25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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ああ、そうだった
が
研師の彼は、明之進と主がなにやらと
……桜の子、
まだ違うだろう
私になんの報告も無しに。
[内心は月瀬の傍に刷衛がおるなら
ロビンと月瀬、ともに獣でなければ
どちらも安全だろうとか
こちら側の理由で思っていただけ、なのだが]
明之進など、おらぬよ。
[それはきっぱりと言い切る声音。]
何故ならあれは…去年喰われてしまったのだから。
あの研師を喰らってしまおうか。敵に回せば厄介であろうし。
[それは、夜屋根に潜む猫へと嫌疑をかけることにもなろうか。]
今からロビンが月瀬を案じに
月瀬のところへ向かう。
お前が傍にいるようならば
二人の様子、観察お願いしたい。
私は本郷が私と話がしたいと
大広間で声をかけられているので
そちらへ向かう
…………近頃の幽霊は、
あれほど生者と区別つかぬもの?
そう、彼でも良いが
センターの彼が何やらきな臭い。
私に目をつけて居るのかどうか
喰……?
[聞こえた声に軽く首を傾げる。
名簿に名前がない。
それは解っているのだから]
[喰らって腹へ納めてしまえば、分かれることもあるまいに。
白いうなじが、紅さす頬が、あまりにやわらかそうにみえて。
爪立てて裂いてしまえばと、思う心を押し込める。
…腹の中では、その笑顔は見えぬ故。]
そうか。まぁ、全身疑わしいからなぁ。
[そういうことには、よくあることだった。]
ああ、投票か。
しかし、投票制度を用いるなんて知らなかったぜ。
するってぇと、お前に殺される…のはまだいいとして、俺の刃に殺されるのか。
そりゃ自殺だな。
[考える。]
…センターから聞いてません、でしたか?
[投票箱まで持たせて花を仕込んでいるのにと
刷衛の言葉に首をかしげて]
……私が殺すことも厭うてください……
でも、そうですね。自分で研いだ業が
くびをおとすのは…ねぇ?
[なので、どうにかなさってくださいと、こぼして]
[ロビンとセシルの様子を…には承諾をする。]
ああ、わかった。
ロビンは、
やっぱり、なのかね。
ま、いい笑い話にはなりそうだが…。
[どこまでも能天気だった。]
……そういう様子なのですか……?
[本郷と話しているときに聞こえた言葉
頬の痛みを抑えながら話す
……頬打つ音は聞こえたかもしれない]
あいわかった。
[セシルとロビンの話を始終聞きながら、
二人が去るのを一応見送るが。]
しかし、お前のところも何か音したな?
………わかるぐらい露骨、だったのですかね…
ああ、今、本郷になぜか殴られました……いたい…
そうか。
なんでか本郷の気持ちもわからないではないが…。
そして、俺も表に出る。
このスタイルなら、もう潜伏は無意味に思えた。
お前からもそう皆に伝えてくれ。
[薄く聴こえる会話に、こりゃ大丈夫かいな、とか思いつつ…。]
とりあえず、お前から殺されるのだけは避けておこう。
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[>>526 気丈にあれ、との主が言葉に、 揺らいだことを否定するように、一度主を軽く見据え、 膝を正して背筋を伸ばす。]
―――……、
[手にした器を見つめる、そのまま口をつけてみれば当然苦い 気がした。眉根を寄せる。一つ足りなかった杯、使用人には己の声が届かないかのよう、そうあの時も。 思いに耽る間もなく、主より白い桜花の名を聞く]
月瀬殿……
[ぼう、とそちらを見る。 その目に黄泉花が身は果たして何色に見えたであろう。 桜はわずかに笑んだ、淡い 色合い]
(@56) 2010/08/06(Fri) 17時頃
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[>>623 月瀬が言葉と、離れ行く姿に、 慌てて言葉を募ろうとした。
「己が身は、もう傍らが主の花ではなくなる」と
引き止めようと手を伸ばしかければ、かたり
器に腕をぶつけて―― 膝元の珈琲が、手に跳ねた。 火傷する程に熱いそれは、けれど。
熱いような気がしただけで、 冷たい手には腫れのひとつも残らない]
(@57) 2010/08/06(Fri) 17時頃
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……はぁ…私はちっともわかりません
それと、表に出ること、わかりました。
そうですね、出れば食い殺されても
自殺はなくなりますね
自殺はいかんよなぁ。
[まるで人事である。]
チャールズも云ってた。
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[冬と桜が去れば、主が呟く言葉に返すは、]
――申し訳ありません、その。 月瀬殿に、あらぬ気遣いを……
あの方を、新たな花と迎えられるのでしょう?
なにか誤解などあるようでしたら、 私の口から解いてまいります から……
[気丈に、と、声音も面も揺らがせぬまま 見上げれば、手を袖の裡にそっと隠して――続いた主の言葉に瞬いた]
(@58) 2010/08/06(Fri) 17時頃
|
そうですね、自殺は………
……私の今の状態は……自殺、
のようなもの、でしょうか…
[ぽつり、小さく零して]
懺悔しにくるか?
許すぞ?
[何いってるんだか。**]
………考えて、おきます
[教会はないからどうするのだろうと
ちらりとおもいつつ]
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……では、主様は。
[胸の裡は乱れた、イアンが言葉を告げた時よりも。 ――もう遅いと、過ぎるのは。 己が身の救われぬことのないせいか]
あの、お2人を…… はい、かしこまりました。 ――……あと、あの……夜光が、さっき一人で
[先ほど、ちらと探した姿、髪の結いが常と異なれど 一人外に出た背は友の者ではなかったか。 友を案じるを否とは言われぬであろう。
黄泉花はふわり立ち上がれば、 一つ頭を下げて――花々の姿を探しに広間を後に]
(@59) 2010/08/06(Fri) 17時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/06(Fri) 17時半頃
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―本邸・廊下― [去り際、黄泉花は一度振り返り]
―――あ、あと、あの…… 主様は、まず身の証を立てられた方が、とも思うのですが。
えっと、その恐らく、 疑われやすいご面相であられますので。
[神妙かつ真面目に告げて、さて、行き先をと考える。 冬と桜の人目も憚らぬあの様子。]
つまり、 ……睦言の最中にお邪魔しろ、と?
[それは、ふわりと宵闇の回廊を歩む]
(@60) 2010/08/06(Fri) 17時半頃
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―庭― [回廊より、望月を見やれば己ずと庭に、 夜に舞う蛍の、夜に惑う姿を見出した。 羽織は見覚えがある、友が言葉を交わしていた花主の物]
夜光、
[長い髪の編み崩れ、 夜に凍えるようなその姿に、小さく眉根を寄せる。 指先を伸ばそうとするのだけれど。 この手はつめたく、無力なもの]
夜光、ひとりで外になんて、あぶない…… さっきの話、聞いてたでしょう?
[ふわり、一足庭に下りて歩み寄る。 腰に佩いたままの白巻鞘の太刀が、かちゃりと鳴った]
(@61) 2010/08/06(Fri) 18時頃
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[友の身を護るになんとしよう。 胸騒ぎがただの勘ではないと知っている。 共にあっても、何も力及ぶことなどないことも]
一緒にいられればよいのだけれど、 少し、主様から用を言い付かっていて――
[その用には少々難儀な顔になったが、ふるり首を振って]
あ、そうだ。 刷衛様も、管理センターの方、なんだって。 だから、何かあったら……力になっていただけると、思う。夜光も。
[そして白鞘巻に目を落とす]
(@62) 2010/08/06(Fri) 18時頃
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[どの道これは装飾品、抜いて舞はしないもの。 それでも銀で飾られた鞘の内の刃が業物であるは、 かつての主が刷衛をその友人としていたからか。 ――その刀もまた黄泉銀花の名を抱く]
これ、貸すから。 ……本当に、気をつけて ね。 [佩いた太刀を渡そうとすれども、 獣より身を護る術になるかは知れず。 友はそれを手にするか否か。
風が友の乱れた髪を遊べば、 黄泉花はその髪にだけ一度手を伸ばす。 黄泉の温度の伝わらぬよう、夜に舞う光が夜に凍えぬよう願って。
やがてふわりと身を返した]
(@63) 2010/08/06(Fri) 18時半頃
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