7 百合心中
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うん、やっと二人きりになれた。 貴女と私、閉じた世界。 だけど、それがこんなにも幸せだなんて、思わなかった、よ。
[指を封じるように絡める。 空いた手が頬を撫ぜて、そのやわらかな輪郭を手のひらに。 そして身体に刻みつける。]
ねえ、沢山話したい事があるけれど、その前に…… 貴女に触れても良い……?
……貴女が愛してくれるのでも、私は構わないけれど。
(352) 2010/03/27(Sat) 11時半頃
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[愛してほしいと、ヨーラの唇が言葉を紡げば、 その手を取り、自分の部屋へと誘うだろうか。
最低限のものだけが置かれた、殺風景な部屋で。 彼女の頬に触れ、その指が唇へと移動して――]
自分から愛するのは……あまり得意じゃないから。 貴女のようにうまく愛せる自信はないけど……。
[一瞬、恥ずかしそうに眼を伏せる。 でもすぐに笑って見せて。
口づけを交わすと、ベッドへと。]
(354) 2010/03/27(Sat) 12時頃
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[そっと服を脱がせば、彼女の首に残る青い痣に眸が止まる。]
……綺麗。
[うっとりと一言つぶやくと、其の首筋へと口付けて。 その上から。幾つもの紅い花を咲かせるだろう。]
(355) 2010/03/27(Sat) 12時頃
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ヨーラは私に甘すぎるよ。 本当に図に乗ってしまうから……。
[謂いながら、啄ばむようにキス。
白いシーツの上に広がる、濡烏色の蒼の黒髪。 それが愛する人の白い身体を浮かびあがらせて。 目が眩むほどに、綺麗だと。女は呟いた。]
ヨーラは甘い、ね。 どこもかしも甘くて…まるで砂糖菓子みたいだ。
[唇を、首筋を――。 何度も何度も唇で撫ぜる。
まるで花の蜜を求める蝶のように。 ヨーラと言う甘い花に吸い寄せられて。]
(358) 2010/03/27(Sat) 12時頃
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うん。叱る貴女も見てみたい、な。 どんな貴女も、この眸に焼き付けておきたい。
[はぁ…と、甘い吐息交じりに囁いて。 何度も何度もキスを繰り返す。 彼女の指が髪に触れるなら、まとめていた髪を解いて。 さらりと金糸が、雨のように降り、影を作る。]
うん、良いよ。 ヨーラが、脱がせて……?
[白い手が触れて、女の衣服を一枚一枚と剥がしていく。 外気が素肌に触れれば、その冷たさに一瞬震えて。 柔らかなヨーラの身体へと、密着するようにすり寄せた。]
全部、全部……私のもの…。 誰にもあげない。私だけの宝物――…。
[夢見心地で呟けば、蝶は咲き誇る花へと群がるだろう。 身体も心もなにもかも溶け合って、一つに混じり合う。]
(360) 2010/03/27(Sat) 12時半頃
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[ようやく触れる事が出来た温もりに、 女は歓喜の吐息を一つ。その身体に落とすだろう。
髪を撫で、肌に触れる優しい手。 その手を取り、薬指に口づける。
永遠の愛の証だと謂わんばかりに。]
もっと、鳴いて…ヨーラ。貴女の声、もっと聞きたい。 私だけにしか見せない貌をもっと、見せて――?
私も好き。貴女が好き。貴女だけを永遠に……愛してる――…。
[睦言を囁く唇が、彼女の泉へと近づいて。蝶は花を愛でる。 気がついたときには、ぐっりとした彼女が力なく自身に凭れ、意識を失っていて。]
可愛い……。
[彼女の顔に掛かる髪を指で梳いて。 彼女が戻ってくるまでの間、愛しそうに見つめ続けている。]
(362) 2010/03/27(Sat) 13時頃
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可愛かった…すごく。おかえり。
[はにかむように触れるキスに、何度も答える。 やっと心から、一つになれたと。 幸福感で胸は震えて。その頬には涙が伝っているかもしれない。]
私の話……。うん、良いよ。聞いて。
[甘えるように囁く彼女を、優しく撫でながら。 女は語る。幼い恋と、その結末を。 そしてヨーラに出会うまでの自分を。すべて。]
(364) 2010/03/27(Sat) 13時半頃
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[女は懐かしそうに目を細める。そして訥々と言葉を紡ぎ始めた。]
私が今よりもずっと子供の頃……、 すごくすごく、好きな人がいた…よ。
ハイスクールの時の先生で、誰にも内緒の秘密の恋人、だった。
貴女と同じで、コリーンの歌が好きで。 先生の部屋の想い出は、いつも彼女の歌が流れてた。
春に恋に落ちて、夏に恋人になって。 秋は二人寄り添って、想いをはぐくんでた。
でも――冬が来て、二人の恋は終わったんだ。
[そこまでを口にして、一度目を伏せる。]
(365) 2010/03/27(Sat) 13時半頃
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二人の恋は暴かれて、秘密の恋は秘密でなくなった。 親も学校も友人も、すべてが二人の敵になって、 私と先生は逢うことも許されなくなった……。
それでもなんとか連絡を取り合って、ようやく逢えた時……。 先生が謂ったんだ。 「死は二人を別たない。私を愛してくれるのなら、グロリア。貴女も一緒に…逝こう」って。 私は、先生がそれを望むのなら、それでもいい…って思った。
春になるころに、私と先生は一粒ずつ。 二人が一つになれる所へ行ける薬を飲んだよ。
でも……先生が私に渡したのはただの睡眠薬で。 あの人は……一人で旅立ってしまった。
私を置いて、一人で――
(366) 2010/03/27(Sat) 14時頃
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残された私はどうすればいいのか、もうなにも判らなくなった。 ただ温もりだけを求めて、いろんな人を抱いて、抱かれた。
……酷い、話し、でしょう?
[自嘲気味に笑って。言葉を閉じる。
先生とのことは、膿んだ傷口を抉るように、未だ口にするのは辛い。 それでも口にするのは知っていてほしいから。
自分がどういう人間なのか、ヨーラにだけは、すべて――]
(367) 2010/03/27(Sat) 14時頃
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恥ずかしくなんて……。 それに恥ずかしい所なら、私の方がきっと。 沢山見られてる……。
[気恥ずかしそうに、笑って。頬を撫でる手に瞳を閉じる。 この温もりが愛しくて。後から後から溢れそうになる涙を堪えて]
最初は重ねてた、と思う。 貴女と先生は、本当によく似ていたから……。
[眸を伏せ、反らす。]
でも、今は違うよ。 ヨーラだから、愛してるって。心から誓える。
[どうしてと問われると、女は訥々と話しだすだろう。 自分の幼い恋の結末>>366を。そしてそれからの自分の事>>367を。]
(369) 2010/03/27(Sat) 14時頃
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私は一緒に死んでしまいたかった。 一人残されるくらいなら、一緒に……。
[抱きしめられれば、その身体に縋りついて。]
でも、今は残してくれた事に少しだけ、感謝してる。
先生がどういうつもりで一人で逝ったのかは、判らない。 けど……私が貴女に出逢えたのは、 先生が私を残してくれたから、だから――。
(373) 2010/03/27(Sat) 14時頃
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[>>371を聴けば、こつんとおでこを重ねて]
うん。私たち、同じだね。 でも、少し妬ける。 私が謂えた事じゃないけれど。
[ヨーラの誓いに、ようやく女は笑みを浮かべるだろう。
同じように恋に深く傷付いたヨーラ。
温もりを欲して。でもその温もりを恐れていた彼女と、 今こうして深く繋がり愛し合える喜び。
それが自然と女の表情にに笑みを作らせた。]
(375) 2010/03/27(Sat) 14時半頃
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良家の娘 グロリアは、墓守 ヨーランダの甘い唇を啄ばむ。愛しい気持ちを込めて、何度も、何度も――…。
2010/03/27(Sat) 14時半頃
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一緒に逝こう。二人が永遠に別つ所のない場所へ。
(382) 2010/03/27(Sat) 14時半頃
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病気にも、他の何かにも。 貴女は渡さない。私だけの……ひと。
[コクリと頷き、まっすぐに見つめて。]
貴女を連れていくのは私って、前にも謂った、よ。
[脱ぎ捨てたコートのポケットから、タブレットが入った小瓶を取り出して]
これ……先生が逝く時に使ったクスリ……。
[小瓶の蓋をあけ、中から二粒取り出し、手のひらの上に乗せる]
グロリア・ローランドは、永遠に貴女を――ヨーランダ・アーベラインを愛する事を、誓います。
[まるで結婚式のように、誓いを口にする。
聖句を述べる神父も、神の祝福もないけれど、二人にとってそれはとても神聖な儀式だから。
指輪の交換の代わりに、そのやわらかな手にタブレットを一粒乗せて、彼女の言葉を待つだろう。]
(383) 2010/03/27(Sat) 15時頃
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[溢れるヨーラの涙を唇で拭う。 私を想って涙する彼女が愛しくて仕方なかった。]
死しても尚、貴女を愛するよ、ヨーランダ。 死は二人を別たない。
永遠に、二人を結び付けて呉れるから。
[タブレットを口に含み、誓いのキスを交わす。 あとはただ、溢れる愛に溺れるように。 時が来るまでを、愛し合う事に費やすだろう。
確りと手を繋ぎ、指を絡めて。 二人は旅立つ。永遠に一緒に居られ場所へと――]
(392) 2010/03/27(Sat) 15時頃
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ヨーラ、貴女を心から愛してる――…。**
(394) 2010/03/27(Sat) 15時頃
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イリスの命を奪った。
それはもう引き返せない、歯車。
止まらない、死神の刃。
タナトスは、決意を口許に湛え
そっと微笑した――*
良家の娘 グロリアは、牧人 リンダに話の続きを促した。
2010/03/27(Sat) 16時半頃
良家の娘 グロリアは、牧人 リンダに話の続きを促した。
2010/03/27(Sat) 16時半頃
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