30 ─今夜、薔薇の木の下で。
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先輩?
[フィリップの首筋に、また一つ赤い花びら。 赤い花弁はいつも一つだけなのに、蒼いそれはいつの間にか少しずつ数を増していた。]
[思わずフィリップの髪に絡めた指に力が入る。 引き寄せると、フィリップが自分の胸に顔を埋めたような形になった。]
先輩、連れて行かれちゃだめだよ。
[そう言うと、肩に手をかけてフィリップを抱き寄せた。]
(143) 2010/09/09(Thu) 21時半頃
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― 非常階段 ―
―――……燃やしても、私がしたこと《蒼薔薇の呪い》は なかったことにはならないさ。
[少しだけ傷むような貌をするも、薔薇園に視線を向ける灰銀には映らない。]
ラルフッ……―――
[紡がれる熱病のような嫉妬《愛》の言葉に、何かを考え込むように遠くを見詰めるような眼をする。その間に、彼はロビンの臀部を蹴り、階段一段分落としてしまった。 非難めいた声音で名を呼ぶも、手はラルフに差し出したまま。 それが、ある種の答えであると、彼は気が付かないだろうか。 皆に差し出す手――けれど、それにも優先順位があることを。
―――……ディーンは千の手を持つ神ではないのだから。]
(144) 2010/09/09(Thu) 21時半頃
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ラルフ……―――
[次に名を呼ぶ音は、手に施される愛撫に熱を孕んだもの。 コクリ――と、喉を鳴らすのは、嗚呼、それでも譲れぬものの為に言葉を探すから。ゆっくりと、上目に視る灰銀を見降ろしながら、言葉を紡ぎ始める。 それは睦言のような甘い響きと、聖者のような迷いない響きを持って。]
なぁ、ラルフ。お前は覚えているだろうか。 私は、サイラスを壊す前に、 そして壊した後に《これも私だ》と告げた。 それに偽りはない。
[蒼薔薇の呪いに増長された部分はあっても、それは確かにディーンに少なからずあった《種》だ。]
蒼薔薇を焼き払ったとて、今の私が無くなる訳ではない。 ただ、一度焼き払い、その肥で、 新たに芽吹き、形を変えたいんだ。 そして、蒼薔薇が元は美しい想いのものならば、それに還したい。
(145) 2010/09/09(Thu) 21時半頃
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[浄化の炎は全てを焼き払う訳ではない。 炎が消え去った後には、大地が、そして肥となる灰がある。
――……そして、焼け野が原にこそ、逞しく美しい花は咲くのだと。]
それにな、ここで私が、では共に行こうとお前に謂うことは それこそ《私が私で無くなること》だと想う。
[つっと、ラルフの唾液、まるで朝露に濡れる小枝のような指を引く。 自ら触れるのは、ラルフの唇の端に。包み込むように掌は頬へ。 もう片方の手も、もう一方の頬へ添える。]
もう一度謂う。 私は、お前に此処で待っていて欲しい。 あちらに行くのではなく、此処に戻ってきたい。
[複雑な色を孕む銀を、どこまでも真っ直ぐに紫で貫いた。]
(146) 2010/09/09(Thu) 21時半頃
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[裡から刻まれていく蒼は貫くような痛みと、 それ以上に震えるほどの甘さを持って。 荒ぐ息はルーカスに抱き寄せられるとくぐもったものに。]
あ、 あぁ…
…厭、だ
[零れる悲鳴は情事の時を思わせるかのような。 拒絶の声はルーカスに向けたものなのか、 それとも裡から責め苦を強いる花にか。
翡翠がじわりと潤むと縋るようにルーカスの服を掴み。 体温は其処に在って、けれども求めるものではなく]
(147) 2010/09/09(Thu) 21時半頃
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――…セ シル…
[助けを求めるかのように。 呼んだのは後輩の名、蒼薔薇の花の名。 思い浮かべたのはどちらの姿か。
ぐらりと、身体が揺らいでルーカスに 身を預ける形となった。
甘い香は身体から消えず、浸されていく意識は 囚われの世界と、常の世界でぎりぎりの均衡を保つ。*]
(148) 2010/09/09(Thu) 21時半頃
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ロビンは、ディーン…と眠りのうちに無音の呟きを。
2010/09/09(Thu) 22時頃
ロビンは、ディーンとラルフの会話も知らず、僅かに身動ぐ。
2010/09/09(Thu) 22時頃
掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/09(Thu) 22時頃
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せんぱい?
[腕の中でくってりしてしまったフィリップを、空いた寝台まで運んで横たえる。]
[横の寝台で昏々と眠るセシルが視界に入って。 思わず零れる溜め息。 視線をフィリップに向けなおして]
……何だか、嫌だなこれ。
[首筋の蒼い花弁にどうしても目が向いてしまう。]
(149) 2010/09/09(Thu) 22時頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/09(Thu) 22時半頃
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―非常階段― [ぱちり、と仕掛け人形のように目を見開く。 ゆら…と起き上がらんとする動作もまた人形の如く。 蒼いい薔薇の侵食は既に両肩にまで拡がっている。]
(150) 2010/09/09(Thu) 22時半頃
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[透けるように白いフィリップのうなじをしばしの間、じっと見つめて。]
──先輩、セシル、ごめん。
[呟くと、身を屈めて、フィリップの項に唇を寄せた。 空いた手は、フィリップの胸を服の上から撫で。]
[それ以上の愛撫を加えたい衝動に何回も駆られたのは、甘い薔薇の香りのせいだろうか。
蒼薔薇の花弁の描かれる余地などなくなるまで、唇は眠る少年の首筋を這い、赤い跡を残していった。]
(151) 2010/09/09(Thu) 22時半頃
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……ディーン。
[唇の端に添えられた指。頬を包まれ、真っ直ぐな眼差しに射抜かれて、それ以上の言葉を失う。揺れていたラルフの瞳は一度伏せられ、落とされて、またディーンをじっと見詰め返す。彼は共に行こうとは言わない。それは選ばないのだと。]
じゃあ、視てる。 ──あの蒼薔薇の最後を。 それから、ディーンの事をずっと
[ 此処で見詰めている ] [ それだけしか出来ないなら ] [と囁くような声で。薄くくちびるを開いたまま、微笑みきれない表情を浮かべた。]
ディーンが苦しむよりも、 自分が痛い方が遥かに良いのに、俺にはその選択肢が無い。 否、──ううん、それでも、良いよ。
それから、大勢の中の一人でも仕方無いと思ってる。 一度、明け渡してしまった心は戻らないから。
(152) 2010/09/09(Thu) 23時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/09/09(Thu) 23時頃
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―非常階段― [細い未成の身体に走る、数多の傷痕も痛々しく。 半身を起こすと、灰いろの瞳を伏せ、熱い息を吐く。
全身が熱を持ったようにじんじんと痛む。 実際に、負傷と疲労から発熱しているのかも知れない。 それなのに、取り込んだ蒼薔薇の新芽が成長のために容赦なく精気を吸い上げていた。 足りぬ分は贄と交わって補えと言うように、残り火に更なる情欲の粗朶を焼べようとするのだ。]
(153) 2010/09/09(Thu) 23時頃
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――……ラルフがいるから、戻ってくる と、謂えば、お前は笑ってくれるのかね。
[是と返してくれた少年の薄く開いた唇の形を、狭い視界で捉え、真っ直ぐに射抜いていた紫は少しだけ困ったような色に揺れた。]
私は、お前が苦しむよりは、自分がと想う。 それは、他者にも想うことではあるかもしれないが……―――
しかし、お前は大勢の中の一人ではない。 少なくとも、こうして
[薄く開いた唇に、そっと合わすだけの接吻けを送る。]
(154) 2010/09/09(Thu) 23時頃
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[立ち上がろうとして――くたくたとへたり込む。 足は滑るように床を掻くばかりで、下半身に全く力が入らない。
その頃になって、漸く意識がしっかりして、現状を認識できるようになってきた。 自分が非常階段の床に転がっていること、その側にディーンとラルフが向き合うように立っていること、 ディーンに抱かれて意識を喪ってから、あまり時間が経っていないこと、 そして、自分はまだ蒼薔薇の虜囚で、間もなくドナルドのように完全に思考を奪われてしまうであろうこと。]
(155) 2010/09/09(Thu) 23時頃
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自分から接吻けを求めたのも、交わろうとしたのも お前が初めてなんだがな。 それ以上の答えは、少し待って欲しい、が
[もう一つ、識りたい先があるからとは、表面には出さずに。 少年期の恋慕に似た感情は、青年期に以降するにつれ醒めるものだと、そう割り切り火遊びをしていた蜜色の髪の少年は、未だその辺りを整理出来ずに在る。]
さて、何時までもドナルドとロビンを放置もしておけない。 運ぶのを手伝って……―――ロビン?
[そっとラルフから身を離そうとしたところで、まるで操り人形のように立つロビンに気が付き息を呑んだ。]
(156) 2010/09/09(Thu) 23時頃
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[胸の裡に抱え込んだ新芽は命ずる、
新たな宿主を探せ、と。]
ロビンは、へたり込んだまま、傷だらけの己自身を両腕で抱いた。
2010/09/09(Thu) 23時半頃
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……嗚呼、何を伝えたいのか、 今のでは良く分からなかったね。きっと。
俺は待つのは嫌だけれど、それだけしか出来ないなら せめて、ずっと全部を此処から見詰める。 蒼薔薇の呪いの行く末を。ディーンの事を。
それだけなんだ。
[なんとか言い直して、視線を落としかけ──ディーンの表情が困ったように揺れた事に気付いた。合わすだけのくちづけは、髪を撫でられるよりも深く、あやされ慰められているように感じる。]
…うん。 良いよ、ディーン。
[心から笑みを返す事は無い。ただ、ディーンを困らせたい訳では無かったから、くちびるは微笑の形を作り、偽りではない同意の言葉を返す。]
(157) 2010/09/09(Thu) 23時半頃
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[少年は、身の裡に養う新芽を誰にもやらぬ、というように己を抱いた。]
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―――…っ ふ…
[横たえられたまま零れるのは苦しげな吐息で。 それもまた誘う甘い香へと変わっていく。
刷り込まれるように蒼薔薇に侵されて、 塗り替えられた身体は蒼薔薇が消えた時どうなるのか。
誰かの、後輩の唇が項を這う。 焦れるような甘い疼きは裡からではなく肌に刻まれて。 蒼よりも早く、赤い色の花が咲いていく。]
……ぁ ぅ、
[零れる吐息は熱いままだけれども、 蒼が新たに刻まれることがなくなると 落ちる吐息は苦しげな色を徐々に失くしていき]
(158) 2010/09/09(Thu) 23時半頃
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駄目だ、ロビン。 これ以上、蒼薔薇の種≪呪い≫を捲いてはっ……―――
[左眼を抑えるのは、ロビンの裡に抱えた新芽と呼応するが故。 いけない、と、首を横に振った。 ラルフの傍を離れ、へたり込むロビンの傍に寄ろうとし]
ロビン……―――
[身を抱くロビンの意図が判って、眉根を寄せた。]
ラルフ、絶対に戻ってくる。
[振り向き微笑む灰銀に、もう一度微笑みを向けて、そしてロビンに手を差し伸べた。与える温もりで、仮初の死《眠り》へ誘おうと。]
(159) 2010/09/09(Thu) 23時半頃
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[心から笑う事が出来そうにないと言う事実に、翳る心。 ディーンの声で振り返る。ロビン──そう、立ち上がっているロビンだ。先刻までは閉じられていた大きな瞳は開かれ、人形のようにカールした睫毛がやけにハッキリと見える。状況が動いた事に安堵している自分を見付けた。]
──…ロビン。 トニーを眠りの世界へ連れて行ったのは、君?
(160) 2010/09/09(Thu) 23時半頃
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だ、い じょう ぶ、
[熱い息を殺して、食い縛った歯の間からディーンに向かって制止の言葉を搾り出す。]
誰にも、渡さないから、 これは、僕が欲しがったものだから、
[ぞわぞわと背に向かって蔓を伸ばす茨に抗するように、いっそう強く己を抱く。]
(161) 2010/09/09(Thu) 23時半頃
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と、にー ?
[ラルフの問いが何を示しているのか、一瞬分からなかった。 ややあって、ああ――と呟いた。]
つれていこうと思って、したんじゃない、 僕は、
[ただ、彼が欲しかっただけだ。 だが、トニーが目覚めないなら結果的に同じことなのだ、と悟り口を噤んだ。]
(162) 2010/09/09(Thu) 23時半頃
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ロビンは、白い額にじっとりと汗が浮かんで流れ落ちる。
2010/09/09(Thu) 23時半頃
フィリップは、薄く翡翠の色を開いて、見つめるのは痕をつけた後輩の姿。
2010/09/09(Thu) 23時半頃
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[制止の言葉に、伸ばしかけた手を反射的に引く。]
……、……―――
[かける言葉が見つからないのは、彼の性癖を識っているからというのも有。 そして、トニーも眠りの世界に在るのだと、識ったからでも有。]
トニーも、起こしに行こう。 ロビンが望むなら、トニーも起きるのではないかね。
[流れ出る汗を拭うこともできず、結局そんな慰めのような言葉しか探すことができなかった。]
(163) 2010/09/09(Thu) 23時半頃
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─ 医務室 ─ まだ苦しいのかい、先輩?
[自分がした事に、どれくらい意味があるのかわからないまま、小さく声を漏らすフィリップに、そう問いかける。]
嫌じゃなかったら
[フィリップの手を取って、]
こうしてていいかな。 何だか、のぼせちまったみたいなんだ。
[自分の上気した頬に、ひんやりしたその手を押し当てた。]
(164) 2010/09/09(Thu) 23時半頃
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君を信じて、待ってるよ。 ──…ディーン。
[笑みを保つ事は今の自分には難しい。 けれども、決めた事だけは伝えなくてはと、明瞭な声で答えた。 夫々の言葉に返ってくるロビンの答えに想う事は、あちら側へ連れて行かない事の意味。それはラルフの知らないドナルドの選択でもあるのだが。]
此処で待ってる。
(165) 2010/09/09(Thu) 23時半頃
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[何時の間にか傾き始める太陽。 西から射し込む光の暑さに、ロビンの物とは異なる単純な汗が薄く肌に滲む。 はり付く前髪をかきあげて、首を傾ける。ベネットは医務室で待っていてくれているだろうか。遅いと不安に成り始めてはいないだろうかと。]
(166) 2010/09/10(Fri) 00時頃
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―医務室―
…なんか、少し…楽になった。
[何が理由なのかはわからない、けれども。 呼気は熱いまま、しかしその香は先程より少し薄れて。 血の気少し失せてひやりと冷たい手を取られても それを拒むことはない。 じんと、熱いルーカスの頬に触れると指先が その頬を包むようにやわく動いて。]
――…ル、カスは…さ。 今、…苦しく ない…?
見てることしか、できなかったの。
[先程聴いた彼の話、蒼薔薇を胸に刻む人の話。 それは恋情だったのか、それとも違う想いなのか。 その手首の蒼は届かなくなった想いに痛まないのかと、 そう訊いて。]
(167) 2010/09/10(Fri) 00時頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/10(Fri) 00時頃
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や だな、これ…… ほんとに、気持ち 好く ない。
[強がるように唇が笑いの形を作る。 「トニーも起こしに行こう」と言われれば、くくっと喉を鳴らし、]
……きらわれた、かも ね? でも、いいよ、それでも。
(168) 2010/09/10(Fri) 00時頃
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嗚呼、待っててくれ。
[ラルフに何度でも謂うのは、謂うことで戻ってくるのだと己に言い聞かすように。]
―――……話してみないと判らないだろ。 私も、話さなかったから勘違いしていたこともあるからな。
[強がるロビンに告げる言葉で思い浮かぶのは、プラチナブロンドの……―――。 向こうに行く意味は、そこにもあるのだけれど、ラルフの前では謂いはしない。]
とりあえず、医務室に行かないか。 皆の傍に、あった方が佳いだろう? それとも、トニーの傍が佳いか?
[ロビンに向かって、一度引いた手をもう一度差し出した。]
(169) 2010/09/10(Fri) 00時頃
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ごめん な さい、もう歩けな
[ディーンの差し出した手を取る体力も尽きつつあるのか、ぎゅっと目を瞑る。 ぐったりとフェンスに背をつけて横たわった。]
(170) 2010/09/10(Fri) 00時頃
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