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………ブローリン、
忘れる訳ないだろははは。
[しまったまだ営業中だった危ない危ない完全に二人きりプライベートモードに入り掛けてた。
ついでにうっかり呼びかけた真名をすんでの所でキャンセルすると、ガバリと効果音でも付きそうな勢いで身を離す。
離す、離して、立ち上がろうとしたのだが、
しかし腰が言う事を聞いてくれる筈もなく、よろめき床に崩れ落ちただろう。]
[
何が起こったか分からず見上げるのはセピアも同じ。
スローモーションで上に浮き上がる周囲の風景に一瞬何が起こったか分からず、喋っていた口は半開きで、
足と尻に感じる床の感触に、周囲が浮き上がったのでは無く自分が落ちたのだとようやく気付いた。
なに?どうした?何でおれ床に居るんだ?
しかし気付いたからと言って思考が回復する訳でもなく、腰のへっぴり具合も、同じこと。
そして、じわじわくる熱と、恥ずかしさ。
だってそんな、キスしかけて腰が痛くて転ぶなんて。そもそも腰が痛いのってアレがコレの結果だし。
先とは違う意味で赤面し、目線は見上げた金から剃らせない。
正しくは、他を見れない。客からの視線が痛すぎて。
それでも発するヘルプより早く悪魔が動いたのは、幸いだったか。
現在の脳はあらゆる処理を停止させており、消えた大盛魔除けにも、抱きあげられた事にも一切反応は返せぬまま。
…が、]
みっ、ず虫は、ないからあああぁぁぁ!!
[それだけは譲れないのだと、それだけしか返せなかったのだと、
ばびゅんと連れ去られる店主は、最後にそんな叫びをフロアに残しただろう。
体制に文句をつけ暴れはじめるのは、バックヤードに引っ込んでから。]
オジサンとかよく言うよ
トシとかかんけーねーっての
[ゴドウィンに向けてケラケラと笑う
人魚の涙は……女性的魅力が上がる、らしいぜ
まあ、オスに効くかってーと微妙かもな
マスターにちらほら食わせてんだけど、効果あんのかね?
[ちらりと店長を伺う]
あ、でも旦那の店の男客は増えるかもしんねーな
女性フェロモンが増えてさ
そんな事言ったって…、
[こんな恰好恥ずかしすぎる。
続く文句は塞がれて
抵抗していた手は何時の間にか縋りつき、せがむかのように引き寄せて、今度こそ目を閉じ、交わす甘さに溺れていただろう。
だから、抱かれ階段を上がったのも、ベッドに横たえられたのも知らないうちに。
後半は余韻の内に感じたかもしれないが思考はそれどころではなく、熱で緩む意識の隅に、軋むスプリングを微かに聞く。
離れぬ距離に腕をからませ、触れる体温に甘えていた。
後で、後で。そう我慢していた
――あ、
ごめ、
[覗きこんだ瞳
心配させた事に気付けば、途端にしょんぼり申し訳なさそうな顔になっただろう。
それでも熱は抜けぬまま、擦り寄って、二人の前髪の色を混ぜ合わせる。]
…気にするかと、思って。
言ったらもう、して貰えなくなるかな。…って、
後悔させたいとか、そんなんじゃ、無くて、
あれ、結構、よかった、し。
またシた、い…し……。
[近いまま目を伏せて逸らして、言葉尻は小さくなるばかり。
朱を浮かべ、目を潤ませて、
今度こそ、この距離からは逃れられそうにない。]
【人】 酒屋 ゴドウィンいやいや。中々周囲の目が気になるものだよ? (292) sumizome 2015/08/16(Sun) 22時半頃 |
女性客増えるかなーって思ってさ
って……あれ?
[言葉を繋ぎ合わせる
男性客だけ、女性フェロモンには反応しない。つまり…]
あー、噂のゲイバーって旦那のとこか
別の部屋でやれる親切なバーがある、って聞いた事はあったんだよな
じゃあ、此処に来てる人外の客も、そっちに行ってたかもな
[そう言えばトレイルも行っていた。
ああだからトレイルは女性が苦手なのか、と勘違いのまま納得して]
ま、人魚の涙なんてお守り程度だけどさ
これからも、ウチも旦那も
繁盛していこうぜってことで
こっちも、昼も、よろしくな
ゴドの旦那
[にんまりと笑った**]
[
だが枕に顔を埋めても始まるのは普段のソレで無く、しかしそれを彷彿とさせる事と大差ない。
触れられ漏れ出る声は、きっと相手を煽る物なのだから。]
ン、…っふ
……ごめん。
今度から、正直に、言うから。
ぜんぶ。
[じっとして、おとなしく。
そう言われた癖に首をひねり、視界の端に背後の彼を捕らえれば、丁度背に口づける所だっただろうか。
咎められている事位きちんと分かっている。
彼の気持ちも汲まず、自分の満足感だけを優先して、それで悲しませた。
頼らないのは、信じないと同じ事。もうそんな悲しい顔させたくない。
言ってしまうと全てが恥ずかしくて堪らない気もするが、君がそう望むなら。
俺の物である君が、そう、望むなら。
これから共に過ごすであろう長い時を、些細な事で歪ませない為に。]
[唇が触れる度、行為の最中のように肺が、喉が震える。
漏れ出る声を我慢しなかったのは、どうしてか。
ずくずくとした痛みは徐々に消えて、しかし代わりに、彼の唇の感覚が消えてくれない。
不思議さに関心やら感謝をするより先に、覚えたのはもっとと言う欲で、
彼が好意でしてくれているというのに、それなのに自分はこんな、どうしようもなく、
どうして、こんなに、
こんなに、気持ちいいのか。
沸き上がる快感と甘い背徳感を吐息に混ぜ吐いて、後は身を任せるだけ。
喫茶店の、決して厚く無い扉と床。
止められない声が下階まで響いてしまったかどうかは、悪魔のみぞ知る。
あと、蛇。]
【人】 酒屋 ゴドウィン………あー、うん。ケイ君には言ってなかったよね。 (309) sumizome 2015/08/17(Mon) 00時頃 |
【人】 酒屋 ゴドウィンお守り………食べたけどね?体の中に残るのかな? (311) sumizome 2015/08/17(Mon) 00時頃 |
[背後から耳に響く声と、頭に直接響く心の声。>
囁くようなそれらを大切に拾い集め、一つも逃さないよう、心に縫い止めて。
彼は、どんな顔をしているのだろう。
枕の白と瞬きの黒しか写さぬ視界は始終揺れていて、もしこの白が背にあって君と向かい合えていたというのなら、今すぐ抱きしめているのにと、代わりにシーツを握りしめた。
…だめだ。こんな薄っぺらい布じゃ、到底彼の代わりにはなれやしない。
自分の身体に起こる変化
…まあ腰の痛みには耐えられなかったのだが、ある日突然揃いの角が生えたって、きっと自分は気にしない。
一度は望んだ道でもあるし、心の準備なんてとっくに出来ている。
君と永久を歩む準備も、同じ様に。]
――んぁ、プ、リム、
…プリ、ムラっ…!
プリムラぁっ、
[呼んだのは彼の、自分だけが知るホントの名前。
揺さぶられる身体ではどうにも上手に名前を言えなくて、掠れた声で何度も、何度も名前を唱え直す。
縋る手の先はシーツか彼か。どちらにせよ爪を立て、今は必死に縋りつくしかない。
啼き声を塞ぐ口付け
彼を忘れないように。彼が消えないように。
存在を、強く求めて。]
−恋人さえも知らない、秘密−
[ロッカールームで着替えを終えて、
いつも通り前髪をかき上げる。
普段結わえられた髪は、垂らしたまま。
首筋に刻まれたしるしを秘匿して。
いつも、陰ながら支え、見守ってくれている同僚へ。
これだけは伝えておかねばと、そっと近寄り。]
ケイ――あの、ね
おれ、突っ込まれる方だった
[はたして蛇は、どんな反応を見せるだろう。
きっと呆れたような顔で、それでも祝福してくれると信じて。
今はまだ、甘い甘い蜜月の始まりだから、
蜂蜜やチョコレートを使った戯れは、未来へのお愉しみ。]**
― 夜の街 ―
[深く暗い街の中。
その地区の一角は何故か他よりひと際暗く、上を見上げれば街灯が一部壊れている事に気付くだろう。
おかしいな。
先週来た時は煌々と明かりがついていた筈なのに、どうして。
そう首をかしげても同行者はよそ見をするなと急かすだけ。
「にゃあ」
鳴く猫の後を付いて、君は歩く。
いつもは迷子になる道を今日はすんなり。立ち止まり周囲を見回しても、同行者はやっぱり急かすだけ。]
「にゃあ」
[夜の街を歩く一人と一匹。
暗い路地をとぼとぼ歩く。目的地は知らないまま。
だってこの猫が、僕の万年筆を返してくれないものだから。
暗い道のり、こんな深夜にもかかわらず、僕と同じように歩く人が何人か。
あれ?今すれ違った二人組、片方に白い羽が生えていなかった?
驚き振り向いても、誰も居ない。]
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