224 Cнег дьявол〜凍ったケツ村〜
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─回想・先生とドロテアさんと─
え。アラン兄帰って来てるのか。…へぇ。…へぇ。
[にしては嬉しそうに見えないお師匠様の顔>>0:109 首を傾げながらも彼の思惑など知らずに足を向ければ、ドロテア婦人のご登場。
流れるように人をパシるのは昔から変わりゃしない。 ならばそれ相応の飯を集ろうと大人気ない考えを描きながら世間話に興じただろう。]
(3) 2015/05/25(Mon) 01時半頃
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[オーバーリアクション>>0:104には、眉がピクピク痙攣した。 文句は胸の中に押し留めることにする。 それに片手が塞がっているのだから無駄な抵抗など出来やしない。
オスカーの成長過程には一目会ったら一杯洒落込むのもアリだなと顎をさすって。 真っ直ぐ引き結ばれた唇が。]
( ───ぁ。)
[ ぎこちない笑みを以ってして、逃げた。]
(4) 2015/05/25(Mon) 01時半頃
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[でも幼馴染の名前を出されれば少し感傷的な気持ちが先立つのか。]
別に。そんなことは言っちゃいないさ。 祭りに行く約束をしただけだよ。
[何処と無く言い訳がましい声色ながらに一言添えれば、動向を見守る。
やがて浮かべられた笑みには何年か前、直接目にした面影に重なり、人知れずはにかんで。]
勿論。 また、ご飯と一緒にでも。
[そう切り出せば、空いた腹を宥めるように空っぽの片手でさすって。 先生を急かすように足を動かしただろう。]*
(5) 2015/05/25(Mon) 01時半頃
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─宿屋─
[間も無くして辿り着いた場所にて一階に併設された酒場で食事を摂ることにした。]
俺、パルックさんの作るボルシチが食べたいな。先生。
[強請るだけ強請り、先生の方も決まれば店員を呼びつけて注文を。
小さな村というのもあるが馴染みの店だ。 店員もどうせ顔見知りだろうから、会話に花を咲かせることもあっただろうか。]
昔はよく母さんに「雪男」がどうとか驚かされたもんだけど、大したことはなさそうだ。
(9) 2015/05/25(Mon) 02時半頃
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ま。先生の用意で手伝えることがあったら、言ってよ。
[幾分かその場で話でもしただろうか。 祭りが始まるまで後一日とない時間。 ある程度の区切りをつければ後にすることにしただろう。]
先生も休める時には休んでよ。 せっかくのお祭りなんだ。
一年に一回のね。
(10) 2015/05/25(Mon) 02時半頃
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[ ざわり。
頬を撫でる冷たい風。 花びらのように舞う雪がしんしんと降り積もることなく落ちる世界。
笑みを浮かべている。 尾骶骨の下に冷気を纏わせながらその事実に気付くことは、無い。]**
(11) 2015/05/25(Mon) 02時半頃
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─昨夜・自宅─
[3年ぶりの帰郷の開幕は母の拳だった。 父親のいない分、色んな意味で逞しい母の鉄槌は昔頂戴した幼馴染の叔父と少し似ているような気がした。
それから何だかんだベットに横たわらせた後思考する。 数時間くらい前のことを。]
振舞っちゃうなんて言われたから、咄嗟に頷いたものの、おばさん、大変じゃないのか…?
[あの時>>43は有難い申し出に頷いた。 パルックの料理の味は村人切ってのお墨付きではあるが、ドロテアの手料理も温かみがあって好んでいた。
片親である自分からすれば、家庭の味なんて憧れの的でもあり、その名残から頷いたものの、彼女にも家庭があるはずで。]
ま。今度会えた時にでも、何かすればいいか。
[遠慮は一瞬。 すぐさま胃に残るボルシチの重みを思い出せば記憶は移ろう。]
(49) 2015/05/25(Mon) 21時半頃
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本当に相変わらず人使いが荒い…。 茶葉とつまみは元から俺も欲しかったから良いとして…。 なんであんなに買ってないんだよ。
[買い出しを頼むだけ頼んで一足先に工房へと戻る姿>>15を思い出してため息。 「終われば帰れる」という言葉通り解放されたのは随分後のように思える。
怪我をしているようだったから>>16軽い手当を申し出たがどうだっただろう。 何故か、あまり覚えていなかった。]
(50) 2015/05/25(Mon) 21時半頃
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[ この村で生まれて、育って、死んで。 今ある生を特別無駄だとは思っていない。 生まれ育ち命を全うする。 そのこと自体を別段不満だとは思っていなかった。
でも、せっかくある技術を閉じ込めてしまうのはあまりにも勿体無いじゃないか。
無知はある意味強みともなる。 実感して自覚して狡猾に利用して。 新しい「先生」の元で学ぶのも中々に悪くはなかったのだけど。]
────「所詮、ケツの青いガキの作品。」
[ナンセンスな総評。 「先生の元ではやっていけない。」 いつかと同じ台詞を吐き捨てて出て行った。]
(51) 2015/05/25(Mon) 21時半頃
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[ 見る人からすれば、それを「行動力がある」と称するのかもしれない。 でも、赤の他人からすれば子供の戯言。
考えなしの阿呆と同じで求められるのは「利口」で「大人しく」先生に従う華美でない者だった。 ]
( あぁ。そういえば、正に理想の弟子は「ケイト」じゃないか。 )
[外遊びをする自分とは裏腹に大人しく本を読んで日陰に腰掛けていた少女を思い出す。
食堂で先生と話していた時にも姿を見かけたような気もしたけれど、思考は昔に固執する。]
( 昔から、何と無く、だけど。
──────避けられてた。 )
(52) 2015/05/25(Mon) 21時半頃
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[同じく活動的ではあるが、ジリヤとは仲が良さそうだったのに対して自分と顔を合わせる時はどこかぎこちなかったような。
その理由を推し量ることは出来なかったけれど、何だか無性に気が喰わなかった。]
ま。気が合わないんだろう。
[とは言ってもいつまでも雑念に気を取られてしまえば、一日を無駄にしてしまう。 物思いに耽っていればいつの間にか朝なんて我ながら笑えない。
とりあえず昨日買った雑多な物を詰め込んだ鞄を持てば踵を返す。
家族には祭りに行くとだけ声をかけて、出店も回っているだろう広場へと向かった。]**
(53) 2015/05/25(Mon) 21時半頃
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─祭り当日・広場─
[ ピロシキ。シャシリク。シャルロートカ。
温かく茶葉の香りも濃厚な紅茶からこの村ではの菓子、料理が並んだ屋台をフラつく。
昨日、ジリヤと約束したのは良かったが具体的な場所を決めていなかった。 そう広くもない村だから、必要がないといえばないのだけど。]
………ん?
[それでも何処と無く視線を向ければ、宿屋の方角へ向かう3人の男女の姿>>67>>68>>69
前を歩く少年は誰だろう。 小首を傾げて数秒───ぁ。]
……オスカー?
[ 随分と背が高くなったような気がする。 それでも自分には及ばないことに安堵したのは放っておいて隣に携えている少女に口角を上げる。]
(71) 2015/05/25(Mon) 23時頃
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[あの子が誰かは分からないけれど、そう歳も変わらない癖にしみじみと耽る。 そうしてピロシキでも食べるかと視線をやって、少し、後ろを歩く、男に。]
女の尻ばっか追ってやんの。
[ 小声で誰ともなく呟けば踵を返す。 昔は、同い年の男子としてそれなりに会話する仲ではあったような気もするけれど、彼の傲慢とも言える暮らしには賛同しかねる。
結果、この村を出る前から距離をとっているのだが、彼からすれば些細なことかもしれない。 とりあえず気分を変えるために屋台にてピロシキを手に入れれば、頬張り、灯り揺らぐ飾りの光に目を細めた。]
(72) 2015/05/25(Mon) 23時頃
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[名前なんて読んだものの、遠くから呟いたようなものだし伝わっていなくともさして気にはしない。 祭りの間は滞在するつもりだから、もしかしたらまた会えるだろうし。 それ以降は───…考えていないけれど。]
あんまり天気はよろしくないようで。
[結局、祭りの準備に励んだ一員としては少し不満が募る。 まぁそれもいつもとは違う楽しみになるのかもしれないが。]
ま。来ないよな。
[時間も場所も指定していなかったから、仕方はないのだが。 靴元に視線をやるのは一瞬。 次は何を食うかなんて視線をやれば、思った以上の至近距離に誰か>>87が。]
───と、ごめん。
[咄嗟に謝って、口をあんぐり上げる。 瞬きも忘れて暫く眺めた挙句、落ちる一言は、あっけない。]
(89) 2015/05/26(Tue) 00時半頃
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……………誰?
(90) 2015/05/26(Tue) 00時半頃
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[カラカラ、と、頭の奥深いところで何かが回る音がする。
見開かれた菫色の瞳は、確かに目の前の青年を捉えていた。
否。目の前の青年の、瞳のもっと奥の奥。
ねぇ、わたしよ。
遠くて近い声が鳴く。まるきり別人の思考が割り込んだように、少女の意識は完全に停止する。
わたしよ。わかるでしょう?
カラ、カラ、カラ。
ああ、滑車が回るような何て耳障りな音。
彼が答えてくれたなら、この不快から抜け出せるんだろうか。
明滅する意識の底で、少女の知らない獣が息をする。急かすように。
はやく。はやく。]*
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[丁寧に編み込まれた色素の薄い髪。 紅の香りに混ざる粉の匂い。 男の知らない薫香だ。
呼吸をする度に白い息が視界を埋め尽くす──よりも鮮明に煌めくヴァイオレット。
いつか耳にした唄を思い出した。 そこにあるのは漆黒ではないけれど。
縫い付けられたようにその場から動くことが、出来ない。]
────………。
[ 滲む。
乾いた音。 硝子よりも細やかに微かな欠片が潜り込んだように。
心臓が一度、大きく跳ねる。 ]
(97) 2015/05/26(Tue) 01時半頃
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[ 目蓋の裏側に直接破片が混じったような冷たさを痛覚として認識する。
せり上がる唾液を嚥下することも忘れて、唯々魅入る。
戸惑いの種を摘み上げた唇はゆぅるりと弧を描き、吐息混じりに音もなくひとこと「囁く」だろう。 ]
『 あぁ───…見つけた。 』
[潜り込む異分子。
内側から侵食しては脳を巣食う正体に気付けた者を知らない。
何故なら、真実に気付く前に、人は皆───]
[くすり。
喉奥で声は嗤う。
唇は動いていない。ただ息をするように滑らかに紡ぐ。]
『 誰に見て欲しい? 』
『 誰に気付いて欲しい? 』
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────ケイト。
(98) 2015/05/26(Tue) 01時半頃
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[風が頬を撫でる。 唇が渇いて言葉を紡ぐ度に小さな痺れが走ったけれど朧気に映っていた視界が鮮明に戻る頃。
取り繕うように言葉を継ぎ足す。]
………あんまりに変わったから気付かなかった。
(99) 2015/05/26(Tue) 01時半頃
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[ 何が「変わった」というのか、
この男は自覚していないのだけど。]
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何。めかし込んで。 そう言えばアラン兄も帰って来てるみたいだし、会いに行く途中?
[それなら悪かったと視線を逸らそうとする。 何故だろう。 彼女の瞳を見ているとのめり込まれそうになる。
まるで、気付きたくなかったものに気付かされるような。そんな錯覚を覚える。]
………似合わないよ。
[「言葉には気を付けろ。」 忠告を貰ったのに、口走る言葉は落ちる雪のように淡々としていただろう。]**
(100) 2015/05/26(Tue) 01時半頃
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『 あぁ───…見つけた。 』
[カラン。……カチ、リ]
[音を介さない囁きが、そろりと風に乗った。
鼓膜では無い場所から脳の深く深いところまで、届く。
カチ。カチリ。空回りする歯車が、確かに噛み合う音。深めに被ったプラトークの陰で、停滞した意識が戻る寸前に、少女は確かに──微笑んだ。
誰に見せた事もない、愉悦と欲に濡れた瞳で艶然と。]
『 はじまりは、今夜 』
『 誰に見せたい? 』
『 誰に気付かせたい? 』
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[どんなに知識を蓄えていたって、大人しいから。あまり目立たないから。
自分にない物を持っていても、 自分にある物を探すことは出来た。
それが目の前の「コレ」はなんだ。
綺麗に整えられた「完成品」を見て口角は不均等に歪み、上がる。
それはまるで、昔のように。 ああ、そういえば昔からケイトとは“こう”だった。]
(110) 2015/05/26(Tue) 12時半頃
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[本を読むことが好きではなかった。 地味よりも目立つ物が好きだった。 そこに微かなミスがあっても大きな物で隠してしまえば大抵誰も分からない。気付かない。
「先生」と、───ケイト以外は。
レンズ一枚に覆われた瞳の奥。 遠目から眺めていた彼女は時折、自分より幾つか上のアランと話している姿を見た。
落ち着いた雰囲気に静かに凪いだ瞳。 あれに覗き込まれると、何もかもが見透かされそうな気分になる。
だから揺らいでしまえば問題は無かった。 昔のようにこっそりと責め立ててしまえば。
せっかくの化粧を半ば剥ぎ取るような姿に気分を良くしていたが、沈黙の後、小さな呟きを都合良くも聴覚は拾い上げた。]
(111) 2015/05/26(Tue) 12時半頃
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別に。
[「出来の悪い弟子」だと、新しい先生にも言われたから。 だから、帰って来たなど。
「おかえり」………なんて。]
………帰って来たくなんか、なかった。
[離れていく姿。
今は追いかけようなんて思わなかった。
変わらないこの村の日常。 いつまでも退屈な日々の繰り返しだと思っていた。
だが、変わらないものなんてない。 だから、───]
(112) 2015/05/26(Tue) 12時半頃
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( ───変わってしまうくらいなら。 )
(113) 2015/05/26(Tue) 12時半頃
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[一瞬、胸に過る何か。 視線を、左右へとやる。
だが、そこにいるのは祭を楽しむ人々で。]
………変わったよ。
[一言呟き、足を進める。 吐き捨てた息は白い。
そこに誰がいるかなんて声がかけられない限りは気付かない。
ふらりと気紛れな足取りは自然と宿屋の方に向かっていただろう。]**
(114) 2015/05/26(Tue) 13時頃
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[人の負の感情を媒介にして獣は嗤う。
ゆっくりとではあるが確実に人の身体に染み込んでは、記憶さえも支配しようと喰らう。
手始めに誰から魂を引き取ってしまおうか。
幼馴染でも、師匠でも、誰だって構わないのだけど。
人が集まる場所といえば───…]
『 料理は得意? 』
[肉体は離れた場所ではあるが、一度確認することは出来たから囁きは届くのではないかと。
万が一、届かなくとも問題はない。
身に纏う冷気が伝えてくれる。
今夜は荒れる。]
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[ 読書は嫌いだ。
だが、一冊だけ、読み終わった本はある。
クリスマスの夜に、ある富豪家の元で起きる事件。 それを名探偵が解決するというオーソドックスなもの。
それだけなら在り来たりで気にも止めなかっただろうが、登場人物の名前に意識を奪われた。 ]
血より濃いものはないけど、 血で血を贖罪なんて、ね。
[探偵と、犯人と。 脚光を浴びるのは前者であろう。 だがそれよりも、後者でもなく自分は被害者について語ったものだ。]
(146) 2015/05/26(Tue) 22時半頃
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俺ならそんなヘマしないように立ち回るけど。
[せっかく同じ性別に生まれて同じ歳に生まれた者同士だ。]
なぁ、そうだろ。リー。
[ 俺たちは、将来大物になろう。
幼さ故の野望。 彼がどう答えたか。 記憶は薄れつつはあるけれど、宿屋への道中。 久方に見つけた顔と昔を思い出すのは、]
(147) 2015/05/26(Tue) 22時半頃
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雪鬼《スニェク・ディアボル》……
[ 火かき某片手に闘志を燃やしていたことを思い出したから。
また、懐かしい顔を見過ぎたからだろう。
オスカーほど適度な距離感を保てる人物ならば、 ドロテア程歳が離れていたのならば、まだ冷静に物事を判断出来るのに。
物事の始まりを目撃された>>127とは知らず宿屋の扉に手を掛けた。]*
(148) 2015/05/26(Tue) 22時半頃
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─宿屋(酒場)─
[外が冷え込んでいるせいか、一歩足を踏み入れると足の裏からじんわりとした痺れが走った。 どれほど自分が冷えていたかを改めて自覚すれば、急ぎ足でパルックの元へと向かう。
昨日会うことは出来なかった分も込めて挨拶すれば、子供の頃に気に入っていた野菜のスープを勧められたから丁重にお断りしてホットワインを手に辺りを見渡す。
そこで見かけた一人>>141に目元を綻ばせれば声をかけた。]
や。さっき振り。 連れの女の子とはもうお別れ?
[茶化すような言葉をそのままに許可もなく腰を下ろそうとする。 何気無く視線を目配せすれば、さっきの女の子>>143も見つけられたけれど、何かを見ているようだ。
自然、視線を移ろわせれば小太りの男>>128とその人物に声をかけるドロテアの姿>>129]
随分と村も賑わっているようで。 あの二人はどちら様?
(149) 2015/05/26(Tue) 22時半頃
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[ 黙って口角を上げる。 今、自分は物凄くだらしのない顔をしていることだろう。]
ふぅん…? オスカーも案外隅に置けない。
あのおっさんに雪でコーティングしたらそれこそ雪男になりそうだ。 脂で溶けちゃうかな。
[男性については少し邪気混じりの冗談を交えて、少女については視線をやるだけ。]
叔母さんが自慢にしてた。 今じゃ猟師してるって聞いたけど…メルヤだっけ。 上手くいくよう祈ってる。
[最後に少々揶揄るような笑みを浮かべて]
なんか嫌な予感するから何かあったら護ってやりなよ、オスカー。
[ ちょっとグラス返してくると空になった容器を掲げて席を立つ。]
(160) 2015/05/26(Tue) 23時頃
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『 さて。「キミ」が行かないなら「僕」が行ってこようか。 』
[ 外は吹雪いてきている。
檻の中に閉じ込める準備は整いつつあるのだ。
だが、同時にここには人が多い。
見つからないように人を欺き、狡猾に操るにはどうすれば良いだろうと。
人間にも人間で時たま獣らに惹かれてしまうような者はいたけれど。
宴の始まりは自分達の手というのも一興。]
『 さて。どうする。 いい案はあるかな。 』
[侵食は進みつつある。
こうして媒体の意識が覚醒しているのに、囁ける程度には。]
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[ なら、“どんなんだよ”
下卑た質問を投げかけようとも思ったけれど、続いた言葉には真剣味を帯びた眼差しを向けただろう。]
ふぅん…? ま。嵐が過ぎ去るのを待つのが無難か。 最悪、今日はみんな此処で泊まりかもしれないし。
[窓を叩く雪の音が強まっているような気がする。 暫くはここで峠を越すのもありだろう。
ああ、でも席を立つ間際に聞こえた二人の名前に指が、小さく引き攣る。
それを誤魔化すように一際明るい声で答えた選択肢は]
敢えて大切な先生を護りにいくよ。
[答えにない答えを口にしては笑った。 そして聞こえたヒステリックな声>>167に眉尻を下げただろう。]*
(178) 2015/05/26(Tue) 23時半頃
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[ 「護りたい人」 ついぞ先ぞやの言葉を頭の中で逡巡させる。
浮かぶ二つの顔。 ケイトのことを思い出しては口元の笑みが消えた。
別に、“いつも通り”に振舞っただけなのに、どうしてこんなに居心地が悪いのか。
涙で濡れる目尻を見たから? 声を大にして叫ばれたから?
分からない。
分から、ない。 ]
(189) 2015/05/27(Wed) 00時頃
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[ 浮かぶ顔を別の人物にする。
幼馴染。昔から、よく遊んだ、子。 一つしか変わらないけれど、ほぼ同じ歳のようによく集まっては────]
(190) 2015/05/27(Wed) 00時頃
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[ 雪の少ない日だった。
ランタンの柔らかな光が、まるで朝陽のように白い雪を彩っていた。
周囲を見渡せば誰もが皆幸せそうに笑っているような気がして自然と、目元は緩んでしまった。
傍がそっと囁く。ないしょ話をする時と同じ声色だ。]
………。
[耳元がこそばゆい。 触れられて、握られて、引っ張られて。 当然のように引きかれながら歩いていく。
色づいた夜道。 まるでその一面だけ切り離されたような感覚。 指の中にある温度だけが全てのよう───]
(191) 2015/05/27(Wed) 00時頃
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「あの子もつれて来れたらよかった。」]
(192) 2015/05/27(Wed) 00時頃
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………そうだね。
[あの時、一瞬だけ親指に筋が張ったことを気付かれていないといい。 子供ながらに綻んだ唇は上手く笑えていればいい。
ランタンに照らされる、ふたりの顔。 くすり、くすり、───無音。]*
(193) 2015/05/27(Wed) 00時頃
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………。
[ 視線を逸らす。
遠巻きに流れるような喧騒を淡々とした瞳で眺める。
唇は弧を描いている。]
相変わらず、寝起きの機嫌は悪いな。先生。
[ まるで他人事。
こうなったら手はつけられない。 間に割って入ろうとする兄貴分の動向に口角を上げながらも、足は自然と店の奥側へ。]*
(194) 2015/05/27(Wed) 00時頃
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─???─
『 料理は得意? 』
(ああ、そうだ、ごはんを作らなきゃ。……どうして、だっけ)
『 「キミ」の作った料理が食べたいな。 』
(そうだ。そう。あのひとが望んだから。私の作った、料理…私の…わたし、の。)
[知っている誰かの知らない声が、麻薬のように脳の芯を犯している。
甘ったるい倒錯感が少女の意識を曖昧にする。頭の中の誰かと自分が、じわり、と、混じり合う感覚。
彼の問いに、答えなくちゃ、ならない。]
『 「あなた」は誰がいい?
大切な先生かしら。久しぶりに会ったお友達?──ああ、それとも 』
『 あの、雪の妖精みたいな、幼馴染? 』
[赤い紅い微睡みの中、唐突に少女の意識が浮上する。
ここは?
一体なにをしてるの、私。
今の声は、だれ。
溢れるように割り込んだ思考に、脳は勝手に混乱する。足がガクガクと震え、制御の利かない少女の身体はその場に膝をついた。
咄嗟に視線を巡らす。
知っているはずの叔父の家なのに、そこが何処なのか認識出来ない。
ただ、一つだけはっきりしている事実がある。目の前に、その叔父が居て。────伸びたその両手が、指が、自分の頸を締め上げている、という事だ。]
────っ、お、じ、…さ…
[ひゅう、と喉が鳴る。息が出来ない。
力の抜けた手から、からん、と何かが落ちた。つられるように視線が床に落ちると、転がっているのは肉切り包丁だ。どうして。どうして、こんなもの。]
『すまない…ケイト、兄さん、すまない…!』
[泣きながら叔父が両手に力を込める。
ぐ、と喉笛が押し潰される。声なんて出る筈無い。次第に細くなる意識に、パルックの泣き声だけがいやにはっきりと届く。
殺さなきゃいけないんだ。
雪鬼《スニェク・ディアボル》は、殺さなきゃ、いけないんだ。そう。]
(ちがう。わたし、雪鬼なんかじゃ。)
[じゃあ、何故?
肉切り包丁で何をする気だった?ぐるぐると回る視界に、歯車の音。
どんどん遠くなる意識の中、ふいに脳裏を過ぎった何か。陽光を跳ね返す、金の、柔らかな──]
────……す、けて、
…シ………オン……
[ぶつん。]**
[ いつだって、何にだって。
自分は、一番には、なれない。
足を突き動かす衝動の名前は分からない。
ただ、何かに誘われるようにしたつま先を差し出していた。
唇は閉ざしている。
運が良かったのか、周囲に人影は無い。
けれど、鼓膜を揺らす囁きは聞こえる。]
たいせつな、せんせい。
ひさしぶりにあった、おともだち。
[ 幼い子供のように囁きに倣って繰り返す。
誰だ。それは。何だ。それは。
俺は、「 あの、雪の妖精みたいな、幼馴染? 」]
──────ぁ。
[ ぐらり。
逆流する世界に落ちていく。
背筋を這うのは爛れた掌。
氷のように冷えた指先が思考を凍てつかせていく。
まるで硝子のように。
破片のような鋭さを持った眼差しは思考を停止させる。]
パルックさん…何して…ッ!
[絞り出したような声を放つと同時に地を蹴る。
捨て身の攻撃で身体ごとぶつかれば二人で縺れ合うように倒れ込んだ。
肉切り包丁は自分の後ろ手にある。
動揺したパルックを宥めるように声色は穏やかだ。]
ケイトが雪鬼《スニェク・ディアボル》な訳ないじゃないか…!
落ち着いてよ、パルックさん!
[何かの間違いだ。
そう訴える。
男の表情はきっと見えない。
ただ、温度の無い双眸が、見下ろす先にあるのは二つの双丘。
パルックが何か喚いている。
だから貴方を落ち着かせてあげる為に、囁く。]
『 「よく見て。誰が────雪鬼《スニェク・ディアボル》か。 」』
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