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[以前はコンプレックスのひとつだった、
幼子をあしらうような扱いも今は、触れ合う口実のひとつ。
互いに膨らます欲に知らず煽られ、煽りながら。
含む指は禁断の果実より蜜より甘い、倒錯を招く。]
ん。甘露でなくて、千冬がね
[日々の活力と充実の元は愛情だ。
遠回しで意味深な請いが、正しく伝わったのを感じれば笑みを深くして。
対面に残した透明なグラスは売約済みの証。
恋人から店員に気持ちを切り替えようとする試みは。
去り際耳に届く、己の名を呼ぶ声に阻まれ。
ふやけたように緩む口元を覆い、後の業務はより一層励みを増した。]
ホレさん、もう落ち着いた?
[業務の合間、カウンターで腕を奮う男に耳打ちする。
先ほどはあまりの動揺ぶりに二の句が告げられなかった。
一体何に慌てているのか、訝しげな視線を向けて。]
確かにケイのあれは味は酷いけど
効果は抜群だし
みんな、あんたを頼りにしてるんだよ
[お大事に、と腰のあたりをぽんと叩く。
彼と、彼との情事という名の事情を知っていたらもっといい揶揄が飛ばせたのにと、全てを悟るのはまだ少し先の話か。]*
―――とある日のトワイライト―――
[一瞬の油断を突かれ、気付いた時には消え去る特性酒
料理の手を休め、厨房から店内を覗けば。
すっかり出来上がったゴドウィンの姿
って、おい、ロックで飲むもんじゃねーっての!?
[誰だよ注いだのは。
死にはしないのは知っているが、魔術師ならまだしも初来店の人間である。
一応状況確認と、厨房から出てゴドウィンの前へ]
ゴドの旦那ー
生きてっか……?
[目の前で手をひらひら]
【人】 酒屋 ゴドウィンそうだねー。夜営業のみでしかも普通には入れないんじゃ怪しい店だ。怪しい店だからそう思われても仕方ないけどね。 (151) sumizome 2015/08/15(Sat) 19時頃 |
すっかりデキあがってんな旦那…
まー、ダメじゃねーけど……
[そこの店主は超濃縮でも死ななかった、大丈夫。
腰は見ての通りのようだが、それは悪魔のせいであって
蛇わるくない]
なに? 人外料理興味あんのか?
ふむふむ、じゃあ、ちょっと待っとけよ
[とりあえずおつまみに、とボーンチップスを出すと、厨房へ引っ込んだ]
インパクトより味か……?
でもなあ、ゴドの旦那、想像以上に順応力あるからな……
イケるか
[冷蔵庫を漁って出てきたのは、ワームの肉。
見た目は巨大ミミズだが、味は少なくとも人外には非常に好評な逸品である。
肉をスライスし、コカトリスの卵と小麦粉で衣をつけて。
狐の油でからっと揚げる。
ソースは、悪魔の血とワインビネガーに、刻んだドリアードの葉を混ぜて
爽やかな味付けに]
旦那、揚げ肉とかどーだ?
[どん、と目の前にワームのカツを置いた。
そっと横にパンを置いておく。
挟んで食べても美味しいのだ。
人外、特に若くて元気な魔族に大人気のメニューである。
さて、人間の好みにあうかどうか**]
ん?
いんの?
[猿が欲しそうにしていたので
カツの隅っこの切れ端を幾つか載せた皿を猿に献上した。
食べやすいサイズである]
【人】 酒屋 ゴドウィン揚げ肉かい?食べ………食べ…えぇと… (158) sumizome 2015/08/15(Sat) 20時半頃 |
【人】 酒屋 ゴドウィン………………ケイ君、これ…な… (159) sumizome 2015/08/15(Sat) 20時半頃 |
【人】 酒屋 ゴドウィン[聞くのを止めてカツの一切れにフォークを差した。 (160) sumizome 2015/08/15(Sat) 20時半頃 |
ワームだぜ
[疑問
味、びみょーか……?
【人】 酒屋 ゴドウィン……………ワームって…虫の幼虫…小さいの? (167) sumizome 2015/08/15(Sat) 21時半頃 |
え……虫って…………あ、わ、すまん!
そっちのワームじゃねーんだ!
[不審の目
蛇は珍しく本気で焦っていた]
幼虫じゃなくて……地竜なんだ
地を這うドラゴンの肉
奴ら、すげえ栄養があるんだよ
それは保証するし、身体に毒は決してない
だが……本当に、すまん!
[頭を下げつつ、飲み物を持ってきた。
人間用の牛乳とリンゴジュース。
あえて市販のパッケージを見せ、これは普通の品だと示した]
悪い……調子乗っちまった……
【人】 酒屋 ゴドウィン虫じゃないワームって…? (178) sumizome 2015/08/15(Sat) 22時半頃 |
【人】 酒屋 ゴドウィン[正体がわかったカツをもう一度目の前にもってきてまじまじと観察。 (179) sumizome 2015/08/15(Sat) 22時半頃 |
ん、すまん
今日のは俺がおごるからさ……
カルチャーギャップの少ない、かあ
[結局、甘いものが一番最適という事になるか。
市販のバニラアイスを見せて]
妖精の粉とか、セイレーンの花とか、人魚の涙とか、どうか?
[アイスを積み、粉を掛けて飾る。
女性向けの非常に可愛らしいパフェを、そっと置く。
女性的魅力が上がる事については
男性ではそこまで効果は無いので黙っておくことにした]
まあ、落ち着いたと言えば落ち着いたけど…。
[
ようやく平穏を取り戻したカウンターの内側、様子はなんとか普段通りに。
妙な視線に気付かないふりをして、私は何にもシてませんよーと、手元は色々忙しく。]
ま、まあ、効果はね、効果は…
[確かに抜群だったねと乱れ重ねた夜を思い出し、覚えたのは一瞬の眩暈。
何やらいろいろな事をしたり口走ったりした覚えはあるものの、それは今思い出すことではない!と無理やり記憶の底に押し込んだ。
そして、]
ぐえっ、
[落ち着いてい腰は第二撃目で再び無残に砕け散り、その後の業務は暫くへっぴり腰。*]
― デニス来店中の、背後 ―
おつかれさま。
[それは多分、ケイがデニスに料理を振る舞い始めて少しした頃。
注文や客足も落ち着き、厨房やカウンターを忙しなく行き来していた店主は静かにフロアの、…正確には、出入り口付近の警備員へと歩みよる。
手には二つのワイングラス。揺れる中身は、いつかの朝と同じ物。
そろそろ酒もなくなって悪魔も寂しくなった頃だろうと、自分もしばしの休憩に入ろうか。
店主は食べても居ないザクロとカツの香りをさせて、肩には彼の分身たる小さな猿。*]
【人】 酒屋 ゴドウィンいや、代金は………君の気がそれで済むならそれでも。 (199) sumizome 2015/08/16(Sun) 00時半頃 |
[ほかの何者でもない、己かもしれないという恐怖。]
[飛び移り猿が消える
寡黙で無くなった悪魔を見下ろす笑みは客向けより柔らかく、他から見れば明らかな特別扱いで。多分、これで察しない周囲の方がどこかおかしい。
そんな店主モードでも膝に座れと言われたら、それなりにうろたえるのだが。]
膝、て、
いや、 だって、俺、重いし?
[述べる言い訳は、多分悪魔にとって何でもない事。
膝と彼の笑みを見比べて、赤と紫のワイングラスを両手に暫く座れずオタオタしていただろう、が、
再び痛み始めた腰に観念し、大人しく膝上に収まった。
大変、大変控えめに。
ぴったりと寄り添うと、また色々、思い出してしまいそうで。]
[大の男を軽い
と思ったものの悪魔にとってはそう気になる事では無いんだろうなと、肉付きの良い己の腰回りに一瞬思いをはせて、
はせてたらグラスを両方とも取り上げられたので観念してすっぽり膝に収まった。
刺さる客からの視線に、若干身を小さくして。]
乾杯。
[ヒト用のワイングラスを受け取り何度か中身を揺らして、乾杯と、近い距離でまた笑っただろう。
ガラスをなぞる澄んだ音に耳を傾ければ、周囲の様子は何時しか気にならなくなっていた。
営業中で、他にも客が居るのに。なのに、なんだかオフの時みたいだ。
いけない事をしているようなシチュエーションに胸が高鳴って、ほんのり頬を染めただろう。]
[回された腕
客の前、客の前だからとじっと耐えても、頬の赤みは消えなくて。
しかし嫌じゃないのが、困った所。]
うん?ニッポ…
――ああ、あれね。
[あれから。と言うより悪魔に想いを伝えて繋がり合ってからになるのだが、
あれからゴロウから借りている写真と旅行パンフレットを照らし合わせ、メモをし、季節や観光名所、行事ごとを調べ、大まかな旅行計画を練り、
…旅費に打ちひしがれ、
片手間にあちらの種族や伝承について調べ。
同時に借りた筈の小説の消化スピードが一番遅いのは、目の前の男とプライベートを二人で過ごすようになったからなのだが其れは今はどうでもいい。
全体的な進みは上々として、一先ずの進歩報告を。
合間合間に顔をそらしてキスを避けるのは、今まさに客から見られまくっているからであって、決して嫌だからという訳ではない。
迫られるたびに「後で」と小さく呟いて、その後とは勿論閉店後の事。
店を閉めた後ならいくらでもキスしていいししてやるのにと、我慢の出来ない警備員に困った顔をしていただろう。]
あれね、今度皆で社員旅行行こうと思って。
…行く?
[そう言えば彼も一応従業員の仲間入りをしたんだっけど、赤を傾け問いかける。
この際4人が5人になっても大して変わらない。
――残念ながら各従業員の恋人も付いて来ると言う可能性まで気付ける有能雇用主では無かったのだが。
彼も行くならプランを練り直してホテルの部屋数を調節して、俺達だけ二人部屋で、自由時間は皆と別行動で、えーっと、
…なんだかハネムーンかもしれない。
と言う事に気付けば、今度こそ本格的に顔を赤らめた。**]
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