179 仮想現実人狼―Avalon―
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[意識が途切れる間際、少年は最後の聲を飛ばす]
クシャ… グレッグ…
俺、……少しの間、だったけど……
二人と、話せて……良かっ、……た、……。
[荒い息遣いが緩慢になり、やがて途切れ、
以後――少年のスキルは消滅しただろうと**]
ああ!くそ!諦めんな、馬鹿!!
[次第に弱くなる声
かわりに聞こえてくる息遣い
間に合わない?もう間に合わないのか?
俺は、何処かでさとりながらもそう声をかけ]
トニー!?
お前何言っ…
[焦るも、他人と話している最中にその焦りは十分に出せずに。
押し殺しすぎた感情が、潰されそうで気持ち悪い。
助けられない事がもどかしい。]
っ……馬鹿、俺占い師って言ってんだぞ?
そんなに長い事生きられるわけねぇだろ!
[諦めるなと、言いたかったけれど。
それは喉から出なかった。]
…………間に合わなかった…………
[そんな予感はしてた。
けれど、それでもどうにかしたかった。
けれどどうにもならなくて。
俺はクシャミに知らせるために
そう、一つ言葉を落とした。]
っ…………。
[占いスキル操作をするフリをしながら、襲撃対象をシロガネに変更する。狩人の懸念はあるが、今はここしか考えられなかった。]
[クシャミの息を飲む音が聞こえる。
俺は目の前の様子を見ながら
できるだけ冷静に状況を口にする。]
…………食堂で、どうやらシロガネがトニーを殺した。
今、カリュクスがシロガネを
トニーはワンダががそれぞれ抱えている。
…………、そ、っか。
[操作前、グレッグの連絡に、落胆したような声が落ちる。
もっと声をかけられれば、少しは何か変わったのだろうか。
胸中でずいぶんと後悔しながら、ため息が落ちた。]
こんな早くトニーが…とは、思わなかったからなぁ。
と、悪い、俺もそっち行く。
[そう言いながら、胸中に燻る暗い感情を押し殺していた。]
うん、そうっか…、あの子が…。
[殺る気満々と言ったが、やっぱり殺ったのかと思うと同時に、俺たちは敵陣営なんだから仕方がないとか当たり前なんだとか、そう思おうとしてもやっぱり憎むような感覚が浮かび上がっては消してゆく。]
じゃやっぱり、
今日は彼女を襲うっきゃねーなぁ…。
[と、こちらもスキルを設定したことを、グレッグに告げる。]
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