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【人】 さすらい人 ヤニク えっ…… (59) 2013/12/22(Sun) 18時頃 |
【人】 さすらい人 ヤニク[ヒューも、恐らく荷物を取りに戻って来るだろうが、 (60) 2013/12/22(Sun) 18時頃 |
【人】 さすらい人 ヤニク いや。……そっちこそ大丈夫か。 (62) 2013/12/22(Sun) 18時半頃 |
[そうして、旅人はぽつぽつと話し始めた。
自分がどこから来たのか。]
元は行商の……と言うか、
それに扮した移動性の群れの生まれでな。
うんと小さい頃は母体の事があるから、
確か、少しの間は定住してたと思うけど。
ほとんどずっと、今みたいな暮らしだったな。
[旅が塒とは、よく言ったものだろう。]
【人】 さすらい人 ヤニク[まさか、魚を減らした疑いが掛かっているとは思わず。 (66) 2013/12/22(Sun) 19時頃 |
【人】 さすらい人 ヤニク そっか。 (68) 2013/12/22(Sun) 19時半頃 |
【人】 さすらい人 ヤニク[昨日来たばかりの旅人と、そう変わらないと言う。 (70) 2013/12/22(Sun) 20時頃 |
【人】 さすらい人 ヤニク ……あぁ、それで。 (72) 2013/12/22(Sun) 20時半頃 |
【人】 さすらい人 ヤニク あぁ。良いと思うよ。 (75) 2013/12/22(Sun) 20時半頃 |
【人】 さすらい人 ヤニク[逃げろ、と叫んでいた男が殺された。 (77) 2013/12/22(Sun) 21時半頃 |
……猟はしたことないけれど、
こう見えて、山歩きは得意だったわ。
[ほんの少しすねたように口にするのは、
まだ少女と呼べる年の頃の昔の話だ]
あら、そう?
いつでもいいなんて……、
少しくらい焦らしてくれても、いいのよ。
[そんな無邪気だった面影はもうない、
頼る者も無いまま、一人故郷を離れなければならなかった。
利用できるものは利用した、
結果、悪女と呼ばれたけれど、
後悔も懺悔もない、少しばかりの憐憫があるだけ]
群れというのは……、
家族のようなものかしらね。
[行商というのは理に適っている。
人を襲う以上ひとところに留まり続けるのは危険だ。
それはよく知っている、その結果を見たのだから]
――そう、
その口ぶりでは、故郷の記憶はないの?
ご両親とか、兄弟とか。
……会いたい誰か、とか。
[ぽつりぽつりと、途切れるような囁き]
[あの男が警告した人狼なる存在が己でない別人だとしたら。]
[己は同族喰いの嗜好を持たない。
よって、妨害が入った際など、いくつかの例外はあるものの、
極論、"喰おうとして喰えなかった奴"が、
話しかけて来ない同族であるとは言える。]
【人】 さすらい人 ヤニク[だが、他人に知られれば、自分の身を危うくするだけだ。 (83) 2013/12/22(Sun) 21時半頃 |
へぇ? 意外だな。
[あるいは、例え良家の令嬢というやつであっても、
誰しも幼い頃はお転婆な少女だったのかも知れない。]
そうだな、人間で言う所の家族か、集落か。
……故郷の土地っていうのはなかったけど、
小さい頃に住んでた所は、暖かかったな。
多分、春だったんだと思う。
[両親、兄弟、その言葉に左手をポケットに突っ込む。]
――
[子供が少し口をとがらせたような、
何故か決まり悪そうな小声が零れた。]
……狩りも出来ねー位よぼよぼの爺さんになったら、また来る。
つった所なら、あるけど。
[拗ねたような口ぶりが、
かわいらしいと言ったら彼は不本意だろうから、
零れたのは小さな忍び笑いだけ]
そう、故郷の土地はなくても。
あなたには、
……ちゃんと帰る場所があるのね。
【人】 さすらい人 ヤニク[裏手からの、何かの物音に想像した図は、 (93) 2013/12/22(Sun) 22時半頃 |
……多分、そういうんじゃねぇよ。
[人の間で人を喰い殺す狼が、
そんなに長くを生きられるとも思っていないし、]
そいつらの仲間になれる訳じゃないしな。
[きっとそれは叶える心算のない約束なのだ。]
旅から旅への根無し草だよ、俺は。
いいじゃないの。
いつか帰るかもしれない、
そんな場所があると思うくらいは、きっと
……生きる理由に、なるでしょう?
[それは酷く人間らしい思考だと己自身そう思った]
生きるのに理由が必要か?
[解らない、と言いたげに声は囁いた。]
……しかもそれだと、まるであんたの方が、
帰る場所がないみたいに聞こえるぜ。
[都の方で、絵なんかを売り買いする商売だと聞いていた。
そちらは帰るべき場所ではないのだろうか。]
[単純な答えは予期されたもの、
けれどそれは、今は好ましいものだ]
……そうね、
[そしてゆるやかな肯定]
優しい人を大事にしなかったから、
きっと罰があたったのね。
[珍しく自嘲のようなものが溢れて]
つまらないことを聞かせたわね、
ごめんなさい。
……ふうん。
[返す相槌は、少し気のないものになった。
人間にとっての、その罰が当たる、という感覚も、
あまり実感が伴わない、知識の上の言葉だ。]
[ただ、血が薄れて人間になってしまったのに、
こうして声だけがする女の性質は、やはり、
己の目からは中途半端なものに思えて――
生きにくいだろうな、と思ってしまう。]
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