194 花籠遊里
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[そんな笑い方をするのはやめろ、と。
肩を掴み止められれば、どれ程良かったか。
一度歩みは止まったが振り返る事も無く、音も無く去っていく背を見送って。
崩れ落ち泣き濡れている事など知る由も無く。
もしも俺が『蝶』ならば。
もしも、俺が友となる事が無かったのなら。
藤之助にあんな顔をさせずに済んだのではと、ズキリと痛む胸を抑えながら逃げるように逆方向へと歩きだした。
宵闇が裂け、朝日が昇り、事の次第を知れば。
………生涯藤色の花を忘れる事は無いのだろう、忘れられないのだろう*]
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[臍を曲げてしまった面持ちと皮肉は悪くない。>>173 幼子のような素直さを、長々と鑑賞していたかったが、今宵の余興に天秤は傾いて、彼の視界を黒で塗り潰す。
閉ざすための漆黒も、彼にとっては夜の色ではなく、 五指を隠す色なのかもしれないが。
捺した鬱血の色が白皙に艶やかに映え。 戯れの口付けは一度に終わらず、二度三度。 軽やかな音を態と混ぜ込み、鋭利になった聴覚すらも刺激。
膝に抱えた腰を探る指は立て圧掛け、 彼の体温に懐きながら、脇腹に繊維の一条が刻まれていく。]
―――これは、
[そうして、喜色を孕んだ声が牢に響かせ。 悪質なる低音は、彼に屈折を科す。]
(185) 2014/09/19(Fri) 00時半頃
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彼の指先。
[武骨なばかりの指は、典雅な掌とは違う。 視界を奪っても、触覚に否定させ、意識へ雑を介入させる。 忘れえぬ、真新しい夜の記憶と言う雑を。
体温は白布の袷に進入果たし、胸の尖りを掌底で轢いた。 じとりと染みる温度にも雲泥の差。夜蛾と蝶の差。>>174
更にと、指腹を躍らせ詰る乳嘴。 暗闇の向こう側に彼が何を見るかなど知りもせず、気にもせず。 空の左手は艶声に唆される風を装い、裾内へと潜入。 丸い臀部の柔さを確かめ、尻朶を掴むと、「声を」と命じた。]
……ほら、啼けよ。 鳴いて、泣いて、声も嗄れたら―――許してやらぁ。
[傲慢な声に合わせ、揺ら、と彼の股座に通した逞しい腿が前後。 縋るしか出来ぬ憐れな花を、今宵も悪趣味が染めていく。]
(186) 2014/09/19(Fri) 00時半頃
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[昔々のお話。
朧と言う名の花が一つ花籠に加えられました。
手を引かれやって来たのは9つの年の頃、花主へと手渡したのはその子の父親でした。
酒浸りの女浸りの毎日に嫌気がさし、母親は我が子を置き去りにしてゆき、
そしてとうとう、その日に暮らすための金さえも確保できなくなったのだそうです。
暮らしに困らない程度の金を手に、息子の姿を振り返ること無く花籠を去っていったのでした。
残ったのは親に捨てられた子供らしくない幼子と花主。
『朧』という名を幼子に与えたのは花主だったか、様々な知識を分け与えてくれた花だったかは覚えておりません。
外の世界を望まなくなったのは、はてさていつ頃の話でしょうか。
花としての心得、話術、知識を充分に蓄えた頃には、既に花弁が開き始めていたのは確かです。
そして幾つもの季節が通りすぎ、いつの間にやら完全に根を張り花を育てる手伝いをするようになっていたのです 。
めでたし、めでたし?]
ー回想・そして今ー
[幼い頃の自分は、とかく元気だったという
雪山の麓に生まれた自分は、他の兄弟姉妹と同じく白い肌と黒い髪をしていた。しかし冬が厳しい場所で暮らして居れば、金子も食べ物も足りなくなるのは世の常……親はいくばくかの小金と引き換えに、子の一人を売り渡した
売り渡す際に藤色の髪留めで子の髪をひとつに束ねた母親は、子供にこう告げた]
――鏡でありなさい。人の心を映す鏡
そうすれば傷つくことも何もない――
[子供はその言葉を覚えていた
花主に連れられ雪の峠を越えて花籠に来た時も。その時結んでいた髪留めの色から藤と呼ばれるようになった時にも鏡であり続けた。客の、先輩花の、花主の。望む鏡花であり続けた
そんな鏡の面が細波揺らめく様になったのはいつ頃だろうか
それは初めての友ができた時からだと思い至る
月の様に美しい横顔、月光の様に柔らかく笑む姿がまこと麗しい人。どこか人づきあいが不器用そうに見えるが後輩の花にも親切で優しい人
その先輩花に懐き、心開いて。いつの間にか互いに友と呼ぶようになっていた。それが幸せだった]
[いつか年期が明けたら自分の故郷を見てみないか?なんて尋ねたこともあったろうか。雪山にかかる月が、それは見事に輝いているのだと
そういえば、母はあの言葉の――鏡の様であれという言葉の後、何かを云っていた
ああそれは何だったっけ
今宵の客は煙草の煙が薫る蝶。自分の花としての最後の客
明日には下町の陰間として払い下げられる身。銀蝶の揶揄には苦笑しか零せない。何せ最後の最後まで自分の心の声は、友に言えなかったのだから]
――鏡でありなさい。人の心を映す鏡
そうすれば傷つくことも何もない――でもね
[月の光が地下牢に届く
今宵朧月は見えるだろうか。無意識に虚空に手を伸ばす
月を欲しがり泣く子供ではない。そんな無邪気な季節は過ぎ去った
そんな折、別れ際に聞いた母の声が蘇る]
でもね――自分の心に嘘をつけば
嘘で割れた鏡の破片は相手も自分も傷つけるのよ――
[思い出した時には、既に――遅かった*]
[煙草の香りはいつも彼から薫る刻み煙草のモノとは違うが一時溺れ忘れ去るには十分な刹那の香り
黒衣の背越しに見上げる月
せめて雲に隠れぬ様にと、懇願するように見つめるも――やがてそれは雲に隠れて見えなくなって
一筋、涙が零れ落ちた]
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何処が? 翅があって、花を買い、朝と共に消える。
―――…何処が違うってんだ、同じだろう。 お前の身体を過ぎていった、万人と皆同じよ。
[反芻する言葉は刃で返した。>>191 彼が苦悶に声を震わせるたび、男の笑みは深くなる。 見知らぬ男の方が体温高いという事実、肌に迫るという現実。 革越しの掌より、余程近いと言う、悲運。
彼の肌を愛でる度、心ごと抉るような言葉を吐く暴挙。 何一つ己と誰かが重ならずとも、素直な彼はきっと思い出す。 夜の向こうに揺らめく、夜蛾でない蝶の影を。
その様に、ちりりと蟀谷が焦げ付き、男は酷く興奮した。]
(198) 2014/09/19(Fri) 01時半頃
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[熟れた身体を有するのに、彼の心は気高く真情を護ろうとする。 己の甘言から、たった一つ、庇おうとするのは、 花の勤めではなく、月の気紛れでなく、人の心なのだろう。
乾いた唇を舐めて濡らすと、ささやかな抵抗を封じるように、 手首に手を掛け、艶に誘われる侭、牀榻へと押し倒した。>>192 ギシ、と鳴る木製の悲鳴が、静かな牢に零れ落ちる。]
何が違う。お前さんは花よ、花。 好きよう買われ、夜を明かせば放られる花よ。
[笑う口元は彼から伺えまい。 彼の頭上に纏めて捕まえた両手に加圧を掛け、 拒絶を―――、耳を塞ぐ事すら許さない。]
(199) 2014/09/19(Fri) 01時半頃
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[視界を奪い、自由を奪い、金子で購った月。 偽りの優しさと持ち前の毒で彼の心を暴いた後は、 まるで強姦染みた所作に切り替える。]
勘違いするんじゃねぇぞ、
[怯懦めいた色は、己の鼓膜を喜ばせ、また一時に慰撫を覚る。 泣きそうな声を撒き散らす彼に、熱くなる身体を自覚し、 とうとう、裾を払い、白い足を覗かせると開脚を強い。]
―――――お前さんじゃあ、花籠は壊せない。
[視界閉ざす帯ひとつ解けぬ無力を詰り、 男は密やかに咲いた淡月色を、灼けた楔で貫いた。*]
(200) 2014/09/19(Fri) 01時半頃
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[蛾に毒された月を、男は果たしてどう取るだろうか――
櫻と話すその横、近くの牢。
冷たい籠の中にて咲く月は毒に侵され犯されて。
月の口から紡がれる言葉はどんなものか、気にはなるけれど耳は届かず。
先の蝶声にて囁かれた挑発には、思わずに大きく顔を瑜伽め口先から厭味に似た負けず口を、「――月は誰にでも優しい」と、優美な銀月を想って只々口先を切る。
そう。花は誰にでも蜜を遣る。
されとて月も、拒む術無く誰彼を照らす。
ただ其の事実を櫻の唄を通して解ったならば――胸に燻らせる思いは、そう。怒りなどでは無い。妬みなどでも到底無い。
ただ銀月を手中に収め切れずに居た自分への恥と、――僅かな寂寥。]
…明日は蛾でも、愛でてみようかな。
[ぺろり。口端に舌が這った。*]
可愛い、可愛い吾が子達。
今宵も大層疲れただろう。
部屋でゆっくりと休むがいい。
[男は今日も地下牢へとやって来ては、吹雪を降らせて花々を見下ろす。
優しげな面持ちで、或いは非道な笑みで。
一輪、一輪、狂気を含んだ声が撫で付けた。]
丁よ。
お前は屈折していて可愛らしい。
吾が子に相応しき、素直な焔花。
亀よ。
お前は夢見がちで悩ましい。
銀月映す、儚き水面花。
櫻よ。
お前は頑なでいて微笑ましい。
散るを知らぬ、咲かない櫻花。
朧よ。
お前は動じぬ姿が誇らしい。
陰る貌こそ、艶かしい月花。
藤よ。
お前は磨かれた心が、美しい。
割れれば綺羅綺羅、光はなつ鏡花。
明日も甘い毒抱きて、蝶を誘い惑わせるがいい。
愛しい“罅割れぬ”花たちよ。
[口許に三日月を浮かべて嗤い、男は消え行く。
一輪切り捨てることを、暗にして。]
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