270 食人村忌譚
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[最初にミナカタを訪れた時、 錠の脚はまだそれほど悪いように思えなかった。
先代の後ろで錠とその兄を交互に見やり、 錠を心配そうに見ている石動がいつもの石動には 見えなかったと、今にして思い返す。
脚は治るのかどうか、先代はどちらの可能性も 口にせずただ薬を調合し続ける背に。 何となく悟るものはあったけれど]
(256) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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薬だろ? 心配性の兄君にさっき出会って頼まれたんだ。
村を巡る予定だったから、行違ったら 尻叩かれそうだから慌てて戻ってきた。
[きょとんとする姿に、怖い怖いと笑いながら。 訪れるつもりだった旨も、知っていると種明かし]
(257) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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俺もそろそろ診て薬の量を変えなきゃなと 思ってたんだから丁度良い。
[どれ、と車椅子を押すために背の方へ回れば なるほど、リツの手入れがされた車輪はよく回りそうだ>>248]
医者先生って、そんな大層なもんじゃねえけど。 確かにリツは元気の塊だ。
それに仕事もこの車椅子を見れば安心だ。
流行り病も諦めそうな頑丈さだから。 俺の出番がないのは村にとっても良いことだ。
[直接会う事は無いが、関わる人から 彼がどんなに村の助けになっているか知っている。 縁がない癖に、まるで成長したのは 俺のお陰と言わんばかりに少し得意げに]
(258) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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道すがら最近の気になる所を聞かせてもらおうか。
[錠が拒まなければ、そのままよく回る車椅子を押しながら 出て来た自宅へと戻ろうか*]
(259) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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[同意を得てススムは勢いづいた。
手を貸してくれるという。
嗚呼矢張り、彼に話してよかったと
口元を綻ばせる]
有難う御座います、先生
先生やミナカタさんが知識をくれたから
僕は良い方法を思いつく事が出来ました。
お陰で、漸くこの苦痛から解放される
[殺して、潰して
全部処分してしまったらもう
家畜どもの群れに、人であることを気取られぬように
怯えて暮らす必要は無くなるのだ]
ねぇ、先生
最初に間引く女は櫻子が良いでしょうか。
あれは子を宿していますし、早く潰さねば増えてしまいます。
それとも、巫女を先に縊りましょうか
あれは数々の男を宛がわれていますから
[先ずは誰から始末しようか。
家畜の順序を指折りながら淡々と並べていく]
巫女様、櫻子さん、愛理さん……
[混じらぬ名は、仔を産み渋る女たち*]
ミナカタさんが……?
彼奴も何を考えているのか。
[彼には随分と焚き付けるような事を言われた。
何か目的があるのだろうか。
気を許していいのか分からない。
少し警戒をしていた方がいいのだろうか。
警戒も何も、彼が村の誰かに告げ口をすればそれで終わってしまうのだが。]
ゆり…巫女は周りに人が多いから櫻子か愛理。
そうだな愛理あたりがいいんじゃないか。
[愛理は一人でよく村をうろついているから。
人目に付かないように殺す事は容易いだろう。
教え子の上げる名に混じらぬ名前がある事に気付いてはいた。
何故、若い女を外すのか問い詰める気はないが*]
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[これは兄の心、弟知らずと言うべきか。 それとも判っていて言っているのか>>264 先程の石動さんを見た後では 惚気にしか見えず、はいはいはい、と間の抜けた返事]
あの様子だと心配通り越して 目の中、口の中、腹の中入れても痛くない勢いだったぞ。
[間違ったことは言ってないはずだ。 弟の錠がどんな感情を持つかは考えない。 拗れるならそれはそれで見世物が増えて楽しいだけと 源蔵よりも随分性根の悪さを車椅子の背後で見せる]
(272) 2017/11/25(Sat) 00時頃
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やはり季節の変わり目は悪くなる奴は悪くなるな。
[しかし最近の具合については真面目に耳を傾ける>>270 最初の対応を間違えると長引くから。 悪ふざけは止めて暫し唸り声]
うーん。 冷えのせいで血の巡りが悪くなってるんだな。
そこから腐りだされてはかなわんな。
体の向きを良く変えて、乾燥させぬようにしないと。
[家に戻れば早々に床擦れの個所を見せてもらわないと。 考えながら、ガタゴト揺れる道が床擦れに 響かぬように少し速度を落としてゆるりと進む]
(277) 2017/11/25(Sat) 00時半頃
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強めのを使うと肌がかぶれるから。 こまめに変えて貰えよ?
[念を入れなくても、あの兄ならしつこい位に 変えそうだから、思っているよりは控えめに変えろと 言った方がいいのだろうか] 足の指の色は大丈夫か? よく摩ってやれよ。
(278) 2017/11/25(Sat) 00時半頃
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リツや進じゃなくても。 あんたにはあんたが いなくちゃならない事もあるだろうから。
[五体満足な若者を見て歯痒いだろうが、 自棄は起こすなと忠告して。 家はすぐ。
背中と尻を見せてもらう前に火を起こし、 赤みを通り越して肉が見えそうな手前。
皮膚を盛り上げ、血行を良くする軟膏を 練り上げる間、なんぞ最近面白いことは無かったかと 尋ねる間もゴリゴリと、薬を潰す音を響かせる*]
(279) 2017/11/25(Sat) 00時半頃
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ミナカタは、エツコにも体調を聞くべきか考えていた。
2017/11/25(Sat) 00時半頃
この村は、不要だと
僕が考えるよりももっとずっと先の事を
考えられる”人間”です。
[ススムは彼を随分と買っていた。
家畜と人の違いがわかる者だ。
信頼しても良いと、思っている]
――――愛理さん。
何時もひとりだから……
確かに、最初の相手としては手ごろですね。
嗚呼、早速にも始めましょう
僕、教わった捌き方を早く試してみたかったんです!*
[離れた場所で教師と教え子が共犯者へと
絆を変えていく。
それを知る事は今は出来ないが、
悪く転ぶことはないだろうと踏んでいた。
進は聡い。
きっと答えを見つけ……そこから動くかどうかは置いて。
仔を生む女を殺せば、これ以上は増えない
それは正解だが、もう1つ長い意味で意味がある]
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