人狼議事


145 異世界の祭り

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えー、そうなのぉ?
まぁ、あたしもこのままお祭りを楽しんでもいいけどー。
うっかり見つかっちゃったら、その時はどうするつもりなのよぅ。』

…あまり積極的に動かない方が、ばれないのでは…?

『もー。貴方までそう言うのー?』


1日…! たった1日……! その油断が人を豚にする……!!

『アンタ甘いモノとか好きそーだよね。
 ろくに運動もせず怠惰に過ごしてあとで後悔するタイプだよね。』

人の性格を見透かさないで。キモチワルイ。本気でキモチワルイ。

『憑かれてるんだから、ある程度は仕方ねーと思ってよそこは。』


『も一つついでに見透かすとよ。
 誰かにイタズラして気絶させるっての、そこそこ乗り気だろ。』

……さあね。
まあ、もうちょっと緊張感があると面白いんじゃないかしらとは思ってるわね。

『アンタの感覚の何が普通だよ。
 ぜってー何かの前科持ちだろアンタ。』

さあね。よく覚えてないわ。


『まァ、オレらに協力して愉快な祭りにしてくれりゃ、
 気が変わってあんたら帰してやるかも知らねェがな?』

 ……あぁそぉ。



『あらぁ、貴女とは気が合いそうねぇ。
貴女に憑りついたらもっと楽しかったかもー。』

代わってもいいんですよ?

『あらやだー。嫉妬?
大丈夫よぅ。
だってその子に憑いたら色々食べられないでしょう?
さぁて、休憩の時には何食べようかなー♪』

嫉妬じゃありません。
その…私の胃袋も考えて下さいね?

『だって他人の胃袋だもの。
私には関知しようがないわ。』

(ひどい人だ…。)



愉快な祭り…とは、どういったものなのでしょうか。

『あら、やる気ねぇ。』

元の世界に未練はありますので。

『ずっと此処にいたらいいのにー。
何だかんだで貴方も楽しんでいるでしょう?』

楽しめるのは、限りがあるからですよ。

『あら、そう。』


 …………ダイエット用のお呪いっていうのもあr

『だァから憑依中はムリだって』



『……真っ当にまともそうなアンタがその女に憑かれてるってのは、ちょっと同情しなくもねーわ。』

何と言うか……何と言うか、ご愁傷様。
えっと……

[ふと気付く。
 先程から自然と、犯人およびそれに憑かれたらしき者たちの声が聞こえていたが、それが誰かは知らないままだ。]


『どんなのが愉快かは話の流れとオレらのキャラで察しろ。
 そっちのオネーサマのご機嫌も取らねェとゲートは開かねェよ?』

 ……言うと思ったよ。



うん、待ってて。今そいつ引っぺがす。

『おい馬鹿やめろ。やらせねーっつーの。』



えぇと…どうもありがとうございます?

『ちょっとー、それどういう意味よー。
失礼でしょう。』

あぁ…、私はディーン・アードルングと言います。
また後でお会いできると良いですね。

[慣れてきた所為か、普通に会話に混じっていた事に男も気付いた。
聞き慣れない方の声の持ち主に取り敢えず名前を名乗っておく。]



…ですよね。

『頑張ってねー♪』

他人事ですね。

『だって、あたしはあと6か月くらいはこのままでいいしー。』

な、長くないですか?
その時に帰されても、事件に巻き込まれたかと思って捜索願が出ていそうなんですが。

『あら、そうなのぉ?』

…下手したら職を失います。

『それは大変ねぇ。』

笑い事ではありませんってば…!


 一思いにやってくれ。

『やっぱそれが狙いかよ。』

 ん? あぁ。ディーンってあのディーンか。
 私だよ、ペラジー。
 お互い災難だな。



ペラジーさんですか?

あぁ、聞き覚えのある声だと思ったんですよね。
こんな事態ではありますが、宜しくお願いします。


ディーンさんに……

ペラジー、さん ね。
……声からして、さっきの人違いの人かしらね。

[ペラジーの名には何か引っ掛かるところがあったが、人違いだと言うならばそうなのだろう。
呑み込む事にした。]

私は帝舎斉花。セイカで良いわ。
ま、ヨロシクね。


 あーーーーーーーー!!!!?


 硬い…………

『噛んでると味が出るぜ。』

 セイカ、ね。……やっぱり人違いだったな。
 僕の知り合いは確かそんな名前じゃなかったし、
 そもそも女の子ですらなかったから、
 ――どうかした?
『あん?何だ?』



はい、宜しくお願いします。セイカさ…

[ペラジーと同じように応じようとしたところに斉花の叫び声が聞こえ、途中で言葉を止める。]

ど、どうしました?

[彼女の身に何かあったのだろうか。
問いかける声には心配そうな響きが乗る。]


『うわぁ……勿体ねー。』

うう…私のお金が………

『お前のじゃねーよ。
 あー、気にしないで。小狡い強欲女が騙し取ろうとした現金10万弱が、目の前でゴミになっただけだから。』


『ざまあ!』

 それは勿体なかったな。
 そしてお前は命知らずだな……



固い、ですか。

[言われ慣れている言葉に男は苦笑する。]



…十万円相当ですか…。
それは、目の当りにしたらショックですね。

『でも騙し取ろうとするなんてやるわねー♪』

騙し取るのはいけません。
…銀行、はなさそうですね。

『ギンコーって?』

お金を預けたり、店や会社などにお金を貸す代わりに利子を取るところですよ。
無事に破片が残っていたら、交換して貰えるかと思ったのですが。

『そういうところはないわねぇ。
高利貸しはいるけど。』


『てか、村長の野郎、なんで10万とか渡してんだ。
 来たばっかの異世界人にいきなり弱みでも握られてんのか。』

知らないわよ……ああ、お金……


 うん、凄い筋張ってた。

[勿論肉の話である。

 だが確かに噛んでると少し旨味が……


『なかなかやるじゃないのー。』

ビギナーズラックという奴ではないかと。

『ふふふ、貰えたのならビギナーズなんちゃらだっていいのよ。
無料券にお肉ー♪』

まだ食べませんから。
それに、結局何の肉かは教えて貰えませんでしたし…。

『渡すからには食べられるんじゃない?』

…ざっくりですね。

[男は小さく息をつく。]



筋張って…?

[男は目を丸くする。
どうやら自分は取り違えをしていたらしい、と気付き、苦笑する。
視覚を必要としない会話故か。]

…あぁ、何か食べていらっしゃるんですね?


 ロック鳥のナゲットは上級者向けだな。
 あんまりオススメしない。

『フツー揚げ物じゃなくて柔らかくなるまで煮るからなァ。』

 ふふ、別に君の事を言った訳じゃないよ。

『何だァ、気にしてんのかァ兄ちゃん?』


今なら。今ならお金を失ったこの哀しみで、神様の息の根だって止められる気がするわね……

『アンタが言うと洒落にならない気がするからやめてくれない。
 てっか、完全に八つ当たりじゃねーか。』



そうなんですね。頭に置いておきます。

―あぁ。
まぁ、気にしてないと言ったら嘘になりますね。

『あらぁ、素直ねぇ。
からかってやろうと思ったのにー。』

この年で強がったって仕方がないでしょう。
まぁ、それも含めて自分だとは思っていますが。


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