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[―――――――こころの距離が、ゼロ、だ。]
これじゃ、ゲームにならないね。
[唇の隙間から、ぽつりと言を零す。
サミュエルの頬に掌を置いて、優しく撫でながら。
その隙間を埋めるように、またくっつける。
柔らかい唇を舌で舐めて開かせると、舌が歯の羅列を撫ぜて。
求める形で奥へ進み、チョコまみれの舌を搦め取ろうとする。]
俺ばっかりお子様みたいだしな。
[
余裕のある大人になりたいと思いつつ
しかし背伸びしすぎもムリがある。]
甘いトレイルもたべていい?
[返事は無くても勝手に食べるつもりである。]
[
そういえば、腔内を甘くする事を考えていたのに、
チョコのついてない方を咥えて食べ勧めてしまった。
半ば近くまで食べ進めたし、少しチョコの部分も食べれたけど。
甘い方を猫に食べさせてあげたくなるのは、
これもまたトレイルの性分なので、仕方ないこと。*]
[
そうでない運動の方は、やはり久しぶりすぎるので
誘っている自覚など皆無である。]
……ぁぐ。
[トレイルも止まらなければポッキーが無くなると
ただもぐもぐしたキスになる。
こんなに無防備なのも、此処が秘密基地で
目の前にはトレイルしか居ないから。]
もう一度、する?
[ゲームとしての成立はしなかったので、
あまり意味は無くともやり直そうかと顔を離すが
直ぐに捕まってしまった。
押し込まれた舌、今度はポッキーの味になったそれで
迎えると絡ませて零れそうなものは飲み込んだ。
一日でこんなに何度もキスするなんて、
すっかり甘えきっているなあと思う。]
聞かなきゃわかんないだろ?
教えろよー。
[うりうりとほっぺを両手で包んで、もう一度キス。
何度くちづけてもしたりないと思うのはどうしてだろう。
この甘い体には、麻薬的なナニかがあるのだろうかとか、真剣に考えてしまうほどに溺れてしまいそうになる]
ここ……?
それとも、こっち――……?
[片方の手で肩口に顔をうずめるヴェスパタインをあやしつつ、
もう片方の手を上着の中へと滑り込ませてはまさぐるように撫でる]
[もう一回
今は詰まった距離を確かめる形で、
サミュエルの腔内を、のんびり貪る事にする。]
――ふ、 ……ん。
[バニラの味はしない。
トレイルの運んできた、チョコレートの味だ。
自分の色に染めるってこういう事なのだろうか?
一瞬考えたけど 全然違うような気もする。
猫が可愛ければ、どちらでも構わないけれども。]
[頬を掴まれて、視線さえ逃げられず。]
──………ぃぃ。
[消え入るほどの小さな声で気持ちが良いと呟く。
上ずって掠れていたが、これが精一杯。
何度目かのキスには積極的に受けて、深く、角度を変えて
呼吸をするように何度も口づけた。]
──んっ……ゃ
[唐突にもぞりと体をまさぐる手に、意識は集中する。
腰や背中をさらりと撫でられれば、びくびくと体が跳ねる。
今ならどこに触れても、感じる事が出来そうだった。]
チャーミングガールエアリーヘア
[
そのまま離れなかったのでほっとしてトレイルを味わう。]
ァ、ふ。
[広い場所だったらこのままとろけてしまいそうだったので
トレイルの服にしがみついて、落ちそうなのを堪える。
今更だけどキスがすごく美味い。
もっとじっくりしていたいが、これ以上していると
余計に欲しくなりそうで、どうしたものか。]
[唇を離すと、チョコレートと唾液混じりの糸が引く。]
トニックウォーターのカクテル、飲んでみて。
[カクテルっぽい味になるように作ってるので、
もしかしたら、さっき出したブラッディ・メアリー……
もとい、バージン・メアリーがノンアルコールだという事に
気づかれるかも知れないけれど、まあいいか。]
これも、一口のむ?
[ブランデーやココアリキュールで形成されたアレクサンダーは
もしかしたら、トレイルの味なのかも知れない。
でも、度数が強いのでサミュエルに飲ませるのは一口程度。
甘く酔うなら、酒――…マタタビではなくて、
トレイル自身の方を選んで、求めて欲しいと思う**]
ん、いい子。
[素直な返事に啄むようなキスは、
深く呼吸を奪い合うようなそれへと代わり、ぴちゃぴちゃと水音を響かせる]
いやじゃないだろ…?
[キスの合間にそう尋ねるけれども、
イタズラな手は動きを止めることはなく。
するりとカットソーの下にまで潜り込んで、
腰の当たりを擽るように手のひらで触れる]
教えてくれるまで、やめねーから。
はふ。
[
カクテルなのか?
――ん。
飲みやすい、これも好き。
[用意されたグラスは、今度は爽やかな柑橘の香り。
アルコールが入っていなくても酔いそうなのは
側にトレイルがいるからではあるが。
喉を通るカクテルはすんなりしているから
とても飲みやすくて、火照る頬を沈めてくれそうだ。]
そっち、あまい?
[興味を惹かれてグラスを受け取り、ごくんと飲んだ。
こちらはちゃんとアルコールの味がある、
あまり飲み過ぎたらまたへんなことになりそうだ。]
もうひとくち。
[飲ませたく無さそうだったのでそう迫りつつ、
躱されるのなら胸の中に飛び込んで
かわりに耳や項をかぷかぷしてみようか。]
[反撃があれば少し笑って、甘い鳴き声を上げる。
それから触れるだけのキスをトレイルの唇へ。
気まぐれな猫のように触れる場所は少しずつ変えてゆくと
そのうちはしゃぐ余裕もなくなってくるだろうか**]
いやでは、ない、けど…
[気持ちが良過ぎて、頭が変になりそうで。]
──ひ、ぁ !
[素肌に触れる熱い掌に、声は大きく。
まだここがバーである事を忘れてないため、
慌てて口を手で塞ぐ]
ふ、 んぅ
[目をぎゅっと閉じれば、よりリアルにマドカの掌を
追ってしまい、声を抑えきるのが難しい。
快楽を引き出すような手つきに やめないで と もういやだ が
綯い交ぜになるが、口を塞いだままでは何もいえない]
ばっ、か。
声が大きいって。マスターたちに聞かれちゃうだろ。
[思ったよりも大きな声にいたずらする手が止まる。
チラリ振り返り、なんとか聞こえていないようだとほっと胸をなでおろして]
大きな声を出したオシオキ。
[ぐっと胸の尖りを親指の腹で押しつぶすように捏ねる]
そのまま声、抑えてろよ?
[ここがバーだなんて事はすっかり頭から消えて、
今はこの可愛いうさぎを愛でることしか考えられなかった]
うぅー……
[誰の所為だと思ってるんだ、とうめきに言葉を込めて、
涙の溜まる瞳でキッと睨む。]
ぁ は、────!!
[一度は止まった手に、油断して体の力を抜くが、
しかし、直後に胸へと襲い来る刺激には体を硬直させる。
胸の先をこねくり回されるたびに、じわじわと快感が襲う]
だっ……め、だ…… むり、
[声を抑えろといわれても、ふるふると首を振って、
無理だと伝える。
今は何とかなっても、間もなく声は零れだすだろう。
そうなる前に逃げ出そうと身を捩るが上手くいかない]
仕方ないなあ……。
じゃあ口ふさいでてやっから。
[いたずらする手はそのままに、唇をキスで塞ぐ]
これなら……んちゅ、大丈夫だろ?
[逃げようとするのはもう片方の手で捩る体を抱きしめる。
やっと捕まえたうさぎを逃がしてなるものかと、
猟犬の目で見つめて]
もう逃がさねえよ。
オレのもんになるつったじゃん。
[胸へのいたずらを一旦やめて、ギュッと強く抱きしめた**]
[無理と告げれば、…の手を退けてマドカの口に塞がれる。
手で塞ぐよりも明らかに危うく、けれどもキスに集中することで
マドカの手の感覚から逃れる事は出来た。
夢中で求めたので水音と呼吸の音が余計に響いた気がする。
唇を合わせたまま薄く目を開けば、マドカの視線に射抜かれる。
まっすぐ刺さるそれは、…の捩る体を止める。
その瞳に射竦められれば、逃げることはできない]
……まどかのもの……… ぅん、そうだったな……。
まどか……?
[突然止んだ手の動きを聊か不思議に思って名前を呼べば、
ぎゅっと、抱きしめられる。
痛い位の抱擁だったが、聞こえる心臓の音に安心感を覚える。
体をマドカへと預けて、その背中に腕を回して抱きしめ返した]**
あ。今凄くかわいい顔してる。
[
こちらを見上げる瞳が、何かを考え込んでる感じ。
アリスから見えている自分は、一体なんなのだろう?]
ノンアルコールのカクテル。
甘いものばっかり食べてるから、
すっきり系の方が良いと思って。
[
それの代謝を促進するのがグレープフルーツの果糖。
という気遣いは、口に出して説明する事は無い。
トマトの事も、サミュエルに話す事はこの先無いだろう。
何処かで知識を得てしまうかもしれないけれど。
自分と居ればば二日酔いをせずに酔えるという感覚を
与え続けられたら良いな、と思う。出来れば長い間。
気遣いをしてるふりをして、繋ぎ留めるのが、
大人――トレイルのずるいところなのだと思う。]
うん、甘いけど強いお酒だよ。
[
蜂蜜を入れずに、赤ワイン独特の渋みを楽しみたいし。
きっとサミュエルは気づかないけれど、
気づかないままで居て欲しいとすら思う。
知らない内に、依存されていけば良いのではないか。
用意している箱庭に、自然に迷い込めば良い。
シュレーディンガーの猫は、50パーセントの確立で死ぬ。
箱の中で生きてるのか死んでるのかなんて、
その箱を開ける科学者にしか解らないことだ。
彼を毒す為の愛になるのか、彼を救う為の愛になるのか。
そんな事は、トレイル自身にも解らないこと。]
[確かな事は、箱に閉じ込められる猫は装置に気づかない。]
…だめだよ、本当に悪酔いしちゃうから。
[
酒に助力させて心と身体を許させたいわけではない。
ましてや、無理やり奪うつもりなど毛頭無い。
愛情を注いで、できるだけ長い間一緒に過ごしたい。
箱にはきちんと出口がある。
入れる為に開けた上蓋を、また開けて出せば良い。
アリスが、ワンダーランドから無事に帰れたように。
この箱には、ちゃんと出口が存在する。]
こーら、だめだって
[迫るサミュエルからグラスを遠ざける。
酒は諦めたらしいが、抱きついて来たので、
グラスをテーブルの上へ戻し、倒さぬ様に奥へ。]
あはは、擽ったい。
[耳や首裏に噛み付かれ、破顔して笑いを零す。
脇腹を擽ると、甘い声が聞こえた
唇を押し付けるサミュエルに、柔らかい笑みを向ける。
その唇は、場所を変えていくつかのキスを落とした。]
サミーは、本当にあまえんぼだね。
[自らの襟ぐりに固定されている白いリボンタイに触れ、
ぷつりと小さな音を立ててホックを外す。
スタンドカラーの釦を外し、首周りを寛げた。
刃物の痕。相当古い傷が柔らかくカールした襟足で隠れる。]
そんなに甘えられたら、悪戯したくなるな。
[狭いシートに押し倒す形でサミュエルを横たわらせる。
天井でくるくる回っているシーリングファン。
それを見上げる形に落ち着いた猫の上に覆いかぶさった。]
悪戯されたい?
[意を求めるように、シェスタ・ベージュが猫の顔を覗き込んだ**]
[こうやって強く抱きしめていれば、
ヴェスパタインが自分のものだと実感できて、
頭が少しずつ冷静に戻っていく。
まどかのものだ、と。
言葉を紡ぐ唇をぺろりと犬のように舐めて]
わり。痛くねえ?
[少しだけ抱きしめる力を緩めてやる。
でも完全には腕を離さないのは、
もう少しヴェスパタインを独り占めしておきたいから]
なんかキスに夢中になりすぎて、頭に血が上ってた。
まあ、血が上ってたのは頭だけじゃねえけど。
[照れ笑いを浮かべて、すり…と寄せる腰。
もう存在を主張する股間のそれは彼にも伝わるだろう]
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