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……ッ
[待て、という声に振り返る姿には 怒りを露にした表情が在る。]
じゃあ、何? 誰の為? ……まさか、ピッパとリンダの為だとか 今更言い出す、心算?
[ぷちん、と何かが切れた音。 多分もう、止まらない。 リンダは、泣く、だろうか。 視界の端に入る墓標につきんと心が痛んだ。]
(374) 2010/07/04(Sun) 05時頃
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幸せに死ぬことを望んで何が悪いの?って? 悪くないんじゃない?
……リンダのカラダを借りて、 そっくりそのまま、あんたに返してあげようか
[内心自嘲した。 嗚呼、私は此処まで酷くなれるのだ、と。 その時、女は醜悪に、口許の笑みを繕った。]
(375) 2010/07/04(Sun) 05時頃
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[くす、くす、くす、と笑う。 琥珀の眸は二つ。 確りと開かれ、その中にソフィアを捉えている。]
じゃあ、
[握った左拳で自分の左胸を柔く叩いて]
―――、殺しなさいよ。 リンダが望もうが、其れを奪おうとした癖に。
恋をした相手には、選択を赦すって? ……それこそ、泣きながら、苦しみながらでしょ? 違う―――?
(378) 2010/07/04(Sun) 05時頃
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今の貴女に殺されるなら。 同じように奪われるなら。 ―――、私、きっと幸せに笑えるよ?
[両腕を広げ、薄汚く笑い続けた。]
(379) 2010/07/04(Sun) 05時半頃
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…
[何を謂っているのか、と言う。 その眸に、笑みは消えた。 広げた両腕を降ろし]
もう、いい。 貴女は結局、そうだから。 率直に、言う。 ………私は貴女の事が、大嫌い。
[>>0:@68 何時かと同じ、言の葉。 けれど明らかに違うのは、女とソフィアの距離。]
幸せな時間は、与えて貰うのを待つものじゃない。
自分から、作るものだから。 ……笑っていた、あの子のように。
[完全な拒絶の言葉を返し、 バケツを取りに戻ると一切其方を見ぬまま、小屋の*中へ*]
(382) 2010/07/04(Sun) 05時半頃
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漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/04(Sun) 06時頃
好きなのに、こんなにも大切なのに
私の言葉はナイフになってしまうんです。
器用な恋愛なんて出来なくて。
いつもいつも、付き合った人を捨ててきた罰なのでしょうか。
甘い誘惑でもなく、
快楽でもなく、
もっともっと純粋なものが私には分からない。
腫れ物に触るように接するなんて誠意が無い。
私は正直です。何処までも正直です。
そう、私が正直になればなるほど、嫌われてしまう。
そんな、絶望感に、苛まれています。
だけど、私にとってピッパという人はとても大切で。
大嫌いな私が死んでも泣いてなんて呉れないかもしれないけれど
それでも…――
もしも、万が一
ピッパさんが私を亡くしたことで悲しむこと
その可能性がある、限りは
私は、未だ、死ねない。
パパ、ママ。
はじめての恋で、めげそうです。
だけれどパパとママが病に苦しみながらも
最期まで必死に生き抜いたことを忘れない。
私も苦しみながら、もがきながら、
大切な人の幸せを――**
[何処からか響く声が、砕け壊れた魂に響く。]
あなたは、立派よ?
逃げなかったんですもの――。
真っ直ぐに向かったんでしょ。
思うところを、気持ちを伝えるため、に。
私は逃げた、卑怯にも、自分の気持ちを隠して逃げたの。
好きだったの、愛していたのに。
怖かった、から。
逃げた結果――。
生まれたのは、別れ。
あの頃に戻って、自分を変えたいと。
何度後悔の涙を流したかしれない、わ。
そして、私の死は直ぐ其処まで迫っている。
私の心は壊れたまま――
10年以上も
深い深い疵を負った心の底で。
――時を止めたまま眠っている。
でも、あなたは――。
勇気をもって、想いを告げたの。
最期まで生き抜くために――。
最期の時を後悔しない、ために。
それは――…。
とても、大切なこと。
あなたが、生きた証、よ。
あなたの想いが届いて、――…。
少しでも、あなたのために。
大切な人が心を動かしてくれる事を。
私も祈る、わ。
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― 墓地の小屋・少女の部屋 ―
…
[ベッドに腰掛けて暫くの間。 静寂は物思いの為の僅かな、時間。]
きっと。 他にも、言い方、あったよね。 ……リンダなら、どうしたかなぁ。
[漏らしたのは、弱音。 こんな時に頼ろうとするなんて卑怯だろうか。 自嘲しながらゆっくり立ち上がれば 一度、小屋を後にする。]
― 墓地の小屋→自宅 ―
(393) 2010/07/04(Sun) 14時頃
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漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/04(Sun) 14時頃
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― 自宅 ―
……ッ
[自宅へと辿り着き、扉の前で足は止まる。 中から届くのは、父と母の怒声。 伸びた手が扉を開こうとしたまま宙に在る。]
別に、いいのに――。
[薄ら届く内容に微笑した。 そしてそっと、扉を開く。]
ただいま
[すぐ其処に父と母は居て。 両者とも息を荒げて居り、父は母の胸倉を掴み 母は頬を赤く腫らして、泣いていた。]
(396) 2010/07/04(Sun) 14時頃
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[父は言葉を返さなかった。 ただ、一度。 実の娘を、忌み者を見る目で一瞥した。 母は泣きながら唇を振るわせた。 おかえり、と。待って居たのだ、と。
一緒に、と言い掛けた母の言葉を父が遮った。]
……別に、いいよ。 私は、何処へも行かない。
[父は恐らく言うのだろう。お前は連れていけない、と。 ある程度の予想はしていた。 閉じられた村社会なんて、所詮そんなものだ。 そうでもしないと、父は母を護れない。]
(397) 2010/07/04(Sun) 14時頃
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[父が、母が。 酷く小さく、見えた。 あんなに大きくみえた父の背中も。 包んでくれる優しさの、母も。
今はこんなにも、小さかった。]
……父さん。 間に合わなくなるよ。
お母さんを、御願い。
[女は、笑った。 上手く笑えただろうか、と自身に問い掛ける。 けれど誰もそれを評価してくれる人など居ない。
母は、可笑しくなる位、大きな声をあげ、 顔をくしゃくしゃにして、泣いた。 父も一瞬、悲しみで歪んだように、見えた。
きっと―――、気のせいだろうけど。]
(398) 2010/07/04(Sun) 14時頃
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作業は、何処までやってあるの?
[不意な問い掛けに父も母も、此方を凝視した。 あ、あ、と母があたふたする。
父がそれを手で制し、静かに作業場を指差した。 伝う途中の作業工程。 父の声は、僅かに震えていた。
女は、微笑して―――緩く頷いた。]
ほら。……急ぐ、急ぐ。 街に行ったら、少しゆっくりして来て。
お土産、待ってるから。
[傍に纏め置かれた荷物を強引に父へ、母へ。 押し付けながら、扉の外までその背を押した。]
(399) 2010/07/04(Sun) 14時半頃
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[静かに扉を閉める。 少しの間、母のすすり泣く声がした。
それも父の声を切欠に遠のいて。 やがて二人の気配は完全に、無くなった。]
……
[扉を背に、ずる、ずる、とへたり込んだ。 膝を抱き、顔を埋める。]
あーあ。
[そっと顔を上げ]
―――、広かったんだなぁ。
[独りの我が家を見回して、笑った。]
(400) 2010/07/04(Sun) 14時半頃
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[どれほどの間、膝を抱えていたろうか。 立てぬ女の意識を現実へと引き戻すのは]
『こつ――、こつ――、』
[背後、扉を叩く音と 数人は居るかと思われる、男性の声。]
はい。
[答えて、立ち上がり、扉を開いた。]
(401) 2010/07/04(Sun) 15時頃
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[其処に居たのは軽装の自警団員達。 皆、一様に緊張の面持ちで、女を見ると余計に 表情を堅く、強張らせた。
そして威嚇するような声で言うのだ。 噂 >>237 にしか過ぎぬ事を、実しやかに。 それが普遍の事実で、 今正に村を襲う、悪魔の仕業であるかのように。]
――。
[女は、ゆっくり、俯いた。]
(402) 2010/07/04(Sun) 15時頃
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