65 In Vitro Veritas
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[岩瀬の方がいい生き方をしている、 歴然たる社会の差は確かに存在する。 犠牲を強いるもの、強いられるもの、けれど幸福は他者が図れるのか]
――……わからない。
[そう、たとえば蝦江の言葉は、確かに暴言といえた。 けれど生まれたときから植えつけられた価値観だ。
“それ”しか知らず、生きているのは彼らも自分達も同じだ。
無知が罪だというのなら、 何が、誰が悪いのか。]
――……、ッ、
[たまらず湧き上がる嫌悪がある、 口元を押さえこみ、一度、壁に手をついた。]
(161) 2011/10/01(Sat) 21時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/10/01(Sat) 21時半頃
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>>162 [息苦しさに似た感覚を抑えながら、顔を上げる。]
……君が否定しても、 俺と君とは同じもので出来ている、 それは変えようのない 事実 だ。
実際に、殺すかはわからない。 でも、君がしたのだから、俺もそれは出来るんだろう。
[クローンが違う断言するのは無知ゆえなのか。 わからない、向けた視線の先、同じ色の瞳が狭まった。 “自分”は、こんな表情をするのだろうか]
何故、違うといえる。 ――……何故、笑う?
[わからない、その表情の意味も、笑う意味もわからない。 壁に着いた掌の中、じわり汗が滲む
(168) 2011/10/01(Sat) 22時頃
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[>>163 覗きこむ眼差しから、 ゆるく首を振って逃れようとして、1歩退く。
繰り返される“自分”という言葉、 一人称としてのそれなのか、己の存在をさす言葉なのか。 両方なのか、禅問答に飽和する]
放っておいてくれ……! 俺がどうしようと、君には――…、
[関係ない] [そのようには言えない]
[息苦しい、喘ぐように開いたくちびるは、 続く言葉を失って、ただ重苦しい息を吐いた、だけだった]
(169) 2011/10/01(Sat) 22時頃
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[素材を見て同じだといい、結果を見て違うという。 見ているものが違うのだから、答えが違うのは当然だ。
同じだけど異なる。 異なるけど同じの堂々巡り。
本質をもって同じだという自分に、 クローンが訴えた言葉は]
――……、ヴァイオリン?
[与えられた社会と環境と経験に根ざすもの、 口元を押さえていた手がずるりと下がる。 重くまたたく間に迫る、同じだけど異なる色]
(182) 2011/10/01(Sat) 23時頃
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[怪訝に寄せられた眉根、わからない。 クローンの“彼”の考えていることは全くわからない。
雨宮セシルはずっと音を奏で続けてきたのだから。 弾けなくなったことなどないのだから、 弾けないものの気持ちなどわからない。]
こんな気持ち……?
[――捕まれた腕、引き寄せず離れず。 何故同じになれなかった、その言葉に、 瞬時に湧き上がる恐怖があった]
――……ッ、離せ ッ!
[クローンが同じであることを望むのなら、 “同じ”にされるのではないか、という恐怖だ]
(183) 2011/10/01(Sat) 23時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/10/01(Sat) 23時頃
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[捕まれたままの腕を、壊される恐れを感じている]
どうするつもりだ……
[>>186 違う存在だ、とクローンは執拗に伝えてくる。 困惑と恐れの混ざる眼差しを、向けたまま。
>>185 そのとき、聞こえた声に、ふと迷ったのは、 その声がクローンの方のようにも聞こえたからだろう]
……散花くん?
[コーダに掴まれていた腕が、離れた。 安堵を覚える前に、反射的に向けた眼差しは、 散花の手元のメスと、その胸部にもむいたか。 常とは異なる様相に、見開き瞬く]
(187) 2011/10/01(Sat) 23時半頃
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[散花の口から零れた言葉と、浮かべられた薄い笑み、 今感じていた恐怖とは違う、別の危うさがふつりと湧き上がる。 クローンを貶める言葉を堂々と告げる姿は、 つい先ほどまでの散花とはまったく印象が異なる。] ……どうしたんだ、何かあったのか?
そんなものこれ見よがしに持ってたら、危ないだろう。 護身用なら、せめて見えないように仕舞っておくんだ。
――…俺は、特に問題ないから。
[岩瀬を手にかけたという、 クローンが――コーダが、どう反応するかわからない。 散花の言葉に反応して瞳が揺れるのが視界にはいった]
(189) 2011/10/01(Sat) 23時半頃
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屈辱……?
[それが“彼”にとってどれほどのものか、知らない。 ただ笑みの消えた散花の表情から、自分が感じるものは、 冷たい怒りのようなものだったか。]
……そうか、忠告ありがとう。 もう少し、話が済んだらそうするよ。
[すぐに離れようと思わなかったのは、 自分のクローンが――コーダがわからないからだ。 脅しの言葉を口にした散花に向けた眼差し、 このまま置いて逃げたら、彼は何をするのか]
――……いや、見ていないけれど。
[ついでのように添えられた問い、 反射的に答えて――危機感が湧くのは一瞬後のことだろう]
(205) 2011/10/02(Sun) 00時頃
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[>>208 屈辱、それが何なのかは思い浮かばない。 屈辱――知識がオリジナルより劣るクローンに、 誇りを傷つけられるようなことがあるのか。]
見つけたら、って。 待て、探して何をするつもり――……、
[――奴らは違うモノ。 言い回し一つとっても、嫌悪が滲む。 忠告の言葉を残して、散花は行ってしまう。 追いかけるのを阻むように、扉が閉まる。
白く鈍く光るものが目に入って―― 手元のメスが最後まで仕舞われることはなかったことに気付く。
追いかけようとして、コーダの呟きが聞こえた]
(214) 2011/10/02(Sun) 00時半頃
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セシルは、その、問いの言葉に、引きとめられる。
2011/10/02(Sun) 00時半頃
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[その問いには答えない、ゆるく首を振る。 その所作が否定を意味していないのは伝わってしまっただろうか]
何かあったんだろう、何かが。 わからない、けれど。
[そう、温厚で多分年齢のわりには落ち着いていて、 分別のある存在だと思っていた、それが過ちだったようには思えない。何かが、あったのだろう。そう、屈辱――ではないけれど、 クローンは当初感じたような無垢なだけの存在ではないと、自分も感じ始めている]
……言っただろう。 俺は別に君の世話になる気はないし、 別に君達をどうこうするつもりも―――……、
求めている?
[知りたい、とそのことではないのだろうか。 わからないまま、怪訝に視線を向けて]
(217) 2011/10/02(Sun) 01時頃
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……悲しい? 怒りとか、そういうものじゃ、ないのか?
[>>216 問いにして、気付く。 彼は岩瀬を殺したとだけ、言った。
自然と思考が、雪織と蝦江の殺害も混ざっていた、 あれは怒りの発露だろうと思った、 だから今の言葉で散花へ殺意が向かないかと、 案じたのだけれど、彼は怒りではなく、悲しみを訴えて――]
(218) 2011/10/02(Sun) 01時頃
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[その要望が何を確認したいのかは、わかる。 シャツの袖を捲り上げて――それではわからない。 肩の付け根に近い、ふたつ。]
――……、
[その所作に迷いのないことで、 “ニーナ”を知っていることに気付かれること、 そこまで思考が回らなかったのは、疲れていたからだ。
シャツのボタンを上から中途半端に外す、 剥きだしにした肩が見えるように肌蹴させる。 彼の労働による自然な筋肉のついた腕とは、歴然たる差があるだろう
――否応なしに感じるのは、 同じだけれど違う、ことか。]
(224) 2011/10/02(Sun) 01時頃
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― 地下2階 空き部屋 ― [“ニーナ”ではないこと、ではなくて、 “ニーナ”がどのようになったのか、を気付かれた、
それに自分が気付いたのは、 呟くような悟った者の声を聞いてからだ。]
あ……
[濡れた感触、肩におちる柔らかな髪。 眉根の寄せられた表情は、そのまま困惑の混じるものに変わる]
(231) 2011/10/02(Sun) 03時頃
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[そこにあるのが自分という認識であったら、 口を開けっ放しで、ぼうっとしている姿は嫌だと思うし、 泣き続けていることを情けなく思う。
けれどここにあるのは、同じだが違う存在だという。
自分に対して憐憫など向くはずもない。 雨宮セシルの自己愛のかたちは、 少なくとも、自分を惨めな存在とはしないものだ。
けれど、それが他者であるのなら―― まだ、完全にはそうと割り切れない部分もあるけれど、 違う存在であると認識すれば、憐れみのようなものも湧く。]
(232) 2011/10/02(Sun) 03時頃
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[彼を兄を無残に失った他人だと思ってやればいい]
簡単に泣くな。
[慰めに似た言葉は、けれど割り切れなさも滲んで、 優しいだけの響きにはならない、ただ改めて思うのは、
兄が壊れたのは、 ただ知らぬままに、ひとつの命を犠牲にしていたこと、 そのことに気付いてしまったから、なのだろう。 そして、このこの息苦しいほどの嫌悪感に襲われて――]
……そうか、
[重ならないハルモニア、 音の失われてしまったのは――何の、誰のせいなのか。
肩が生ぬるく濡れる、震えが止まったのかどうか知らない。 無意識の所作で、そこに存在を押しやろうと*した*]
(233) 2011/10/02(Sun) 03時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/10/02(Sun) 03時頃
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[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
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