153 unblest blood
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[グロリアと出会ったのは十年ほど前の事だ。 介した顧客も資産家で彼女や貿易商と同じく「人でない」者。 未だに付き合いがあるがこの集いには来ないと言っていた。 ダンピールの噂が気にかかるらしく宜しくの言付を託された。
貿易商となってからはそれよりも長い。 変わらぬ見目はそろそろ若作りでは済まないだろう。 なした財で遊び暮らせるのだが 名を変え、拠点を変えて再び貿易をしようと思うのは 今の在り方を当人は気に入っているから。]
……あ。 言付、伝えそびれたな。 ま、この嵐じゃ帰れそうにないし、機を見てでいいか。
[今伝えにいかずとも問題ないだろうと、 独り言ちて廊下の方へと眼差しを向けた。**]
(36) 2013/12/03(Tue) 17時頃
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[飲みたい物を口には出したが 別段渇きを覚えているわけではないから それを求めて動くことはしなかった。 フィリップの声>>38にはおやと片眉があがる。]
酒、飲まないんだ。 じゃ、紅茶派?
[上機嫌で紅茶を口にしていた彼が アルコールの話となると顰め面に変わったから 首を傾げて問うような言葉を漏らして 黒のコートを脱ぎ、左腕に掛ける。]
(39) 2013/12/03(Tue) 21時半頃
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ダンピールがいたら、 ――…面倒な事になりそうだ。
[警戒するにこしたことはないが 実際それはまだ噂でしかないのもあり 今は未だ特別気を張るようなこともないまま]
見舞い、ね。 ……、いってらっしゃい。
[揶揄る言葉がすんでのところで飲み込んで 見送る言葉だけを廊下へと行くサミュエル>>42に向けた。]
(45) 2013/12/03(Tue) 22時頃
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[あたたかな部屋でコートを着たままいたから 脱いでも直ぐには篭った熱は消えてくれない。 汗ばむ寸前の、妙な気持ち悪さを感じながら 無意識に、右手が左胸のポケットから煙草を一本取り出す。 口に運んだところで、フィリップからの返し>>44が聞こえ]
へぇ、果物は季節を感じられていいよな。 ……ん、茶を淹れてくれる相手はいないンだ?
ああ、うまいなら良かった。 グロリア嬢は目利きだから、菓子もうまかった覚えがある。
[カップをひっくり返して飲み干す様を見れば よほど気に入ったのかと表情が緩んだ。]
さん、とか、別につけなくていいよ。 あー、仕事の付き合いで飲む事も飲ませる事もある。 酒の席だと打ち解けてくれやすいのもあってね。
(46) 2013/12/03(Tue) 22時頃
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(ああ、みんな良い奴そうで良かった)
(俺が好きになれそうな奴らばっかりで良かった)
(アンタはこの茶会のホストがいきなり灰になったらどんな顔をする?)
(隣の奴がいきなり灰になったら?)
(楽しみだな)
[思うだけ。まだ手は出さない。
それこそ、紅茶と一緒だ。カップに落とす時間を間違えれば――不味くなるだけ]
[「オナカマ」の血気盛んな様子に、]
(あの様子じゃ俺も殺されかねぇなー。)
[と、顔がニヤけそうになるのを堪える。
それが眉間の皺を深める為に作用しているとは、
気付いてはいない。]
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―回想/嵐の前―
[名乗りを終えてすぐに向けられた視線>>47と言葉に はたと瞬き、一拍の間の後、頷く。]
舶来の時計も、もちろん。 なるほど、収集家でもありましたか。
[懇意に、の言葉がサイラスの口からあると笑みを湛えて]
――…こちらこそ。 末永くお付き合い頂ければ、と。
[歩み寄る彼に手を差し出して握手を求めるのは仕事柄か]
古くは王家に伝わると言われる懐中時計から 技師が技術の粋を集めた芸術とも言える逸品まで。
[未だ主の決まっていない品の一部を口にしたのだった。*]
(56) 2013/12/03(Tue) 22時半頃
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[ちらりと視線を向ける。
時が来ればあまりこういう行動は褒められたものではない、と頭で分かってはいるのだが。
やはり数少ない同類。自然と視線が追ってしまう。
もしも目が合ったなら。
皺の寄った顔ににこりと笑いかけただろう。
無論、殺戮の邪魔をするのなら彼に刃を振るう事も厭わない。
彼もダンピールである以上、その可能性はほぼないだろうが]
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[直球なフィリップの言>>54にクツクツと喉を鳴らして笑った。]
レディーの前では一応言葉を濁さなきゃ。 ――血は、何よりも甘美だけど。 快楽も、退屈を紛らわすには悪くはない。
[貿易商をする前。 人とはいえぬ身となって間もない頃は 快楽で人を惑わし支援を求めていた事もあるが――。]
や、ふつーふつー。 モテてるともっと楽なんだけどね。 おう、その呼び方のがしっくりくる。 面倒だけど、面倒だから退屈しない。
[煙草を咥え火をつけようとして、手が止まる。]
さすがに此処で吸うのは悪いか。
[他の客人を気にして、咥えた煙草を手で摘み一旦ポケットに仕舞った。]
(58) 2013/12/03(Tue) 23時頃
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[ワゴンを押して戻るマドカ>>60が見えれば]
お、おかえり。
[軽く声を掛ける。 彼女の運ぶ酒盛りセットには思わず目を瞠る。]
ちょ、なんて豪勢な。 このアイスワインとか一流品だろ。 それにこのカナッペに使われてるプロシュートも上物じゃないか。
[マドカと同じく、思わずテンションがあがる。 どちらも取り扱う品ではあるが滅多に口にすることはなく 思わず目を輝かせてしまう、そんな酒盛りセットだった。]
(63) 2013/12/03(Tue) 23時頃
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贅沢な酒盛りだな。 この干しぶどうも枝付きでしかも崩れが少ないときてる。 さすがグロリア嬢の別邸、といったところか。
[感嘆の声を漏らしマドカの用意した物を眺める。]
サミーは無くてもいいっていってたけど これはさすがに、残しとくべきかなぁ。
[グロリアの見舞いに言ったサミュエルの言葉>>42を思い出しぽつと呟いて]
ワインなら赤でも白でも。 マドカ嬢、いいチョイスだ。 ……グロリア嬢もこの夜の為に用意したんだろ。 おいしく頂けば、彼女も喜んでくれるんじゃないかな。
[マドカの呟き>>64聞けばそんな事を言って 余っていた椅子の背にコートを掛けてワゴンの傍へ。]
(68) 2013/12/03(Tue) 23時半頃
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[ワゴンの方へ歩み寄る途中、 クラリッサの方をちらと見遣る。
さくさくと齧られてゆくクッキー。 リスが連想されて何やら微笑ましいのだが 頬をつつくわけにもいかず目許だけを和ませた。]
(72) 2013/12/03(Tue) 23時半頃
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[気にしない、と言うマドカに頷く。 貿易商というのにも頷き]
食材の味もさることながら マドカ嬢が手ずからというのもポイント高いね。
[にっ、と口の端を持ち上げた。 彼女からグラスを受け取り]
注いでくれるならお願いしよう。
[手を伸ばし、グラスの口をマドカの方へと向ける。]
(74) 2013/12/03(Tue) 23時半頃
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シーシャは、サイラスの浮かべた表情>>70には、含みのある笑みをそっと返した。
2013/12/03(Tue) 23時半頃
[「こわや、こわや」と、
見てしまえば表情が崩れてしまいそうになるので、
「オナカマ」からクッキーへと視線を移して。
けれども、「オナカマ」に遭遇した事はこの時まで無かったもので、
意識は無意識にそちらに向いてしまうのも致し方ない。
チラ、と様子を覗うと目が合い、
にこりと笑いかけられてしまう。
こういった場合、どうするのが正解であるのか。
考えるだけ無駄な気がして、
口元が緩むままに笑みを返した。
「オナカマ」が吸血鬼を狩る邪魔などする気はさらさら無い。]
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[グラスに注がれた白はとろりと芳醇な色。 鼻孔を擽る甘い香りにふっと瞳が細まる。]
ありがと。 じゃ、マドカ嬢にも、お返し。
[グラスを左手に持ち直し、 空のグラスを取ろうとするが その間にもマドカは自身でキープしていた。]
と、間に合わなかったか。
[軽く笑い]
商人だからねぇ。 そういうマドカ嬢は甲斐甲斐しいね。 近くにそういう相手でも居たかな。
[口が上手の応えと共に受けた印象を言葉にする。]
(84) 2013/12/04(Wed) 00時頃
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[ゆらとグラスを揺らす。 まだワインには口をつけてはいない。 フィリップの呟き>>89聞こえれば首を傾げて]
飲めない、じゃなく、飲まないだろ? ――美味しいと思えるものを口にすれば良い。 どれもこれも、嗜好品でしかないんだから。
[食餌として必要なのは、人間の血。 そんな考えが言葉となり漏れる。]
(94) 2013/12/04(Wed) 00時頃
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[室内を見回すサイラス>>90にそう伝える。 温い目>>91には不思議そうに瞬きながら マドカの返事>>93を聞き、なるほどと頷いた。]
人とは流れる時間が、違う。 自分でできるにこしたことはないけど ――…いなくなれば、代わりを見つけるのも選択肢の一つかな。
[世話をされる側である事もする側であることも 一通り経験はしていたがどちらかといえば前者が多い。 マドカは後者であろうことが彼女の言葉から推測される。]
可愛くて甲斐甲斐しいなら引く手数多とは思うけど、ね。 何も出来ないようには見えないよ。
[やんわりと返される言葉にゆるやかに目を伏せた。]
(98) 2013/12/04(Wed) 00時半頃
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[グラスが渡りきる頃に軽くグラスを掲げて]
穏やかな夜に、乾杯。
[グロリアという主催者はいないが 彼女が望んだ夜を思いそう口にする。]
(100) 2013/12/04(Wed) 00時半頃
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[口が上手いと再び言われると破顔して]
営業時間外だからサービス抜きの本心だよ。 マドカ嬢のうなじなんてご褒美が過ぎるだろ。
[伏せた眼差しが、ふと釣られるように マドカ>>106のうなじへと注がれる。 過る欲を打ち消すように小さく頭を振り]
手先の器用さも、割り切りも――… 人の世でいきるに必要な事だから身についたんだろうね。
[彼女がどう過ごしてきたかは知らぬまま それを思うようにぽつり呟き、その笑みを目に留めた。]
(111) 2013/12/04(Wed) 01時頃
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[空になったグラス>>114にはたと瞬き ワゴンにあるワインの瓶を手に取り サイラスの掲げたグラスへと注いで満たす。]
サイラスも十分世話やきだ。
[マドカへと向けた言葉を聞いていた男は 笑いながらそんな事を口にした。]
(116) 2013/12/04(Wed) 01時頃
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[これから「狩ろう」という存在と言葉を交わす。
無意味なことだ。
その衝動が暴れだせば、重ねた言葉も無関係―――。
けれど、男の中には確かに屍人の血が半分流れており、
屍人であった母の記憶も残っていて。
何故彼女が人と契ったのか。
子をもうけたのか。
納得のいかない事象に、
無意識に答えを求めているのかもしれない。]
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[グラスの口に顔を近づける。 甘やかな香りにとろと細まる双眸。 傾けて口腔へと流し込めば思い描いた味が広がる。 ゆっくりと味わい、嚥下して、吐き出された吐息にも甘さが移る。]
ああ、やっぱ、美味いわ。
[女性の好みそうな味ではあるが 煙草にさえバニラの香りを纏わせる男にとっては好ましい味。 何やら釈然としない風の響きを感じるサイラスの言葉>>117に]
ん。 可愛いコには特別か。
[世話やきという性質がないならそうとしか考えられないと くつりと喉を鳴らして笑う。 口調に関しては場に合わせるのが常であるからさして気にとめず プロシュートののるカナッペを摘み口に運んでは満足気に頷いた。]
(119) 2013/12/04(Wed) 01時半頃
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[人であれば糧となる飲食も男にとっては嗜好品でしかない。 糧とならぬその味を楽しむためだけに口にする。 いきるのに必要なのは人の血なれど 楽しみはある方が良いと思っている。
現実主義であり快楽主義でもある人外の貿易商。 現実主義の人が聞いたら完全に否定されるだろう存在。
向けられる視線>>125にはどうしたとばかりに首を傾げ]
質はいいな。 客人をもてなしたいと思うグロリア嬢の心が垣間見える。
[美味いの言葉に同意を示した。]
(127) 2013/12/04(Wed) 02時頃
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[戻ってきたサミュエル>>124には空いている手を掲げ]
おかえり。 グロリア嬢には会えたか?
[見舞いの結果を尋ねる言葉を彼に向ける。]
ああ、先にやらせてもらってる。
[サイラスの応え>>126には意外そうにきょととして]
父親の気分になるって…… 並んでもさすがに親子には見えない。 せめて妹とか、さぁ。
[からりと笑って、ワインをちびりと舐めた。]
(130) 2013/12/04(Wed) 02時頃
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[グロリアとの仲に関しては一度グラスに視線を落とし]
親しさは、それなりに、かな。 ああ、紹介で来たって事は、俺と同じ。 といってもだーいぶ前の話になるんだけどさ。 俺も、顧客からの紹介で、グロリア嬢と知り合ったんだ。
人懐こいお嬢さん、かな。 良くも悪くも。ちっと警戒心が足りない所がネックか。
[そんな印象を抱く彼女だからこそこうしたつながりを持てたのだが。 サイラス>>128に軽く経緯を語り]
人脈も財産、ってね。
[そんな風に一区切りして、歓談に耳を傾ける。**]
(131) 2013/12/04(Wed) 02時頃
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[ジュースを手に取るために立ち上がり、すれ違った一瞬。
唯一の同族である彼だけに聞こえるように囁く]
……俺から始めてもいい?
[何を、とは言わない。ダンピールがいて、吸血鬼がいる。
ならばお互い目的はひとつの筈。
とはいえ、現状自分で手を下したい相手はいない。
彼が先陣を切ると言うなら、第一の獲物は彼に譲るだろう]
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―回想―
[マドカの応え>>153には不思議そうに首を傾げた。]
――…こうなってからの歳月なんて数えたら 俺はおじさんじゃ足りないかな。
[年齢的なものは気にしていない。 気にするのを止めて久しい。 そんなニュアンスで口の端をあげる。]
マドカ嬢の知る商売人は熱心なんだね。
[営業トークには必要な場面ですれば良いと思っていた。 甘い言葉を吐くのも血を頂く時くらい。 細く白い彼女のうなじに牙の痕がちらと覗く。 一瞬、そこに噛み付く己の姿を想像し、眸が揺れた。 ちらと、苦笑じみた笑みを彼女が形作るのが視界の端に映り込む。*]
(159) 2013/12/04(Wed) 23時頃
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[すれ違いざま囁かれたのには、]
あぁ、……どーぞどーぞ。
[すっと身を翻して、
飲み物を取りに来た「オナカマ」に道を譲るようにしながら
言葉短かに返した。
血の気の多そうと印象は、
あながち間違っていなかったようだ。
今は口元が緩んでも不自然ではないだろうから、
ふっと笑みを向ける。
最初くらい秩序立てて事を運ぶのも悪くない。
――そのうち、
どうせ互いに理性など飛んでしまうだろうから。]
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[乾杯に返る声が聞こえる度、 その方へとグラスを掲げ形よく笑んでみせる。
サミュエルからグロリアの事>>144を聞くと笑みは消えて]
キツそう、か。 あの噂が、きっと彼女を苛んでいるんだろ。
――…何も、って。 見舞いしてきたんだろーに。
[唸る音が微か聞こえ、返す声は意識して明るめの音。 何も出来なかった。 そう感じるような出来事が頭を過る。 瞬くように目を一度伏せて再び戻した先に サミュエルのポーカーフェイスが見えて、ふっとわらう。]
(163) 2013/12/04(Wed) 23時頃
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