224 Cнег дьявол〜凍ったケツ村〜
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[思えば自分の生とは何だったのか。
振り返ったところで、浮かび上がる感情に蓋をする。
でも、まだ覚えている。
二日目。
アランの魂を食らった時。
自身の手すら汚さずに人間を火にかけ、人間の魂を食らった自分を、
傍で守り、支え、手を汚してくれたのは、他でもない、ケイトで。]
何かを護って、何かが残るなら、悪くもないって思えるだろ。
それに、出迎えてくれる人がいないといけないじゃないか。
[ ケイト。
すっかり耳に馴染んだ名前を呼ぶ。
羨ましくって、妬ましくって、仕方のなかった存在。
自分にないものを持ったその人のことをずっと、───]
いってくるよ。
あの丘で会おう。*
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[ あれだけ怒鳴っていた癖に>>134 周囲のやり取りを見る頃には淡々とした瞳に変わっていた。
何かが抜け落ちたような感覚に小首を傾げる。]
…さぁ。 馬鹿げた殺し合いをしようか、人間。
[追われているのはこちら。 これじゃあどちらが鬼かなんて、分かりゃしない。
それでも構わない。 話し合いの為に場を移すというのならば、恒例となっている酒場にでも足を運ぶ。
逃げるつもりも、ない。]
(153) 2015/06/02(Tue) 00時頃
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───刺激に欠ける。
[一枚の紙に綴る相手は一番讃えられる人に送ろう。
猜疑心は蜜の味。 だが端から決まっている試合に挑むのも少々退屈。
俯いた顔は上げない。 さいごまで絶対に。
沈黙を貫く。]**
(155) 2015/06/02(Tue) 00時頃
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馬鹿ね、シメオン。
[ひとりくらい、守らせろよ。
囁きに乗った声は、確かに少女の知る彼だ。
脊椎に忍び寄り溶け込んだ鬼のものとは違う、彼女の知っている、彼女を知っている、彼の。]
あなたって、ほんと、馬鹿だわ。
[守れれるんじゃなくて、守りたかった。
昔、アランを見送った時。
最初の晩、叔父に首を絞められた時。
疑いを他所に向けて。親しかった誰かを裏切って。
いっしょに行こうと、手を握ってくれたのは、折れそうな心を守ってくれたのは、他でも無いシメオンだった。
今だって、そう。
命懸けで逃げ道を捜してくれている。
棘のない声で、言葉で、手を引いてくれようとしている。]
ひとりで平気な筈、無いじゃない。
いっしょに行こうって、あなたが言ったのに。
私なんかのために、……ほんと、馬鹿よ。
[確かに指の隙間に合った体温を、覚えている。
本を読まない彼には、あの晩、アランから取り出した桃の実を捧げた意味は、きっと分かりはしない。
それで良かった。
二人で逃げ切れるんじゃないかなんて、温い幻想を見せてくれるほどこの殺し合いは甘くは無かった。
それでも、いつかこうなるとしても。
ただ護られるんじゃなくて、隣に立ちたいと、そう在ろうと、決めていたから────。]
あなたを護らせて、って。私、言ったわね。
…あれ、嘘だったわ。
私ね、ほんとはあなたを、
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