276 ─五月、薔薇の木の下で。
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[ 主よ、 罪とは 何なのでしょうか。]
[ 主よ、 罰とは ……───── ]
俺の、欲望――
俺のは、そうだな。
[捉えどころなく降る言葉は、けれどするすると誘うように想いを引き出す。
芽吹かせるための種も、養分も、何処にあるのか未だ見つけられないが。]
乱暴なのは、好きじゃないし。
『こっち見ろ、莫迦』かな。
[食堂を出る前なら、きっと庭番の顎を掴んで無理にも振り向かせていたところだ。
今は道を違えてしまったから、くつくつと笑い喉鳴らすのが風に乗るだけ。]
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[ロビンと連れ合って歩けば、 同じように二人でやって来る姿を見つける。]
君が屋内にいると違和感があるよね。
[モリスがロビンに声を掛ければ、自分が顔を向けるのはもう一方>>134 口を開けば真っ先に飛び出したのはそんな一言 冗談でしかないことは、声色と穏やかな表情から知れるだろう。]
ところでヴェリー……程々にしてくれると嬉しいな。 うちのメンバーが今回ばかりは、ね。
[乾いた笑いで言い淀む生徒会長が何を言いたいのかは ……当事者なら想像はつく筈だ。 あまり怒りたくないのだ、特に、彼は。]*
(137) 2018/05/18(Fri) 00時頃
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[ 喉を鳴らす音、後ろで響くそれに。
音なく、けれどしかし唇を弧に歪ませた。
顎を捕まれていたとしても、きっと同じ顔をしただろう。 ]
キミは向日葵が好きなのか?
それとも、月下美人が好みかな?
その想いを向けられる相手が
羨ましいね。
[ 空っぽの箱を揺らすように。
中身のない声が落ちる。 ]
[ 罪を謳うように。
罰を願うように。
聖書のページを、捲るように。 ]
[花に例うる、好みの話。
向日葵か、月下美人か。]
――いいや。
紫陽花かな。
[花の名前なんて多くは知らない。
けれどもしも例えるならば、きっと。
これから雨を浴びる薔薇と、今度こそ道を違えながら。]
紫陽花。
キミ好みの色をつけて
そちらを向いてくれればいいけど。
[ その《花》がさすものを、俺は知らない。
けれど興味こそあり。
木を彫り何かを生み出す、そのモリスの手が何に触れるのか。
何を求めるのか。 ]
紫陽花にも毒があるから。
気を付けて?
[ その《花》にも毒があるのだろうか。
道を違えても、薔薇の香が届く限り。
興味は尽きず。 ]*
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うん、申し訳ないんだけどさ 君の活動は、クラブのものじゃないから……。
[庇い切れないこともある。 個としての気持ちは呑み込み、向けるのは生徒会長としての言葉だけ。 決して愚かな人じゃない、今回も自覚があるようだ>>153 だからこんな話はこれで終わりにするつもりでいたのに。
気づけば、近くなった距離>>157 二次性徴をとうに迎えたハイティーンの声が囁きとなる。 ──与えられたのは、心臓が止まるような心地。]
(168) 2018/05/18(Fri) 01時頃
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……いいんだ
[視線が彷徨い、足元に落ちる。
傍には香りだけが残された。 染みつくそれをよく知って それを好いてすらいた筈で、 どうしてだろう。今夜はそれだけじゃなく──]
あ、ああ、分かったよ。 僕のことは気にせず、急がずにね。 [後輩に呼び掛けられ>>151、思考が途切れる。 多少の不自然さを持っても、いつもの自分として見送った。]
(169) 2018/05/18(Fri) 01時頃
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終わってないけれど、あと少しだから。 残りは明日にするつもり。
[深呼吸を一往復。僕を取り戻す。 心配してくれているらしいモリス>>156に返す様子は ハードワーカーの癖に呑気そう なんて見えていたらいいなという願望。
そういう判断だってすることはある。 可愛い後輩の相手を優先するべきだと、教えられたことを思い出した。]
(172) 2018/05/18(Fri) 01時頃
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君が謝ることじゃないさ それで、ヴェリーとシャワーに入るかい? [じとりと目を向けられた当人は飄々としたもの>>161 おまけに、冗談めかす言の葉一つ。 反省していることは理解しているが、居合わせた下級生が謝る始末である>>167 ヴェルツの複数人に向ける冗談を彼一人に受け流したのは、 気にしていないと、深刻なことではないと伝える代わりのつもりだったけれど。 当人からすれば迷惑なことかもしれない。]*
(173) 2018/05/18(Fri) 01時頃
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君は大人だなぁ。
[モリスにはあっさり流されてしまった むしろ元凶のほうが反応が大きかった>>185 流石に一年にそんな冗談を受け流さない。 まだ日が浅い子ならもっと違う様子が見れたかもしれないが。]
いや……、何処にも。 ただ、ロビン君が食堂に行くというから。 此処なら人がいそうで丁度いいかなって、それだけ。
[モリスが何を思ったかは知らず、 聞かれたこと>>187には正直に返すのみだ。 誰かのいる場所に行きたい、それは自分の行動理由にはよくあること。]
(188) 2018/05/18(Fri) 01時半頃
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こんな日に風に当たるのは、きっと気持ちが良いね。
[二人はそれぞれ、別の目的で歩いてゆく。
自分が動かずに見送る形になったのは、帰ってもいいというロビンを待とうというわけでもなく。
薔薇の香りと、足を動かす前のヴェルツの様子が>>189 この場所に自分を縫い止めた。]
(192) 2018/05/18(Fri) 01時半頃
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[あの日中庭でヴェルツに近寄っていったのは
本当に綺麗なものを、美しい花を育む彼を 偽物の自分に関心を向けさせようとしていたのだ。 望んだ癖に、何故だろう。 あの夜のような瞳を向けられると、微笑みを見ると ──上手く息が出来なくなるようだ。
掴めない言葉の穴埋めに真っ先に悪い想像をしたのは 事実、自分は誰にも好かれない存在だと分かっているからなのだろう。]
(193) 2018/05/18(Fri) 01時半頃
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[穴埋め問題の答えを 微笑の奥にある感情を、聞けたことは無い。 きっと、これからもずっとそう。 フェルゼとの夜も忘れたふりをしながら、 彼の抱えた何かに手を伸ばすことも無い。
それは彼ら二人の問題じゃなく、 自分は偽って生きている癖に 他人のことだけ知ろうとするのが間違いだからだ。 どうせどこに行っても同じで、 変わることが出来ないのならいっそ────
花香が齎す身体の深くの感覚が そんなことすらも浮かばせてしまう。 水底に沈む汚泥のような、本当の望みを。]
(195) 2018/05/18(Fri) 02時頃
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……あれ?
[何気なく手にしたままの本を胸の前に 背表紙に視線を這わせた時 栞に付けられた銀色のリボンが覗いていないと気づく。
頁を捲っていけばやはりどこにも無い どうも何処かで落としたらしい。 別に特別な思い入れがあるわけでもない、普通の栞だけれど。 自分の持ち物を失くして気にならない筈もない それに、神経質な副会長にまた呆れられる。
参ったなと頭を掻きながら歩き出した。 廊下だろうとは検討をつけ、ここまでの道筋を辿るように。]**
(196) 2018/05/18(Fri) 02時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2018/05/18(Fri) 02時頃
[ 隠されたものは暴きたくなる。
美しいものは穢したくなる。
完成したものは壊したくなる。
嫌われているのなら、もっと。
好かれているのなら、もっと。
胸に渦巻くのはいつだって
背徳的なことばかり。 ]
[ だから、モリスの彫る作品を受け取れない。
美しく完成したものは、ぐちゃぐちゃに壊したくなるから。
だから、ケヴィンには容易に近付く。
この香りに酔わせて、震わせたいから。
だから、花を咲かせる。
花を慈しむんじゃない。
手折るために。 ]
[ シャワー室には、数枚。
どこから落ちたかわからない薔薇の花弁が、ふたつ、ひとつ。 ]**
―――― 俺は、誰なんだろうな。
[途切れたはずの呟きは、胸の奥で抱えられた結果、ほろりと零れ落ちる*]
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── 少し前 ──
モリス君は本当に優しいなぁ。
[口元に手をやり、おかしそうに小さく笑う。 ちくりと棘を残す癖に>>204 机が親友の先輩をこんな風に誘ってくれる。 耳触りの良い言葉ばかり吐いて何もしない生徒会長より よっぽど出来た子じゃないか。]
じゃあ、その時君がいたら。
[短い返事は、いつになったとして行くという意味で 誘いに乗ったということ。]*
(255) 2018/05/18(Fri) 20時半頃
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── 現在 ──
[時折立ち止まり、四方に視線を巡らせて 小さなものだからと暗がりまで探し。 歩いたのはどれ程か、やがて随分と大きな落とし物を見つけた。 数度瞬きを繰り返し、すぐには声を掛けなかった そんな自分に壁に身体を預ける彼>>213は 気づいたか、そうではないか。 どちらであれ隣に並ぶように同じ体勢になって。]
ケヴィン、どうしたんだい。
[横顔を眺めるように視線を向け、そこで口を開く。 場所のせいか、彼とは似ない容姿の後輩との件を思い出す 何かあったのだろうかと、声は心配げなもの。]*
(256) 2018/05/18(Fri) 20時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2018/05/18(Fri) 21時頃
イアンは、フェルゼの髪色のようなリボンの栞は今は後回し
2018/05/18(Fri) 21時頃
イアンは、ユージンは何処に行ったのか、少し気になった
2018/05/18(Fri) 21時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2018/05/18(Fri) 21時頃
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── いつか、二人で ──
やあ、やっぱりいたね。
[あれは何度目の休暇だったか すっかり静かになった寮の廊下で 偶然ケヴィンに鉢合わせたことがある。 その時にはもう、聞かずとも彼がいると確信していて けれど理由は何も知らないでいた もう一人、いつも残る生徒はきっと中庭に。]
(258) 2018/05/18(Fri) 21時頃
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調理室に行くところかな? 途中まで一緒にいてもいい? 今日はどんなパンを作るんだい 君以外の分は、あるのかな。 うん、そう。食べたいなって。
[彼が返してくれる度、また質問をする 短い間隔のキャッチボールはいつものこと。 言葉少ない相手とのコミュニケーションに選んだやり方は 投げられる側にとっては鬱陶しいものだったかもしれない。]
(259) 2018/05/18(Fri) 21時頃
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君がいるから、寂しくないな。
[ボールが尽きて、少しの沈黙が流れた後 ふっと笑って呟いた。 同じ学年の、いつも残る三人の内の一人。 自分なりに考えて、関わろうとするのは 友好的感情と、勝手な親近感があったから。
色んなことを問い掛け、勝手に話して けれど理由を口にしたことも、聞いたこともない。]*
(260) 2018/05/18(Fri) 21時頃
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── いつかの生徒会室 ──
[親近感を覚える相手がいる一方、自分より上だと認識した対象もある。 こちらの申し出を断った彼が>>120踵を返し、数分後のこと>>121 可愛い後輩にろくに返事もせず、 目を丸くしてまじまじと見てしまったものだ。]
……ははっ、参ったな。 君の言うとおりだ、これでは
[どちらが先輩だか分かったものではない その物言いもそう、颯爽と共犯を結ばれたこともそう。 おかしくて、おかしくて。笑っていれば怪訝に思われたかな? 時には正答が最良とは限らない。 小さな共犯者を眺めながら珈琲を流し込み、そう考えていた。]*
(262) 2018/05/18(Fri) 21時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2018/05/18(Fri) 21時頃
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寂しい……?
[相手の言葉を繰り返し、また瞬きが早くなる なら、こんなところに居ずに誰かを探せばいいのに 自分の尺度でものを考え、不思議だと思った。
パンを抱く姿>>295を肩が触れそうな距離から、じっと見つめる。 語られない心の内を知る術が無いから、いつも引き出そうとするのだ。]
(301) 2018/05/18(Fri) 23時半頃
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ケヴィンも冗談を言うんだね ああ、なるほど。 確かに、建物の中までよく届くものだよね。
休むなら部屋とか、談話室にしたほうがいいんじゃないかな? それに気分が悪いなら誰かと一緒にいるのがいいよ。 [二つ目の理由には>>296納得を示し、肩を竦める。 どうするのか決めるのは彼なのだが、心配なので提案はさせてもらおう。 此処にいると特に強くなっている気がするのは きっと開けた窓が近いからなのだろう。 ……しかし、こんなに香りを感じることはあっただろうか。 自分は特別鼻が利く人間ではない。 でも、]
(302) 2018/05/18(Fri) 23時半頃
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