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別にそれ自体には興味がないんだ。
お前が、兄貴とどうしたって。
でも―― 兄貴は
願わなきゃ 動かなきゃ――叶わない
そう言ってたぜ?
背中…?
─…わかんないや。
押して欲しい気もするし、押さないで欲しい気もする。
だって、結局。
決めるのは、私だもん。
願うのも、動くのも…決めるのは、私。
…セシ兄、も?
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[自分が若い…と言うより幼い頃この村を飛び出してからいかに苦労したか綴る。 その日暮らしの日々。好きな酒を飲む暇も無かったと語る。 各地を転々と回っている折、ある女性と会ったと言う。]
借りた宿で働いていた女…まあ当時は娘だったが。 口が利けないのさ。 それに同情こそすれ、それで愛情なんて沸く余地も無いんだが…。 そこに寄る度に女将共々世話になってな。
頷くと首を振るとしかしないんだが、良く笑うんだよ。 見聞きした話をしてやったりすれば、ころころ、表情豊かにな。 ああ、こういう女の所に帰ってくるのを安らぐと言うんだろう…なんて思ったモンさ。 一緒に居るだけで、俺が俺らしいと思えるようにな。 なかなか、惚れた人間の前じゃ男も女も変に気取っちまうモンだが。 そうする必要が無かった。 少なくとも、俺にはな。
(192) 2010/07/05(Mon) 16時半頃
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他人がどう言うか知らんが、ある人間に自分の事を好きになってほしいと、愛されたいと願ったら、世界が変わっちまうんじゃないか。 盲目って言うだろう。
俺は、周りが見えなくなる程誰かに惚れこむより、いつの間にか惚れちまってた…ってのが好きだがね。
その女か? 死んだよ。 多分な。 口にして言う前に、逝っちまったからな。 まあ、綺麗な思い出のまま終わったって訳だ。
[下らないと笑うだろうか。笑われても、自分もそう思うと笑い返すだけだが。 アイリスの話を別段相槌を打つでもなく聞いている]
(196) 2010/07/05(Mon) 17時頃
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─…ううん。
わかると、思う。
ごめんね、ヴェス。
愚痴っちゃって。
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―昨日・酒屋― >>105 アイリス なるほど。 今まで通りで居たいわけか?
……こんな事を言うのもなんだがな。 その今までが、もう続かないとなると、二つに一つだろう? 何も変わらないまま終わるか…後腐れの無いようにぶつかってみるか。
人から言われた事をやるより、お前さん自身でどうしたいか考えると良い。 誰も責めやしない。 褒めもされんだろうが。
しかしお前さん、なかなか可愛い所もあるじゃないか。 普段から酔っぱらってると良い。 しおらしいくらいがちょうどいいぞ、はっはっは!
[悪態をついて出ていくアイリスを見送る。その背中に]
あまり飲みすぎるなよ。
[そう声をかけた。]
(199) 2010/07/05(Mon) 17時頃
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―酒場― …ふん。 未だに突っ張る左じゃなくて、右から使いモンにならなくなるとはな。
[右手を握っては開きを繰り返していた。 鈍い痺れ。未だ動く…動ける。]
まあ、年寄りから先に逝って悪い道理はないさ…。 後はどう死ぬか、ってだけだな。 ふふ。
[ここで死ぬつもりではあるが。 床について死を待つのは気が向かない。 他人事のように考えていると、来客が有り……]
おお…? 皆さんお揃いで、どうかしたか。
[3人を迎える。酒が要るのであれば、残った酒から適当に選んで出してやった]
(202) 2010/07/05(Mon) 18時半頃
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>>203 ミッシェル ああ。 店でなくとも家だからな。 まだしぶとくいるとも。 どうした。
[別に隠している訳ではない。咎められれば何とはなしに言うだろう。 聞かれない以上、言う必要もない。少なくとも、今の段階では。]
そうか。 暇を削って作った甲斐が有った。 俺は酒屋じゃなければ茶屋も出来るかもな。 クリストファーの奴に雇ってもらうか。
[村の茶屋の名前を出す。今どうしているかは知らないが……]
酒屋に来て酒を飲むのが駄目な訳はないだろう。 飲めば良いさ。 お殿方と同じモンで良いかね。
[ミッシェルにも一つ注いでやる。]
(205) 2010/07/05(Mon) 19時半頃
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>>206 ミッシェル もともと、ここは酒を売る場所だ。 飲む場所じゃない。 それだけじゃあ俺、が、暇なんで…。 まあこうして暇つぶしに付き合ってもらえるよう椅子だなんだと置いている訳だ。
[髭を左手でいじりながら言う。]
なんだ、金がかかったら要らんか? 価値のある物には、金を出すのを惜しんじゃいかんな。 ふっふっ…。 まあ、趣味でやってるモンだ。 自己満足で十分な所、他の連中にも美味いと言って貰えりゃ、少しは嬉しいじゃないか。
[自分の分は空のまま、他に注ぐ。]
そう言えばそうだな。 まあ良いさ。 今、こうして飲んでるじゃあないか。
(209) 2010/07/05(Mon) 19時半頃
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>>210 ミッシェル そうさな。 まあ強いて言えばって所か。
[人の悪い笑みを向けた。手をひらひらと振ってみせる。]
そりゃあ、この村に帰って来てからこっち、ずっとだからな。 俺も、お前さんが何か作ってる所しか想像できんよ。 ああ、後は工房の中で干からびてる所か。 はっはっ…。
美味いか? いつものよりは、辛い…いや苦いだろうが。
[呼びかけられて眉を上げる。笑みは消さずに]
うん? どうした、ぼうっとして。 もう酔っぱらったのか。
(211) 2010/07/05(Mon) 20時頃
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>>212 ミッシェル 子どもを子ども扱いしてなにが悪い。 うん?
[にぃっと笑う。セシルにも同意を促しておいて]
何しろ一人じゃ干物になっちまうと言うんだからな。 この村で、あるうら若い娘さんが餓死せずに済んだのはお前さんのお陰だ。
[>>217セシルにカップを掲げる。] それじゃあそいつはツケておいてやろう。
あいつも茶道楽だからな。 美味いのを淹れてくれる。 人相は悪いがな、わはは…。
俺か? ここのとこ、飲むと、いやに葉巻が欲しくなってな。 手持ちがないし、店にもなかった。 一つばかし、悔いが残りそうだ。
(222) 2010/07/05(Mon) 21時半頃
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>>225 セシル はっはっは、お前さんも、ヴェスパタイン、お前さんもな。 10年かそこら、お前さん達より早く生まれただけだがな。
[髭を右手でさする。さすっている手に感覚は無いが……]
まぁ、茶では腹の足しにはならんが…。 若い娘に恵んでくれと頼まれちゃ、断るわけにもいかんね。 嬢ちゃんに食い物をせびられた事はないが。
[苦笑いした。]
そうか? 俺はあの野郎程、手配書が似合う奴は見た事がない。 ただ笑ってても、悪巧みしてるようにしか見えんからな。
あいにく、葉も切らしていてな。作る事も出来ん。 まぁ、仕方がない。 日頃の行いに、空から1巻降って来てもよさそうなもんだがな。
(232) 2010/07/05(Mon) 22時頃
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>>230 ミッシェル [何も言うなとでも言わんばかりに、肩を叩いてやる。]
先日行ったんだがな。 あの爺さん、呆けて注文を忘れちまったんだと。 ひどい仕打ちだと思わんか? 俺はいわば、お得意様だったんだがな。
ふっふっ、まあ甘くても酒は酒か。 酒量をわきまえていりゃあ、何を飲んだって構わんさ。
(233) 2010/07/05(Mon) 22時頃
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>>236 ミッシェル 年は取りたくないモンだ。 俺も忘れ事が多くてな。
楽しみって程じゃあないが…まあ無いと困るもんでな。 仕方ないさ。 今更言っても始まらん。
ああ、そうさ。 ほとんど、果汁みたいなもんだ。 果汁よりは、深みが有るがね。
[少し身を乗り出したが、棚越しであるし、横にセシルとヴェスパタインも居る。 笑って]
おいおい、言った傍から飲みすぎか? 大丈夫か。
(238) 2010/07/05(Mon) 22時半頃
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>>237 セシル ちょくちょく、顔を出すついでに酒を買って行っていたぞ。 まあ、酒の方は月に1,2度って所だが。
はっはっは、乞食じゃあるまいし。 まあ、頼まれれば分けてやるがね。
サバを読んでどうする。 お前さんたちの様に若かないが、男ってのは、30、いや40を過ぎてから味が出るもんさ。 呆けたくはないがね。 ふっふっ。
[ミッシェルを覗き込む折、若干めまいがして、棚に両手をついた。 ややあって、顔を上げたが]
飲んでも居ないのに立ちくらみとは、いやいや。 味が出るにしても、年は取りたくないもんだな。
(243) 2010/07/05(Mon) 22時半頃
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酒屋 ゴドウィンは、奏者 セシルの様子も心配する。
2010/07/05(Mon) 22時半頃
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>>247 ミッシェル [掌を左右に捻る様に振る。]
ああ、心配ない。 考えたら、昼飯がまだだった。 何か軽く食うとしよう。
[セシルと、ミッシェルと。ヴェスパタインを少し眺めて、細い目をいっそう細める。 皆の体もやはり蝕まれ始めているのだろうか…? 今更に、胸が痛い。]
(250) 2010/07/05(Mon) 22時半頃
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[>>253ミッシェルに答える前に、セシルが声を荒げる。 笑ってみていたが…]
おいおい、痴話喧嘩なら、余所でやってくれ? なんなら、お前さん本当に手伝うと良い。 こんな時だ、皆で昼食と言うのも悪くないだろう。
[カウンターに伏せたセシルの頭を撫でる様に叩く。]
(258) 2010/07/05(Mon) 23時頃
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酒屋 ゴドウィンは、飾り職 ミッシェルの慌て振りに、少し微笑ましくも思う。
2010/07/05(Mon) 23時頃
酒屋 ゴドウィンは、店の奥、暖炉に薪を入れる。厨房に立った。
2010/07/05(Mon) 23時半頃
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>>270 セシル うん? 何を謝る。 心配して、心配されて、おあいこだろう。 なかなか、両方出来る相手ってのはおらんモンだ。
(274) 2010/07/05(Mon) 23時半頃
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酒屋 ゴドウィンは、ランタン職人 ヴェスパタインにも飲みすぎないよう伝えた。
2010/07/05(Mon) 23時半頃
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>>275 ヴェスパタイン 説教して欲しいならいくらでもしてやるぞ。 社交辞令みたいなもんだ、気にするな。
[例の"天使"のことがらみかとも思うが、触れていい事と悪い事が有る。 良いのならば勝手に、酒が先方の口を割らせるだろうと思い厨房へ。]
>>276 セシル 救われた…か。 ふん、分かったような口を叩きやがって。
[からかう様に小突く。申し出には髭をいじりながら]
うん? そうだな、では酒代に、手伝いどころか本腰入れてやってもらうとするか。 好きな物か? 酒と茶だな。 後は葉巻が有れば言う事ない。
[そう言って笑う。]
言う程食材が有るわけじゃあない。 料亭で食うならまだしも、中々他人に作ってもらう事もなくてな。 作ってくれるだけで十分だ。
(281) 2010/07/06(Tue) 00時頃
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>>286 セシル [救われるのは俺の方だ―そんな言葉を飲み込んで、使いそうな器具を出しておく。]
うん…? じゃあそうさせてもらうとするかな。 楽師に料理をさせると言うのも乙なもんだ。 お手並み拝見と行こうか? ふっふっ…。 まぁ、客に一切合切やらせる訳にも行かん。 何かあったら言え。
[続く言葉に笑い声をあげた。]
あん? わっはっは、なんだそりゃあ。 どういう意味だ? 良い男ってのは、世話させるより世話するもんだ。 まあ、もっと良い男となれば、させるまでもなく、勝手にされるんだろうがな。
(291) 2010/07/06(Tue) 00時頃
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祈りは
どんなに祈っても
届かず
呟く声は
微かな喧騒に
消える
開幕の合図が響き
繰り返しを踊る
この世界をつづる物語
終末はあなただけのために
ちいさくいのりつづける
「ただ、ただ、しあわせに」
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>>302 セシル ふん、ま、褒め言葉と受け取って置こう。 我ながら器量はあるかもしれんが、気概は薄れる一方でな。 酒も女も、十分堪能したさ。 中々、他人に真似されんような生き方が出来たと思うしな。
[厨房の机に体重を預けるように立つ。]
(304) 2010/07/06(Tue) 00時半頃
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今は、もう少し。
このままで、居たいんだよ。
ヴェス。
…私、頑張る、から。
我が儘でも、なんでも。
─…だから、もう少しだけ。
妹で、いたいんだ。
[何処からか聞こえる囁き]
ただ、幸せに――…。
この村を覆う死病の果てに苦しみ、絶える前に。
あなたは、慈悲を齎すの?
現世の苦しみから解放された世界へ
そこで、幸せに、苦しまないで、との祈りを乗せて。
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>>309 セシル ふふ…ま、話のタネに尽きんのが良い所か。
[持ちきれない分を持って厨房から出てきた。 ミッシェルに笑いかける]
お、なんだ。 要らん心配をしやがって。 普段、自分がどう他人から思われてるか、よーく身に沁みたろう。
(321) 2010/07/06(Tue) 01時頃
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―――分からない。
[死んだサイモンが幸福だったかどうかは知らない]
慈悲なんて偽善かもしれない。
[生きることに価値があると、説いた]
此の手は今は未だ、誰にも伸ばせない――
[されど彼女が、苦しみから解き放つ事をするのなら]
……委ねるわ。
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