくれてうれしいよ。

 ウチはこっちが本業でさ、
 デニスちゃんいつも昼間沢山来てくれてるし、
 そろそろこっちにお誘いしてもいいかなーって。

[先より落ち着いたように見える男に安心すると、自分の方も酒を流し込む。
飲んでいるのは彼と同じ、ジンをロックで。

そして、猿の抱えた瓶の銘柄にようやく気付いた。
あれ、これってケイのじゃん。
スペシャルブレンドと書かれた手書きラベルをちらりと見て、まあデニス強そうだし大丈夫でしょ。と、適当さは昼間と同じ。
ちなみに、自分は飲んだ事無い。
注文されれば、氷を入れたグラスをもう一つ。]


 …大丈夫?

[あー、結構強かったかなー。香りはそうでもなかったんだけどやっぱりあっちの酒は怖いなーなんて思いながら一応の声かけはして、
ちらりと厨房の、該当酒の管理者を方を盗み見た。
やや不安そうな店主に対し、さて蛇はどんな顔をしていたか。
二杯めもその次も、注ぐのは猿に全て任せて、
任せて、飼い主は特に止めない。]


リツは、こてつがんばれこてつ

azuma 2015/08/14(Fri) 08時半頃


【人】 樫の樹の子ら リツ

―とある昼の喫茶店>>95

……あいてない

[ 俺は呟いたが、
まあ、ありそうなことだな、と思う。時間通りに開かない店はそれなりに存在するのだ。――が。 ]

昼も夜も働いてるから
疲れたの、かもな

[ そういうこともあるだろう、程度。エフをちらと見上げた。待ち惚け、のんびり。 ]

――まあ、俺、休みだし。
待つ、か。

[それも悪くないかな、と思う次第。休みの本当の理由を知るのはもう少し、後のことだ** ]

(108) azuma 2015/08/14(Fri) 08時半頃

 − 後日のcafe & bar ≪Twilight≫ −

[夏の日差しの中、只々甘く優しい愛情をたっぷり受けた後。
鏡の前、後ろに結わいた髪を確認してもう一度前髪をあげた。
仄かに赤い目尻は日に灼けたのか、あの男の熱に焦がされたか。]

あれから。
忘れる間もないほど繰り返し強請り請われ重ねる接吻は
昼夜を問わず、日々深みを増していく。
麻薬のような中毒性に思考を蕩かしながら、
黒く、時に銀の檻に囲われ亜麻色の髪を乱される度。

もっと。深く浸食されたいと募り燻る想いは、
まだ薄い殻に覆われたまま、胸の底で密かに息づいている。]

  さーて。今夜もがんばりますか

[惚けた気分を一新。
気合いを入れて、スタッフルームの扉を開けた――。]


  ……ホレさん、あれ、誰?

[澄ました顔で出迎えの挨拶をするべきなのに。
絵に描いて額に飾ったような、
如何にも禍々しい者が入口にいることに気づけば。

店長の袖を引き、耳打ちして尋ねる。
扉の中にいるのだから、赦された存在なんだろうし。
不思議と怖くはなかった。逆に怖くないのが不思議で。]

  え、……ブローリンさんなの?

[正体を聞けば、今まで随分猫かぶってたんだなあ、
なんて呑気な感想。
童話の中で悪者筆頭となっている狼を育ての親に持つトレイルは、
悪魔が人を惑わし狂わせる者だという教えについても。

――そのすべてが悪人なわけではないのだ、と。
目の前の男に、瞬時に認識を改めた。]


  いらっしゃいませ、ゴドウィンさん
  いつもとは逆ですね

[紆余曲折、すったもんだの末新たに招かれた客が腰を据えれば。
いつも通り――否、昼の3割増しで済ました顔で出迎えを。
理由はもちろん、観覧者の目線を意識して。

人間がひとりで、夜、この店を訪れるのは稀だ。
誰かと待ち合わせだろうか。勿論詮索はしない。]

  ごゆっくり、お楽しみください

[知らぬが仏、とは東洋の諺だったか。
何はともあれ、非日常に足を踏み入れた彼が
良い時間を過ごせるようにと願い、通常業務に戻った。]


[猿のブローリンは、今夜も元気いっぱい。
何やら店員の真似事をしたい風な仕草が見えても、
別段止めることがしない。
そういう面倒なことは店主に丸投げだ。ただ。]

  あれ、それって……

[見覚えのある赤い液体。
はてと首を傾げるが、ゴドウィンは普通に飲んでいる。
しかもなんだか、とても、楽しそうだ。

ならば大丈夫か、と。良かった、と。今日も鈍感さを発動。]


[――それから、数刻。
休憩の時間となれば、炭酸水の入ったグラスと数枚のクラッカー。
それからナッツの蜂蜜漬けをトレイに乗せて、
まっすぐ奥のテーブル席へ向かう。

一歩、近づく度に足元に絡まる冷気の歓迎に頬を緩ませ。]

  ……ここ、空いてる?

[からかうように目を細め、返事を待たずに向かいの席に座る。
テーブルひとつぶんの距離。
これがトレイルにとって精一杯の、公私の区別。]


[常に口にしているものより安価な酒を嗜むのを見れば、
より勤労への意欲を湧きたたせた。
同時に、見えない気遣いへの感謝と申し訳なさに目を細め。]

  おやつ、持ってきた。一緒に食べよ

[手軽に作れて栄養とカロリーが取れて、つまみにもなる一品。
掬う為のティースプーンを忘れたことに気づいたのは腰掛けた後。

とろりと琥珀色の蜜を纏うそれに、
昨夜、同僚に打ち明けた相談事と、助言が過り。
しばし見つめた後、親指とひと差し指にアーモンドを摘まんで。]

  はい、あーん

[既に遠い昔のようで、最近の記憶。
いつかの喫茶店でされたように、甘味を男の口元に運ぶ。]**


 うん。そう。ブローリン。
 一応ウチの番け…、警備員として採用だから、
 まー、怖いかもだけど、慣れといて。
 ねっ!

[一応トレイルがああいった存在に偏見が無いというのはきちんと分かっているが、
出勤してきた彼にそう伝えて、最後の「ねっ!」は背中をばしーんと叩いておいた。
そこまで痛くない筈。多分。

しかしその反動で自分の腰にもダメージが来るという事までは予想できず、結果叩いた方がよろめく事となったか。
鈍い腰の痛みは件の警備員による物で、ついでに喉の調子も少しおかしい。
痛みと、激しい営みを思い出して一瞬動きを停止させたものの、それを問われれば何でも無いと、すぐ業務に戻っただろう。
その頬をほんのり染め上げて。]


 昼営業してないと、
 近所から不審に思われるでしょ?

 まー、たまに飲みに来てくれるだけで俺は嬉しいから。
 ファミリアで沢山飲ませてもらったし?
 今度はこっちが。と思って。

[デニスと話しながらも手元は忙しなく働き続け、昼間のだらけっぷりが嘘のよう。
途中途中で注文を承ると、酒瓶を、ミキシンググラスを、シェーカーを手に取り、グラスの中に鮮やかな色彩を咲かせていく。
オレンジジュースが鮮やかな黄色いカクテルの名は、パラダイス。
それを注文した客は、ファミリアのマスターとも顔見知りである「昼の喫茶店の常連」だったのだが、ああも風貌が変わっては分からないだろうなと、全てを知る店主は静かに笑って。]

 ――俺?
 さー、どうだろうね。
 アッチから見ればお仲間じゃないだろうし、
 デニスちゃんからしたら、人間じゃないと思うよ。

[ヒトだけど、ヒトじゃない。
ヒトのままで何やら微妙な立ち位置に添えられた新米の黒魔術師は、そう、笑って、今は普通のカクテルを振る舞うだけ。]


[だが彼が猿にキスしたとなるとその笑みも崩れる物で、驚いた顔は一瞬の事。今はよじ登ってきた猿を指先で撫でて、]

 …。

[何やら何とも言えない顔をしていた。
つまりは、嫉妬である。**]


[新入りの店員、もとい警備員についての説明に。
そういえば以前ケイもそのようなことを言っていたと思い出し。]

  や、怖くはないけど
  だってブローリンさんでしょ

  ……って!何すんのホレさ……
  ホレさん? どしたの大丈夫?

[猿のブローリンにおやつを強奪されたことはあるが、
不要と伝えたのにきっちり代金を払ってくれた、義理堅さとか。
これまでの彼との関わりを振り返れば、
本性や容貌を知っただけで敬遠するなんて無理なことだ。

実際痛くはなかったが、
背を叩かれた勢いのままよろめき、抗議しようとして。
何故かホレーショーの方がより体勢を崩していればきょとんと。]


[そういえば昼は臨時休業だった。
普段より喉の調子も悪そうで、様子を伺えばはぐらかされた。]

  ケイのあれ、飲んでおきなよー
  あんたひとりの身体じゃないんだから

["あれ"とは以前病に冒された時に無理やり処方された酒で。
後半は従業員を抱える雇用主に対してのものだったが。

言葉尻をどうとらえるかは、本人次第。
恋の病の特効薬は、蛇酒よりもっと甘く激しく、
時に痛みを伴うことをトレイルはまだ、知らない。]*


【人】 樫の樹の子ら リツ

―昼>>111

―――、そだな。
夜型、っていうのとか
夜、働いてる、とか

[――あとは、と。
思い浮かべて
ちょっと下世話、夜の街。
咳払いひとつ]

……待つ?

――どっか、時間つぶし
なんか、することあるなら、いいけど

[――なんて、うん、一緒に、いたいだけだ]

(118) azuma 2015/08/14(Fri) 21時半頃

[決して広くはないホール。
あちこち行き交う間も、その一角は常に意識に在った。

澄ました店員の顔は、
目線を揃えれば恋人のそれに変わる。]

  そう。休憩と――充電

[甘い食べ物は身体を、甘い声はこころを癒す。
今飲んでいるものとも、きっと合うはずだがどうだろう。]

  いいから、……ッ、…

[日頃漏らしている不満が返ってきても、素知らぬ顔。
覗く舌が、指ごと実を口腔に取りこめば
自然と己のくちびるも開き。

甘い蜜はすべて拭われ、濡れた指先に息を飲む。
こんな艶めかしいこと、こども相手にできるわけがない。]


  ――…ん。ちょーだい

[清潔になった指を名残惜し気に擦り合わせ、
喉仏が上下する僅かな動作に吸い込まれるように。

珍しく血色のいい頬の理由が、
アルコール以外にあればいいと願いながら。
待ちきれないと、身を乗り出し瞼を伏せる。

本当に欲しいのは、ナッツでも蜂蜜でもないから。
差し出す手首を捉え、ちゅう、と指先に吸付く。


成程。確かにこれは愉しくそして――気持ちいい。]


  あ、まい。ね

[ぺろりと。自身のくちびるを纏う蜜まで舐めとって。
癖になりそう、と笑いながら零す吐息は
酒精を纏っていないのに、熱く、重い。]

  まだ、もう少し仕事あるから
  ――その酒の味は、後で。教えて

[示す先はグラスでなく、つい今しがた己の指を食んだ、それ。
戯れを交えた休憩はあっと言う間に終わりを迎え。

洗い流すのを惜しむように、炭酸水をひとくち含むと。]

  ごゆっくりどーぞ

[まだ半分ほど残った発砲水をそのままに、席を立つ。
去り際、美しい銀糸を摘まみ掠めるようにくちづければ充電完了]
**


【人】 樫の樹の子ら リツ

―昼>>121

――そうなんだけどな

[寝ないやつもいる。
人間は、不可解なのだ。
首を捻られてたが
説明をしなくてすむなら]

――と、とかは とかだ。
こう、ええと

[促された。どうしよう。]

―――そういうの、あるん、だよ。夜、することとか

[だめだこれ説明になってない。
やりたいこと、が見つかったらしいエフに引かれるまま、向かった先は公園。]

(123) azuma 2015/08/14(Fri) 23時頃

【人】 樫の樹の子ら リツ

― 公園>>122 ―

……こっち、って?
あんた、ここで寝るんじゃないのか

[なんで俺に座らせるんだ――あれ?]

――ん?え?ぁ?え?

[もしかして、それは。
膝枕と、いうやつなのでは。
混乱しているうちに
まさにその、状態に、なった]

――ぇ、あ、う、うん?うん、わか、って、お、おい

[おろおろ、してしまう。顔が熱いのは気温のせいだけじゃない。ぜったい。]

(126) azuma 2015/08/14(Fri) 23時半頃

【人】 樫の樹の子ら リツ


俺は、夜は、ちゃんと眠いから。

[>>129 獏なだけに
夢が少なくなるのは
死活問題なのかもしれない。]

俺?

   おれ、俺は、――見ないわけじゃ、ない、けど

[好奇心たっぷりの目で聞かれた。]

――べつに、たぶん、おもしろく、ないぞ

(131) azuma 2015/08/15(Sat) 00時頃

【人】 樫の樹の子ら リツ


――か、かたいんじゃ、ないか。

[女とはちがうし。
ほんとうに、
これでいいんだろうか。

見下ろす視点は、
どうにも慣れない。
吹き抜ける風が気持ちいいけど、うまく頭を冷やしてなんかくれない。]

ば、ばか、……

[ぼそぼそと、言いはするけど。
払いのけることなんてできないし。]

(132) azuma 2015/08/15(Sat) 00時頃

【人】 樫の樹の子ら リツ

[そよそよ、
夏なのに涼しい風が吹く。]

……、エフ?

[そ、と指先で
額にかかる前髪を撫でる。]

――、ほんと、あんた、ずるい。

[囁いて、悔し紛れ。
歪んだらいけない、とそっと眼鏡を外す。――ぁ。どきり、と心臓が跳ねた。自身の口元を覆って、耳まで赤いのを誤魔化した。]

(133) azuma 2015/08/15(Sat) 00時半頃

【人】 樫の樹の子ら リツ


……夢の中なら、
あんたに、会えるし。

[は。いかん。
これでは、まるで、四六時中会いたがってるみたい、じゃない か]

見る、よ。
見る、けど、――ぉ  ぃ

[覗き見。そうか。獏は夢を渡れる。
――いかん。変な夢、見られないじゃないか。]

(140) azuma 2015/08/15(Sat) 01時頃

 だい、じょぶ、
 だいじょー…ぶ。

[明らかに大丈夫でない声と、腰を庇うような体制と。
心配する声にへろへろの返事を返して、それ以上は、もう何も説明できない。
痛む腰と、あと、尻が、こう、具体的には言い辛いのだが、腰と尻と。その2ポイントが痛くて、思い出したらまた痛くなってきたような気がして。]

 へっ!?

 ひとりっ…??!?!
 ――い、いや!俺別に――っ?!!?

[はて、彼の言う一人の身体とは?!
妊娠!?してないはず!…つーか俺男だし!!
悪魔とのアレソレで子供がどうのこうのは知る所ではないけれど、そもそもそういう器官は自分にはついてないし!ついてねーだし!!
だからそういう事はない!はず!!
そもそもケイのアレって?この前から実験を重ねまくってる変な酒?
勘弁してほしい!
っていうかトレくんには言ってなかったつもりだったんだけどバレたのかな?!]


[等々ぐるぐる考えて、でも営業中である手前口には出さず騒がず焦らず…、ちょっと焦っ、
散々焦ってワタワタして、まさかその言葉が経営者を指す等思いつきもせず、何やらひたすらな不審人物となった事だろう。
しょうがない。しょうがないのだ。
不可抗力だろう。

とにかくバレたバレてないに関しては、後できっちりトレイルを問い詰めないと。営業後とかに。

そもそもプリムラが夜(昼?)の育みをある程度セーブしていてくれればこんなことにはならない筈と、
出入り口で警備員職に精を出す悪魔をじっとり見て、見てから、また色々思い出してそっぽを向いた。
くやしい。いつか覚えてろよ。**]


[以前はコンプレックスのひとつだった、
幼子をあしらうような扱いも今は、触れ合う口実のひとつ。

互いに膨らます欲に知らず煽られ、煽りながら。
含む指は禁断の果実より蜜より甘い、倒錯を招く。]

  ん。甘露でなくて、千冬がね

[日々の活力と充実の元は愛情だ。
遠回しで意味深な請いが、正しく伝わったのを感じれば笑みを深くして。

対面に残した透明なグラスは売約済みの証。
恋人から店員に気持ちを切り替えようとする試みは。

去り際耳に届く、己の名を呼ぶ声に阻まれ。
ふやけたように緩む口元を覆い、後の業務はより一層励みを増した。]


  ホレさん、もう落ち着いた?

[業務の合間、カウンターで腕を奮う男に耳打ちする。
先ほどはあまりの動揺ぶりに二の句が告げられなかった。
一体何に慌てているのか、訝しげな視線を向けて。]

  確かにケイのあれは味は酷いけど
  効果は抜群だし

  みんな、あんたを頼りにしてるんだよ

[お大事に、と腰のあたりをぽんと叩く。
彼と、彼との情事という名の事情を知っていたらもっといい揶揄が飛ばせたのにと、全てを悟るのはまだ少し先の話か。]*


【人】 樫の樹の子ら リツ

―公園で>>145

――夜まで っていうなら。
昼寝、くらいは するかな とは

[――公園で寝るのなんて初めてだけど。
そろり、夢の中の本体――獏のからだとよく似た色をした髪に手を置いて、撫でながら思う。]

……ほんとう
へんな、やつ。

[声が随分柔らかいのに、自分でも驚く。
横によけた眼鏡をそっとタオルに包むとかばんの中に。まあ、取るようなやつもいないだろうけど。]

……――、ひとのきもしらないで

[悔し紛れにそう言った。
別に、悪いとか、そういうわけじゃ ないんだけど]

(146) azuma 2015/08/15(Sat) 16時頃

【人】 樫の樹の子ら リツ

――…おやすみ


[そよそよと、ここは風が気持ちいい。
裏腹、俺は膝枕状態で
大変落ち着かないが。

精神統一、
精神統一だと
俺もまぶたの裏に木漏れ日を感じながら、目を、閉じた。

余計に心臓の音を意識してしまったのは失敗だったかもしれない。]

(147) azuma 2015/08/15(Sat) 16時頃

 ―――とある日のトワイライト―――

[一瞬の油断を突かれ、気付いた時には消え去る特性酒
 料理の手を休め、厨房から店内を覗けば。

 すっかり出来上がったゴドウィンの姿

  って、おい、ロックで飲むもんじゃねーっての!?

[誰だよ注いだのは。
 死にはしないのは知っているが、魔術師ならまだしも初来店の人間である。
 一応状況確認と、厨房から出てゴドウィンの前へ]

  ゴドの旦那ー
  生きてっか……?

[目の前で手をひらひら]


  すっかりデキあがってんな旦那…

  まー、ダメじゃねーけど……

[そこの店主は超濃縮でも死ななかった、大丈夫。

 腰は見ての通りのようだが、それは悪魔のせいであって
 蛇わるくない]


  なに? 人外料理興味あんのか?
  ふむふむ、じゃあ、ちょっと待っとけよ


[とりあえずおつまみに、とボーンチップスを出すと、厨房へ引っ込んだ]


  インパクトより味か……?
  でもなあ、ゴドの旦那、想像以上に順応力あるからな……

  イケるか

[冷蔵庫を漁って出てきたのは、ワームの肉。
 見た目は巨大ミミズだが、味は少なくとも人外には非常に好評な逸品である。


 肉をスライスし、コカトリスの卵と小麦粉で衣をつけて。
 狐の油でからっと揚げる。
 ソースは、悪魔の血とワインビネガーに、刻んだドリアードの葉を混ぜて
 爽やかな味付けに]


  旦那、揚げ肉とかどーだ?

[どん、と目の前にワームのカツを置いた。
 そっと横にパンを置いておく。
 挟んで食べても美味しいのだ。


 人外、特に若くて元気な魔族に大人気のメニューである。
 さて、人間の好みにあうかどうか**]


  ん?
  いんの?

[猿が欲しそうにしていたので
 カツの隅っこの切れ端を幾つか載せた皿を猿に献上した。
 食べやすいサイズである]


  ワームだぜ


[疑問に、しれっと]


  味、びみょーか……?


【人】 樫の樹の子ら リツ

>>147 白昼夢 ―
[――きらきらとした木漏れ日。

ふぅわりと、
白いシーツが翻る。
干してあるんだろうか。
それにしても随分と
数が多い。]

(あれ、俺、何でここに―――)

[――名前を呼ばれた気がする。
振り返る――ああ。やっぱり、あんたか。]

(162) azuma 2015/08/15(Sat) 21時半頃

【人】 樫の樹の子ら リツ

―白昼夢―
[俺は、傍へ。

見上げる位置、
あれ、眼鏡、取ったのに。
そっか、起きた、からか。

顎を、大きな手で掬い上げられた。
顔、ちょっと、待った。
顔が、近い、――]

(リツ、――)

[笑うような吐息が、やけに甘く呼ぶ声が、俺の動きを縫いとめる。笑みを敷いた唇が、俺の唇に、重なっ―――]

(163) azuma 2015/08/15(Sat) 21時半頃

【人】 樫の樹の子ら リツ

―現実・公園―

―――  っ !!

[遠くで子供の弾けるような笑い声。
浅い眠りから俺は一気に引き戻された。

どくどくどく、と
心臓が信じられないほどの速さで鳴っている。何。何。なんて、夢]

――ぁ、

[口元を覆って俯くと
それはもう、当然のように
エフの顔がすぐ近くにあるわけで。
かああ、と頬に血が集まった。]

(164) azuma 2015/08/15(Sat) 21時半頃

【人】 樫の樹の子ら リツ

あぁ。もぉ。俺。なんて、夢……

[よりにもよって、
獏という夢に生きるエフの目の前で、転寝の挙句こんな夢]

――……

[頼むから、見てくれるなと祈る。
恥ずかしくて死にそうだ。
でも、でもだ。

触れるか触れないかで醒めた夢
感触は、どんな、ものだったか、なんて。
指先で触れようとして]

だめ、だめだだめだ、だめ

[うわごとみたいに呟いて、首を横に振る。ああもう、完全に挙動不審じゃないか。]

(165) azuma 2015/08/15(Sat) 21時半頃

  え……虫って…………あ、わ、すまん!
  そっちのワームじゃねーんだ!

[不審の目にわたわたと手を振る。
 蛇は珍しく本気で焦っていた]

  幼虫じゃなくて……地竜なんだ
  地を這うドラゴンの肉

  奴ら、すげえ栄養があるんだよ
  それは保証するし、身体に毒は決してない
  だが……本当に、すまん!

[頭を下げつつ、飲み物を持ってきた。
 人間用の牛乳とリンゴジュース。
 あえて市販のパッケージを見せ、これは普通の品だと示した]

  悪い……調子乗っちまった……


樫の樹の子ら リツは、メモを貼った。

azuma 2015/08/15(Sat) 22時半頃


  ん、すまん
  今日のは俺がおごるからさ……

  カルチャーギャップの少ない、かあ

[結局、甘いものが一番最適という事になるか。
 市販のバニラアイスを見せて]


  妖精の粉とか、セイレーンの花とか、人魚の涙とか、どうか?


[アイスを積み、粉を掛けて飾る。
 女性向けの非常に可愛らしいパフェを、そっと置く。

 女性的魅力が上がる事については
 男性ではそこまで効果は無いので黙っておくことにした]


 まあ、落ち着いたと言えば落ち着いたけど…。

[と言うのは気持で無く腰の事。
ようやく平穏を取り戻したカウンターの内側、様子はなんとか普段通りに。
妙な視線に気付かないふりをして、私は何にもシてませんよーと、手元は色々忙しく。]

 ま、まあ、効果はね、効果は…

[確かに抜群だったねと乱れ重ねた夜を思い出し、覚えたのは一瞬の眩暈。
何やらいろいろな事をしたり口走ったりした覚えはあるものの、それは今思い出すことではない!と無理やり記憶の底に押し込んだ。
そして、]


 ぐえっ、

[落ち着いてい腰は第二撃目で再び無残に砕け散り、その後の業務は暫くへっぴり腰。*]


 ― デニス来店中の、背後 ―

 おつかれさま。

[それは多分、ケイがデニスに料理を振る舞い始めて少しした頃。
注文や客足も落ち着き、厨房やカウンターを忙しなく行き来していた店主は静かにフロアの、…正確には、出入り口付近の警備員へと歩みよる。
手には二つのワイングラス。揺れる中身は、いつかの朝と同じ物。

そろそろ酒もなくなって悪魔も寂しくなった頃だろうと、自分もしばしの休憩に入ろうか。
店主は食べても居ないザクロとカツの香りをさせて、肩には彼の分身たる小さな猿。*]


 
 
[ほかの何者でもない、己かもしれないという恐怖。]
 


【人】 樫の樹の子ら リツ

― 逢魔時の公園 ―


――― ぇ。


[>>194 起きるなんて
思っていなかった。
引き寄せられて
何が、起こって、居るの、かと]

―――。

   ―――、 


[心臓が 止まったかと 思った]

(204) azuma 2015/08/16(Sun) 00時半頃

[飛び移り猿が消えるのは見慣れた事。
寡黙で無くなった悪魔を見下ろす笑みは客向けより柔らかく、他から見れば明らかな特別扱いで。多分、これで察しない周囲の方がどこかおかしい。
そんな店主モードでも膝に座れと言われたら、それなりにうろたえるのだが。]

 膝、て、
 いや、 だって、俺、重いし?

[述べる言い訳は、多分悪魔にとって何でもない事。
膝と彼の笑みを見比べて、赤と紫のワイングラスを両手に暫く座れずオタオタしていただろう、が、
再び痛み始めた腰に観念し、大人しく膝上に収まった。
大変、大変控えめに。

ぴったりと寄り添うと、また色々、思い出してしまいそうで。]


【人】 樫の樹の子ら リツ


――ぁ、ぅ

[しかめ面、なんて。
はじめて見た。]

……わ、悪い……その、えっと

[怒らせた?だめだった?
じゃあなんで引き寄せられて、その。
嫌われたかと、思うと。
背筋が 寒くなって。]

――っ、……

[しかめっ面が解けて、腕を引かれたとき。いつも以上に腕を強く掴んでしまった。俯きがちに、気まずくて、そのくせ熱くて。]

(206) azuma 2015/08/16(Sun) 01時頃

【人】 樫の樹の子ら リツ

[唇が触れた感触が残っている。
甘くて、くらくらして、
熱いのだ。

深く、5秒。
永遠かと、思った。]

――だ、だって、
夢、……俺、

[謝らないと、だって怒ってる、と思って。]

ずるい、って
夢の中で、その、……

[眼鏡返すことも、俺はすっかり忘れて。しがみ付くみたいに手に力をこめた。震えてる]

(213) azuma 2015/08/16(Sun) 01時半頃

[大の男を軽いとはどういう事だこのやろう。
と思ったものの悪魔にとってはそう気になる事では無いんだろうなと、肉付きの良い己の腰回りに一瞬思いをはせて、
はせてたらグラスを両方とも取り上げられたので観念してすっぽり膝に収まった。
刺さる客からの視線に、若干身を小さくして。]

 乾杯。

[ヒト用のワイングラスを受け取り何度か中身を揺らして、乾杯と、近い距離でまた笑っただろう。
ガラスをなぞる澄んだ音に耳を傾ければ、周囲の様子は何時しか気にならなくなっていた。

営業中で、他にも客が居るのに。なのに、なんだかオフの時みたいだ。
いけない事をしているようなシチュエーションに胸が高鳴って、ほんのり頬を染めただろう。]


【人】 樫の樹の子ら リツ


――、

[>>212 俯きがちに、頷く。
顎を引いたまま
そ と  見上げた。]

怒って、

 るから。 あんな顔、させたのか、って……

[こわい。嫌われるのはいやだ。]

(214) azuma 2015/08/16(Sun) 02時頃

【人】 樫の樹の子ら リツ

[いつもの俺なら。
エフと会う前の俺なら、
外で何するとか
真っ当なこと、言えただろうに。

そんなこと、
まるで頭に浮かんでこない。

俺は どうしてしまったんだ。
エフのことになると
こんなの、ばっかりだ。]

(218) azuma 2015/08/16(Sun) 02時半頃

[回された腕に抗議の声を上げようにも、耳元で話されては何も言えなくなってしまう。
客の前、客の前だからとじっと耐えても、頬の赤みは消えなくて。
しかし嫌じゃないのが、困った所。]

 うん?ニッポ…
 ――ああ、あれね。

[あれから。と言うより悪魔に想いを伝えて繋がり合ってからになるのだが、
あれからゴロウから借りている写真と旅行パンフレットを照らし合わせ、メモをし、季節や観光名所、行事ごとを調べ、大まかな旅行計画を練り、
…旅費に打ちひしがれ、
片手間にあちらの種族や伝承について調べ。

同時に借りた筈の小説の消化スピードが一番遅いのは、目の前の男とプライベートを二人で過ごすようになったからなのだが其れは今はどうでもいい。
全体的な進みは上々として、一先ずの進歩報告を。

合間合間に顔をそらしてキスを避けるのは、今まさに客から見られまくっているからであって、決して嫌だからという訳ではない。
迫られるたびに「後で」と小さく呟いて、その後とは勿論閉店後の事。
店を閉めた後ならいくらでもキスしていいししてやるのにと、我慢の出来ない警備員に困った顔をしていただろう。]


 あれね、今度皆で社員旅行行こうと思って。
 …行く?

[そう言えば彼も一応従業員の仲間入りをしたんだっけど、赤を傾け問いかける。
この際4人が5人になっても大して変わらない。
――残念ながら各従業員の恋人も付いて来ると言う可能性まで気付ける有能雇用主では無かったのだが。

彼も行くならプランを練り直してホテルの部屋数を調節して、俺達だけ二人部屋で、自由時間は皆と別行動で、えーっと、

…なんだかハネムーンかもしれない。
と言う事に気付けば、今度こそ本格的に顔を赤らめた。**]


【人】 樫の樹の子ら リツ

……、

[>>225 エフの語る、理由。
エフは、うそをつかない。
意味がわからないとしても
本当のことを、言っている。

人間とちがって。]

――夢の 中じゃ
あんた、ほんとは獏だもん  な


[そう、あの夢の
人の姿をしたエフは
俺の妄想で―――]

(230) azuma 2015/08/16(Sun) 12時頃

【人】 樫の樹の子ら リツ


――?ぇ。  ……

[あれ、その、妄想のエフに
ほんとのエフが怒るって、
どういう、――もしかして、ひょっとして、希望的観測が過ぎる]

…っ

[覗き込まれる気配。
ぎくり、と情けなく肩が震えて。でも、ちゃんと伝えなくては――]

い、いや、じゃ  ……ない
やな、わけ、ない

[ぎゅう、と握った手のひらが熱い。
いやなわけない。もう一回だって、何度だって――]

(231) azuma 2015/08/16(Sun) 12時頃

【人】 樫の樹の子ら リツ


あ、あんたこそ

い、いやじゃ
なかったの、か


[顔を上げたものの
照れを隠す勢いで
おそらくは真っ赤な顔で
そんなことを、聞いてしまった。]

(232) azuma 2015/08/16(Sun) 12時頃

 なら、数に入れとく、から。

[嬉しそうな顔に、愛しさが募って仕方がない。
困ったような嬉しいような赤い顔で唇を遠ざけて、しかし「後で」と触れた指先が、代わりにキスを受ける事になっただろう。

いとしい。あいしてる。
湧き上がる感情に胸を満たされ、どうしようもなく、抱きしめたくなる。

悪魔への信仰や畏れの薄い地。収めるモノも違い、漂う空気や、夜に蠢く闇も違う色。
そんな場所に不安を抱くのも無理はない。しかし自分が彼の、世界への拠り所ならば喜んでそう働こう。

腰にまわされた温もりに、そっと手を重ねる。
迷子にならないよう、消えてしまわないよう。
その存在を確かめるよう。

そして、口づけんと目を閉じ顔を近づけ、]

 プリ――…、


 ………ブローリン、
 忘れる訳ないだろははは。

[しまったまだ営業中だった危ない危ない完全に二人きりプライベートモードに入り掛けてた。
ついでにうっかり呼びかけた真名をすんでの所でキャンセルすると、ガバリと効果音でも付きそうな勢いで身を離す。
離す、離して、立ち上がろうとしたのだが、
しかし腰が言う事を聞いてくれる筈もなく、よろめき床に崩れ落ちただろう。]


樫の樹の子ら リツは、メモを貼った。

azuma 2015/08/16(Sun) 12時頃


[ぽかん。
何が起こったか分からず見上げるのはセピアも同じ。
スローモーションで上に浮き上がる周囲の風景に一瞬何が起こったか分からず、喋っていた口は半開きで、
足と尻に感じる床の感触に、周囲が浮き上がったのでは無く自分が落ちたのだとようやく気付いた。
なに?どうした?何でおれ床に居るんだ?
しかし気付いたからと言って思考が回復する訳でもなく、腰のへっぴり具合も、同じこと。

そして、じわじわくる熱と、恥ずかしさ。
だってそんな、キスしかけて腰が痛くて転ぶなんて。そもそも腰が痛いのってアレがコレの結果だし。
先とは違う意味で赤面し、目線は見上げた金から剃らせない。
正しくは、他を見れない。客からの視線が痛すぎて。

それでも発するヘルプより早く悪魔が動いたのは、幸いだったか。
現在の脳はあらゆる処理を停止させており、消えた大盛魔除けにも、抱きあげられた事にも一切反応は返せぬまま。
…が、]


 みっ、ず虫は、ないからあああぁぁぁ!!

[それだけは譲れないのだと、それだけしか返せなかったのだと、
ばびゅんと連れ去られる店主は、最後にそんな叫びをフロアに残しただろう。

体制に文句をつけ暴れはじめるのは、バックヤードに引っ込んでから。]


  オジサンとかよく言うよ
  トシとかかんけーねーっての

[ゴドウィンに向けてケラケラと笑う


  人魚の涙は……女性的魅力が上がる、らしいぜ
  まあ、オスに効くかってーと微妙かもな
  マスターにちらほら食わせてんだけど、効果あんのかね?

[ちらりと店長を伺う]

  あ、でも旦那の店の男客は増えるかもしんねーな
  女性フェロモンが増えてさ


【人】 樫の樹の子ら リツ


――、……う、ん
それって、ええと、

[ 妖怪というか、
人間じゃないやつに、
当てはまるのかどうか分からないが ]

――、し、嫉妬、とか

[ 俺の夢で、しかも本人に、だけど。
しまった、、こんなとき、
どんな顔をしたらいいか
全然分からない。
目が泳ぐ。たすけてくれ。]

(253) azuma 2015/08/16(Sun) 16時頃

【人】 樫の樹の子ら リツ

――、ぅぅ

[ 喘ぐようなへんな唸り声が出てしまった。キャパオーバーもいいところだ。真顔でいうな、頼むから――! ]

……、いやじゃ、ないから

[獏は、正直で、実直で。
だから、俺は、エフの前では嘘はきっと、つけない。
俯きがちの俺の顔に、ふっ、と影が落ちた。]

――え?、――ん……っ

[ ――、――、目を、見開く。
キス、されて、る?
狼狽えた指先が服を掻いた。握った。ぎゅ、と眼をなんとか閉じられるまでどれくらい?覚えて、ない。]

――、っ、――ば、か

[ 辛うじて悪態をつけたのは、いいんだか悪いんだか、わからない ]

(257) azuma 2015/08/16(Sun) 16時半頃

樫の樹の子ら リツは、メモを貼った。

azuma 2015/08/16(Sun) 17時頃


 そんな事言ったって…、

[こんな恰好恥ずかしすぎる。
続く文句は塞がれて、それ以上のお喋りはナシ。
抵抗していた手は何時の間にか縋りつき、せがむかのように引き寄せて、今度こそ目を閉じ、交わす甘さに溺れていただろう。

だから、抱かれ階段を上がったのも、ベッドに横たえられたのも知らないうちに。
後半は余韻の内に感じたかもしれないが思考はそれどころではなく、熱で緩む意識の隅に、軋むスプリングを微かに聞く。
離れぬ距離に腕をからませ、触れる体温に甘えていた。
後で、後で。そう我慢していたのは此方も同じ。]


 ――あ、
 ごめ、

[覗きこんだ瞳に、息をのんだ。
心配させた事に気付けば、途端にしょんぼり申し訳なさそうな顔になっただろう。
それでも熱は抜けぬまま、擦り寄って、二人の前髪の色を混ぜ合わせる。]

 …気にするかと、思って。
 言ったらもう、して貰えなくなるかな。…って、
 後悔させたいとか、そんなんじゃ、無くて、


 あれ、結構、よかった、し。
 またシた、い…し……。

[近いまま目を伏せて逸らして、言葉尻は小さくなるばかり。
朱を浮かべ、目を潤ませて、
今度こそ、この距離からは逃れられそうにない。]


【人】 樫の樹の子ら リツ

>>262――認めた。
認めたぞ、この、獏。]

――あ、う。
……あぁ、もぉ……

[ 頭を抱えたい。]

わらうな、ばか……

[ 服をぐいと引っ張る。八つ当たりだ、これ。 ]

(275) azuma 2015/08/16(Sun) 21時頃

【人】 樫の樹の子ら リツ


――、――っ

[ 上ずった息が自分のものじゃないみたいだ。 下唇を食まれるのが、こんなに、甘いなんて。嘘だろ。]

――、っ……
かわいく、ない!

[ 頭が沸騰するとは、こういうことか。胸倉を掴むけど、ろくに力が入ってないのは自分でもわかる。
時が動き出す。

ここは公園で
人の目があるかもしれなくて ]

ばか、ばか。行くぞ……!!

[ 喫茶店、喫茶店へ。
今日、変な夢見たらエフのせいだ! ]

(276) azuma 2015/08/16(Sun) 21時頃

【人】 樫の樹の子ら リツ

[いろ、含む笑みに。
これ以上はと思っていた心臓が
ぞくんと鳴った。]

……、っ、

[>>277 ど、
――どんな顔だっていうんだ。

首を傾げて、くそう、獏のときの愛嬌を思い出してあんまり怒れないじゃないか]

動物の話、じゃ、ない。
そういうことじゃ…

[ぶつぶつ言ってる。
いやほんと、そういうことじゃない。それは問題じゃない。唇をゆるやかにかむ。あのときの感覚を思い出す。]

(288) azuma 2015/08/16(Sun) 22時頃

【人】 樫の樹の子ら リツ


そ、そう、そう だな

[>>279 どもってる 
すごい どもってる。

――酒でも飲んで
こう、すっきりしたい。
なにがすっきりするか
さっぱりわからないけど。]

(289) azuma 2015/08/16(Sun) 22時頃

【人】 樫の樹の子ら リツ


―― ……なんか、
確か、コーヒーの酒とかあったから、それ

[>>291 酒を、飲みたい気分。
そんな感じなのだ。]

コーヒーフロートとか
今日、俺、払うし。

[何度も払ってもらった分。
ちゃんと、きっちり、しないと。]

……よるも。

[どきりとしたのは、きっと さっきキスされたせいだ。]

(298) azuma 2015/08/16(Sun) 23時頃

【人】 樫の樹の子ら リツ

[夜の喫茶店。

そこで聞いた店長の様子や
店員の噂に
俺は余計悶々とした気持ちになった。

よもやコテツとゴロウが
――暗がりの中で、なんて思いもしなかったが**]

(299) azuma 2015/08/16(Sun) 23時頃

  女性客増えるかなーって思ってさ
  って……あれ?

[言葉を繋ぎ合わせる
 男性客だけ、女性フェロモンには反応しない。つまり…]

  あー、噂のゲイバーって旦那のとこか
  別の部屋でやれる親切なバーがある、って聞いた事はあったんだよな

  じゃあ、此処に来てる人外の客も、そっちに行ってたかもな

[そう言えばトレイルも行っていた。
 ああだからトレイルは女性が苦手なのか、と勘違いのまま納得して]


  ま、人魚の涙なんてお守り程度だけどさ

  これからも、ウチも旦那も
  繁盛していこうぜってことで


  こっちも、昼も、よろしくな
  ゴドの旦那

[にんまりと笑った**]


[ベッドの上で裸体を晒すのは、まるで昼のまぐわいへの合図のようで。布を剥がす彼の指が肌を掠める度、外気に触れる度、何度も身体を震わせただろう。
だが枕に顔を埋めても始まるのは普段のソレで無く、しかしそれを彷彿とさせる事と大差ない。
触れられ漏れ出る声は、きっと相手を煽る物なのだから。]

 ン、…っふ


 ……ごめん。
 今度から、正直に、言うから。
 ぜんぶ。

[じっとして、おとなしく。
そう言われた癖に首をひねり、視界の端に背後の彼を捕らえれば、丁度背に口づける所だっただろうか。

咎められている事位きちんと分かっている。
彼の気持ちも汲まず、自分の満足感だけを優先して、それで悲しませた。

頼らないのは、信じないと同じ事。もうそんな悲しい顔させたくない。
言ってしまうと全てが恥ずかしくて堪らない気もするが、君がそう望むなら。
俺の物である君が、そう、望むなら。
これから共に過ごすであろう長い時を、些細な事で歪ませない為に。]


[唇が触れる度、行為の最中のように肺が、喉が震える。
漏れ出る声を我慢しなかったのは、どうしてか。

ずくずくとした痛みは徐々に消えて、しかし代わりに、彼の唇の感覚が消えてくれない。
不思議さに関心やら感謝をするより先に、覚えたのはもっとと言う欲で、
彼が好意でしてくれているというのに、それなのに自分はこんな、どうしようもなく、
どうして、こんなに、

こんなに、気持ちいいのか。
沸き上がる快感と甘い背徳感を吐息に混ぜ吐いて、後は身を任せるだけ。

喫茶店の、決して厚く無い扉と床。
止められない声が下階まで響いてしまったかどうかは、悪魔のみぞ知る。
あと、蛇。]


【人】 樫の樹の子ら リツ

――夜の・夢――

[――あんなこと
された後だ。

意識してしまって、
しょうがない訳で。

ベッドに一緒、というのも
きっと譲らなかったはずだから。
体温をいつも以上に意識してしまうのだ。

気づかれないように、
ひっそりと、
自分の唇に触れた。
目を閉じるまぶたの裏に、黄昏を背にしたエフの顔。
耳の奥に、青少年には刺激の強い噂話――悪魔と契約した、店長の話]

(301) azuma 2015/08/16(Sun) 23時半頃

【人】 樫の樹の子ら リツ

[それに。酒だって入ってた。
甘い、不思議な味がした。

酔ってるんだ。
体が、じんわりと熱くて。

――だから、
おかしな夢を見たって
俺のせいじゃ、ない。]

(302) azuma 2015/08/16(Sun) 23時半頃

【人】 樫の樹の子ら リツ

―夜の夢―

――ぁ、ふ

[――ゆめ。
きっと、これは、ゆめだ。
深い、深い口付けのゆめ。

――こんなの、
したことないから。
ふわふわして、
イメージはあいまいだ。

ただ、女の子たちが
気持ちいい、だとか。
そんなこと、言うから。

――親友に、男に、片思いしてた俺が女の子とそんなこと、したことなんか ないわけで]

(308) azuma 2015/08/16(Sun) 23時半頃

【人】 樫の樹の子ら リツ

[――ひとがた。

ひとのすがたの、エフが
するりと俺の首筋を撫でる。

夢の中、で、エフは、
こんな姿、してないわけで。
ああ、夢だ、と、分かるのに
甘さに身を任している。

俺は、夢見心地のまま、
よせばいいのに。
あの、公園で見たしかめっ面を思って、視線をめぐらせた。――獏が傍にいる影響だろうか、俺は、時々こうして、夢の中で意識的に動けて――]

(310) azuma 2015/08/17(Mon) 00時頃

【人】 樫の樹の子ら リツ


[――そうしたら。
案の定。黒い獏が
そこに、いた。]

ゃだ、――め、

[うろたえは、そのまま夢を盛大に揺らした]


見るな、
   ……っ、み、見ないで…!


[――叫びとともに目が覚めたなんて  いつ振り  だろう。]

(312) azuma 2015/08/17(Mon) 00時頃

【人】 樫の樹の子ら リツ

―夜の夢の後・ベッド―

――……は、はぁ、 は

[叫んで起きた後。
一緒のベッドに 眠る、獏のほう。

こわごわと、
見――られない。

あんな夢のあと。
あんな情けない叫びの後。
腕の中で背を向ける。

許してもらえたかどうか。]

……ごめ、……エフ、……

[頼むから、気づいてくれるな。体にたまった熱のこと。――ふと耳元でなにか、囁かれた気がする。真夏の夜の、秘密のはじまり**]

(325) azuma 2015/08/17(Mon) 01時頃

[背後から耳に響く声と、頭に直接響く心の声。>
囁くようなそれらを大切に拾い集め、一つも逃さないよう、心に縫い止めて。

彼は、どんな顔をしているのだろう。
枕の白と瞬きの黒しか写さぬ視界は始終揺れていて、もしこの白が背にあって君と向かい合えていたというのなら、今すぐ抱きしめているのにと、代わりにシーツを握りしめた。
…だめだ。こんな薄っぺらい布じゃ、到底彼の代わりにはなれやしない。

自分の身体に起こる変化なんて知りはしない。彼がもたらす物ならば、例え幾千の痛みであろうとも耐えて見せよう。
…まあ腰の痛みには耐えられなかったのだが、ある日突然揃いの角が生えたって、きっと自分は気にしない。
一度は望んだ道でもあるし、心の準備なんてとっくに出来ている。
君と永久を歩む準備も、同じ様に。]


 ――んぁ、プ、リム、

 …プリ、ムラっ…!
 プリムラぁっ、

[呼んだのは彼の、自分だけが知るホントの名前。
揺さぶられる身体ではどうにも上手に名前を言えなくて、掠れた声で何度も、何度も名前を唱え直す。
縋る手の先はシーツか彼か。どちらにせよ爪を立て、今は必死に縋りつくしかない。

啼き声を塞ぐ口付けの合間、また、何度も名前を呼んだ。
彼を忘れないように。彼が消えないように。
存在を、強く求めて。]


 −恋人さえも知らない、秘密−

[ロッカールームで着替えを終えて、
いつも通り前髪をかき上げる。

普段結わえられた髪は、垂らしたまま。
首筋に刻まれたしるしを秘匿して。

いつも、陰ながら支え、見守ってくれている同僚へ。
これだけは伝えておかねばと、そっと近寄り。]

  ケイ――あの、ね
  おれ、突っ込まれる方だった

[はたして蛇は、どんな反応を見せるだろう。
きっと呆れたような顔で、それでも祝福してくれると信じて。

今はまだ、甘い甘い蜜月の始まりだから、
蜂蜜やチョコレートを使った戯れは、未来へのお愉しみ。]**


 ― 夜の街 ―

[深く暗い街の中。
その地区の一角は何故か他よりひと際暗く、上を見上げれば街灯が一部壊れている事に気付くだろう。

おかしいな。
先週来た時は煌々と明かりがついていた筈なのに、どうして。
そう首をかしげても同行者はよそ見をするなと急かすだけ。

 「にゃあ」

鳴く猫の後を付いて、君は歩く。
いつもは迷子になる道を今日はすんなり。立ち止まり周囲を見回しても、同行者はやっぱり急かすだけ。]


 「にゃあ」

[夜の街を歩く一人と一匹。
暗い路地をとぼとぼ歩く。目的地は知らないまま。
だってこの猫が、僕の万年筆を返してくれないものだから。
暗い道のり、こんな深夜にもかかわらず、僕と同じように歩く人が何人か。

あれ?今すれ違った二人組、片方に白い羽が生えていなかった?
驚き振り向いても、誰も居ない。]


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