194 花籠遊里
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[浮かび上がった言の葉を断ち切るように、僅か淡藤を揺らしたのならば、喉を嚥下させ]
……それが貴方の望みなら。
[新たな命>>200を頂戴したなら、視線を蝶へと戻す。
唇には切なげな視線を落としつつも決して触れず。 言葉を発する喉仏に軽く歯を立てた後、真似るように首筋に唇寄せては痕を残し。
やがて先程微かに揺らいだような胸先を中指で押し潰しながら、頬紅を乗せた花は綻んだ。]
──月が欠ける前に、はやく。
[暗に焦らすなと告げれば相手の片手を取り窄まりへと誘っただろう。]
(205) 2014/09/16(Tue) 11時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2014/09/16(Tue) 12時頃
僕は『しあわせ』です。
[何時の時もそう答えましょう。
何方さまにもそう応えましょう。
胸が苦しいなど、僕にはわからぬ想いなのです。
朽ちた花の行く末を知ればこそ。
その毒に囚われてはならないと。]
[櫻は誠の『しあわせ』に、まだ散るを知りません。
咲いてさえ、いないのですから。]
‘Tis better to have loved and lost
than never to have loved at all.
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[向けられる紺瑠璃の双眸をじっと見下ろせば、銀糸に柔らかい感触>>210 見た目より緩やかに結われた髪は流れに沿うように形を変え、はらりと一房首にかかる。
劣情というよりはただ触れ合うような戯れに、瞬き一残して双眸を眇めただろう。命>>200を受ける以前までは。
言葉通りに唇で愛撫を施せば控えめに漏れ出る呻き声>>210]
…イヤですか?気持ち良さそうなのに。
[情を乗せた声色に苦い顔を浮かべる彼とは裏腹、気分良さそうに問いかけつつ、親指と人差し指で摘まんでは転がして。 意地の悪い笑みを浮かべただろう。]
(231) 2014/09/16(Tue) 22時頃
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[けれども刻一刻と過ぎ行く時を案じて、急いたように誘い文句を投げかければ、くるりと弧を描く指先と唇。 背筋走る微かな痺れに口元を噛み締める力を加えながら、皮肉めいた笑みを。
されども柔らかな接吻けが落ちれば、花は震え。僅かな隙を埋めるような埋め込まれる指>>212にキツく眉を寄せる。]
──ッ、…はぁ…っ、
[真っ直ぐと結ばれた唇が形を崩し、つま先を丸めれば、圧迫感が抜けて行き。
依然として熱を帯びる下肢に手が触れ、過敏に反応する濡れた先端の蜜を掬われれば、傾く身体は相手の肩口へと顔を寄せ。
先程よりも抵抗無く受け入れながら、唇にギュッと力を入れて。]
(232) 2014/09/16(Tue) 22時頃
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[間も無くして己の名を呼ばれれば哀願するように少し水気を含んだ眼差しで見つめ。 鼓膜を侵食する粘膜の音に唇を震わせる。
体内を埋め尽くす指は狭い奥底では微かな痛みと圧迫感。加えて違和感を訴えている。
けれども耳から、下肢から、絶え間無く響く淫靡な旋律に。]
……っ、はや、く…ッ
[耳まで血を伝わせたその顔で首筋に歯を立てれば、膝で下腹を躊躇なく押し当てて。
胸先を弄っていた手は唯々しがみつくように相手の胸元へと。 ただただ焦がれる。]
(233) 2014/09/16(Tue) 22時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2014/09/16(Tue) 22時頃
[この感情をどう表せばいいのか。
腹の辺りに渦巻くこれを。
怒りか、呆れか、それとも悲しみか、羞恥か。
『花』として誇りを持ち、美しく咲き誇れ。
俺を育てた花は口癖のように言っていた。
どんな辱めを受けようとも、どのような思いをしても蝶を惑わせる花であれ。
その言葉を道標に、今まで歩んできたはずなのに。]
――……
[ごめんなさい、朧
と。蝶の言葉により友の貌を伝える際に小さく告げる
命によりその怜悧な顔を穢し、なおも言葉で責めねばならぬ事への謝罪と、それでも目を逸らせぬことへの懺悔であった]
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[口元から吐き出す息は熱を孕み、情を孕んだ嗚咽と共に空気へと溶けていく。 耳を掠める熱っぽい吐息が焦りを含んでいるなんて露ほどにも知らず。
反転する世界と柔らかな布団の弾力。瞬きも忘れて相手の顔を見やれば──カチャリ。 箍の外れる音が聞こえた。>>268]
まっ…ッ!
[腕を伸ばし誘い請うたのは己が自身。されど腸内を圧迫していた栓が抜ければ透明の糸が後を引いて。
やっと真っ直ぐにその貌を瞳に映す。 唾液を嚥下すれば下がる喉仏。 霰も無い痴態を晒す羞恥心が今更のように襲えば、はしたなく露垂らす箇所への責め苦が始まり>>269]
(273) 2014/09/17(Wed) 01時半頃
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ん、っ…、……ッ!
[咄嗟に伸ばした手で翅を掴もうと伸ばせども、背筋を通る汗は快楽の度に脚を濡らし。 唾液を顎まで伝わせながら、窄まりに沈む熱塊に、ただただ花は狂い咲く。その口吻に甘い蜜を与えるために。
明星の気配は近い。 気紛れな蝶は枯れた花より新たな蜜をまた探しに飛び交うだろう。]
……トレ、…っ、
[一つ囁くよう名を呼べば。 彼の背に脚を絡めるように力を入れながら、自身を引いてくれた手を取り、はにかんだ。*]
(275) 2014/09/17(Wed) 01時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2014/09/17(Wed) 01時半頃
[こんな、ゆめものがたりが誠であれば
所謂『しあわせ』というものなのでしょう。
ですが、なりません。
『特別』になることも
『特別』をもつことも
『花』には許されざるべきことなのです。]
[僕たちに許されているのは、ただひとつ。
『花』として咲く。
ただ、それだけなのでございます。]
[――朧、朧
声ならぬ声で彼を呼ぶ
そんな顔をしないでと虚空を見つめる彼の頬から白を拭う
友にだけは、こんなに泣き濡れた姿を見せたくなかった
失望されたくないんだ、と]
愛しい愛しい吾が子達。
お勤め、ご苦労様。
夢を売り売り、躯を売って。
せっせと借金返しておくれ。
いやいや、返せなくとも構わないんだよ。
花咲く内は、私が愛でていてあげるからね?
[どうせいつかは枯れる花なれば。
月下の元 夢に揺蕩うことは許されよう。
押し潰した筈の芽は 結局は小さく蕾を芽吹かせた。
けれども孰れ摘み取られてしまうのだから。
蜜濃くなるその一瞬だけでも。
『花』として、『蝶』を望む]
[花しかしらぬ男の一面。
笑い、嗤っては、今宵の対価をばら撒いていく。
地下牢に舞うのは紙幣の花吹雪。
花弁の枚数が、今夜支払われた対価。
さあ拾えと、男は花々を見下した。
歪んだ唇に滲むのは、狂気の沙汰であっただろう。]
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