276 ─五月、薔薇の木の下で。
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[なんてことをするのだろう。 何の意味もなく、何も知らないで。 どうせすぐに忘れてしまうのだろう。
そう、無意味でしかない。 その一件も、密やかに胸元を掴んだ先の出来事も。]*
(214) 2018/05/20(Sun) 04時頃
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イアンは、今、自分の傍にいてくれているのは
2018/05/20(Sun) 04時頃
イアンは、ユージンではなく、モリスだ。**
2018/05/20(Sun) 04時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2018/05/20(Sun) 04時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2018/05/20(Sun) 12時頃
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[二人だけの静かな世界、図書室へ向かう途中 楽しげに笑ったモリスが、否定する時までも そんな彼のままで、言ってくれたから。>>230
ありがとう、と。 返したのはたった一言、どこか泣きそうな声 顔を見られないように先を歩き続けた。]
(233) 2018/05/20(Sun) 14時半頃
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[戻ってきた時見た、安堵するような表情>>231 何を強請られたのかも、汚れの意味も もう分かっている筈なのに。 眉を下げて、こちらも笑みを浮かべていたのが座る前。]
え?俺は、……何を間違えたのかな。
[薄い笑みで何を思ったのか、振られる首 自分は本当に分かっていない顔をしていただろう。 聞き方に指摘を貰うのは>>23予想外だ。 溶けた垣根を喜ぶ暇も無い。]
(234) 2018/05/20(Sun) 14時半頃
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っ ……モリス
[その一言が俺には妙に響いて聞こえたんだ。 詰められた距離>>232に心臓が煩くなって 名前を呼べば、じわじわと血色が良くなる。 そんな格好良くない先輩の姿で、口づけを受け入れた。
食むような柔らかさが実感を与え、背筋が震えた。 絡め下ろされたほうではない、もう片方が相手の頬に触れる 潤そうとするように乾いた唇を舌先が舐めれば、 そのまま咥内に侵入してしまう。 歯列をなぞり、相手の舌と絡ませる。 幾度か離れ、角度を変えながら 何度も何度も、モリスを求めていた。]
(235) 2018/05/20(Sun) 14時半頃
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[糸が伝い、切れる。 少しの間、呼吸を荒く繰り返した。 それでも惜しむみたいに二人の距離は近いまま。]
さっき言ったこと、格好良かった。 ……どっちが年上だか、本当に分からないね。
[頬を撫でながら、まるでいつもと変わらない笑み けれどそれは温度が上がるばかりの顔と、濡れた目が作った。
するりと落ちる手は、彼の服に伸びた。 一度様子を確認して、許されるようなら脱がそうとする。]*
(236) 2018/05/20(Sun) 14時半頃
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イアンは、モリスと二人きりで鍵の向こう側。
2018/05/20(Sun) 14時半頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2018/05/20(Sun) 14時半頃
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[彼の心の葛藤は知らないが、同性愛者だと思っていれば確認を取ることは無かっただろう。 それでも、口づけたのは相手からだから 強張りと辿々しさを感じても>>238引くことは無かった。]
可愛いから、いいんじゃないかな?
[整わない呼吸を聞きながら>>239今度は真逆の感想を言う。 別に意地悪のつもりはない。 自分には失われたもので、眩しかっただけ。 そうしながらも手が動いている 頷き返し、釦が外されていく。]
(241) 2018/05/20(Sun) 16時半頃
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[キスと比べ、肌を露わにする手付きは慣れていない 時折僅か止まることすらあった。 沈黙の時間はそうして生まれる。]
……そうだよ。だって、まともじゃないだろう だけど、問題はきっとそこじゃないんだ。
[答えるまでの沈黙は嘘をつく為ではなく 自分でも整理が難しいものだから。 ぽつり、ぽつりと聞きたがる相手へ語った。>>240]
知られたかったんだ。 頑張ったってまともになれないって教えられたかった。 罵られても、酷く扱われてもいいって思ってた。 でも、そんな自分を受け入れてほしかったんだと思う。
(242) 2018/05/20(Sun) 16時半頃
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[上半身を脱がせてしまったら、次はこちら。 ジャケットが落ちて、ネクタイが続き シャツの釦を全て外せば一度立ち上がり 胸をやんわりと押して横たわるよう促した。]
俺、こっち側も、合意でするのも初めて。 あ、二人だけなのもそうかな。
[覆い被さるような体勢で顔を近づけ 緊張する、そう呟き柔らかく笑う。 連ねた三つの初めての反転が、ずっと語らなかった過去。 本人にとっては認めるしかないそれは何気なく落とされた。 俺にとってのキスがしたい相手は 愛だとか恋だとか遠いものの先にいるわけじゃなくて。 汚された本物に手を伸ばしてくれる人。]
(243) 2018/05/20(Sun) 16時半頃
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ねえ、優しくするからさ……君も、俺に触ってね。
[今度のお願いは、指摘されずに済むだろうか。 滑る手が直接に身体を撫でてゆき やがて、意味の変わった触れ方を始め 彼の肌にも熱を感じる頃に下腹部に降りてゆく。
触れながらも、何度も唇を重ねた。 溢れる欲が自然と自分のそれも育てていって。 異性愛者への気遣いは当然あるが 結局、慣れない立場から彼を奪ってしまう。
潜めた吐息と濡れた音が二人だけの空間を満たし その時間の俺は、確かに彼だけを見ていた。]*
(244) 2018/05/20(Sun) 16時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2018/05/20(Sun) 16時半頃
[ 薔薇と、紫陽花とは違う。
雨に濡れながらも、寄り添い咲くのが紫陽花とすれば
蔓を絡ませ棘で傷付けながら、一人咲くのが薔薇。
中庭にあるただの花(おれ)に
誰が愛を囁くというのか。
棘で傷付くだけの薔薇(おれ)に
誰が寄りそうというのか。
咲こうとしていた蕾をもぎ取り
迷いも無く握り潰した。
溺れるような花の中――― ]
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─ 蜜事の終わり ─
[かつての自分と比べれば見れる姿だ。 しかし痛みが無かったわけがなく、負担を掛けたのも事実。 一時の醒めが訪れた頭に、棘のような罪悪感。]
ごめん。
[ベルトを締め直し、シャツを羽織り 自分のジャケットで彼に応急処置の清めを行いながら謝罪した。 逆のほうが良かったかな。でも、異性愛者に出来るかどうか分からないし]
(255) 2018/05/20(Sun) 19時頃
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まだ暫くはここにいたほうがいいね。
[作業を終えれば衣服を正させソファーに寝させ 椅子に座って彼を見守っている。]
ありがとう。 [口にしたのは一言だけ、疲れた彼にあまり話は振らない。 ふと、無意味に視線を窓に送る ……それなりの時間を彼に触れていたと思うのだけど。 来た時から、いや、廊下で窓を開けた時から 月の位置、空の色──何も、変わっていない。]*
(256) 2018/05/20(Sun) 19時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2018/05/20(Sun) 19時頃
イアンは、ヴェルツに何があったか、知ることは叶わずにいる。*
2018/05/20(Sun) 19時頃
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[与えられたことのない優しさを向けるのは大変。 好きでもない、恋愛対象でもない男にこんなことを 薔薇に侵されきってはいない思考が 可哀想だと、あの頃のお前ではないかと嘆く瞬間もあった。 だけど最後まで止めなかったのは やっぱり、俺がそういう人間だからなのか。]
……うーん。
[考え込む顔は別に袖を握る手が>>297嫌なんてことじゃない だから離そうとはしないし、少し椅子を引き摺って距離も詰めた。 窓を見るのは止めて、彼の微睡むような様子を見つめる。]
(299) 2018/05/20(Sun) 23時頃
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眠いの?……ここで寝るのはあまり、良くないな。
[部屋ではないし、風邪も引くし。 だけど起きろと引っ張ることも出来ず。 少しだけならいいかなと、口にした以上は咎めず。 再び黙せば見守る姿勢。]*
(300) 2018/05/20(Sun) 23時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2018/05/20(Sun) 23時頃
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