65 In Vitro Veritas
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俺は、俺は、 だって、 守ってほしいなんて、頼んでな ――― ッ、ぐ
[押し倒される体。 勢いのせいか、固い床に頭を強かに打ちつける。
痛み、ぐわり、と、傾ぐ世界。
コーダが入ってきたこと>>89にも気付けない。 隻眼の映す世界は、酷く狭く。]
……騙されてなんか、……ない ……違う イワセは……そんなことしない、 ……しな、いッ、……
[痛みに喘ぎながら、涙を流しながら、切れ切れに言葉を続ける。]
返して、くださいよ…… ……イワセを、返して、 ……俺、イワセに、 キャッチボール、を……
[必死に手を伸ばし、その体を押し返そうと、肩を掴んだ。]
(93) 2011/10/03(Mon) 19時半頃
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セシルは、コーダはニックが赤毛を押し倒すさまに、息をのむ。
2011/10/03(Mon) 19時半頃
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赤さんは優しいから…… 騙されてるんだよ。
[肩を掴まれて。 それを拒絶するように、一層顔を寄せる。 言葉を綴るごとに吐息が触れ合う]
大丈夫。 僕が、僕達が守ってあげるから。 そして帰ろう。 …………ネクは、壊されてしまったけれど。 皆で、帰るんだ。
[狂気に等しい意志は、歪む事無く]
(94) 2011/10/03(Mon) 19時半頃
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― 当直室 ―
[入ってきた途端、あがるニックの声。 それは、最初にヨルのオリジナルをニックが「殺した」時に、言ってたことと同じ。 そこから、ニックがニックのオリジナルに手をかけたことも想像できる。
返す、赤毛の言葉。 そう、それも知っている。
目玉を抉ってイワセにやろうとしていた。 そのとき、赤毛とイワセは通じ合ってたこと、感じて…そして、わからなくなった。
今、コーダはきっと、その赤毛とニックの間にいる。]
(95) 2011/10/03(Mon) 19時半頃
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ニック………。
[そして、ニックの言葉には、表情を固める。
そう、その純粋さ。それは、自分にはない、もの。]
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はな、して ください
……違う、騙されてなんかない 違う、……だって、だって……
[ヤキュウが楽しいと語っていた姿。 けれど自分の目を奪うことを躊躇していた姿。
いつでも来い、と、言ってくれたときに浮かべていた晴やかな笑みは、嘘偽りのものではないと。
思いは上手く言葉にならずに、ただ肩を掴む指に力を篭める。 けれど、その顔が寄れば、掌は、その肩をすべる様に、離れ。]
……っ、う
[涙ばかりがただ溢れる。 帰ったところでどうすればいいのだ。おりじなるのいないくろーんは、どうなるのだ。
――― それは、自分だけの話ではない、目の前のニックも、同じ事。]
(96) 2011/10/03(Mon) 20時頃
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セシルは、コーダは、ニックと赤毛の会話をじっと聴いているが…。
2011/10/03(Mon) 20時頃
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……泣かないで。 大丈夫、僕は赤さんの味方だよ。 僕“が”、赤さんの味方だよ。
[イワセじゃない]
今は少し、混乱してるだけ。 少し休もう? 怪我もしてるんだし。 そんな弱った身体じゃ、他のオリジナルに壊されてしまう。 だから僕が守ってあげる。 大丈夫、大丈夫だよ。
――――ねえ、コーダ。 そうだよね?
[赤毛を押さえつけたまま、顔だけをコーダに向けて。 純粋な狂気を孕む笑みを浮かべた]
(97) 2011/10/03(Mon) 20時頃
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僕らだけいればいい。
あいつらはいらない。
そして皆で帰るんだ。
だから僕達に任せて。
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――……赤毛……。 もう、お前は、目をイワセにあげたんだろう?
[涙を、血を流す赤毛に語りかける。赤毛にはその姿に気づいただろうか。]
俺は、ニックは、 お前の目を守りたかった。それが真実だ。
だけど、 お前がイワセをそう思っていることは、知らなかった。 だから、すまなかった。
(98) 2011/10/03(Mon) 20時頃
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だが、お前は、お前を思っていた俺たちよりも、 イワセ、なのか?
[そのとき、ニックから声がかかる。 その笑みに、頷いた。]
俺は、赤毛、ニック、大事に思っているよ。 だから、赤毛も、俺たちを、
俺たちに応えてくれないか?
[純粋なニックの笑みに表面は応えるかのように…。]
(99) 2011/10/03(Mon) 20時半頃
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[ニックの言葉に頷きながら、
それでも、赤毛がイワセを求めるならば、
きっと、手を下すだろう。
ニックはきっと驚くだろうけれど、
彼はオリジナルに誑かされてしまったのだと…。
だけど、彼がイワセにそこまで捧げるのなら、
悲しいけれど、そうしようと…。]
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……、ぁ ―――
[小さく、掠れた声が漏れる。
一度、二度、瞬いて。 次に開いたとき、その目は酷く虚ろで。
二人の言葉。 守りたかったと言う、言葉。
抵抗しようと、ただ、ニックの体に巻きつけていただけの腕は、するりと解けて、床に落ちる。]
…… あやまったって 壊れたものは戻ってこないん です よ
[謝罪の言葉>>98に薄く、唇の端を吊り上げる。
コーダの言葉>>99には答えず、ただ、わらった。]
みんな、……好きなんです、 おれ
(100) 2011/10/03(Mon) 20時半頃
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>>100
そうだな。戻ってはこない。 そして、お前の目も、きっと……。
[ニックからほどける赤毛の手。 床に落ちたそれをそのまま見ている。]
みんな、好き? みんなって?
ここにいるオリジナルも、俺たちも、みんな?
[その言葉に眉は寄る。 好きといって、涙を流せば、抱き寄せてくれる誰かが……きっと今までは赤毛にはいつもいた気がする。
そう、愛される人……。]
(101) 2011/10/03(Mon) 21時頃
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僕だって、好きだよ。 皆、大好き。 だから守るんだ。
[その“皆”とは、無論最初此処に居た半数しか含まない。 だから同じ言葉でも。 全く、意味が違うのだろう]
大丈夫。 きっともうすぐ、帰れるからね。
[幼子に話しかけるかのように。 優しくそう言って、赤毛の身体を解放する]
(102) 2011/10/03(Mon) 21時頃
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[もはや、空っぽだった心には 様々な感情が溢れ返り、渦巻いていたけれど それでも、流れ込んで来る、新たな他人の感情。
ちらりと、視線を向ければ遠くに オリジナルの三人が集まっているのが見えただろうか。 ふ、と目を細めて、幾分か後目を閉じる。]
………
[“怒り”は、このまま広まっていくのだろうか。 自分もいつか、それに侵食されてしまうのだろうか。 座り込んだ、“彼女”――自分のオリジナル、を見る。]
(103) 2011/10/03(Mon) 21時半頃
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[少ない言葉数でも、伝えるのは ネクと、そのオリジナルが壊されたこと。
そして逆に伝えられるのは 自分を壊して欲しい、という彼女の意思。]
こわせば
あなた たのしい?
[思い出したのは、先程のクローンとオリジナルの相打ち。 既に言葉を失ったネクからは、回答が得られなかった。 殺せば、彼女は報われるのか?そんな意味を込めて、問う]
わたしも いっしょで いい?
[緩く、首を傾げて聞くのは、 自分も共に壊されて良いか、という事。]
(104) 2011/10/03(Mon) 21時半頃
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ひつじ リンダは、メモを貼った。
2011/10/03(Mon) 21時半頃
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[ニックの身が離れても。 セシルの問いかけが聞こえても。
ゆっくりと、瞬きを繰り返すだけで、何も、こたえなかった。
薄く開いた唇は、まだ僅かに笑みの形。 傷の痛みと心の痛みで虚ろに濁った瞳は、ネクとそのオリジナルの亡骸を映す。
―――結局、皆そうなんだ。
と。 思う。]
[イワセも、ネクも、届かぬ所にいってしまった。 求めようと、応えようと、手を伸ばした矢先に、二人とも、壊れてしまった。]
[ならばもう、求めない。 全て、与えられるがまま受け入れ、享受しよう。
今まで、ずっと、そうしてきたように。]
[――― 右の目を伏せる。]
(105) 2011/10/03(Mon) 22時頃
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楽しくはないわね。
[リーネの言葉を聞けば自嘲めいた笑みを浮かべる。]
楽になるだけよ。
なぜ一緒がいいの?
[不思議に思う。]
(106) 2011/10/03(Mon) 22時頃
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[問いに応えない。
そんな赤毛を見ている視線は、だんだん醒めたものになってくる。
自分はまだしも、こんなに思っているニックに対しても、
何も、応えないなんて…。]
――…ニック……。
赤毛はこのままのほうが幸せだと思うか?
[少し、苛立ったように、囁く。]
――……もう、目がない んだ。
ペナルティもちだ。
[その意味、ニックはわかるだろうと…。]
……コーダ。
[怪我。
ペナルティ。
そして痕が残るような傷を負ったものはロボットに連れて行かれて二度と戻ってこなかった。
今なら、その理由が分かる。
けれど。
だからこそ同時に]
……赤さんのオリジナルはもういない。
だから、怪我をしてても……関係ないんだ。
いや、そもそも……僕らは僕らだ。
オリジナルの交換品になんて、なってやるもんか。
双生児 ホリーは、メモを貼った。
2011/10/03(Mon) 22時半頃
そうか……。
[ニックの答えは、ニックらしかった。
だけれども、だからこそ、
そんなニックの想いに応えず、
そして、己の問いにも応えない、
そんな赤毛に苛立ちは増す。]
――…俺も、部品になんかならない。
だけど、俺は、
あんな風に生きていたくはない。
[ちらりと赤毛を見やる。]
ニック……
俺は、今、赤毛よりも、お前のほうが大事だよ。
お前は、誰かと誰かを比べたりはしないだろうけど…。
[でも、それよりも、なお、自分が大事だとは、言わない。
だけど、ニックも大事なのは事実で……。]
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>>105
[反応しない赤毛に、ため息をつく。 そして、ニックに耳打ちするだろう。]
――……
(107) 2011/10/03(Mon) 22時半頃
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で、俺は、行くけど、ニックはどうする?
[赤毛の様子はそれでも、見ながら、 でも、目を伏せて動かないところを見て、
こちらも、目を伏せる。]
(108) 2011/10/03(Mon) 22時半頃
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>>84 おかしなことを言うのね。 あたしも、クロも。 こんなに仲良しなのに。
[さすがに人前では、普段のようにキスしたりはしないが それでも親愛の情を示すかのように軽くハグして見せた。 傍目からはきっと、仲の良い双子のように見えたのかもしれない。]
お勧めしないって言った本人がさ。 2人で死んでれば世話無いわよ。
[そう言って嘆息した。 ここに集まった中では、以前から知っていた唯一の人間だった彼は。もう居なくなってしまったのかと思いだされ。]
(109) 2011/10/03(Mon) 22時半頃
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赤さんが、こうなってしまったのは、とても悲しいことだけど。
でも僕は後悔なんてしない。
[もしコーダが手を下していなくても。
自分が、赤毛のオリジナルを壊していただろう。
それが赤毛を悲しませても。
恨まれても。
彼の命を守るためならば]
コーダ。
僕は、コーダが好きだよ。
だからコーダのことも。
僕が、守るから。
[そのまっすぐな瞳は、危うい無垢さを宿していた]
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……赤さんは、あんまり動き回らない方がいい。 傷のこともあるし。 弱っている所をオリジナルに見つかったら……
[きっと壊されてしまう。 赤毛のオリジナルはもういないけれど。 少ない食料と、動かない転送装置。 まだまだ危険は、いっぱいあるのだ]
[だから]
[動かないと]
守るんだ。皆を。
(110) 2011/10/03(Mon) 23時頃
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[テンソウソウチ。
それが動けば、帰れると]
皆、一緒に帰るんだ。
[けれどまだ動かない。
人数が多いからと聞いた。
なら、減らせばいい。
壊せばいい。
オリジナルを。
それは同時に、皆を守ることにも繋がるのだから]
僕は絶対に。
皆を、守ってみせる。
[意志の宿る瞳は揺らがない。
赤毛の行動に、言葉に、動揺はしたけれど。
けれど変わらない。何も変わらない。
皆を守る。ただその意志だけは]
オリジナル……
あいつらさえ、いなければ……
[目的は、行動は何も変わらない]
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らく?
[眸の奥が、揺れた。]
こわされる いたいのに ?
[クロが言っていた、オリジナルのためにクローンはあると。 自分達が生まれてきたのは、オリジナルがいたからなのだと。 先刻前に見た映像も、脳裏をフラッシュバックのようにちらついて]
ちがうけど おなじ だから
[全く同じ遺伝子情報を持った者同士。]
あなたは わたし だから
[しかし生きてきた環境、考えは全く違う。 ならば、少しでも同じ事を共有したいと思った。]
(111) 2011/10/03(Mon) 23時頃
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私は一緒は嫌よ…。
[彼女の言葉を聞いて、息を吐いた。]
せっかく自分のオリジナルがいなくなったら、もう壊される心配も無くなるのに。 自分の所為で、誰かが死ぬなんてもうまっぴら…。
貴方、私が死ぬから一緒にって言うんでしょう?
(112) 2011/10/03(Mon) 23時頃
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