276 ─五月、薔薇の木の下で。
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嫌われてるんだけどなぁ…………。
[そこは受け入れるしかない。
だが、命が掛っていた。]
……ピスティオ、何とか出来たらそっち行きますので。
どこですか。
[自殺しそうな人を放置はできず。]
ばかだなぁ、いっちゃん。
[ 誰かに手を振り上げるなんてこと、キミに出来るわけないじゃない。
そこに俺がいたならね。
多分迷わず振り下ろしたと思うけど。 ]
みんなもう、疲れてるだろ。
夜は続くもんじゃない。
休むもんだ。
[ そんな説得を落としていることも知らず。
可愛くない妖精も、そろそろ─── ]*
[そのとおり、出来やしなかった。
他者を前にして、衝動すら堪えている。]
廊下、医務室の近く。
自殺は意味がないと思うって。そう言った。
[緊急な内容は簡潔に要点を伝えるもの。]
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……あんまり必死だったから。 ヴェルツ先輩じゃない。 他の人だけど、必死に訴えてたんだ。 それと……先輩方の人柄かな。 それなりに、一緒に生活してきたろ。
大体、原因取り除いたってそれが逆に作用したらどうする? たとえば、家の土台が悪いとわかったけど、かといって引っこ抜いたら崩れる……みたいなさ。
[そう、答えたけど。表情は段々と焦るものになり。>>77>>78]
……ピスティオ、ちょっと来て。 オスカー先輩がやばいみたい、なんだ。
[自殺するかも、なんて聞かされた日には。]
(81) 2018/05/23(Wed) 23時頃
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ロビンは、イアンのことも心配であり。
2018/05/23(Wed) 23時頃
…………、 試しに寝ようとしてみる、って。
[様子は少しも改善してないと見えたけれど
多分、嘘はつかないから。]
じゃあ、他の人達が問題だ。
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じゃあイアン先輩と話してみればいいだろっ! 人間は会話できるだろ!
他の人にも相談しろ、引っこ抜くのは最終手段にしとけ、この暴走機関車!
[珍しく焦りまくり、うっかりと訴えた人の名前を滑らせた。>>84 こんなに声を荒げたのはいつぶりか。]
ああそう、僕エスパーになったんだよなぜか知らんけど! うだうだ言ってたらもう絵のモデルになんないからな!
[まくし立て……]
(88) 2018/05/23(Wed) 23時頃
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…………。
[そして事態が治まったことを赤い香の声で知る。]
…………。
[気まずい気分だけど、結果オーライだ。 でも、どうしようか、固まっている。]
(90) 2018/05/23(Wed) 23時半頃
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ああ、嫌だなあ。
[解決したところにそんな呟き
別のこと、自分のことだった。
薔薇《きみ》を守りたくて行動していたけれど。
それも、何も結ばずに本人からの答えが降った。
俺はこの夜、酷いことをして。自分がどんな人間か改めて知らされただけ。]*
[ 魚になれなかった男は、口を閉じ。
ひとり、座り込んでいた。 ]*
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……はあ。
[ため息をついた。 あっさりと手放される、友人との繋がり。 胸に重いものが沈む。
……何度も描いてくれたこと、本当は、かなり嬉しかったんだと、自覚して、
──やっぱり自分は、友人との距離感が下手で。]
(100) 2018/05/23(Wed) 23時半頃
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……もういいや。
[感情の乗らない声。
去るピスティオの手を取って。そこに唇を落とそうと。 暴れられてもいい、どこでもいいからと口づける。
薔薇の毒は、呪われた者の唇が触れた肌から感染する。 相手の唇だけは避けた。]
(101) 2018/05/23(Wed) 23時半頃
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いっちゃん。
[ 俺が来ることなんて望まれなかったかもしれない。
もっと別の、他の誰かの手を
あるいは誰の手も望んでいなかったのかもしれない。
それでも、手を伸ばした。
俺の穢い欲望だ。
傷つけておいて守りたいだなんて、エゴにも程がある。 ]
……間違えた、かな。
人付き合いって、難しいですね。
[心が冷えて、呪いの熱もあがらない。]
あー、えーーと。
おつかれさま?
[ 何を謂ってもきっとそぐわない。
思うことを紡ぐけれど。
的はずれなことばかり謂ってるかも、しれない。 ]
ごめんな? 大丈夫?
悪いのは全部、薔薇(──)だから。
だからさ、いっちゃんはなんも悪くないよ。
[呼ばれる度に心臓が痛い。
苦しみ以外のものが、そこにあった。]
選んだのは俺。
[手に喜んだのも、あいが欲しいと思ったのも。
それ以上は喋る気力が無くて、項垂れる。
呼吸だけが荒い。]*
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[手を離せば、するりと抜けていく。]
…………。
[何も言わず、背を向けた。]
(108) 2018/05/24(Thu) 00時頃
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もう泣いてもいいんだよ。
────イアン。
[ 暴れようが引っ掛かれようが。
離すつもりもなく。
側に誰かいようがいまいが気にする余裕もなく。
痛いほどの力で、抱き締めた。 ]**
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