25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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夜光さま……。
[姿を現し見えた顔に、ほっと息を吐いた。 寒さを湛えるその顔には、 何処遂げなく冬を纏う友の面影を見つつ]
いえ、此方こそ。 先程のお話もあって……申し訳ありません。
(552) 2010/08/06(Fri) 11時頃
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― 大広間→自室 ― [>>525常より平静に欠けた鵠の声を聴く。 弟弟子の名を強く呼んだ華月のことも。]
―――…その呼び名は堅苦しいな。
[主と、そう変わった呼び名。 ぼやいたのは虎鉄を運んでいる間のこと。 高嶺は虎鉄には触れず、だから彼の冷たさを知らない。 りん、鳴る音に目を遣れば首振る鳥の名の姿。 何か、あったか。それとも何かを思うたか。]
(553) 2010/08/06(Fri) 11時頃
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― 食堂 ―
なればこそ、大事にな
[束の間の][そうさせるのは己が刃かもしれぬと 特に初日の退出時が青年とその相棒に 注視されている冬色を 手にかける可能性は……極めて高い]
ああ、前も、これからも。 それが散る花として俺が選んだ道だ。 誰であっても、獣となり人を喰らうならば誰でも 時には無辜の者とて
[当然の非難か。喰われる人を守るためではなく、 復讐で道を選んだ青年はそうとだけ …それ以上は自己正当化にしか過ぎず口にしない]
(554) 2010/08/06(Fri) 11時頃
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[粥と漬物、副菜と豆腐がのった卓を盆に乗せ 箸をつけながら自分よりもさらに軽い食事を手にする ロビンの返事を聞く]
……さよか。あの時は月瀬と本郷も賑やかに 舞台袖を沸かせてくれてたな。
[覚えていないという以上、本当か嘘かはわからぬが 追求をしても無駄かと話題はずらして 眉よせ笑うのを見る]
(555) 2010/08/06(Fri) 11時頃
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[鳥に伝う筋が見え、申し訳ないと思った。 それと同時にこの鳥が消えたら、とも思う。 落花に替わり、月へと一矢報いれようかと]
…ふ。
[わらうような吐息。 月がそれを許すわけ無いだろう。 今この時、笛以外、何も持っていないのに]
いいえ。あんなお話あればこそ。 警戒するのは、当然でしょう。
[頭を振れば、編まれた髪がまた崩れて。 軽く波打つ黒が揺れた]
(556) 2010/08/06(Fri) 11時頃
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[こぼれ落ちた涙へ伸ばす指先は、朱滲む白の包帯姿。]
枷などでは、無いよ。 寧ろ…伴にいてくれなければ、わたしは月の向こうへ連れ去られてしまう…。
[雛鳥をそっと手元へ引き寄せながら。]
夜光、そなたはそこで何を? [出てきた姿に未だ警戒を解かず。
庭に隠れていたことならば、雛鳥も同じであろうに。 月の瞳が曇るのは、恋に狂うている故か。]
(557) 2010/08/06(Fri) 11時頃
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―大広間→高嶺の部屋へ>>553―
……、… では、高嶺様…?
[戻した、が。 そういう問題ではないのだろうか。 自分の体温を確かめるように手を握りしめた。]
――、…
[高嶺の視線に気づけば]
どう、か されましたか
[喉に声が少し引っかかって掠れた。 自分で驚いたか、喉元に手を触れて 申し訳ありません、と詫びる]
(558) 2010/08/06(Fri) 11時頃
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― 食堂 ―
…………束の間を肯定された気がする。 血塗れた手を、私に? [眉を寄せる]
イアン、キミは 選んだ道に、大事なものは無いの? 誰であっても……無辜のものも それでは病持つものと大差ない
[赤く熟れた果実を手にとる。 嗚呼 この赤が血であれば この身が肉であれば]
(559) 2010/08/06(Fri) 11時頃
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セシルは
[月瀬をそう呼ぶ]
私の代わりに、怒ってくれたんだった 本郷さまにたてついて
……具合は、大丈夫かな
[しゃく、と食む音が立つ。 残してきた相手を思うように、視線を遠くへ]
(560) 2010/08/06(Fri) 11時半頃
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[波打つ黒を紅石榴に収めながら、 引き寄せる月のかいなに身を寄せ、その背に腕を回す]
ならば……鳥はずっと月の傍らに。 今生も、死してなおあなたのお傍に――……。
[囀る声は月にだけ。 聞えればよいと小さきもので。
警戒を解かぬまま、夜に光る花を見詰める主に、 その身をゆだねる様に預けて]
(561) 2010/08/06(Fri) 11時半頃
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居心地が、悪い
視線で犯される気分だ。
[遠くを見遣り、眉を寄せる]
小僧 カルヴィンは、門下生 一平太の思惑を知る由はないけれど、もう二度と。月の傍を離れぬと、見詰める紅石榴は雄弁に語る。
2010/08/06(Fri) 11時半頃
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何も。 …寒くて歩いておりました。
[借りた羽織をまた引き寄せる。 霞の月を見る黒檀は、恨みがましい色混じる]
(562) 2010/08/06(Fri) 11時半頃
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…闇に潜んで、人には言えぬことでも?
[縋る愛しい子を守るように袖に包んで、髪を解いた夜咲く花を見る。 解けてうねる髪は、無数の蛇のようにも見えた。]
(563) 2010/08/06(Fri) 11時半頃
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門下生 一平太は、小僧 カルヴィンの紅石榴に向く時は、強い羨望浮かばせて。
2010/08/06(Fri) 11時半頃
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― 食堂 ―
その可能性は宴参加者すべて大いにあるな。 ……獣が喰らう可能性もの。
[ロビンの言葉は獣に対する恐れが薄いなと 先日は頭を撫でたその小さな姿に 脳裏で冷静に思う己がいる]
……大事な者はあるさ…亡き主チャールズ。 そうだな……復讐に駆られた犬なればこそ
[……獣と大差ないと言われるのは 獣に対する嫌悪もあって、聊か眉がよるが 平静を装い粥を口に運ぶ]
……ああ、セシルとは月瀬のことか。 誰ぞそれはと昨日から思っておったのだ 刷衛殿とが背負っておったの ……仲がよいなら見舞ってやれば喜ぶのではないか?
(564) 2010/08/06(Fri) 11時半頃
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……、… …私の花と成ったのなら、お前もまた高嶺だ。
――…下の名は…、朧という…。
[>>558戻す鵠には笑みが零れる。 憂いとも、煽る色とも違うもの。 その後教えるのは高嶺ではない下の名前。
掠れる声に黒檀が見るのは二つの花と、倒れた――]
……恐れているのか…?
[訊くのは、何に対してか。]
(565) 2010/08/06(Fri) 11時半頃
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夏といえど、夜は冷えます。 夜露は花にも宜しくないかと……。
[羽織を引き寄せる黒檀が、主へと善からぬ色を見せれば、 そう囁いて]
(566) 2010/08/06(Fri) 11時半頃
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…あぁ。そうだな、戻ろう。
[雛鳥の手を引いて帰り際ちらりと見返り、夜光る蛍を射抜く視線は酷く鋭く。 何か在れば容赦はせぬと投げる氷の刃のような。
下駄の音はただ踵を返す。]
(567) 2010/08/06(Fri) 11時半頃
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潜んでいたなど。 貴方とは、違います…!
[声昂らせ言い返す。 睨むというより泣きそうな眼は、花落ちた時の誰かのよう]
…迦陵殿のお言葉はごもっとも。 失礼させて頂きます。
[形ばかりの一礼をして。 月と鳥に背を向けた**]
(568) 2010/08/06(Fri) 11時半頃
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[手を引かれ、夜の名を持つ花へ背を向ける。 首筋にちりちりとする厭な緊張を感じ、 繋ぐ指を絡めて、強く握る]
……随分と冷えてしまいましたね。
[冷たい手を頬に寄せて。 叶うなら温めて差し上げたいと、その甲へ口接けを捧げて]
(569) 2010/08/06(Fri) 11時半頃
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小僧 カルヴィンは、門下生 一平太へ、ごきげんようと礼を返して。姿が見えなくなれば、ほっとしたように緊張を解いた。
2010/08/06(Fri) 12時頃
門下生 一平太は、遠のく下駄音に耳塞ぎ、冷たい刃を感じていた**
2010/08/06(Fri) 12時頃
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―→高嶺の部屋へ― [瞬いた。そうか。そう、なるのだ、と。 高嶺の見せた笑みが「面の皮が厚い」という 本郷の言葉や印象を覆すもので、 暫し主を見つめたままになった]
… 失礼を、いたしました。 …――朧、さま。
[ごく丁寧に、なぞるように名前を呼ぶ。 続く言葉には、一度唇を引き結んで]
…… ――恐れは あります
[小さな声だった。 黒檀のひとみと、それから苔色のひとみを見て 少しうつむく。]
(570) 2010/08/06(Fri) 12時頃
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― 食堂 ― こうやって、皆疑うんだね。 嗚呼、でも私は獣には喰われない
[首を振り、違和を誘う]
主さまが仰るから。
[何を、とまではまだ告げない。 ただにおわせる]
死んだ人が大事で生きた人は大事じゃない そう言う事かな。 私のような性格でも無いし……仲のいい人は、居るかと思ってた。
セシルは、そう月瀬。 宴の最中も刷衛さまが傍にいたけど……そういえば彼の人は 何故あまり驚かなかったのか
(571) 2010/08/06(Fri) 12時頃
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門下生 一平太は、メモを貼った。
2010/08/06(Fri) 12時頃
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[手へと落とされる口づけに、身を屈めそっと抱き寄せて。
他人のそら似で通してきた、高嶺の家に伝わる秘密の断片を、うっかり漏らしてしまった事と、それを雛鳥だけでなく、恐らく夜光にも聞かれていたと、この時には気付いておらなんだ。]
(572) 2010/08/06(Fri) 12時頃
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―回想・イアンの部屋で― さてね……ああ、誰とも決まっていないのなら。
[思い出したのは広間で羽織を貸した花のこと]
……夜光に羽織を貸したんだ。返しに来るそうだから。 その時、どうにかしてみるよ。
[誘われれば薄く笑み]
寝台なんて狭くても広くても役目を果たせば同じだろ?
(573) 2010/08/06(Fri) 12時頃
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―現在・イアンの部屋― ……ちょっと寝すぎか。
[イアンは部屋を先に出ていて。余りイアンの部屋に居るのを見られるのも拙いかもしれない。辺りを確認してそっと抜け出す。]
……さて。夜光を探す前に……っと。
[自室へ戻って湯浴みをしようと]
(574) 2010/08/06(Fri) 12時頃
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―→高嶺の部屋へ―
[高嶺の部屋に辿りつけば 虎鉄は寝かしつけられるだろう。 館の空気は重い。 恐れ、にかかる語りは、もう一つ。]
白い鳥の舞に纏わる…… “生贄”の話を思い出したのもあります。
[首をまた横に振った。 小さく――鈴が鳴る。]
(575) 2010/08/06(Fri) 12時頃
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呉服問屋 藤之助は、否、ただの――ものがたりだ、とも呟いた。
2010/08/06(Fri) 12時頃
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― 食堂 ―
お互いに疑わなければ獣がのうのうと 人を貪る事になるからな
…ほぉ、法泉殿が……? いったい何を持ってロビンが獣から食われない、と [匂わせる言葉に粥から顔を上げて 紅を細めてロビンを見る]
……その通りだ。俺には、な。
[優しい言葉をくれた人も、己を求める人もいる けれど、甘える性分でもなく、 主を思う心と血塗れた手がそれらを受けいれず。 ……ロビンの言葉には自嘲し笑う]
……そうだの、随分冷静ではあったの 彼の人が獣なら俺に太刀を貸した事後悔しとるかのう
(576) 2010/08/06(Fri) 12時頃
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[抱き寄せられ、ふるりと身を一つ震わせる。 鳥には彼の出自など些細なことでしかなく、
今、此処に。月のかんばせが在る事、それだけが大事で]
鳥籠に……戻りたい。 今宵は色んな事があって、鳥は少し疲れてしまいました。
[幼さの残るかんばせに、疲れた笑みを浮かべて。 同じように、疲れていらっしゃるだろう主へ、 少し休みましょうと、声を掛けた]
(577) 2010/08/06(Fri) 12時頃
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[瞬く姿に高嶺の黒檀が細まる。 ――…そう、なるのだ、と。 理解する様子に、目をゆっくりと閉じ]
…知らぬ名を呼べるはずもあるまい。 ああ…、そちらの方がいい。
[見つめられる理由はわからず首傾ぐことになるが、 呼ばれる声には頷いて呼び名を許し
小さな声には、もう一つの花はどのような反応を示したか。 苔色の瞳を高嶺もまた見る。伏せた紫苑色の瞳も。]
……そうか。
[小さな声への返しに揶揄の色は混じらない。 黒檀は、前を見る。気付けば部屋は直ぐ目の前で]
… ……私は…未だわからん。
(578) 2010/08/06(Fri) 12時頃
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[恐れに対し、鵠に同じように小さな声で。 黒檀が伏せられ未だ恐れを抱かぬと、そう呟く。]
――…あの場では…よく…わからなかった。
[まんまるが人狼病だということも。 思い出すのは―――…散らされる、紅。 少し、強めに目を閉じてから りん、と 鳴る鈴の音にゆっくりと顔を上げる。]
―――…、
[高嶺が、生贄を語る花を見る。 その先を…語れと、そう促すように。 一度寝かされる虎鉄に目を向けてからまた鵠を見つめ]
(579) 2010/08/06(Fri) 12時頃
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あぁ、今宵はわたしの腕の中でお眠り。 [額へと淡く口付けて、小さな手を引き自室へ帰る。]
(580) 2010/08/06(Fri) 12時頃
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