47 Gambit on board
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― 書庫 ―
[その散らばった紙を、サイラスが拾おうとした時、先に伸びる手があっただろう。]
――……
[無言でその紙と、倒れ付すサイモンを見る。]
いや、警戒しなくていい。
君がやらなければ、自分がやろうと思っていたところだ。
[また一枚、拾う。]
サイモンは、いささか、偏りすぎだ。
もうランドルフと決め付けた物言いは、いらぬ。
そう、簡単に決まってはいけないものなのだよ。
だからこそ、決まったものの覚悟は確固としたものになる。
[その背後、また現れる影もあるだろう。
気配に警戒をみせるが…彼も、5番も、考え同じくのものと知れば、帽子を被りなおす。]
サイラス師団長。
君は情報のプロだろう?
だったら、我らだけに通ずる無線など用意できないかね?
[そして、そう提案した。
そう、ここは同志と呼べるのではないかと。*]
ボクは帝国の害になる事はしない。
お前はどうだ?
[うっかりと漏れたらしい通信に、キリシマへと憤りを向けたが]
――…ごめんなさい。
この程度なら影響は出ないと思う、けど。
気をつける。
[静電気弾ける音に冷静さを取り戻し、乱れかけた能力制御と感情を押さえ込んだ。]
[だが、能力者であるからこそ、柔い考えでは困る。
サイモンの目を傷つけたことは、確かに損失になるだろう。
だが、わが国の技術、7番部隊の本領があれば、その再生は不可能ではないだろう。
サイモン君には、少し、頭を冷やしてもらうべきだ。]
≪ あ、聴こえてた? ごめん。 ≫
まったく悪いと思わずに、謝罪を送る。
≪ 害になること、ね。 ≫
≪ …………、
する気、は、ないよ。 ≫
憤り露わにするナユタの様子に、本心透けぬよう、言葉を選ぶ。
やはり、非常時以外は遮断しておくべきだろうか。
―書庫―
[かたり。サイラスとイワノフが会話をしている最中。
書庫の入り口近く、音が鳴る。
てらいなく姿を現せば、警戒をする気配]
此方へ。今なら手薄です。
幾ら記憶の操作が可能とは言え、余り能力の痕跡を残しては不味いでしょう。
[それだけを告げる。特に自分の考えも述べない。
昨日の会議での発言、特に咎める様子も見せなければ、意思は似たようなものであると知れるか。
異様に耳の良い者の存在も知っている。名を呼ばず、サイラスに、イワノフに、視線だけを投げ退室を促しながら。
一歩、室内に踏み入る。
用意していた書簡、痕跡残らぬようハンカチで挟んでいたそれを、机上に置いて。]
[もちろん、その意識が簡単に戻らぬことも知っている。
それほどまでに眠ってもらわねば、困る。
いずれ皆に知れることになったとして、
ローレンス、またはレドフォードが皇帝となったとき、
その地位がいかに重いものであるか、それを知らしめたい。]
恋文のようなものです。
[もし内容を聞かれれば、そんな答えを返したろう。
中身を確認しようとしたなら、それを止める事は無い。]
[そうして、気配を探りつつ、自身の来た道引き返す。
話す事がありそうであれば、人の居ない事を確認済みの部屋へ誘い。
通信機を、と言うイワノフの言葉には、サイラスを伺うように見た。]
込み入った話があれば、また。
……耳の、酷く良い者も居ます。
名で呼び合うのは、避けた方が良いでしょう。
[提案をして。幾らかの言葉は交わしただろうか。
一度自室へと戻って行ったのだった。*]
…――。
[感情は伝わって来なくとも、まるで悪びれていないのは分かった。
周囲に分からぬようキリシマを睨む。]
そう…、敵でないならいい。
敵になるなら潰すけど。
[それが本心かどうかは推し量れず。
念押しをすると睨んでいた目を逸らす。]
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―書庫→会議場へ― [閉ざしたサイモンの目へと置かれた白手袋は瞬く間に赤へと色を変える。 柔らかな緑色の光が波紋を描くようにその周囲へと浮いては消えた。 最悪でも失明は避けるべく、目の治癒へと全力を注ぐが、特殊能力を持つ其れは、治療者の力を想定よりも多く奪う。
送る生命力は、譲渡を受ける連結先がなければ自身のもの。 想定外ではあったが、未だ慣れぬころ戦場でよくそうなったように、力を使いきって倒れる程ではなかった。何より治癒する人数が一人というのが大きいのだろうが。
そうこうしている間に医療兵が到着し、粗方応急処置を終えたサイモンを引き渡す]
傷口の洗浄と度合いをチェックしたら報告しろ。 いいな?では行け。
[立ち上がった瞬間、僅かな立ち眩みを見せるものの、すぐに何事もなかったかのように背筋を伸ばす。 血濡れの手袋。血濡れの軍服。一度見下ろしたが、第二師団長からの至急の召集の命を聞けば、そのまま会議室へと向かった。]
(114) 2011/03/23(Wed) 22時頃
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[着席する。両隣のラミケシュとヘクターに一応着替えてくる時間がなかったことを手短に詫びた。 >>80 外部犯の可能性、には深く溜息をついて首を振った]
…ありえません。
[>>81 ラミケシュがヨーランダに問うのを聞けば、やはり緩く首を振る]
聖殿にはディーン殿の力から開発された結界が施されております。 上手く動作していれば…いかにヨーランダ殿の千里眼といえども。
[>>108 イワノフからの問いにも首を振る。]
……先程一度意識を取り戻したと報告を受けましたが、 混乱されておられるのか―――どうにも要領を得ないらしいのです。 しっかりとお話を聞けるほど回復するのは数日かかるでしょう
[口惜しそうに軽く唇を噛む表情は、能力の行使後でやや蒼白だ]
(116) 2011/03/23(Wed) 22時頃
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[勿論。わざわざ書簡を残したのには、その意見を述べる為と言う狙いもあった。]
助手 ゲイルは、メモを貼った。
2011/03/23(Wed) 22時頃
≪ ……敵、になる予定も。
味方になる予定も、ないよ。いまのところ、は。 ≫
睨まれたのは気にしながらも、其方は見ることなく。
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[>>117 ベネットの言葉に、重い口を開く]
第二皇子を選帝するならば、これ以上の襲撃はない、か メッセージカードが残されていた意味としては納得できる推測です。
[サイモンの血で染まった手袋は今や乾いて赤黒い。パリ、と音を立てたそれを手から抜いた]
師団長が深手を負えば国力の低下につながるのも事実。 襲撃者の望む大戦だけでなく、私たちが望む”帝国の維持”すら不能になる可能性さえある。 脅しに屈せず正当な選帝を続けるか、襲撃による被害を―――勿論今後警戒していく故に簡単にやられるような諸兄ではないとは思いますが―――拡大を防ぎ国力を維持するために此方が折れるか…根競べでもする気でしょうか。 勿論正当に第二皇子が選ばれる可能性もゼロではなかったはずですが、昨日の時点では。
[襲撃者の意図への推測を述べると、一呼吸置いて]
第二皇子は、何かご存知なのだろうか…
(122) 2011/03/23(Wed) 22時頃
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…………。
敵で無いなら、いい。
ボクはそう言った。
[しかし、味方になる気もないというのに暫し、考えて。]
≪ なにも。 ≫
それだけは、確りと。
国の為。
それは、キリシマには無い思想。
……そう。
貴方はよく分からない人だね。
[確りとした答えに素直な感想を述べ。]
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[ディーン、ベネットが意志を告げるのを見、一度唇を結び、それから開く。]
私は、矢張りランドルフ殿下を推す。 今民に必要なの血で血を洗う大戦ではない。 例え甘かろうと、理想の現実に向かい死力を尽くす象徴だ。 そして、それを支えて行くのが私たち15師団の役目だと…そう思っております。
まずは一刻も早い犯人の捕縛と、処断を。 疑わしい者は一時能力遮断結界を施した部屋で待機して頂く事も考慮すべきかと。
[犯人がすぐに見つからなかった時の事は、 今は口にすべきでことはないと、敢えて触れなかった。]
(136) 2011/03/23(Wed) 23時頃
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[ディーンの宣言を受けて、瞬きを一つ。
湖水の奥で考えたのは。
己の言を受けての宣言と言う事であれば、恐らくは囮になる意図のものだろう、と。]
≪ きみほどじゃないよ? ≫
言われたことが心底不思議で、こちらも素直に応える。
[なぜ、大戦が血濡れの道で
和平が理想の道、になるのだろう?]
[大戦の先、統一を全うすれば
国境戦のない安寧になるのではないだろうか?]
[和平が成り立っても、
永遠に国境戦は、なくならない。]
[ガーランドの言葉に、
昨日のユ=シハの言葉も思い出し
静かに鳶色を伏せる]
なにが?
[更にわけが分からなくて、きょとんとした声を返す。]
この、『よくわからないの』、が、
とりあえず容疑者から外れるであろうことだけは、判る。
というのは、せめてもの救いだろうか。
などと、思っても送信されないように気をつける。
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師団長の以外の仕業では…ありえないでしょうね。
容疑者の拘束については、先程申し上げた能力遮断結界装置を城の一室に手配しておきます。 城の構造から考えて、窓の少ない救護室の隣が良いかと。 私を怪しまれる方が多ければ、自ら其処に待機することには異論ありません。
容疑者は、調べてみないことには、どう決めるかも決めかねます。
以上の3点でしたね。では、私ももう一度書庫へと向かいます。
[静かに席を立つ。矢張り一度立ち眩む。 できれば一度休憩したいものだ、若しくは誰かに”分けて”貰えればと思いながらも。 今はそんな時ではないと書庫へと向かった]
(149) 2011/03/23(Wed) 23時半頃
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