314 突然キャラソンを歌い出す村5
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[正体の分からなかった歌の主の声が聞こえると、おやと首を傾げた。]
騒がしくしているのは若干1名だけれどね。
[唸り声のことを完全に棚に上げた。]
もののけ、バケモノ、怪異。
そう呼ばれる類のものだよ。君の言う通り。
[人の目につかないよう暮らしてきたのなら、これまで若林が感知したことはないだろう。だから尋ねる。]
それで、君は?
ここに元からいたもの?
それとも引っ越してきたのかな?
[とはいえ、これにとって最も重要なことはひとつだ。]
君は桃園学園の生徒達に、悪さをする気があるのかな。
[そのつもりがあったとして、正直に答えられるとも思っていない。ただの牽制だ。]
けいちゃん先生……あぁ、
[健康優良児のショコラはあまり保健室に寄りつかない。
だから、そんなあだ名で親しまれている養護教諭もいたな、くらいの認識だった。
むしろ、直接それほど関わりが無いのによく自分のことを把握しているものだと感心さえする。]
バケモノのくせに(笑) 守るとか(笑)
けど、色々あるってとこだけはわかりますよぉ。
ええ、多様性は大事です。
[――勿論、先代「フィオーレ」の店主の孫というのは偽りだ。
新しい住処を探していた葉桐は、後継ぎのいない喫茶店に潜り込んだに過ぎない。まあ、そこらは怪異ならではの催眠術とかみたいな裏技を使ったりなんかした。*]
色々いる中からアンタみたいな無害な"ハズレ"を
引いちゃったからガッカリしてるんだよぉ。
弟の財布からくすねたお金で回したガチャで爆死した時
みたいな気分ですぅ。
自分のお金だったらもっとブチ切れてますって。
[色々いる中でも間違いなく悪辣な側に分類される悪魔がのたまう。]
私は私。
生まれて16年、ずぅっとこの私ですよぅ。
[憑かれたとか入れ替わったとかではなく。
ここに居るのはあくまで「下牧ショコラ」という名の悪魔。]
? タルトはクソ雑魚な人間ですぅ。
先に生まれた私がぜぇんぶ持って行きましたから。
双子とかだったらまた違ったのかもだけど。
[歌が聞こえる……
屋内にいた為に聞こえにくかったが、外へ出れば風に乗ったその歌が届いた。花たちの甘い歌とは違う、隠していたものを暴くような歌が。]
……夕暮?
[心に浮かび上がってきた名前だ。
ざわざわと、落ち着かない心地がする。
物語は始まっているのだと告げているようで、少し黙った。]
わぁー これは悪魔だ。
[弟からくすねたお金でガチャ。
これぞまさしく。]
おっと。
僕もそうだね。
怪異、物の怪、バケモノ。
そういった呼ばれ方をされてきたモノに分類されるよ。
[また別の違った声に、遅ればせながら肯定。]
アンタらバケモノと同じにされるのは抵抗あるなぁ……
まあ、クソ雑魚人類からみたら怪異の括りにはなるかぁ。
うーん、とりあえず出揃ったようですし、
一発やっときますぅ?
[パチン、と悪魔が指を鳴らす。]
♪ 『メンバー紹介』
皆様ようこそお揃いで
こんな見世物 こんな楽屋ネタにまで興味をもって
暇なんですか? 他にやること無いんですか?
そんな寂しいテメェらのために
さあさあイカレたメンバーを紹介するぜ
♪ ボーカルゥ!!
[若林にマイク(概念)を向けた。]
♪ ボーカルゥ!!
[葉桐にマイク(概念)を向けた。]
♪ またまた……ボーカルゥ!!
[平澤にマイク(概念)を向けた。]
[皆がそれぞれ乗ってくるかどうかは気にもせず、テンポよく歌をすすめていく。]
♪ そんでもってぇ〜〜〜、 ボーカルゥ!!
[びしっと腕を高く掲げて(概念)]
♪
ラブリーでスウィーティーなプリティデビル!!
私の事だぜ 下牧ショコラ!!
この「物語」を台無しにするためにやってきたぁ!!
♪
けだもの 首ちょんぱ 血吸いコウモリ 悪魔ちゃん
食べ合わせの悪い全部のせ
ひとつずつでも胃もたれ必死
お残し? ダメダメ 皿までペロリと行っちゃって!!
パーティーはまだ始まったばかりだ ――――ZE★
そうそう、多様性。
まあ、環境に応じた限度ってものはあるけれどね……
[直接関わりがなくとも、話に聞いた生徒のことは調べておくことはある。下牧ショコラの場合は、たしかメアリーか、あるいは陸上部所属の弟あたりから聞いたのかもしれないな。]
うん、これは悪魔だね。
[完全に同意。
下牧タルトの顔を思い浮かべて、やれやれと溜息。大変な姉を持ったものだ。かわいそうに。
まあ、彼がこの悪魔の言う「クソ雑魚な人間」なら、それはいいことだ。下牧タルトの名は圏外に置かれたままになる。]
なるほどね。双子じゃなくて本当によかった。
君にとっても、僕にとってもね。
[その場合多分めちゃくちゃめんどくさいことになると思った。いや、もう既にかなりめんどくさい事態かもしれないが……]
/*
君は何をしているんだ???????
オーケー わかった 少し待ちたまえ
えっ、ボーカルしかいない……
[野暮なツッコミを入れながらも、マイク(概念)を向けられればわたわたと。]
これは、慣れないテンポだ……、
♪
あー えっとー
首なしその1 葉桐でーす
首なしその2はいませんがー
いや首あるって?
うんうんそうだね
事情はそのうち 話そうおいおい
表の顔はマスター、デス!
作るの大好き おもてなし好き
人畜無害さ(本当に?)本当でーす
でもでも雲行き怪しいね?
これからどうなる 見えないミラーイ!
♪
[唐突に始まった何かに、一瞬呆気にとられたが。マイク(概念)をぶつけられては返さないわけにもいかない。手袋を投げつけられたようなものだ。]
♪
どうしたのかなホラ見せて 痛いところを教えておくれ
羊のかわりに白衣をかぶって
「僕は保健室のけいちゃん先生です。」
狼に気をつけて なんてRed Riding Hoodじゃあるまいし
Beast Dullahan Vampire What’s worse...
Little Little Demonic Brat!
(獣に首無し ヴァンパイア ついでに悪魔のクソガキ)
食べ合わせ?なんて気にしたことがない
胃もたれ?なんて縁がないね
「大きな口の狼さんは、赤ずきんを一口でのみこんでしまいましたとさ。」
物語もパーティーも望んでないが 片付けくらいはしてやるさ
♪
[やたらと流暢な発音で歌い上げると、マイク(概念)を床(概念)に叩きつけた。これで満足か?]
[つれない感じでも歌で振った分には乗ってくるなこいつら。
悪魔はそう認識した。**]
ま、別にあたしが色々動くのは問題じゃないけど。
出来れば脂の乗った男の血がイチバンだけど。
[ただ、平澤家の家系は思春期に大量の血を欲する、いわゆる『発情期』の特性を色濃く受け継ぐ家系であり。
腹が減ってはなんとやらではあるが、人間の事情など構い無しに血を欲する年代があるのであった**]
…………ってなんなのよこのマイク!?
[マイク(概念)を向けられて戸惑うものの――――――]
♪
そびえ立つmicrophone受けとるは平澤みなみ
悪魔 首無し microphone投げる狼
lyricbattle拝見お手並み
上手くgroove(まわせ)なきゃcoke一気飲み
あたし実はやべー吸血鬼
中島敦の作品は山月記
デュラハン首ないから無理戴冠式
その狡猾さ北欧神話マジでロキ
流れるlyric 止められないparty time
themeを受けるのは勿論―――――
『バトンはまわった』わよ、お嬢さん?
[丁重にマイクを主()にお返しすれば。]
…………ンなことしてないで、あたしもそろそろ動かなきゃね。
[みなみはため息をつく]
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― 桃園学園・授業中 ―
うーーーーー
[平澤みなみは悩んでいた。和歌なんて全然出てこなかったのだ。 次々と作品を提出する生徒を横目に声にならない声をあげ、真っ白な紙とペンに向かって自問していた。
どうして詠うんですか?と。]
(300) 2022/09/03(Sat) 22時頃
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在りし日の 夏の想ひ出 弔いて 曼珠沙華の 鮮やかな紅
[苦悶しなから書き綴った句は、悲壮感をも感じる句だった。 テスト用紙を提出した後も、少し疲弊した様子で。]
(304) 2022/09/03(Sat) 22時半頃
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…………えっ、ありがとうございます。 ちょっと深く考えすぎちゃって。大丈夫です。
[理事長先生から声をかけられ(>>67)、謝意を伝えると。 みなみは机に突っ伏す。]
(307) 2022/09/03(Sat) 22時半頃
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