人狼議事


194 花籠遊里

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視点:


藤之助! 今日がお前の命日だ!


 ―――…口吸いはしてねぇな。

[不意に月下蝶と櫻が収まる牢獄に向ける独り言。
彼が覚醒していれば、悪辣な声は鼓膜に忍び寄る。

されど、告げる其れは免罪符などではなく、単なる事実。
彼は求めず、己も気が向かなかった。唯それだけ。

肌を合わせるより、ずっと重い接吻があるかなど、
青い論議を交わす心算は早々なかったが、
視線をツ、と地上へ続く階段に向けた。]


 もう、夜の帳が上がっちまうな。
 まぁ、其れでなくても、星に手は届かねぇか。

[明らかに彼に向けて紡ぐのに、何処か独り言めいて零し。
視線を流して、若い彼を見た。泡沫なる胡蝶の彼を。]

 ―――…星を撃ち落とすかい、若いの。

[夜が明ければ、彼はまた空に輝く遠い月となろう。
蝶の翅では到底届かぬ暁の果て。

唆す声は勁く、張り詰めて、力強い。
彼を値踏みする眼差しは、葦の其れでなく。

真空の宇宙にめげず、それでも彼が夢物語を追いかけるなら。

ハッピーエンドとやらの、甘たる過ぎて
辟易する終わりはいつも、口付けで結ばれる。]


[閃光のように脳裏を走るのは、花弁の吹雪。
咽返りそうな花の匂いの中に、己はいない。


外の世界と、籠の世界は、遠すぎる。


熱情に勝る接吻など、在りはしないと言い聞かせ、
男は自身の唇を*緩く擦った。*]


── 東雲の頃 ──

[ペティンガーさまを癒して差し上げることは出来たでしょうか。
 その『蝶』もやはり、飛び去ってしまった後。
 淀んだ空気をかき混ぜながら、花主さまが訪れました。
 一人一人に落とされていく声は、錆びた歯車のような音でした。

 朝陽の陰に消えてしまわれる前に落とした言葉

 それはどうしてか歪に、裡を陰らせて行きました。
 早朝には、一輪居なくなっているともまだ知らず
 されど胸には厭な漣が掻き立てられていったのでありました。]


[花籠から溢れ地に落ちた花に何の価値があろうか。

それもいつまで経っても蕾芽吹かせ咲き乱れることのない八分咲。

水を滋養を与えたところで綻ばず、泥に花弁を染める花に見向きされることはない。

拾うのはきっと、唯の物好き。
穢れを知らぬ稚児と清純な心を持つ指と──…]

『あの花を返して貰えるかな』

[厭らしい三日月を乗せた唇。私利私欲に肥えた厚い肉塊。
あの日銀糸を乱れに乱れて引き連れた男そのものが鎮座し、銀月に科せられた金子を容易く支払っていく。]


『雨が止んだ頃合いに迎えに来る』

[楼主の返事も待たぬまま身を翻すお客人。
一連の流れを耳にしたのは、割り当てられた室内にて。告げに来たのはまだ芽吹かぬ一輪の蕾

乾き切った双眸に、被せられた布の気配はもう消え失せた。
だというのに鉢に浮かぶ顔色は憔悴し切ったもの。

淡藤の様子を眺めていた綻ばぬ蕾が少しばかり憂いを持ったように萎んでしまうもので、気になり声をかける。
すると小さな椿色の唇は滑り転び、やがて淡藤は鏡花が欠けてしまったことを知る。]


[視線は自然と窓辺へ。
しんしんと注ぐ天雲へと向かう。
霧雨に隠された月は朧気に鈍く。
庭の花を鵐に濡れしていく。]

…有難う。

[思い出したように背後にて控える花見習いに告げれば小さな足音を立てて姿を失せる。

そのまま指先を雨露降り注ぐ窓に伸ばせば、懐かしむように瞳を閉じる。ゆっくりと口遊むは雅楽の音
せめて雨が藤を濡らさぬようにと、そっと]


【人】 許婚 ニコラス

ー宵闇ー

[それは赤い花の腕に抱かれる夢の中で果てた頃の事だったか。

荒く息を交わし見合わせていた花の顔がふいに後ろを向く。そして白い蝶の顔が僕の目に入る。>>2:204

白い蝶は赤い花に男を買えと言った。
それがどんな意味を持つのか僕には分からない。
ただ二人にはそれが大切なことなのだろうと記憶に留め、事後の倦怠感の中で少しだけ目を閉じた。

やがて謝罪の言葉が降り、目を開けると牢を去る白い蝶の背と、辺りに散らばる紙幣とがあった。

別に邪魔されたことに気を悪くしてはいないが、金にもなんの喜びも興味も沸かなかった。
ただの紙の形をした礼儀だ。]

(10) 2014/09/19(Fri) 12時頃


 ――てっきり、してるものかと思ってたよ。

[うたにはうたを。蝶共の歌に詩を乗せる。
眠気の残る声色は、ただちいさく牢に反響せずに吸い込まれ。

忍び寄る聲は、如何とも取れずに。
独り言か、世紡ぎ事か、星取りの話には黙して耳を傾ける。

蝶が何処まで羽ばたけるかなど、知らずに。
籠の中の蝶は宙を想いただ夢を追う。
籠から脱する事もせずに、ただ焦がれに焦がれその胸を焦がし。
――飛べばまるでイカロス。真空にその翅を捥がれてしまうのだろうか]



 ――嗚呼。

  …宙から月を 引き摺り下ろすことだって。

[星を落として踏み月に翔ぶのもまた良いだろうか。
然しそれでは月は、何時迄も誰彼構わず微笑んでしまうから。

蝶は籠の中で一人想う。
如何にして月を此方へ寄せようか。
手繰りの糸でさえ届かぬ場所に咲く銀月を。どうしてこの翅に止められ様か。
まるで気高い月をこの手に収める方法。――そうして覚醒した脳は、稚拙にも思惑を張り巡らし。]

 宙まで行けないなら、水面に咲く月を捕まえれば良い。

[さてその声色は、果たして毒蝶には届いたか。
蝶と云うには毒が強い、蛾の耳元に。]



[ 夢の終わりは夢人でなければ終止符を打てない。

月が消えたのならば、宵闇は如何に惑うだろうか。
――そんな事、解ろうとさえしたくはないけれど。]

 ……雨、か。

[しとしと。しとしと。
立ち込める霧に、翅を濡らす雫に。
ただ蝶は眉を寄せ、館の扉を潜ったのならば人へと成り。

――強欲にその胸を*燻らせる。*]


【人】 許婚 ニコラス

[この館に訪れるのはもう三度目か。

片手に包みを持って、この館に似つかわしくない陽の明るさを身に纏った金糸雀は舞い降りた。

なぜこの館に来るのか。
それは今度菓子を持ってくると約束したからで…否、未だ識りたいことがあるからだ。

未だ、宵闇の暗さを。
太陽が如きこの身に教えて欲しい。

普通にしていれば太陽は己が照らし出した物の裏に潜む影を目にする事はできぬのだから。

僕は三度目ともなる花主の挨拶を耳にすると、それは恒例の文句なのだろうとやっと察して。
そのまま誰かがやって来るのを持つように館の入り口に留まった。]

(14) 2014/09/19(Fri) 19時頃

許婚 ニコラスは、メモを貼った。

2014/09/19(Fri) 19時頃


[夢覚める頃。
花主様の御言葉を、垂れた頭の上に受け取った。

素直、に自嘲が零れても、地ばかりを視界に収める花の表情は、花主様には判るまい。

しかし、"罅割れ"というのは。

――予感は僅かに、脳は肯定を拒む。]


[館に足を踏み入れた途端、思い出すのは昨夜の続き。
月輝を穢して、蝶を刺した、悪辣なる夜明け。

彼は夜迷い事にも案外真剣に耳を傾けていたように見えた。
何処まで本気かは知らない。何処から気紛れかも知らない。

けれど彼が漏らした危うさは、花主より世間話のように聞いた悲恋を連想させた。
ハイリスクローリターンの博打に出るなど、余程の阿呆か勝負師だけだ。手に手をとってなど、上手くいった話は聞かない。
―――それでも、己は、若い彼が打つ、一手など知らない。]

 ―――まぁ、精々。
 火傷ついでに路地裏で薬漬けされにゃ良いがね。

[思ってもいない心配事は、悲惨な未来の一つを思わせて。

色町で焦がした身は、淫堕落に落ちるがお決まりなれど、
美しい銀月と月下蝶を、浮浪者やら悪漢やらにくれてやるにはやや惜しいと、美術品でも愛でるかのように、他人事めいた吐息を漏らした。*]


【人】 許婚 ニコラス

ー昨晩の地下ー

 くっ、は…
 やっぱり、優しい人じゃないですか…

[それは丁寧に慣らされた入り口に徒花の雄蕊がゆっくりと沈んだ頃だったか。>>15

口では耳を喜ばせる言葉を紡ぎ、穏やかな口づけを落とす。そしてその指は僕に快楽のみ味わわせようと丹念に慎重に僕の身体を行き来した。

これでどうして幻滅させるかもなどと口にするのか、僕には分からなかった。

指で確かめられた好い所へ楔を穿つその動きまでもがひどく優しかった。

けれども。
優しいだけでは物足りなくて、
僕は絶頂へと昇りゆく中でこう口走った。
もっと激しく、と。

それは自身への快楽の為ではなく、
赤い花の優しい以外の面を目にしたくて。*]

(19) 2014/09/19(Fri) 21時半頃

【人】 許婚 ニコラス

 あ、ヘクターさん。

[毒蛾を名乗る彼が風雅な台詞と共に笑みを向けてくれた。>>18
そのことと彼に会えたことが僕は嬉しくて、目元と頬とをゆるりと緩ませて微笑んだ。]

 こんばんは。
 そうですね、色々と普段ではしない
 体験をさせてもらって楽しいですよ。

 でも……そう見えますか?夜を知らない。
 そうですね、僕もそう思います。

[彼の言葉に同意して、僕は初めて出会ったときのように彼の姿を改めて見回した。
やはり背丈ぐらいしか自分との共通点は見つかりそうにない、自分とはまったく異なる存在。
まるで宵の闇の中から生れ出てきたかのようだと僕は思った。]

 じゃあ僕に教えてくれるというのですか?
 闇夜の愉しみ方を。

[清廉な揚羽は誰をも厭わず、誰をも慕う素直さで、毒蝶に破顔した。]

(21) 2014/09/19(Fri) 22時頃

[夢の中にまで、しとしととした雨の音が届いておりました。
 まるで雲に霞む月の泣く、催涙雨でしょうか。
 それとも水面に浮かぶ銀月揺らす、悲しみの雫でしょうか。

 『夢物語』を読みすぎたせいでしょう。

 ひとえに『夢物語』と称しましても、幸せな結末を迎えるものは
 実はあまりないのだと謂うことを
 眠ってしまうよりも少し前に知ったのでございます。

 すれ違いては、死を迎える話もございました。
 涙のように泡となって、消えゆく話もございました。

 まるで彩るように雨が、そっと降り注いでいるのでございます。]


 
 
 愛を知り、喪った物語の登場人物(彼ら)たちは
 『しあわせ』だったのでしょうか?
 
 


[――以前に花籠に咲いていた"丁"という花を、己は話のなかでしか知らない。

酷く花らしい花であったとか。
同じ花の面倒を見ていたとか。
其れから、彼が何故不在となったのか、とか。

花らしく咲いていた筈なのに、籠の中に許される咲き方以外を選ぶ程に。
毒は甘く、丁を蝕んでいたらしい。

伝え聞く内容を耳に、己は彼の名を真似る事にした。
他の花達はどのように感じたかは知れない。

唯、花主様へのささやかな反抗であった事。
子供じみた本心は、誰にも明かした事は無い。]


【人】 許婚 ニコラス

悪戯事と言うには到底及びませんが。
ふふ、ヘクターさんに認めてもらえたのなら嬉しい限りです。

[家庭教師に勉学の成績を褒められたときのような仕方で、ヘクターの言葉>>24を喜ぶ。

まるでこの館に相応しくない笑顔を金糸雀が纏い続けていられるのは、まだ宵の暗さに染まっていないためか。
それともその微笑みこそが不幸を知らぬ生が育てた確かな甘い毒であるためか。]

では是非…ご教授願えませんか。先生?

[美しい人と謂われたのなら、
薄い瞳を嫣然と眇めて毒蛾を先達呼ばわり。

甘い毒は苦い毒に教えを請うた。]

(27) 2014/09/19(Fri) 23時頃

【人】 許婚 ニコラス

ええ。今まで知りませんでしたが僕はどうやら欲張りなようです。

[欲する前に欲しい物を与えられてきた人生の中では知りえぬ自分の一面。僕はその一面を嫌悪するどころか、むしろ益々自分のことが好きになったのだった。]

人の挫き方ですか?
僕は自分で兎の肉を捌いた事が無いのですよ。
いつも他人が捌いたものを食しています。
そしてこれからもきっと。

[姿だけで威圧感を齎す毒蛾に壁へと追い詰められても恐れは無く。>>31ただ距離が近づいたことに胸を高鳴らせるのみ。
見詰め合うには丁度良い位置にあるその顔ににこりと笑みを返す。]

心の遊ばせ方。ええその通りです。
僕には彼岸花の優しさだけでは物足りませんでした。

もっと別のものを、その奥にあるものを…
そう求めずにはいられません。

[一字違いで毒に成り得る人の心の深さを。
あるいはその浅ましさを識りたい。]

(36) 2014/09/20(Sat) 00時頃

[昔々“丁”という花が咲いていた。

とかく花らしい花であった。
花の面倒もよく見ていた。
花に慕われる花であった。

そして、咲き方を間違えた花であった。

毒に根を犯され、狂い咲き。
醜く咲いた花であった。

“丁”の最期を看取った花も、此処にはいる。
何故、不在となったかの話も絶えずある。


――けれどその花手折った者が、誰であるかは誰も知らない。]



 ――――…Tu es belle.

[違えぬ発音で響かせる声は、いつか櫻花が彼を呼んでいた語。
彼の生真面目たる発音は、リンと揺れる鈴の音階ではなかった。

彼は転がり音を立てる楽ではなく、蝶でありながら、花を模す。
真実、名が示すとおり、美しい人であった。]

 首輪が欲しけりゃくれてやらぁな。
 お前さんが覗きたいのは他人ばかりじゃなかろうに。

 ニコラス坊や、未だだ。
 未だ、お前さんは、自分を知らない。


 
違うな。
お前が雨で消えてしまいそうに見えてね。
 


[拒絶許さぬ圧は、悪辣な害虫とは違うもの。
方や蛾一匹、方や花の主。
囁き際、後ろより耳朶に冷え切った唇を霞めさせる。]


 丁は……雨に消えるような花では御座いません。

[更に冷えた感触を耳元に、肩が跳ねた。

花籠の主は、植物等では決してなく。
逃がすまいと、その圧が、蛇が如く絡みつく。

逆らう事など、決して出来ない。]


【人】 許婚 ニコラス

 この…奥?

[影が落ちれば毒蛾の表情は少しだけ読み取りづらくなって。
胸に圧を覚えながらのその言葉の指し示す意味に思い当たることがなく、微笑が固まる。

鳥籠の中のようなそこで生まれ育った金糸雀が、宵闇の蜜を求めて訪れた花籠で出会った毒蛾は真理を突いた。

なに不自由ない生だったはずなのに
何故鳥籠の外に蜜を求めたのか。
何を識りたいのか。

孤を描く唇に答えを探して視線を這わせた。]

(51) 2014/09/20(Sat) 01時頃

[お前は美しい。

「お前はベルだ」という意味には聞こえず、目の前の男の唇から紡ぎ出された正確な音に顔が赤らむ。]

 …自分を、知らない?
 そんな、どういう

[未だ自分を知らないだなんて。
けれども否定の言葉を舌に乗せることはできなかった。

鳥籠の中で過ごしてきた22年間では充分に己を識ることができなかったのは明白であった。
与えられた生では金糸雀は自分がどのように羽ばたくのかさえ識らないまま。

他人にも自己にも本当の自分を識られていない寂寥感が蜜を求めさせたのか。
幼き頃から定められていた許婚の存在によって、すぐに変わってしまうことが分かっていた姓を自分のものだと思えなかったのと同じように。
自分の生をも自分の手の内にあるものだとは思えていなかったのである。

僕はそのことを初めて自覚した。]


そうかい、ソウカイ。
私の知る“丁”は、雨に根腐れを起こしてね。
狂い咲いてしまったものだから。

お前もそうなってしまうんじゃないかと思ったのさ。

[蛇が絡みつき、ぞろりと耳を嘗め上げる。
知っているぞ、見ているぞとは言葉裏。]


 
 
―――丁は“蝶”でもないんだよ?
 
 


[自分の生を見てきたかのように見透かす男の言葉に頬の温度は上がったままだ。
羞恥ゆえか。それとも理解されているという喜びからくる興奮ゆえだろうか。]

 ……。

[僕はどうにも離すことのできない視線と
沈黙によって彼の言葉の正しさを肯定した。]


[この花が何を思い、“丁”の字をとったかなど知らぬ。
そして男が知らぬように。
“丁”を手折ったのが男の手だということは
誰をもが知らぬことであろう。

先に告げた通り、少しばかり特別な花。

丁に丁を重ね。
蛇は首筋を緩やかに締め付けて。
後ろより首筋に残す、朱の花ひとつ。
無論、逃げることも拒否することも赦さない。

優しく、冷たく、甘美に、落つる。]




私を置いて、飛んでなどいかないでおくれ。
 
 






[まるで棒読み、或いは抒情詩。
どちらにとるかは、“ちょう”次第。]
 


 伊達に長らく生きちゃいねぇよ。
 お前さん、何も変わらず生きる気かね。
 そいつぁ、良い子息、良い血筋、良い手本よ。

[一代で財を成した彼の親の集大成。
生まれながらの貴族を作り、彼はその様に育った。
決められた運命、彼の介入を許さぬ未来、永遠の鳥篭。]

 だがな、お前さんは花籠へ訪れた。

[せせら笑う男の笑みは深くも悪質。
頬を唇で舐めるように迫れば、吐息が稜線を下っていく。

彼の美しい金色の羽は鑑賞されるためにあるのか。
格子越しの空以外を知らぬまま、永劫を生きるのか。

―――彼は永遠の孤独に耐えうるのか。]


 ――…来いよ、ニコラス坊や。

 俺はお前さんのことを買っているんだ。
 俺と出会っちまったが、運の尽きと、諦めな。 

[傲慢な夜蛾の囁きが、淡く染まった肌に懐く。
何も知らない彼を染めるのではなく、壊してしまう程、勁い悪辣。]


 以前の"丁"の話は、耳にしております。

[舌這う感触に息を呑んだ。
きゅ、と触れる指先を軽く握る。]

 ……ええ。
 丁は、蝶では御座いません。
 真似事をしても、決して飛ぶ事は出来ぬ花。

[首に痕残す感触にさえ、逆らえずに居る、哀れな花。]


[彼が何を思い"特別"だ等と告げるのか。
気付ける程に彼や"丁"を、己は知らず。

この己を閉じ込める花籠の主を、好ましく思う事は無く。
けれど、逆らい立場を危うくする賭けに出るでもなく。

行きません、とは言わず。
この花籠の外を望む唇で]

 花は、飛べはしないのですよ。

[とだけ、繰り返し。]




[そうして拾わぬものから目を背け
 それは『大事(しあわせ)』ではないと、謂い聴かせるのです。]
 
 


 もし、違えば。
 縁起でもないことをと、櫻の花を叱ってください。

[何故、探すことが出来ないのか。
 何故、謂い聴かせねばならぬのか。
 何故、大事な物を持ってはならなかったのか。

 判らぬなりに拾う言葉と、判らぬ僕に聴かせる言葉で
 綾取りのように完成した言葉を紡ぎました。]




 ―――藤之助さんに、何かございましたか?


[きゅうとその身を少しばかり
 強く抱きしめたのでございます**]


明日の明け方。
沈丁花に降り積もる雪は。


それは多くあるだろうねえ。


[丁は“蝶”に在らず。
花は飛ぶに在らず。]


 
 
[しかし綿毛持つ蒲公英なれば―――… **]
 
 


【人】 許婚 ニコラス

[「識っているぜ」

淡い指の感触が胸を突く。
彼は僕の何を識っているのだろう。
僕ですら知らない僕の何を。

僕とは一体]

(63) 2014/09/20(Sat) 03時頃

 なにも、変わらず…

[鸚鵡返しに彼の言葉を繰り返す。

きっとこれから僕は許婚と結婚して新しい姓を得る。家の稼業を継いで親の築いた財を富ますことに老いるまで執心することになる。子もできることだろう。
そんな人生を今までと変わらず…
何一つ不幸の無い幸福だと思っていた生が改めて眼前に突きつけられ、途端に虚無感を覚えた。

頬を息が吹く。
自分よりも長く、そして異なる生を送ってきた男の匂いが僕を囲っているような気がした。
彼の纏う空気は一体どんなものを積み重ねて得られたものなのだろうか。

羽ばたき方を識りたくて。
やっと得られた理解への渇望と共に、
僕は悪辣たる毒蛾の誘いに頷いた。]

 …はい。

[無知ゆえに毒を喰らうのではなく、
毒と判っていながら溺れる危うさで。]


【人】 許婚 ニコラス

 あっ…。

[ふいに引かれる強引さにされるがまま、
踏鞴を踏んで身体が毒蛾に寄る。
手首を掴む慣れぬその力の強さには、
抵抗の意思さえ湧かない。

その代わり頭に浮かぶのは、
思いの外温かいな、なんてことばかり。
初めて味わう従わせられる感覚に
悦びすら覚えていたかもしれない。

彼は小姓に花を一輪摘んでくるように言いつけると、理由を尋ねる小姓に言い放つ。

「可愛いニコラス坊やの躾に」と。

その笑みにぞくりと背筋が震えた。
それは恐怖ゆえに這い上る感覚ではなく…**]

(64) 2014/09/20(Sat) 03時頃

許婚 ニコラスは、メモを貼った。

2014/09/20(Sat) 03時半頃


[彼の人生には、安寧という言葉以外は存在しないのだろう。

恵まれた、と言えば聞こえは良いが、定められた生だ。
敗北の味を、従属の甘美を彼は知らない。

最初は傲慢な上流階級然とした態度に些細な興味。
次は蝶になりきらぬ横顔への好奇心。
果ては初体験に憧れる乙女のような彼に喉が渇いた。

深窓で育てられた彼の期待は、何処か幼く危うい。
されど、熟した果実のように蜜を滴らせ、己を誘う。

彼の傍が似合うのは白馬の王子様でも、可憐なお姫様でもない。
羞恥を掻き立て、下卑た悦びで彼を穢す、悪徳な支配者だ。]


許婚 ニコラスは、メモを貼った。

2014/09/20(Sat) 12時半頃


[もしかすれば最初から彼の毒気に
魅かれていたのかもしれない。

家の者が見れば眉を顰めるであろうこの男に
恐れどころか好意を抱いたのは何故か。
未知への興味だけか?

僕は無意識に自分の求めているものが
分かっていたのではないか。

純白の処女雪然とした己の人生を穢す
荒々しい足跡を望んでいると。*]


【人】 許婚 ニコラス

ー地下牢ー

[今日は二人で暗い地下牢の中へと降り立つ。
三度目ではあるが、慣れるということはなく、
むしろ回を重ねるごとに緊張は増すようだ。

櫻色の恋人との逢瀬のような晩、
彼岸花の優しさに抱かれる夢、
そして今宵は……

肩を抱き寄せられる感触にどきりと心臓が飛び跳ねる。腕はすぐに離れるが、齎された緊張感にいつもの微笑を取り戻すことはできそうにない。]

(69) 2014/09/20(Sat) 15時頃

【人】 許婚 ニコラス

[彼が告げた茶番にこくりと従順に頷いて、花になった自分というものを想像してみる。

あくどい客とは目の前のこの男のことだろう。自分で自分をあくどいと称するとは。
可笑しさに笑みが漏れそうになるが、おそらく売られてきたばかりの花はそんなことをしない。

代わりに眉を下げて不安そうな顔を形作って見せると、裸体を晒すことを命じられた。]

 分かりました…。

[今夜の自分はニコラス坊やではない。
その呼称に実感すると、まずシャツの一番上の釦に細長い指をかけゆっくりと外した。

暑い夏の日ですら折り目正しく閉じられているはずのそこに、霧雨で下がった地下牢の空気が触れる。
続いて二つ目、三つ目と釦を解いていくが、薄い肌に触れる寒気に反比例するように身体の温度は上がっていくようだった。

釦を全て外しシャツを脱ぎ捨てる段になって、隙間から僅か見えてるばかりに過ぎない肌を覆うものがなくなることに不安を覚える。
不安を気取っていただけの表情は本当の羞恥に歪む。

それでも、一呼吸置くと僕はシャツを床に放り捨て、細い白い躯幹をあくどい客の視線の下に捧げた。]

(70) 2014/09/20(Sat) 15時頃

許婚 ニコラスは、メモを貼った。

2014/09/20(Sat) 15時半頃


【人】 許婚 ニコラス

[自分の肢体が果たして男の欲を惹くものなのかは分からぬ。
だが少なくとも目の前のこの男の興味は掻き立てるものらしいと、上下する喉を見やり思う。

彼が続けて語る可哀想な花の詳細に皮肉めいた笑みが口許を歪めるが、それもすぐに消え。

彼の打つ芝居にしおらしい声で答える。]

 はい、それはそれは優しく。

[彼岸花のそれが末席の花に教え仕込むためのものだったのだとしたら、さしずめ転落した人生を哀れまれ、せめてもの施しに苦痛だけはないように…そんなところか?

身体を舐める視線が茶番に真実味を肉付けしていく。]

 ……。

[腹を撫ぜる暖かい指に、唇を湿らして張りつめる自分の気を宥める。瞳を彩る金の睫はしきりにまばたいて灯りを反射した。

やはり嬲るように眺め回す視線を受けると、羞恥に頬が朱く染まって。
脱衣の続きを命じる声に目を伏せて、自分の細い腰に衣服を縛り付けているベルトを解いていく。]

(79) 2014/09/20(Sat) 17時半頃

【人】 許婚 ニコラス

[もう一人の観客となる者の存在を示唆されれば、自分はこんなところで何をやっているのだろうと、一寸我に返り外の明るさを思い出して。
その思いはこの地下牢の薄暗さを引き立たせ、自分は辱めを受けているのだという事実を濃く浮かび上がらせる。

何ももったいぶることはなかろうと一息に脱いでしまうために下穿きごとスラックスに指をかけると、>>78白い正装に身を纏った赤い花がちょうど現れる。]

 あ…。

[彼の姿のなんと凛としていて艶やかなことか。
僕は彼から視線を引き剥がすと、羞恥に身を打ち震わせながら、指をかけた手を下ろして己の下肢を完全に外気に晒した。

そしてこれでいいのだろうかと尋ねるように、伏せた目をちらりと寝台の上の男に向ける。]

(80) 2014/09/20(Sat) 17時半頃

【人】 許婚 ニコラス

[下肢をじっとりと注視されると、顔の温度がぐっと上がり頬から火でも吹いているのかと思うほどだった。
こんなにもまじまじと他人に恥部を見られたことなどない。
それでも覆い隠すことなどせずただ眼光に耐える。]

 …っ。

[性器を軽く弾かれれば屈辱に口許が歪む。
常に微笑を浮かべてきた僕の表情が、毒蛾によって乱され、薄い肌を紅に染め上げられていくのであった。

途中、丁助がどこか案じるような視線>>88を向けてくる。もしもこれが無理強いだったとして優しい優しい彼は如何してくれるというのか。
好奇の色が目に浮かびそうになるのを抑える。]

(91) 2014/09/20(Sat) 20時頃

【人】 許婚 ニコラス

[あくどい客は更なる奉仕を命じる。
場末で厠代わりとは一体何を意味するのか。
あまりよくないことであろうという想像しか働かぬが、言われるがままに彼の膝に手をつく。

傲岸不遜に言いつけられた命令が彼の逸物への口淫だと理解すると、これが屈従するということかとぞくりと寒気のようなものが身体を走る。

いや、これは寒気ではない。悦だ。
大きな彼のものが映り込む僕の瞳には、恐怖の色などなかったろう。そこにあるのはただ期待。]

 んっ…

[後ろに触れる感覚がして、丁助が言われた通り自分の入り口を解そうとしているのだと分かった。

口淫の経験など勿論無いし、どうすればいいかは分からない。けれどもぼさっとしていたらあくどいお客様は機嫌を損ねてしまうだろう。

僕は口を開けて舌を突き出すと、震えながら彼自身を口に含んだ。鈴口の形が舌に触れて確かに自分がそれを口にしているのだという実感が湧いた。]

(92) 2014/09/20(Sat) 20時頃

【人】 許婚 ニコラス

 ふっ、ん……

[あのニコラス坊やが男の陰茎を口に含みながら自身と秘部とを刺激されて悦んでいる。そんなこと家の者の誰が想像できようか。
そう思うと、屈辱でたまらない筈のこの状況が途端に愉しく感じられてくる。

深く、剛直なそれが口の中に収められていく。
顎の小さな僕には苦しみとなったが、青臭い香りが彼のものだかそれとも自分のものも含まれてるのか分からない程度には、僕は背徳的なこの瞬間に逸楽を覚えていた。

舌へそれを擦り付けられれ、口腔を犯すように揺らされれば、空気が口から漏れ苦い味が広がっていく。
荒々しく奉仕させられながら、後ろは優しく解きほぐされれば、違った二つの快楽に息が上がり、無様に空気を求めて呼吸した。]

(100) 2014/09/20(Sat) 21時半頃

【人】 許婚 ニコラス

[前髪を掴まれればまさにその様は完全な服従を表しており、ちらりと彼を見上げた瞳にはもはや恥辱よりも悦びの色の方が勝っていたか。]

 んっ……!

[ふいに体勢が変えられ、大きく攪拌される内部に驚きの声が上がる。しかしぎゅうと寄せられた眉は苦悶ゆえではなく。

口から逸物が引き抜かれれば口で大きく呼吸をした。
呼吸で上下する胸に今まさに咥内に含んでいたそれを擦り付けられた。
びくんと敏感に身体が反応する。]

 あっ…く、

[荒い吐息には艶が乗せられ、口許は微笑ではなく嬌笑のために孤を描き始めていた。

自分が、決して甘くはない、けれどもどうしても甘いと感じてしまう快楽の中へ溺れていこうとしているのが分かった。]

(101) 2014/09/20(Sat) 21時半頃

ニコラスは、ヘクターに話の続きを促した。

2014/09/20(Sat) 22時頃


[優しくしているのは、きっと己の為。
好き好んで花籠に咲く訳ではない己を慰めるための。

せめて、愛無くとも優しさが在って欲しいと望む、傲慢な花。

錆色の蝶の真逆に。]


【人】 許婚 ニコラス

[横暴さに似合わぬ髪を撫ぜる温かみは、
甘露となって己の痴態を肯定する。

ヘクターも欲情しているのだろうか。
その吐息に熱さが含まれているのを感じ取れば、奉仕が報われる悦びを知る。]

 う……はい。

[精を塗り込めよとの命令には流石に躊躇するが、細長い指を伸ばして滴る液に穢させる。
そしてぬちゃりと水音を立てながら自らの胸の突起に触れ始めた。
そうすれば熱源は容赦なく清潔だった卵型の爪先すら穢していく。]

(106) 2014/09/20(Sat) 23時頃

【人】 許婚 ニコラス

[身体の隅々まで目の前の悪辣な男に犯されつつあった。
声すらも犯さんと彼は啼き声を所望する。]

 あっ、ふ……。

[不器用に声を漏らし始めると、彼は肩を掴んでぐりりと突起を嬲った。]

 ああっ…!好い……、

[櫻の花のように可憐な声でもないが、それでもいつもより少し高い媚びた声が漏れた。
自分の耳に届く自分自身の声の無様さにまた羞恥の感情が浮かび上がる。溺れて、羞恥してのサイクルは僕をより深淵へと導く。

優しく解され続ける後ろからも微かな水音が響いていた。]

(107) 2014/09/20(Sat) 23時頃

 ……叱らないさ。答えは否だから。
 何かあったわけじゃない、良くある話だ。
 花籠から花が一輪消えるなんて、何度もあったろ?櫻子。


[日が昇ってから嫌な胸騒ぎは収まる気配は無く、むしろ増すばかり。
一目藤の花を見ようと訪れた時には、部屋は『何も無くなって』いたのだ。
『どうして』そうなったかまでは察せない、解らないが。
花がどうなったかなんて、想像するのは簡単だった。]


【人】 許婚 ニコラス

[己の粒に液を塗り込め摘んだりなどしてみる。
後ろの孔を弄られ続けている快楽が伝播し、その胸の突起を慰めることにすら感じているように錯覚する。
それとも錯覚ではなく本当に感じてしまっているのか。だとしたらそんなのは……

頭の中を見透かされたかのように毒蛾に詰られ、言葉によって辱められる。
実際には花ですらないのにこんな痴態を晒しているのだ。言葉による陵辱に脳内がじんと痺れる。

きっと、本当に一番淫らなのは胸で感じてしまっていることよりも、詰られて悦びを露わにする自分の顔だったろう。]

 んあっ、

[白い飛沫が胸に降り注いだ。
雄の臭いに包まれながら白く汚れた自分の身体を見下ろし、自分の頭の中のどこか冷静な部分が「本当にこれは自分か」と問うた。

これは本当にニコラス・ベルか。
男のものを咥えて、精に塗れて悦ぶこの人間は。]

(113) 2014/09/21(Sun) 00時頃

【人】 許婚 ニコラス

[良き按配…その言葉が意味し期待させるものは明白であった。
指が退いた孔が微かに収縮する。既にそこは快楽を覚えて足りないものを求めているというのか。認めたくはなかった。]

 んあっ、

[臀部を左右に開いて膝の上に導く手の温かみにすら小さく声が漏れる。頬へ落とされる接吻に眦が熱っぽく潤んだ。
窄まりに口に含んでいたそれが宛がわれるのを感じ、緊張を逃がすために吐息を吐いた。

視座の変わらぬ場所にある歪んだ唇が毒を紡ぐ。
今日も、昨日も、別の男に。
それはまさしく事実であり、淫蕩に溺れた自身の現実を示していた。]

 あぁーーッ!!

[涙が頬を伝うがそんな感触は知覚できず。
自分が啼き声を高く上げていることにも気づかず。
逸らした身体は貫かれる衝撃に支配されていた。
一人の男に掌握される悦びに。]

(119) 2014/09/21(Sun) 00時半頃

[年期がいつか明けたなら。俺自身も、彼の年期も明けたなら。
本当の名前をそっと教えるつもりだった。
柔らかな音で奏でられる名の音を聞きたかった。

雪山にかかる月も、『本物の朧月』も共に眺めたかった。

身に余る望みは砕け散り、砂のように落ちていく。]


【人】 許婚 ニコラス

 あ、うぐっ、うぁ…!

[赤い花のそれとはまるで違う荒々しい質量。
それが律動を開始したのなら、僕は悲鳴を上げる為の空気すら満足に得られずに体内を攪拌されていく。

初めて振るわれる暴力。屈服。
それに快楽を覚える倒錯的な自分がいることに気づくと、叫びとも呻きともつかぬ音を発していた喉は、甘い高い媚を発させるようになる。]

 ひ、いや、好い…っ!

[己を貫く獰猛に、段々と涙を流していた瞳は求めるものへと変質していく。
圧倒的な力の下で僕は、剥がれ剥かれ自分自身さえ識らなかった本質を暴かれていく。]

(129) 2014/09/21(Sun) 01時半頃

【人】 許婚 ニコラス

[吐息、嬌声、だらしなく垂れる唾液。
何の偽りようもなく僕の口から漏れていく。]

 あぁ、もっと、んあぁ…ッ!!

[やがて僕は壊れたように、自分を壊す暴力を求める言葉を口にし続けるようになる。

自分の姿がどう見えるか、自分が何をしているのか。そんな余計なことを考える隙はもうない。
ただ自分を襲い来る快楽に従うだけ。

敗北、隷属、屈従、悦楽、暴悪……

それが壊れた美が狂い求めるものであった。]

(130) 2014/09/21(Sun) 01時半頃

許婚 ニコラスは、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 02時頃


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