82 謝肉祭の聖なる贄
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[薄墨の輩も、傍に控える贄も、全く目に入っていないかのように、倒れた茶の輩の前に跪く。 傷口より溢れる血を餓(かつ)えた眼で見詰め、恍惚と身を屈める。 そして、舌を突き出し、清泉の水を飲むように]
(95) 2012/03/18(Sun) 00時頃
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[けれど銀灰の同胞と黒の贄が近付いてくれば、風の同胞から離れ。 先程も一蹴り居れていた白い贄がまだ倒れたままならば、それに近付きもう一蹴り入れるか]
(96) 2012/03/18(Sun) 00時頃
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[その身に何が起きたかわからなかった]
ぼくは……ごめん、なさい。ごめんなさい。
[傷は痛むが、顔を上げて大神たちの方へ謝罪の言葉を漏らす 失血だけでない、蒼白した顔
もう一度蹴られたら、声は噛み殺して それでも薄墨の大神を見つめていた]
(97) 2012/03/18(Sun) 00時頃
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[血の香に誘われて来た銀灰が渇望抑えきれず傷口を啜れば、 クスリに侵された神経は、それすらも酷く甘やかな刺激に塗り替えて。
食いしばった犬歯の隙間から漏れる声は嬌声に限りなく近い呻き。]
(98) 2012/03/18(Sun) 00時半頃
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[傷を負った当の茶の輩すら意識の外。
尖らせた舌を傷口に近付ける――]
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私と同胞の邪魔をするとは……またしつけが必要か?
[白い贄に囁きかける声は、冷たい響きの中にある種の熱を含んでいたか。 その表情には、嗜虐的な笑みが浮かんでいたか。
ちらりと同胞たちへ視線を向け。 異論が無いようであれば、その白を最初の贄が括られた台座へと引き立てるだろう]
(99) 2012/03/18(Sun) 00時半頃
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[それは薄墨の神の 銀の神の 清めの終わったあとのこと 同じ神の 舌をもち 清めば赤も 傷跡も なくなることも あるかしらん]
失礼、いたします [理由語る大神の 自然の残る体から 瞳をみるよう 眼差し向けた 少しく口を噤んだら ぽつり零すは眼差し逸らし]
―― 心配よりもさきに かくも美しきかと思いました
[そと伸ばす指先に 触れるは傷か それとも既に治った肉体か どちらにしても 指は這う ほうと息を漏らしては 舌の代わりに 這う指の 感覚にとらわれる如くに 拒まれなければ 黒贄は 薄い黒布 傷跡に 巻きつくように 掛けておく]
不要なものであれば 捨て置いてください
(100) 2012/03/18(Sun) 00時半頃
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[一度鼻をひくつかせ。そして少しの間、声を押し留めてから。 首を傾げた娘からのこたえ>>94に、特に事情を話すでもなく、ただ鼻を鳴らした。 それから、また口を開く。]
………あと、もう、膝無くても大丈夫だから。おねーさん。
[白金は膝枕から頭を、上体を起こした。 そして血の香る方から少しだけ距離をおいた上で、其方に目を向ける。 年上ふたりの勝負にけりがついたことは、聞こえてきた声からも覚れること]
(101) 2012/03/18(Sun) 00時半頃
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[捨てられれども 焦げ色の 疼く色相変わらずに 肩口の赤思うように しばし そちらに向けられる]
(102) 2012/03/18(Sun) 00時半頃
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>>90>>95
[茶色の大神様の血の香りに誘われ。 本能の赴くままに立ち上がり。 流れ出る血を飲まんとする銀灰の主を見つめる。
胸の奥から湧き起こるのは。 種火のような小さな炎。]
(103) 2012/03/18(Sun) 00時半頃
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エリアスは、頭を起こす前に娘が立ち上がったとしても、そんなに咎めたりはしなかっただろう。
2012/03/18(Sun) 00時半頃
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申し訳ございません。
[耳に囁かれる声に、涙の滲む瞳で薄墨を見上げた 肩が震えるのは身体の痛みか 心の痛みか]
しつけて、頂けますか。
[その言葉にどこかうっとりとしたものがまじる。 あとは抵抗なく、赤い血だけが点々と道を作った]
(104) 2012/03/18(Sun) 00時半頃
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[――ぴちゃぴちゃ、
淫猥に舌動かして、派手に水音立てて血を啜る。 垂れかかる銀灰色の髪の間から覗く瞳は、恍惚と蕩けて水銀のごと輝く。
ハ、と熱い、血の香のする溜息を吐いた。]
(105) 2012/03/18(Sun) 00時半頃
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[薄墨の主>>99と視線合い、その言わんとするところ察すれば。 白金からは、否は返らない。]
(106) 2012/03/18(Sun) 00時半頃
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>>101
[白金の大神様から膝枕を外されて。]
では、何かありましたら。お声を。
[大神様たちの誰かから、声がかかれば。 すぐにそちらへ向かうつもりで。]
(107) 2012/03/18(Sun) 00時半頃
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[胸の内でのみ 呟く声を 誰が聞くと言うのだろう 静かに焦げ色 瞬いた 瞬いて それで終わりの感情は 誰に見えるというのだろう
ただ少しだけ 指先の 残る感覚 それのみが 何を思うたか 記憶する]
(108) 2012/03/18(Sun) 00時半頃
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十二分にしつけてから………私が満足すれば、喰ってやろう。
[台座へと白い贄を引き立てれば、その上にそれを転がして。 涙に潤む瞳で見上げられ、同胞による傷口に指を突き立てながら。 クックッと笑いを零してそう囁いた。]
(109) 2012/03/18(Sun) 00時半頃
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