82 謝肉祭の聖なる贄
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[相変わらずに返って来る情けない返答に、ふんと鼻を鳴らした。]
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[奉仕の最中。 獣の唸り声のようなものを聞いた。 視線は、緩慢にそちらを向く。 歩み寄る姿は見れども、その向かう先が己らの方では無いということはすぐに悟った。
それでも、一旦手を止め。 荒く息をつくまま、白金の神の向かう先、そしてその行動から目を離すことが出来ない。 己の胸中にあるものが何か。己ですらも知らない。]
(92) 2012/03/16(Fri) 22時半頃
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[静かに呼吸してじわりと溜まってきた熱を逃がそうとする。
まだ外からは見えねど、黒衣の下では抑えきれぬものが形を成しつつあった。]
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[その、途端。 >>91肩を押されるだけで、力の抜けたままの身体は、へにゃりと後方に引いた。]
……交代、
[何処かぼうっとしたように呟いて、白金の神に向いていた視線は、目の前の相手へと再び向ける。 見上げる目は恐らく、欲に潤んでいる。 けれど意識の半分ほどは白金の神に向いたまま。 そろ、と抱えるように持っていた、相手の腿から手を放した。]
(94) 2012/03/16(Fri) 22時半頃
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[強くなった花蜜の香をうっそりと身に纏う。
食欲とないまぜになった情欲がじわじわと身のうちを蝕み、苦痛なほどだ。
今また贄が喰われるを見れば、もう歯止めは利かぬ。]
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…ん。
[短い呟きは、肌を滑る手に対する反応と、掛けられた言葉に対する返事の織り混ざったもの。 相手が屈みこめば、視線は自ずと同じくらいの高さになるだろう。膝を立てていた状態から腰をおろし、尻に冷たい地面の感触を覚えた。 羞恥はあれども、煮詰まった欲を解放したい気持ちが先に立ち、言われるままに、そろりと脚を開く。 そこには、屹立した己自身がある。
…白金の神と、他の贄の気配から、意識を剥がしきれずにいるのも、今の内だけで。 触れられればきっと、意識はそちらに全て、持っていかれることだろう。 待ちわびていたようにひとつ、深く息を吐いた。]
(103) 2012/03/16(Fri) 23時頃
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――だそうだ。
[肩を竦め皮肉な笑いを浮かべる。
内実餓えに苦しみ切羽詰っていても、まだこのスタンスを崩すつもりはないらしい。]
フフフッ…それほどに気に入ったのならば、仕方あるまいな。
[白金の同胞が宣言するのを聞いて、愉しそうに笑う]
[忌々しく恐ろしく恥ずかしく、恨めしい記憶呼び起こす香。
けれどそれにも、怒れ、堂々とあれ、と半ば無意識に意志して。
今。小さな勇気から勢いづいたおおかみには、既におそれは無かった。]
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…え、…っ!
[交代、と言われたから、てっきり己のものに舌があてがわれるのだと思っていた。喉は驚き、次いで緊張に息が詰まるのを示した。意図を察すれば、相手のやりやすいように、ずるずると背を床に付けて地面に寝転がるような姿勢を取る。]
…うう、っあ、……
[行き来する指と舌の感触に、ひくひくと腰を揺らしながら、両腕はばつを書くように交差して、己の顔を隠す。 その腕と地面に弾かれて、帽子はいよいよ取れる。 目からは、絶えず涙がこぼれ落ちていた。腕の影で、見えるかどうかは分からないが。 恐らく、茶色の神に付けられた手首の爪痕が、相手には見えるだろう。]
(116) 2012/03/17(Sat) 00時頃
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[とつとつと脈打つ、娘の心臓の音に耳を傾ける。
この熱くやわらかい肉を引き裂きたいと、じりじりとその身を焦がされながら。]
[年長の同胞たちのこえは、耳に触れども。
アクアマリンに囚われた小さなおおかみからは反応は返らない。]
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[体勢は整えられる通りに従う。獣の混じり合う姿勢とあらば、両手は前につくことになるだろうか。であれば、身体を支えるだけの力は無く。熱が押しこまれていくに合わせて、手は地を滑り、肘を地に着いた]
…きつ、くて…くるし、です、ぅ…っ、あ!!
[緊張に乱れる息を何とか継ぎ接ぎする。 苦悶を口に上らせるも、己自身は萎えることはなく。 むしろ、だらだらと先走りをこぼし始める。 根元まで刺さるその瞬間、一層高く上がった嬌声は高く、甘く響いたろう。苦しみや痛みが、快楽へと直結する己の性癖ゆえ。]
(121) 2012/03/17(Sat) 00時頃
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[だが逆に、この肉の質量を、温かさと心音を、正気を繋ぎ止めるよすがとなす。
今、この娘を喰らうつもりはない。
少なくとも、今はまだ。]
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[帽子の下の双眸は暗い色を湛え、流し続ける涙のせいで湿っている。口元はだらしなく開き、涎が顎までも汚している。 それは、快楽におぼれる者の顔、だった。 耳元の囁きにも、ぞわりと快感を煽られて。]
……ちが、…ちがうぅ…
[否定する呟きは力なく。萎えぬ自身が本当の答えであることを、否定したいかのように。胸元を支える手の力を借り、何とか身を起こして腕を地に着くけれど。見ても分かるほどに、震えていた。]
……、っも、無理ぃ…出る…っ!
[再び、押し込まれて。ひときわ大きな声を上げるも、何とか踏みとどった。けれど自身の下には既に、先走りが小さな水たまりを作っている。]
(133) 2012/03/17(Sat) 00時半頃
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