65 In Vitro Veritas
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― 一人になったとき ―
[映像を思い出す。
そして、ニックの言葉も思い出す。
そう、壊す前に、壊す、そんな気持ちがないといけない。
オリジナルは、きっと、
それでも、何かあれば、クローンが死ぬのはしょうがない、と思うような気もするから。]
[なんてきれいなんだろうか。]
[ああ、なぜ]
[自分は、彼じゃないのか。そんな、そんなことを]
[思ったことがある。
それは、圧倒的な、差。
ニックはああいってくれたけど、
自分は、この音は壊せない、と思った。
壊したい。とても壊したい。
なぜ、自分はセシルではないのか、
そう、
壊せない。
それは、セシルのほうが優れているから。]
[自分は、もし、その音が失われるのであれば、
壊されてもいい存在なのかもしれない。
それは、本当に、
悲しすぎる劣等感。]
[それは、歪んでいく。]
[そう、こんな目に合うのは、
こんなオリジナルに激しい劣等感を持つクローンは自分だけで十分だ。]
[そう、規則正しい生活。
何も知らずに仕事をして、
そして、話して、食べて、眠って…。]
(ニック
自分も彼らを壊すよ
そう、オリジナルを知ることは、
クローンには絶望だ。)
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―回想・B2生ごみ処理機前→現在― [いつの間にか牧野のクローンもやってきていて。 当たり前だが似ているなと思っていた矢先。
二人のクローンが"ロボットが来ない"と口にする>>314>>315。 その言葉に漠然と嫌な予感はしたが、牧野は手を洗いに行ってしまった。
医者ではない青年は手洗いと言われてスタッフルームではなく洗面所――B1にある女性用トイレを思い浮かべていた。 B2にもトイレがあることはまだ知らないので、トイレで手を洗うのだろうと。 つまり、"男"の自分には入れない領域に行くのだろうと。 そう思ったが故に、見送ってしまう]
(394) 2011/09/30(Fri) 04時頃
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――っ、ああ、検死は終わったみたいだ。 ……話?
[ネクが話があると、青年の肩に触れる。 反射的に振り向いてしまい、彼女の顔を視界に入れてしまって。やはり女の顔をしていることに生理的な拒絶感が浮かぶ。 が、青年自身少し慣れてきたのか初めて見た時よりはその嫌悪は少し和らいでいた。
それは、ネクに好感を抱き始めたというよりは、この状況でいつまでも自らのクローンに嫌悪を持ち続けてもいられないのだろうという諦観だったが]
話なら、此処でも。
[いいんじゃないか? ……ああ、でも、ちょっとだけ椅子に座って休みたいかもしれない。 いつまでも遺体の傍にいるのも気が滅入るだけだ。
そんな曖昧な態度を取っていれば、>>338彼女に腕を取られただろう]
(395) 2011/09/30(Fri) 04時頃
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わかった……だから、自分で歩けるから。引っ張らないで、
[まるで子供を扱うように腕に力を籠められ、それに抗議する。 他人に腕を引かれるなど随分久しぶりだ。 性の葛藤のせいで親友と呼べるような人間関係は構築できなかったし、大学を辞めて古本屋になってからは尚更自分のプライベートな領域にまで入り込んでくる相手はいなくなった。
最初に思い出すのは、小学校の入学式でスカートを履くのを拒絶した自分に我儘を言うんじゃありませんと激怒した母の顔。 そう、若かりし日の母の顔は]
……ひ、
[――目の前の彼女によく似ていて**]
(396) 2011/09/30(Fri) 04時頃
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ベネットは、ネクに連れられ、手術室のほうへと歩く。途中、何処かの部屋から食べ物を分けている人達の話し声が聞こえた**。
2011/09/30(Fri) 04時頃
本屋 ベネットは、メモを貼った。
2011/09/30(Fri) 04時頃
ベネットは、ヴァイオリンの音色は聞こえてはいたが、引かれた腕のせいでそれどころではなく*。
2011/09/30(Fri) 04時頃
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