3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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ばか ばっかり。
[ぽつん、と呟く。]
『…… 送られちゃうのニね。』
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― 北棟生徒会室 ―
これは……20年前か、違うな……―――
[動揺の尾を引いたまま、少し冷静になろうと、ドナルドは一先ず27年以前の資料をより分ける作業に没頭していた。
ぶれる視界では中まで確認するに至らず。 ただ起案日などで判断していて……―――。 その量は結構なものになっていた。]
散らかしたって、元生徒会長と、元風紀委員に怒られるかねぇ。
[資料に埋もれながら呟く。 その二人が上階で大変なことになっているとは、知らない。]
(417) 2010/03/01(Mon) 22時頃
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― 北棟生徒会室 ―
嗚呼、セシル、か……―――
[作業に飽きて煙草でも吸うかと、思った矢先。 動揺の元が姿を現す。]
そっちから、そっちが、27年より前のだ。 ちと、中身までは見てねぇ。
[煙草を咥えようとして、流石に生徒会室ではアレか、と思いなおしたようにポケットを漁ると、まだ残っていたキャロライナから貰った飴の感触と、冷たいビー玉の感触。]
そういや、俺、お前のビー玉の色見ちまったけど。 俺のも見せた方が、フェアかね?
[飴玉を口に含みながら尋ねた。 ―――……葡萄の味がした。]
(420) 2010/03/01(Mon) 22時頃
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― 北棟生徒会室 ―
[ビー玉の件を出したのは、微妙な空気を払拭させたかったからなのだが―――セシルの反応に少し肩を竦める。]
そんなに、びっくりするようなことか? ―――……鬼役でもねぇのに。
[頭を掻きながら名簿を手にとるセシルに近付く。 その近くの名簿をドナルドも手に取りながら、机の上に自分のビー玉を転がした。
―――……それは、濃紺を水で薄めたような色。]
(428) 2010/03/01(Mon) 22時頃
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問題児 ドナルドは、霞む視界の中で見つけた名は……―――{1}
2010/03/01(Mon) 22時頃
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― 北棟生徒会室 ―
[セシルの指先が触れたビー玉は、裡に行くほどグラデーションの色を濃くしている。だからか、眼の色に似ているようにも見えるのかもしれない。
伏せられる薄紫の先から、ビー玉を回収する。]
―――……そうかねぇ。 薄紫も、綺麗だと思う、が。
[少し返答に困って、当たり障りない返答を。 続いて聴こえた名に、嗚呼と頷く。 どうやら3年以内の名簿を見ていたらしい。 1年次と3年次と言った風な。
近い年代を見るのは効率が悪いかと、少し離れた年の名簿を取る。]
(438) 2010/03/01(Mon) 22時半頃
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ケイト・ブッシュは違うみてぇだなぁ……――― つーか、ケイトって名前って多すぎだろう。
[聴こえた声に、苦言。 その苦言の所為なのか、キャロライナに自分の姿が死体とみられるようになるとは、思いもしない。]
(439) 2010/03/01(Mon) 22時半頃
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[相変わらず左右の視力のバランスが悪い中で 名簿をめくる。{3}]
(440) 2010/03/01(Mon) 22時半頃
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鶏=頭……中国人かよっ!!
いやいやいやいや……――――
[某芸人の突っ込みを思わず真似る。欧米ではないが。 どうやら、中国からの留学生の名前のようだった。]
(445) 2010/03/01(Mon) 22時半頃
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― 生徒会室 ―
澄んでねぇっつーたって……―――。 勝手に配られたもんだし、よ?
[セシルのビー玉に関する言葉に返す。 嗚呼、なんとなく、気にする理由が分かってしまうのは、裡に行くほど濃くなる自身のビー玉に思うことがあるからか。
―――……罅が入っているように見えた薄紫。 その意味を知りたいと思えども、裡に貯めて聴けぬ濃紺。
手にした名簿を覗きこまれ、少し揺れた赤。 はらりと落ちる一枚。 鉱石の指先が示す先を、覗きこもうとして……―――]
(451) 2010/03/01(Mon) 22時半頃
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――――……つめてぇ!?
[首筋が凍るかと思うような、冷気を感じて振りかえった。 左眼は、ケイトの姿を捉えるか。]
(452) 2010/03/01(Mon) 22時半頃
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ビンゴ みてぇだったな。セシル。でかした。
[右眼には見えぬ姿。左眼で闇の中捉える。 そこにいると、セシルに視線で伝えた。]
ケイト=グリフィズ
お前の名前、見つかったぞ?
[それはお前の本当を見つけたんじゃねぇのか? 嬉しそうに笑う姿に、問いかける濃紺の双眸。]
(460) 2010/03/01(Mon) 23時頃
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― 生徒会室 ―
名前だけじゃ駄目かぃ。 他に何を 知って 欲しいんかなぁ。 お嬢ちゃんは……―――
[聴こえた声に呆れた風に返す。 遥かに年上であるのに、お嬢ちゃん呼ばわりをしたのは、『知って欲しい』と上手く言えずに悪戯をする子供のように感じたからか。
嗚呼、知って欲しいも知りたいも、上手く伝えられないのは子供だけでないのだろうけれど。
セシルの小さな耳打ちが聴こえる。頷き。囁く。]
―――……後で、その年代の資料を片っ端から皆で調べよう。
(465) 2010/03/01(Mon) 23時頃
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問題児 ドナルドは、いきもの係 キャロライナが姿を見せるのなら「危ないからくるな」と叫ぶだろう。
2010/03/01(Mon) 23時頃
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― 生徒会室 ―
[ケイトが痛みを耐える顔をすれば、ドナルドは常と同じく心配そうな表情を浮かべる。最早それは反射に近い。]
大丈夫、か? でもな、知って欲しいなら、何を知って欲しいか言ってくれねぇとわからねぇんだ。俺は莫迦だしなぁ。
[知って欲しいなら、そう言わなければ。 知りたいなら、そう言わなければ。
―――……そう思うのは、本当は何に関してか。
セシルの問いに言葉を重ねる。その後]
キャロル!?
[扉が開く音。そちらに濃紺を向ける。 くるなと訴える濃紺は、果たして彼女にはどう映るのか。]
(483) 2010/03/01(Mon) 23時頃
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嗚呼、何を 知って欲しいか が、分からない段階か。
[ケイトとセシルの言葉に、困り顔を見せた。]
(487) 2010/03/01(Mon) 23時半頃
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― 生徒会室 ―
ケイト、どっかにいっちまったみてぇだ。
[ケイトの姿が消えたことを告げる。 >>491 セシルの言葉には、今は何も返せない。
似ていて非なるもの。 何が知りたいか分からない――否。 知った先どうしたいかが、分からない。 その為に差し出すものが、怖いのか。
コリーンのことも……―――。 だから逝けない(知ることができない)。]
キャロル?どうしたんだ??
[化け物――それが自分を指しているとは分からずに、一度セシルに困惑を示す視線を向けてから、キャロライナに近寄る。おそらくは、 彼女にはぞろりと異形が近づくようにみえるのだろう。]
(507) 2010/03/01(Mon) 23時半頃
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問題児 ドナルドは、一度自分の姿を確かめる。ボロボロなので冗談で化け物と言われたかなと思う。
2010/03/01(Mon) 23時半頃
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― 生徒会室 ―
嗚呼、俺の分も持ってきてくれたのか。すまん。
[ひたり、一度止まってセシルからシャツを受け取る。 しかし、その場で直ぐに着替えるという訳ではなく。]
ほら。新しいシャツ貰ったからさ。 冗談はそれくらいに……―――
[シャツを持っていない方の手を、キャロライナに伸ばす。 伸ばしかける途中で、流石にこれは少し変だと思いはするのだが。そのまま構わず伸ばしきった。
>>524 セシルの言葉が聞こえたのはその直後か。]
(526) 2010/03/02(Tue) 00時頃
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[聞こえた、慣れ始めた、声。]
何、
ケイトが何か したの?
[また。]
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― 生徒会室 ―
うぉっ!?
[モップでの第一打に直ぐに対応出来なかったのは、左右の視力バランスの所為。2年間以上培ってきた片目と距離感が違う。 それと、手を伸ばしきっていたというのも敗因の一つか。]
この、莫迦っ……――――!!!
[庇おうとしたセシルに、叫ぶ。 モップを受けようとした手で、セシルを退けようと。 モップの行方はキャロライナ次第か。]
(538) 2010/03/02(Tue) 00時頃
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問題児 ドナルドは、化学教師 スティーブンが職員室に入る前、一瞬見せた表情が何故か脳裏に浮かぶ。
2010/03/02(Tue) 00時頃
……――ケイトが
また、 おかしなことを
――嗚呼、 …ケイト。 あいつの名前は
…ケイト=グリフィズ…
ッ !!
[それは、キャロライナが現れた直後のこと。]
ケイト = グリフィ ズ……。
[それが 名前。]
…… ちょ 何。 騒がしいけど。
[人が 多い。]
ケイト=グリフィズ…
あの子、ちょうど今、わたしのところに――
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― 生徒会室 ―
――――……つぅ
[こめかみに鈍痛。流石にこめかみは、鍛えようがない。 視界が視力の所為でなく回る。
大体、相手がキャロライナであれば、反撃など出来る筈がない。 闇雲に振われるモップに対して防戦一方になる。 しかも、眩暈と距離感がつかめずに幾多、それは身体を打つ。 ただ、幸いなのは、キャロライナが振うので、そうたいして1打が重い訳ではないということ。]
キャロル……――――
[どうすれば分かってもらえる? それは、先程セシルとの件でも浮かんだ疑問。 言葉が通じないなら、次は。
―――……モップを受けることを覚悟で、キャロライナの身体を抱きしめようと手を伸ばす。温もりが伝われば『生きてる』と伝わるかもしれないと。]
(554) 2010/03/02(Tue) 00時半頃
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…キャロライナの様子がおかしいんだ。気をつけろ。
…… 、…え、…今、そっちに、ケイトが…?
[思うは、去り際の――]
――…、……
…ケイトは
たぶん、迷子なんだ。
問題児 ドナルドは、背後で、資料が崩れていく音を聞いた。
2010/03/02(Tue) 00時半頃
え?
[不思議そうな、声は両方共に。]
迷子 …… ?
[ああ。]
そう だね。
[隠れ鬼、隠れ鬼。隠れたまま、見つけてもらえない。
迷い子、迷い子。彷徨っている、闇の中で。]
問題児 ドナルドは、飼育委員 フィリップの声が聞こえた気がした。内容までは聞き取れちゃいない。
2010/03/02(Tue) 01時頃
あ、わたしの方はすぐにいってしまったから大丈夫
迷子、なら
さみしくて泣いて癇癪起こすのも道理ね
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