25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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[イアンからは視線を外したまま、 かたわらの狼に、そっと触れ撫でる。一度だけ 彼には見えぬようだから、余り不自然にならぬよう。
蓮の佳人が狼であったこと、 ゆらぐ心持はあれど――獣を憎め、と詠われた狭間のうた。 彼の人の姿を思えば、それは到底適わない。
イアンより返された言葉に、ふと面をあげる。]
――あ、すみません。 あの、私の花主様は刷衛様です。
[抱いた太刀を示すように、笑み浮かべ答える]
(@21) 2010/08/08(Sun) 22時頃
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代わりに一つだけ頼みごとがある。
高嶺はここにいる。
このあと、高嶺が誰に会うか教えてくれ。
ああ、ここにじゃわからんな。
高嶺は庭にいる。
今、お前が…
[とチラリとイアンの姿を確認し、
血に染まった本郷を連れているのにはぎょっとしたが]
見ている方向だ。
落胤 明之進は、狼が虎鉄をかぷっとする様にはうろたえた けどよく考えたら、身はないから大丈夫だろう、と微笑ましげ
2010/08/08(Sun) 22時半頃
……かまわないが…
花、二つないから、霞ぐらい、だとは思うが…
[きょとんと、手からのみ出血した
本郷を抱えたまま、その幻聴に頷いて
高嶺の場所にはコクリと頷いた]
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[ぱちり、と瞬く。 その存在そのものを知らぬようなその答え]
……え、あの。それはどういう? 刷衛様はあなたの相方、というか……お仕事の。
この太刀も、 主様が砥ぎをなさったものでは、ないのですか?
[知らぬ振りをしてるようにも見えず、 ただいぶかしみ返す。]
(@23) 2010/08/08(Sun) 22時半頃
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霞ならば、どんなことを話しているのか。
わかればもっとよい。
頼むぞ。
[正気出ないことは知っている。
声の調子からも、まるで幻聴のように聴こえているのだろう。
なるべく、興奮させないように、それだけ言って、あとはなるべく通信機の音を小さく…。]
落胤 明之進は、虎鉄が狼の尻尾をぎゅっとしたのは、めっと たしなめた。
2010/08/08(Sun) 22時半頃
んー……
[あの二人の会話の間に入るのは
なんだかとってもお邪魔無私な空気になるので
とても、とても避けたいのだが]
まぁ、聞けたら、の範囲で……あまり期待するな
無理せずともよい。
親しき仲なら、そう教えてくれればよい。
[そして、庭から去っていく。]
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[朗らかな笑いのあとに、訪れる静寂。 狂気とは時に華やかでさえある、もの]
……そんな、ことは。 だって、今も刷衛様と、 連絡を取っていらっしゃるでしょう?
[幾度が通信をする主が姿は眼に入り、 だからその主が存在を消されたような言葉に怯える。 返して欲しい、と請われれば、ふるふると首を振る]
――……あ、いや、嫌です。
[“殲滅”という言葉、何より 主を知らぬというその言葉が怖くて、抱いた太刀を握る。 もっとも現世にあらず身、奪おうと思えばそれは簡単に為せるか]
(@24) 2010/08/08(Sun) 22時半頃
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……血縁だしなぁ……
[色々複雑ではあれ親しいんじゃないか?
幻聴なのになんぞこれ?と
不思議そうに思いながら、わかったと頷いた]
血縁で、その片方が狼であったら、
どうするかのう?
[なるべく、話させるように、相槌を打つ。]
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[ぎゅっと太刀を抱いたまま、 用事、と告げてイアンが去れば、小さく吐息を零す。 傍らの虎鉄と狼に、交互に視線を彷徨わせ]
……イアン殿、様子がおかしいです。 いえ、一見普通に見えますけれど。
主様を――刷衛様のことを、 それだけを、すっかり忘れてしまわれたよう。
何故……
[袖を引いた狼が、 ゆるゆると首を振り、イアンを見る。 追ってそれを見やるのだけれど]
心の一部の――壊れてしまわれた?
(@26) 2010/08/08(Sun) 23時頃
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……庇う、といいたいのか?
そこが不安なら二人とも切るしかないではないか?
[きょとんと]
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[狼の言葉を肯定するような その様に、ゆるく、一度首を振る]
……お2人の間には、 何がおありだったのでしょう。 私はあの方が、少しこわい。
[そう、今目の前にある獣たる狼よりも、 気の触れたような人の朗らかさがこわくて]
――主様に、これを預けてまいります。 [ひとつ、頭を下げる]
(@27) 2010/08/08(Sun) 23時頃
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[鉄色の眸の狼に、一度眼差しを映す]
そういえば、 本郷様にお話、伺えませんでした。 ……一つ、思い描いてたうたがあるのです。
露の身は ここかしこにて 消えぬとも 心は同じ 花のうてなぞ
[浄土を思う、 咲き乱れるは蓮の花――夢のような舞殿。 ゆらぐ姿は、数歩足を進めれば――角の先に、消える**]
(@28) 2010/08/08(Sun) 23時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 23時頃
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[思い出したから、平気だという 虎鉄の言葉には――案じるような色を見せる。 思い出したからこそ、惑うこともある。]
……同じじゃない?
[声も、なんだか寂しげだったので。
すこしばかり真剣な顔で その頭を撫でようと手を伸ばしておいた]
(@31) 2010/08/09(Mon) 00時頃
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―本邸・廊下― [ふわ、と足の落ちた先。 廊下の角隅、ちら、と様子を伺えば]
――……主様
[主の姿を見る、その傍らにある。 ――友が幾度か言葉を交わしていた、花主の姿。 天満月、その周囲にはか細き光の舞う。
既に狭間よりの声、友の声が聞こえ始めている。 主に拾って貰うように頼んだ、あの笛はどうなったであろうか]
(@32) 2010/08/09(Mon) 00時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 00時頃
霞。
[時は大分遡る。
まだ、男がかろうじて息をしていたころの時間。
呼びかける声は、小さくもあり
けれどはっきりとした意思を以て]
やはり、力不足だったらしい。
後は、お前に任せることになるだろう。
……すまん。
…そなたがその命かけてでも取り戻したかったものが、いつか還る日が来ると良い。
[返す言葉はただ静かに。]
片割れが、未練を絶って来たそうです。
わたくしは、欲張りですから、
逝くなら色々連れて行ってしまいそう…。
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―本邸・廊下― [しばし、様子を伺いながら、 ぼうと声を聞いていたのだけれど、ふわり揺れる光の軌跡]
……あ、あの。天満月様……!
[壁から小さく顔をだして、 ぺこりと一礼すれば歩み寄る]
その、夜光のことはあなたのせいでは…… 夜光も、そのように思って欲しくない、はずです……
[彼も見覚えあるものだろうか、 太刀を抱いたまま、傍らにしゃがみこむ。 か細い夜の光は、彼を取り巻くように瞬いて]
(@33) 2010/08/09(Mon) 00時頃
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…ああ、願っている。
[いつか。
其れを間近で見ることができないことだけが心残り]
片割れ?…高嶺のことか?
[そう言えばよく似ていると、そんな事を思う]
高嶺がそれを望むなら。
…お前がそれで良いと信じるなら、道を選ぶとよいと思う。
慾張り、か。
イビセラが聞いたら、何と言うだろう。
[ふと思い出して、笑った]
……ごめん、やっぱり、わかんないや
[背が消えるまで見送りはしたが
尾行する気には何かなれなくて
青年は幻聴にそう呟いた]
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あ、はい、明之進と申します。 幾度か、夜光とお話なさる姿、見ておりましたので。
[小さく非礼を詫びながら、 ふっと天満月を見つめる、黒紅の中には―― 狭間映す瞳の中には過ぎる、か細い光が]
夜光は、今もあなたの傍らにおりますし…… それに、
[友の声が聞こえて、少し声が震えて歪む]
あなたが求めて下さったこと、 それが何よりも幸いです、とそのように……
(@35) 2010/08/09(Mon) 00時半頃
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[伝えた友の声に、遅れて気づいた。 その事実に、瞳歪めたまま小さく微笑む]
夜光を――花として、 求めてくださったのでしょう? 良き主に求められるは花として、とても幸福なこと。
……あなたが夜光の花主であらば、 どうぞ、よき主であって下さいませ。
[刷衛に友の笛を、とせがんで、 適うならその黒き笛を――夜光を、天満月の手に託す。 形見は生者が持つものなれば]
私はこれを手にすることは、出来ませんので。
[儚く微笑う]
(@38) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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