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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/07/05(Mon) 16時半頃
――。
二年。
長いようで、短い。
兄貴があのひとのことを忘れるってことは
ないだろうな。
忘れるなんて ありえない。
――そんなことは分かり切ってる。
でも――
だからといって 何を選ぶかは別の話だ。
─…うん。
私、それを聞いたら、きっと。
あのひとのこと、恨んじゃう、から。
ずるいって、思っちゃうから。
あのひとは、優しかったのに。
私にも、セシ兄にも。
それを、憎んでしまいそうで、こわい。
ヴェス、は。
私に、言わせたいの?
セシ兄のこと、好きだって。
ずっと一緒に、傍に居て欲しいって。
そんな我が儘を、セシ兄に。
言った方がいいって、思ってる…?
別にそれ自体には興味がないんだ。
お前が、兄貴とどうしたって。
でも―― 兄貴は
願わなきゃ 動かなきゃ――叶わない
そう言ってたぜ?
背中…?
─…わかんないや。
押して欲しい気もするし、押さないで欲しい気もする。
だって、結局。
決めるのは、私だもん。
願うのも、動くのも…決めるのは、私。
…セシ兄、も?
|
セシルは、何でそんなに優しいの?
[抱かれる腕の中で、身を強張らせて、震えて。]
…僕なんかに、構ってるうちに、 もっと大事なもの、なくしちゃうかもしれないじゃないか。
[それでも振りほどく事は出来ず、 ただ、ふるえていた。]
(197) 2010/07/05(Mon) 17時頃
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─…ううん。
わかると、思う。
ごめんね、ヴェス。
愚痴っちゃって。
掃除夫 ラルフは、やがてとぼとぼと、一人屋敷へと…※
2010/07/05(Mon) 17時頃
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[譲り受けたぬいぐるみを胸に抱き、とぼとぼとくぐる屋敷の門。]
…セシルみたいに、なれたらよかったのに。 [首を傾げるぬいぐるみとじっと向き合って。]
セシルみたいだったら、あの人の力になれたのに、ね。
(257) 2010/07/05(Mon) 23時頃
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…あ。 [ふと顔を上げたら、丁度主人が外に出てきていて。]
お出かけですか?お嬢様。 [慌ててそばに控えるも、ぬいぐるみを抱えたままではあまりに滑稽か?]
(260) 2010/07/05(Mon) 23時頃
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[せめて服の下にでも隠そうとしたけど意外と大きくて。]
…あっ、その……お伴します! [結局片手に下げたまま、主人の後を三歩下がって散歩。]
(267) 2010/07/05(Mon) 23時半頃
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[主人のゆったりとした歩みにあわせて、街角を行く。 歩くたびにクタクタのぬいぐるみはヒラヒラと揺れる。]
…あ、これは…… セシルが、くれたんです。 よく眠れないなら、これ抱いたら?、って。
[広場近づいてくるうちに、ベンチにいる二人に気づき、軽く会釈した。]
(278) 2010/07/05(Mon) 23時半頃
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祈りは
どんなに祈っても
届かず
呟く声は
微かな喧騒に
消える
開幕の合図が響き
繰り返しを踊る
この世界をつづる物語
終末はあなただけのために
ちいさくいのりつづける
「ただ、ただ、しあわせに」
掃除夫 ラルフは、良家の娘 グロリアの傍に大人しく控えている。
2010/07/06(Tue) 00時半頃
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…いえ、僕は…… [座るように促されても緩く首を横に振って、ぬいぐるみを抱いたまま立っている。]
(305) 2010/07/06(Tue) 00時半頃
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はい、その…この方が落ち着くんで。
[ずっとそう言う扱いを受けてきたからなのか、やはり周りと対等にされるのは気が引けて。
下であることも対等であることも、どちらも強要しない主人の気遣いが、気まずい中にも居心地が良かった。
屋敷の隅にでもおいてくれたおかげで、路頭に迷わずに済んだから、お嬢様と大旦那様には一生頭があがらないと思う。]
(313) 2010/07/06(Tue) 01時頃
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今は、もう少し。
このままで、居たいんだよ。
ヴェス。
…私、頑張る、から。
我が儘でも、なんでも。
─…だから、もう少しだけ。
妹で、いたいんだ。
[何処からか聞こえる囁き]
ただ、幸せに――…。
この村を覆う死病の果てに苦しみ、絶える前に。
あなたは、慈悲を齎すの?
現世の苦しみから解放された世界へ
そこで、幸せに、苦しまないで、との祈りを乗せて。
|
…残すことって、そんなに大切なのかな?
[才能がないから、そんなことを言うサイラスに、ぽつりと問うた。]
(323) 2010/07/06(Tue) 01時半頃
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―――分からない。
[死んだサイモンが幸福だったかどうかは知らない]
慈悲なんて偽善かもしれない。
[生きることに価値があると、説いた]
此の手は今は未だ、誰にも伸ばせない――
[されど彼女が、苦しみから解き放つ事をするのなら]
……委ねるわ。
そう、偽善、かもしれないわね――…。
生きる事は素晴らしい、もの。
たとえ、時間が限られていたと、しても。
[生きる事に価値があると説く彼女に]
でも、愛する村が悲しみに包まれるのはみたく、ないわ。
今は、誰にも伸ばせない、のね。
私は、メアリーが死病に伏すなら――…。
残された人に共に逝ってもらう心算。
彼女が苦しんでいるのか、否か――…。
私は出会った事がないから分らない、けど……。
[彼女の声を聞きに向かう心算では、いるけど。
委ねるの言葉に――…]
私で、いいの?
あなたの手でなくて――…。
あなたにその力が無いのなら、それをしてもいいけど。
私はあなたが死病に冒されるまで――
それをする心算は、微塵もなくて、よ?
あなたの想いの強さを感じていた、から。
メアリー
[ぽつ、とその名を復唱し、
彼女に執心だった人物を、想う]
彼女を想った彼は――…
[後を追うことを望むか否か。分からない。分からないけれど。]
異議は無い。
|
そう、なの? [残したいから残す。その答えをきょとんと聞く。]
いつか、誰かが見つけてくれるのかな…、ここで生きてて、みんな死んだってこと。
(330) 2010/07/06(Tue) 01時半頃
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――−"彼女"の終わりだけは
委ねません。
[ただ、今はその時ではない、とだけ]
委ねてもらえるようなら、私が――…
メアリーさんにご執心だったあの人に旅立ってもらう事にする、わね。
[そう、ヴェスパタインがそれを望むのか否かは分らないけど。
別れ、残される側は辛いものとの、妄執も女にはあって。]
ラドルフさんも――…
妹のメアリーさんが死病に逝くの知れば、
苦しみそう、ね。
でも、ラドルフさんは誰かをまだ選びきれて、いないわ。
それを見届けてから、とも想っているの。
|
…そう、ですか。 [立ち上がる主人を、見つめて。]
お嬢様は、どうですか? …本当にしたいこととか、残したい事…とか、 大切にしたい、何か…とか。 [恩返し、というわけではないけれど… この方の望みが少しでも叶えばいい。そのための手助けができたらどんなにいいだろうと…
ほんの少しだけの心の変化は、未だ自覚されぬままだった。]
(334) 2010/07/06(Tue) 01時半頃
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