3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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― 生徒会室 ―
[キャロライナにとってドナルドは、どうやら姿だけでなく、感覚すらも化け物のように感じるようだった。]
キャロル……―――
[もう一度、名を呼ぶ。セシルの声が聴こえる。離れろと。 分かっている、分かっているが。
意外と、精神的にきついもんだなぁ、と。 叫ぶ口を塞いでやろうかと、思うくらいには参って。 実行しないくらいには、理性はあり。
―――……そして、視界が黒く瞬く。]
(579) 2010/03/02(Tue) 01時頃
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あ〜……くそっ
[フィリップの制止の声も聴こえると、小さく呻いた。 両腕を解き放ち、キャロライナと距離を取る。 そして、振りかえって、セシルをフィリップを見やる。]
すまん。後は頼む。 あ〜、かっこわりぃ……―――
[こめかみの一打が利いているのか。 そのまま意識をブラックアウトさせた。 そんな様子なので、セシルの様子もフィリップの様子もきちんとは把握できないまま。
―――……最後の気力で、デカイ図体は壁際に。 壁に背を預けて、*蹲る*]
(581) 2010/03/02(Tue) 01時頃
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問題児 ドナルドは、奏者 セシルが持ってきてくれたシャツは、どさくさにまぎれて床に落ちたまま**
2010/03/02(Tue) 01時頃
――、… 何
[怪訝そうに、眼を見開いたのが見えたろう。]
なん、だよ 。
何、自傷趣味でも あるの。
[怪訝そうな表情に、右眼の青が薄紫を 不思議そうに 見た。]
あんまり友達に心配かけちゃ だめ
[薄紫にぽつり]
……そうじゃない。
[――気を紛らわすため、とか。
――それに痛みは丁度いい、と思っていた]
……、
…――ただの癖だ
[だめ、と謂う声には、困ったような、
きまり悪そうな気配が、あった。]
…… 癖 。
[そう、と、小さく。]
でも 気をつけな よ?
お人よしが、多いから さ。
[ばつの悪そうな、そして見える姿に、苦笑を漏らした。]
――……、
……、知ってる。
[そうして、一度ドナルドの方を見た。
伏せた眼は、複雑な色だった。]
…、何で今になって。
[今だからこそ、なのかもしれないが。
わからない、と呟いた。]
……そんなにあぶなっかしいかなあ
[拗ねたような声がぽそり]
…… そうだね。
[吸血衝動に襲われていた時も、そう言っていた。]
な、踏み込まれるの
厭なの ?
[少し、だけ、踏み込む。
踏み込んでしまったのは 何故 だろう。]
え。
[拗ねた声色に、割合と本気で驚いたような声を返した。]
…… 言った、と思うけど。
[くすり。小さく 笑った。生徒の、笑い。]
気にしないで、きみたちは青春の話をしてなさい。
私、聞いてないふりしてるから。
――あ、笑ったわね、もう。
そんなこと言うの君くらいだと思ってたのに。
…… いや、生徒の大半はそう思ってると思う よ?
[くす。また笑う。
今は失ってしまったあの日常のような会話が。
ひどく懐かしくて。 恋しい。]
[だから、か。
踏み込んでしまったことを誤魔化すためか。
目前の彼にも冗句を口にする。]
――、…
[踏み込まれるの]
[厭なの。]
……――、それは、
[僅か、うろたえたような気配。]
…関係、ないだろう。
……――
…、――
[ぼんやりと、遠い日常を思う。
青春、と 彼女は言う。]
別に、そんなんじゃ、ない。
[顔を背けるような。気配。]
―― …… そうだね。
[関係ない。 そうだ。如何して、訊いた のか。
ごめん、と謝ろう、として。]
本当は 嬉しい のかなって。
[呟きのように小さな声で ぽつり と。
狭い視界に、見えてしまったのは――泣きそうな 貌。]
違う
[―――刻むような言葉が、落ちた。]
…ちがう。
……――
…… そ っか。
ごめん、変なこと 訊いた。
[否定の言葉 本心かはともかく。
それが返れば、これ以上、踏み込みは、しない し。
*出来な かった*]
――べつに
[背中で答える、奇妙な感覚]
[この手ではピアノは弾けない]
[この手ではつかめない]
[この手では]
(でも、欲しければ手を伸ばし続けるしかないのよ)
…… …――わからない。
[呟きは闇に、後には、紙を捲る音が響く*ばかり*]
命狙ってくる相手さんときゃっきゃうふふ出来るほど、
心臓に毛は生えてないんだよねえ。
[まだ、あの時の事は忘れていない。]
じゃあ、覚えてたら気にしない。
[出生の秘密に、何を言えば良いのか分からなかったけれど]
生まれる前の事は、自分じゃどうにも出来ないさ。
肝心なのは、その後。
今のあんたは何所に出たって恥ずかしくない好青年じゃないか、
いらん事したお父さんだって見返してやれるとも。
[今度はふざける様子もなく、思ったままを告げて]
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