62 あの、夏の日
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[ヤニクの怒号を、無言で見つめていた]
…ヤニクは、どんどん現実の方を思い出していってる様だな。
[ケイトもそうだった。
あの花火中、酔って潰れた男の意識だけの中、ケイトに違和を感じて]
……この頃のヤニクは、もっと言葉が下手だったのにな。
[違う。何かに呼ばれていたケイトも――
――こんな流暢に喋るヤニクも、ちがう]
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火事場の馬鹿力なっ! 本当に急に喋るもんだから、一瞬誰かわかんなかったけど、お前実は日本語流暢にしゃべれるんじゃ無いだろうな…?
[笑いながらも、疑り深い目線を向けて、メアリーにも笑いながら]
本当になっ、すっげー流暢でびっくりしたよ。 さて、じゃあ怪談はマリアに任せて、俺たちは設置しにいくか?
(122) 2011/08/29(Mon) 22時頃
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ほら、よく言うヤンキーと子犬……
あれ?いや違うかな……
[うーん、と少し唸って事例を探すも
結局は見つけられずに]
でもギャップがいいんですよ。
ヨーラ先輩とヘビ花火。
ヤニク先輩とリキティー。
ほら、なんだか可愛いじゃないですか!
[今まで見てきた夢を思い出し、声に出して笑う。
黙っているとの言葉にほっとしたのもつかの間]
若者 テッドは、メモを貼った。
2011/08/29(Mon) 22時頃
[努めて冷静に装いながら、ディーンに同意する。ヤニクの様子からは、その理由に気がついた気配はないのが救いか。]
……やっぱり、止められないのかな。
逃げ続けちゃ、だめなのかな……
[帰りたくない、まだ帰れない。
そう、強く強く思う。]
ヤンキーと仔犬…?
…それは、捨て犬を拾うヤンキーの図か?
そしてヨーランダやヤニクも、可愛い…と。
…まあ、ヨーランダももう少しシャキッとしてくれたら良いんだが。
いや、寧ろヨーランダはアレが持ち味だったか…
[楽しそうに例を上げていくメアリーの声を聞きながら、暗い空間の壁に背を預け。
…だが、メアリーが変な声を出したのには]
うおっ!?
お、おいどうした!?
[まさか自分の本音が原因だとは思わず、男は狼狽えた]
そうそう、それです!
ユリシー先輩にも子犬が絶対似合いますよ。
[言葉足らずを保管してくれた声に
想像でとんでもないことを言いながら]
そうですよ!ヨーラ先輩の持ち味ですよー。
素敵じゃないですか。
[自然と浮かべるのは笑顔。
皆が、大好きなのだ。]
[さっきとはうって変わって、沈んだメアリーの同意と言葉が返ってくる]
……
[それは、逃避の言葉。
迷いながらも、強い願望を含んでいて]
…なら
[いっその事]
俺達だけで、逃げ切ってやろうじゃないか?
[そんな事は出来ないと、現実の脳は理解しているけれど。
でも、そんな馬鹿げた事を夢見ても良いじゃないか]
い、いいいいいえ!
大丈夫です、本当、なんでもないですから!
[彼が狼狽するのが伝わって、焦って返事をする。
可愛い、と聞こえたのは気のせいだろうかとすら思うけれど]
ディーン先輩、天然なのかな……
[小さく小さく、零して]
…………
[メアリーのユリシーズ+仔犬=絶対似合うの計算式に]
……ぶっ!!
[思わず吹き出してしまった]
いやいやいや…オカマのユリシーズなら似合いそうだがな!!
[ひとしきり笑い。表情に出さない様にするので精一杯だった。
ヨーランダを素敵、と言い切る彼女を見る。
表面上は――少し、微笑んでいて]
…そうか。
ならば…できるだけ、皆に此処に残ってもらうのも――
[違和があっても、良いのかな…なんて思い始める]
ん?
[慌てる彼女の方を見るが]
…誰ふが天然だって?
俺は思った事を、正直に言ったまでだ。
[心外だ。と言わんばかりに、仏頂面]
[逃げ切れるのなら、逃げ切りたい。
彼の声に胸が少しだけ苦しくなり]
……そうですね。
逃げ切っちゃいましょう?
[そう言い合えるのが、嬉しい。
できるだけと聞けば、少し間が空いた。皆と一緒にいられるこの夢が好きで、ずっと、ずっとここにいたい。そう思ってはいるけれど――]
それも楽しいかも………しれませんね。
[言葉が詰まったことに、自分自身で驚いた。]
(我侭だな、私は)
あ、いや、その!
ええと、それは、その……
[ちらとディーンの居るほうへ振り返れば、見事な仏頂面。顔の前で両手を合わせて小さく会釈する。]
正直に言われると、えっと
ますます、その……
[合わせた両手で顔を隠した。恥ずかしい。]
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[ちなみに、マリアはテツなら加減を…と考えていたようだが、実際の彼はそうではない。 気遣いはするが、やるからには徹底する性格で、野球でも相手に打たせないと決めれば、絶対に最後まで打たせない。 そんな徹底ぶりを行う。故に…]
じゃあユリシーが1階担当な。例の鏡のところ頼むな! ベネットは2階、最後のチェックポイントは3階に作るから、俺が徹底して準備してやるからさ!
[当然の如く、ベネットさえも3階には上がらないように注意をする。]
さて、3階は俺の担当だなっ!
(150) 2011/08/29(Mon) 23時半頃
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[3階にあがると、まずは自分の部屋から濡れタオルやら、紐やら蒟蒻(なぜか部屋にあった)を持ってくる。 さらにはスピーカーまで引っ張り出してきた。]
濡れタオルをここに設置して、軽く絞っておけば水の滴る音……そうだ、ここにバケツを置いておこう。 あと、ここにこんにゃくを吊るして、ここにスピーカー、えっと女の子がシクシク泣くようような声の入ったCDがあったはず。 これこれ、あとは鈴をこの辺りに置いておけば、誰かが蹴って音がなるはず…。
[それでも物足りない、と言わんばかりに血糊やら特殊メイクを自分で自分に行う。 日本人形をどこからか持ってきて、最終チェックポイントである『開かずの間』の前に置いておく。]
そしてっと…。
[取り出すのは、開かずの間の鍵、その中に入った。]
開かずの間は肝試しの為に作られた怪談なんだよな。 代々、寮生のうちたった一人に鍵と真相が教えられるんだよね。 当然、準備に必要なものは、代々受け継げられてるんだぜ?
[ニシシっと本気でたのしそうに部屋のなかで準備をする。 首吊りをした人形、そして、メイクをして血塗れになった自分が、その場に横になった。]
(154) 2011/08/29(Mon) 23時半頃
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[彼女なら、きっと同意してくれると思っていた。
そう思ってしまった自分に、男は苦笑する]
もし逃げ切れたら、現実の俺達はどうなるかな?
[空想は、妄想に変わる]
…いや、今は考えては駄目か。
[せめて今を楽しもうとしていた男。
その男は、彼女が一旦言葉を留まらせた事に気が付き]
……?
どうした…?
[その心情は、未だ理解しておらず]
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[寮生に伝えられる、最後の怪談、『開かずの間』
その部屋は、寮が満員になっても決して開かれる事はない。 一つは、その部屋で過去に首吊り事故があったという事。 もう一つは、管理人がその部屋の鍵をなくしてしまったという事。
その部屋で生活をすると、夜中にいつも起こされる。 目を開いて、真っ暗な中、何かが振り子のように動いていることがある。 その何かをじっと見つめると、それは人の体のようで、さらにじっと見つめると、 その人のようなものが、こちらをみて、その瞳を見開く。 さらに、ニヤッと口元を歪めて笑うらしい。
それをみた人間は、その翌日に血塗れになって部屋で発見されるというものだ。
ちなみに真相は、部屋が男子生徒エリアと女子生徒エリアの真ん中にある為に、扱いづらい。 故に、そこは監督教師の部屋にしていたのだが、監督教師がいなくなった為空き部屋になってしまったのだ。
以来、寮生で怪談を行った時、一番肝が据わっている人間に、その真相と共に鍵が預けられるのである。
ちなみに、3年おきにこの部屋は使われるので、3年すら首吊り人形と特殊メイクの『開かずの部屋』の真相を知らない。]
(159) 2011/08/30(Tue) 00時頃
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今年は俺がやらなきゃいけなかったから、ちょうどよかったな。
[当然、全て計算である。 いつでもいいぞっと声だけをかけて、自分もスタンバイした。]
(161) 2011/08/30(Tue) 00時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2011/08/30(Tue) 00時頃
[先程、顔を両手で覆っていたメアリー。
彼女が狼狽えれば、男はますます仏頂面に磨きがかかる]
……なんだ、言いたい事があるならはっきりと言え。
[それはいつかユリシーズに言った言葉と同じで]
…まあ、俺の感性で。だからな。
そんなに気になるなら、気にしなくても大丈夫だぞ…
[どこか的外れな事を、男はメアリーから視線を逸らしながら呟いた]
[その耳は、少し赤くなっている]
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[テツは後に語る。
吊り橋効果な夏のアバンチュールを楽しむならば、本気で死ぬほど怖がらせなければ意味がないと。
故に、当然の如く手加減はない。]
(167) 2011/08/30(Tue) 00時頃
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