3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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[不意に聴こえた謝罪の声。
先程から 似ていると 感じていた。殆ど毎日聞いていたあの声音 に。
肯定したいような否定したいような気持ちは綯交ぜにして閉じ込める。]
…… どうしたのさ ?
[静かに、尋ねた。]
[――黙していた、気配が。]
――ばけもの …
[ただひとこと、己に刺すように、
小さく、呟いた。]
[低い声。
やはり謝罪が聴こえて。訝しげな意識を向ける。
続いた言葉に思い出すのは赤毛の少女。]
は。
……何、流行ってんの。そのフレーズ。
[この声も、もう一つの声も。聞き覚えがあるような、だが確証はない。]
そう罵って欲しいなら、そう呼ぶよ。
[自虐的だ、誰も、彼も――。]
ああ、俺は、化け物だ。
罵って?
ああ、そうかもな。
でも、そうじゃない。
[誰かの血を 飲んだのか。
誰かを 犠牲に して 生きるのが
化け物
なら。]
……どうせ、僕も同じだ。
罵ってほしいんじゃない。
でも、罵ってもらえば、やめられるかもしれない。
そうだな。ばかだ。
しかも 自分の欲望に理由をつけて
かっこわりぃ
|
独善的なルールじゃ、どんなに一緒に遊んでいるつもりでも、結局ケイト一人で遊んでいるだけ。寂しいな。互いにルールを決めていかなきゃ、一緒に遊んだことにならないさ。
……振られたか。残念だな。いいよ、勝手にやる。
[目の前の影は、どろりと溶けて。 無残な女生徒の死体に変化していった。 やっぱり、『死体』を目にするのはまだ抵抗がある]
[息を呑んであとずさろうとして、壁にぶち当たる。 恐怖が顔に乗る。これは、あの人じゃない。 ひゅうひゅうと喉が鳴る。騒音の渦の中で届く気はしなかったが]
……やっぱり俺はお絵かきがいいな。
[追いかけられるか、取り付かれるか。どれも嫌だ。 一番嫌なのは―― 悪い想像ばかり浮かぶ中、掠れた声で、最後の意地をはっていた**]
(653) 2010/02/28(Sun) 02時頃
|
[自分の欲望に理由をつけて。
その言葉が、ちくりと、した。
けれどその感覚も直ぐに消える。]
…… ふ。
[最後の言葉に小さく、笑った。]
紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2010/02/28(Sun) 02時頃
まだ、欲しいのか?
[渇きはいつまで続くのか……。]
――…… 。
[何かに気付いて、黙る。]
まあ。止めて欲しい時は精一杯罵る事にするよ。
でも、何時僕に降りかかるかも判らないけどね。
[何故、『鬼』の殆どが 好かれた のか解らない。
もしかしたら、次は自分の可能性もある。]
気まぐれ、か。
――…、
[まだ、少し]
……―ーいまは、…まだ。
[罵って、だとか。莫迦だ、だとか聞こえて。
ただそこまでは、上手く頭が回らないでいた。]
[様子を見る。]
[そして……]
苦しいよな………。
血ならやるから、こっちに来い。
お前の事情は、俺たちのほうが、わかっているさ。
[それは、同じ化け物としての……
鬼としての………もう、同じ舞台にたつものとしての……。]
人間に化け物であるのを見られたくはないだろう?
こっちに来い……。
[聴こえてた話には、苦笑い。]
飲みたいなら飲めばいい?
それがたまたま血液?
ふざけるな。
俺たちをペット扱いでもしてるのか。
――…。
…、バーニィ
[酷く、困ったような顔を、した。
嗚呼。自分は、鬼だから。]
[困った顔に、帽子の奥から鋭い視線を向ける。]
お前のために言ってるんだ。
そうやって、お人よしの血ばかりを吸いたいか?
嫌だろうが……。
[それは同じ衝動をもっているからこその、助言ではあるが…。]
――血なんか
吸いたくない、んだ
身体――勝手に、……
[唇を、噛む。]
[二人の会話に口を挟むことはないまま。
ただ、ぽろりと零れた名前に、低い声の主が思い至る。]
……ああ。
[あのおじさんか、と、ぼんやり思う。
飼育小屋関連で世話になることは多かった。]**
当たり前だ、血なんか吸いたくない。
同じだ。
同じなんだよ。
[その吸ったあとの虚しさも……。]
――……、
……嗚呼、
[そうだ。
そうなのだ。
酩酊の後の、――自己嫌悪は]
……、…―― でも、…どうするんだ。
…血なら、…やるって、謂っても。
お人よしの血が吸いたいなら、そうすればいい。
ただ、そのほうが苦しいだろうと思っただけだからな。
あと、鬼になる決意はついたよ。
お前らみんな、護ってやるよ。
はは はは
はは はは
鬼は、やっぱり、化け物になるしかないなぁ。**
――……、
[見えないところで]
[表情を、痛みを堪えるようにゆがめた。]
[鬼になりきれない鬼。]
[半端な、黒い染み]
……、――バーニィ……
[渇く、わらい。
何も、謂えなかった。]
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