181 巫蠱ノ匣
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は、はは…… あはははは!!
[絶望と希望の混濁が、気違ったような嗤い声を上げさせる。 どくどくと心音が煩いくらい響くのは 歓喜なのか、恐怖なのか、もうわからなくなってしまった。]
ははは……あはっ、
[男が構えた銃口が火を噴くのと、 己が躰を回転させて、寝転んだまま引き金を引くのと タイミングは如何だったろう。 確実に狙いを定める暇はなくとも、 男の胴体だけは狙って―――放つ。]
(27) 2014/06/26(Thu) 22時半頃
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病人 エリアスは、メモを貼った。
2014/06/26(Thu) 23時頃
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[上からも、下からも。 広間からの音もあってうまく聞き取る事はできないが、 小さな銃声が聞こえてくる。]
ずっと隠れてたら勝ってました、なんて事もありそうよねぇ。 首のコレで殺されそーだけど。
[危険を冒さずに済むならそれが一番なのだけれども、 かといって、こんなクソッタレなことをしてくれた 黒幕がそれを良しとするかという話。
そんな事をして生き残ったとしても、 最初の男のように、床にのた打ち回って死ぬことになりそうだ。]
(28) 2014/06/26(Thu) 23時頃
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[背中に向けて引き金引きかけたその時に。 耳障りな嗤い声が響いて、指が一瞬止まる。
転がる女。
その頭を狙って引き金を引いたけども。]
(29) 2014/06/26(Thu) 23時頃
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―――――………!!
[己の腹を貫く衝撃に、男は目を見開いた。]
(30) 2014/06/26(Thu) 23時頃
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は、は…… あ゙……。 くそっ、たれ……。
[後ろによろけながら、左手で衝撃をくらった箇所を抑える。 ぬるりとした感触は、やけに熱い。
それでもかろうじて、寝転がった女めがけて、引き金を引く。
一度、二度、三度、四度。
その度にまた後ろによろけて。
五度目。 かちりと空の音。
背中が本棚へとぶつかり、そのまま男は崩れ落ちた。]
(31) 2014/06/26(Thu) 23時頃
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ひ、――
[頭を狙われ撃たれた銃弾は、バサ、と音を立て 頭を大きく見せる髪型の、お陰だろうか 頭頂部で括った髪を焦がし、散らしていく。 ぱらぱらと茶髪が落ちていくのが見えたのも一瞬。]
……、っ、っ、! ぅ、ぁ……!!
[寝転んだ自分が、立て続けに放たれる銃弾を>>31 避ける術があるはずも、なく。 男がよろけていた故、少しぶれて当たった弾丸は三発。
肩、腹を貫き、そして銃を手にした手の骨にめり込み 鋭く激しい痛みを生じさせる。]
(32) 2014/06/26(Thu) 23時頃
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[引き金を引く。 それは彼の胸を貫いただろうか。 >>23己の頭に向けられた銃弾は、こめかみを掠る。 耳元での銃声に、耳鳴りが止まない。
それでも、“女”は、笑う。 それは捕食者としての、せめてもの誇りか]
ざまあ、みろ、っての。
[優雅な仮面も、女性らしい声音も何もかもかなぐり捨てて、吐き捨てる。 その度に、胃からせりあがったらしい血の味が舌に広がる。不快な味。
男の胸元にもう一度拳銃を向けて、引き金をひく。 が、その身体はぐらりと傾く。 銃弾と同時に、彼を半ば押し倒すようにして、その体の上に倒れこんだだろうか]
(33) 2014/06/26(Thu) 23時頃
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愛人 スージーは、メモを貼った。
2014/06/26(Thu) 23時半頃
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……そうですか? ――どうぞ、お手柔らかに、ね。
[>>15楽しそうな相手の様子には、やはり何処か超人離れしたその様に面白そうにその双眸で眺めながら。アナウンスに気を取られた瞬間。発砲音が聞こえて、しまった、と目を見開く。]
……――――ッ……! ……ッち、
[ 狙いは、矢を拾おうとしたその手。慌てて引込めようとしたものの、間に合わず。矢を掴めたとは言え、刹那的に腕を通り抜けたその弾丸は、左手首をそれたとは言え肉を深く穿ち弾丸の痕を残し、思わずその矢とボウガンを取り落とす。
苦悶の表情を取りそうになるのを、奥歯を噛み締め抑えつけ――、反撃とばかりに反射的に発砲する。狙いなんて定める余裕が無い、その弾丸は躱されてしまうだろうか。
その撃った直後に、ボウガンと矢を痛む腕を抑しながら掴みあげた。]
(34) 2014/06/26(Thu) 23時半頃
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ぅ゙……。
[耳障りな心音。 呼吸するのすら辛い。 けども、その眼にはまだ殺意が残っている。]
(せっかく、兄貴と同じラインに立てたのに。 くそ、こんなとこで……? あのガキ……。)
[ずるり、左手が滑り落ちたのは。 ポケットに潜ませたままの、もう一つの【手段】、注射器を手にしようと。]
(35) 2014/06/26(Thu) 23時半頃
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……はぁっ、あ……あぁぁぅぅ [ひどい油汗。体中からの出血に、体温が低くなるのを感じた。 男を、どのくらい手負いにできたか、わからない。 致命傷を与えられただろうか。]
―――彩、里
[ごめんね。こんな醜い私の復讐なんか。 きっと。きっと彩里は喜んでくれないね。 私は彩里を裏切ったようなものだ。 それで復讐なんてきっと自己満足でしかなかったんだ――。]
は、ははは
[荒い呼吸の中。ゴホゴホと咳き込んで小さく血を吐いた。 下半身なんか丸出しだし、情けないな、なんて遠くに憶う。
―――途切れた銃声で終わった気でいたんだ。 男の【手段】の存在を、知らなかった。>>35]
(36) 2014/06/26(Thu) 23時半頃
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[液晶をポケットに仕舞って、両手で銃を持つ。 肩の傷は相変わらず痛みを発し、女の神経を鈍らせ続ける。
広間でのやりとりに未だ決着がつきそうにないならば、 タイミングを見計らい、何れかに向け鉛玉を打ち込むつもりで。]
……生きる。アタシは、生きて帰る。
[呟きながら、指先は引き金へ。 とはいえ、肩の怪我もあり、的は動いている相手。 どれだけ狙いを定めたところで、 かすり傷ひとつ付けられるかどうかと言ったところだが。
銃を打ち込むためにちらりと広間を覗けば、 昴が取り落としたボウガンを掴む様子>>34が見える。 こちらを見る余裕は無さそうに思うが、 二人の視界の端に移ることは無きにしも非ず。]
(37) 2014/06/26(Thu) 23時半頃
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愛人 スージーは、メモを貼った。
2014/06/26(Thu) 23時半頃
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…カハッ!
[銃声に跳ねる身体。咳込めば赤が散る。 痛み、震え、知ってる。この向こう側にあるものも。]
……ふふ、イイ、ね。
[ひくひくと痙攣しながら、君の喉へ手を伸ばす。 様子と、その箇所の僅かな違和感。]
そうかぁ、君……。
そう言うの、好きだよ。 理想の姿を得るために、手段を選ばないとか、ステキだなぁ…
そういう欲望持てるのって、羨ましい、や。 [銃声。赤が散る。]
(38) 2014/06/26(Thu) 23時半頃
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[胸元に倒れこむ身体を、愛おしそうに抱いた。]
(39) 2014/06/26(Thu) 23時半頃
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[ポケットの中の【手段】をしっかりと握り締めたなら。 身体をぐらりと横に倒す。 ゆっくりと倒したつもりだったけど、それでもぐわんと頭を揺さぶられたような衝動に襲われた。]
……っ……。
[ぼやけた視界でも。 女のあずき色のジャージだけは、しっかりと捉えて。
女の元へとゆっくりながらも、右手だけで這いつくばって進めば。 男の後ろ、床にベトりと赤い色が続いていた。]
(40) 2014/06/26(Thu) 23時半頃
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は、……は、
[それが嗤い声なのか、苦しげな吐息なのか、 客観的にもわからないだろう。 銃を手にしていた左手にめり込んだ弾丸。 手という、神経の集中した場所を抉られて、その痛みでぼんやりとして、近づいてくる男に気づくことはない。]
……ルイ、ちゃ……
[虫の良い話ではあるが、三人で買い物帰りに話した日々を思い返し懐かしむように目を細めた。彼女がもしここに来て、手当をしてくれたら、助かるかもしれないなぁ、なんて。 都合良すぎか、とわらう。]
……あは…… ―――し、にたく、ない
[紡いだ言葉は人間としての本能、なのだろうか。]
(41) 2014/06/27(Fri) 00時頃
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[女の声は、もう男には意味ある言葉ではなく、ただの音としか聞こえない。 方法のていで、手を伸ばせば女に届く距離まで近づくと、 左手の中の注射器、その先端をおおうカバーを指先で滑り落とす。]
…………。
[死ね、そう言った筈なのに。それはもう声にはならない。
左肘、床に付き。 緩慢な動きでプランジャに親指をかけて。 女の足へと、重力のままに注射器を振り下ろした。]
(42) 2014/06/27(Fri) 00時頃
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―――っ、ぅ、ぁ……?!
[ぐさりと鋭い痛みが走り、閉じかけていた目を開く。 【手段】のない男の小さな抵抗かと思ったけれど]
……あ、……?
[びくん、びくん、と身体が、跳ねた]
(43) 2014/06/27(Fri) 00時半頃
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[その毒は数分で女の体に巡り、 そして、呼吸障害を引き起こす。]
は、ッ、ぁ、ぁ ……は……
[いきが、できない。 意識が朦朧としてくる。 も、だめだ。うごけない。―――]
……、ぁ ぃ
[声も、言葉となることはなく 小さな呻き、意味のない音となって、吐き出された。]
(44) 2014/06/27(Fri) 00時半頃
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[ふ、と。誰かに呼ばれたような気がした。 それはきっと、気のせいだったのだと思う。 この場で自分の名を呼ぶ奴なんて居ないのだから。]
ごめんね。
[分かっていて、見逃した。自分が生きるために。 口の中で呟く謝罪だって、ただの自己満足でしかない。
脳裏に過ぎるのは、三人で楽しく話しをして、 笑いあっていた頃の事。 三階まで走り出したくなるのを押し留め、 女は、心を殺して銃を構えた。**]
(45) 2014/06/27(Fri) 00時半頃
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[確かな手応えを感じると同時。 がくり、力が抜けて、床にべしゃりと伏せる。 指先に跳ねる感触。
男は歪んだ笑みを零してそれっきり。
最後まで見届けることはなく。 骸と*成り果てた。*]
(46) 2014/06/27(Fri) 00時半頃
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[走馬燈とは、このことなのだろうか。 むかぁしのことから、最近に至るまで 様々な記憶――人々が脳裏を駆け巡る。
自分に期待をした両親。 その期待を肩代わりするように全て奪った弟の悠希。 援助交際で初めてを捧げたお父さんみたいな人。 爛れた関係を持った野良犬のような男達。 莫迦みたいに騒いで遊んだ女友達。 軽薄に自分を犯して捨てた男。 生まれてこなかった子ども。 精神科の先生。 カウンセラーのお姉さん。 バイト先の店長。 文句ばかり言ってくるお客さん。 深夜のバイト中に駄弁った同僚。 高卒の後も付き合いを続けてくれた女友達のチャコ。]
(47) 2014/06/27(Fri) 00時半頃
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[チャコに手を振ってくれたイケメンの千秋さん。 憧れのお姉さんでもあった駒江さん。 お裾分けの西瓜をくれた、優しいルイちゃん。 よく知らないけど好きじゃなかった可哀想な日村さん。 残酷で、冷酷で、でも笑顔がかわいいクリスマスさん。 自分を撃った、昔の男の面影に似た男。 身体を重ね、いっときの逃避を共にしたお兄さん。 殺意を、抱いた、おじさん。
だいすきだった。彩里―――。]
(48) 2014/06/27(Fri) 00時半頃
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「あいり?」
「彩里って書いて、アイリって読むの?」
「可愛い名前だね」
[もうずっと前、彼女に出会った時のこと。 可愛らしい彩里の笑み。 その影にあるものも知らずに。]
[ああ、もうすぐ、会える、かな―――? 惨憺たる人生の中でも わたしはきっと、
少しだけ幸せを見つけたよ**]
(49) 2014/06/27(Fri) 00時半頃
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[ "―――あ、そうそう。" "おじさん。"
毒が支配し、脳に酸素が行き渡らなくなる直前 何故だろう―――思ったのは、名前も知らぬ 殺意を交わした、傍の男で。
"出会い方が違ったらさ"
"私たち援交くらいはできたかなぁ―――?"
浮かぶのは、苦悶の表情であっても どんなに憎んだ相手であっても
――――もし、運命が違ったら、と そんな事を思って、内心、わらった**]
(50) 2014/06/27(Fri) 00時半頃
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