62 あの、夏の日
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[笑いかければ、ケイトはどう返してくれるだろうか。
――相変わらずなんだから。
そんな風に、言われる気がして。]
……ずっとこのままでいられたらいいのに。
[その思いは、少女のものではない。
遠い昔を懐かしむような大人びたもの。]
……大丈夫です、先輩。
[心配させてしまったと、穏やかに語りかける。
思っていた以上に落ち着いた音でそれは伝わるだろう。]
少し、胸が痛くて。
[苦くて、甘い痛みが身体を駆け抜けていた**]
嗚呼…そうだな…
全く、その通りだ…
[その同意は、男にだけ聞こえてきた言葉へのもの
微睡む意識の中、拙い言葉が紡がれていく]
どうして…皆、バラバラになってしまったのだろうな…
……あんなに、楽しく笑っていたのに。
[思い出すのは、先程の談話室での遣り取り。
混濁した男の脳は、少年の外見に似合わない言葉を生み出していく]
[大丈夫、と答える少女の声が耳に届いた。
意識が眠りの縁に居た男にとっては、その落ち着いた声はとても心地良くて]
そう、か…
メアリー、無理は…するな…
[やがて、言葉は途切れ途切れになり]
…俺も、胸が痛いよ。
[瞼が下がりきる直前。
まるで尊いものを見守る様な微笑を浮かべ、ノートに幾筋も差した細い日光を見つめては]
なんで…だろう、な……?
[呟きは遠く、離れていく風に乗せて**]
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-コンビニまでの道のり- [不意に野球部の話を振ってきた、ベネットの顔を見て、少しだけ間をおいた。]
そっか、ザックの様子、可笑しいのか。 でもさ、最近のあいつ一生懸命頑張ってるじゃんか。
[自分の抜けた穴を塞ぐ為に、とは口にしなかったが]
別に、何でも無いよ。 あいつの努力、報われればイイよなぁ。
[一度否定をすれば、その後は何も言わず、そっぽを向けば、野球少年達が試合をしていた。]
少年よ、大志を抱け!ってな。
[頑張れよっ!なんて心で呟いて、足はそのままコンビニへ]
(120) 2011/08/27(Sat) 20時頃
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-コンビニ- 全滅って、そんなバカな…って、マジかよ。
まあいっか、適当になんか買ってくしかねーべよ。
[ガリガリ君は全滅、その空間の横に積まれるホームランバー。]
これでいいんじゃね? っと、おぉーユリシーか。 いや、ユリシーに聞いてもしょうがねーだろーが。
[どうすっかなぁと、思いながら、コンビニの外をみる。 野球少年がバットをもって笑いながら歩いている。]
わりーベネット、これ俺の財布。ディーンとヨーランダから預かった金も入ってるから、これで適当になんか買って、帰ってやってよ。
[財布の中身を確認しないで、財布をベネットに放った。 今日は野球少年をよく見る。無性に球を投げたくなるのは何故なんだろう。]
任せた!お前も好きなのかってイイからさ。
(121) 2011/08/27(Sat) 20時頃
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-グラウンド- [今日は確か練習は休みだ。 だからグラウンドはきっと空いている。 この時期は誰もいないから、きっと空いている。 そう確信してやってきたグラウンドには、マリアがちょうど球を放る瞬間>>119 影で隠れて、覗きながら、彼女が去る姿を見送って]
ごめん、マリア、みんな……。
[ザックの様子が変、時たま見かけるあいつの顔はすっかり疲れていて。 きっといつもの倍以上練習をしているのだろうと、予測がついた。 前評判を考えれば、そのプレッシャーはきっと多大なものだろう。]
俺が抑えて、キャプテンが打つ。1点でも入れば負けは無し…か。
[そんな前評判から、守備と投手の評価は異常に高かったっけ。 ポケットにつっこんでいたボールを取り出して、マウンドに登る。]
ピッチャー振りかぶって……第一球投げた!
(123) 2011/08/27(Sat) 20時頃
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[渾身のストレートを、キャッチャーミットを妄想して投げた。 バスッ!という音は響かずに、壁に当たったパーンッという音がグラウンドに響く。]
おぉ、今の150kmは出てたんじゃない?
[最高の一球を放れたら、もっと投げたくなる。 こんなにも憂鬱な気分なのに、放った球は狙い通りに入り、 変化球のキレも鋭ければ、ストレートのノビも抜群だった。]
今日が甲子園決勝で、俺が先発投手なら、絶対に優勝できるな。
[確信めいた言葉を吐いて、マウンドに座り込んだ。]
あのっ…クソ監督!野球は9人で、チームでやるもんなんだよっ!
(124) 2011/08/27(Sat) 20時頃
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先輩も、無理しないでくださいね。
こんな暑いんです、倒れちゃいますよ?
[ふふ、と零した声は聞こえただろうか。]
……ディーン、先輩?
[徐々に途切れる言葉に問いかけるも、ただ風が通り過ぎていくだけ。]
本当に、どうしてでしょうね。
こんなに楽しいのに。
……苦しいです。
[呟き、僅かに目を伏せた。
けれどこの思いは自分ひとりのものだけではないのだと知っている。それが少し、嬉しかった。]
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[目を閉じて妄想するのは、自分がマウンドに上がらぬ試合。 自分の代わりに投げるのはザックで、最終回、ザックが投げて……。 そして、押し出される三塁ランナー。]
って!なんて不吉な妄想を……。
[顔をパシンッ!と叩いて目を開いた。]
押し出しで負けって、そりゃザックのコントロールは良くないけど…。
[だが大切な試合の最終回で押し出しなんて酷い投球…。]
そりゃ、ザックは精神面は異常に弱いけど、プレッシャーかかると途端にコントロールがガタ落ちするけど…。
[妙にリアルになっていく妄想、何故かそれが現実になる気がして]
…考え過ぎ、だよな…。
(133) 2011/08/27(Sat) 21時半頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2011/08/27(Sat) 21時半頃
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変な事考えてもしょうがないな。 とりあえず、ジュースでも……。
[取り出した財布を見て、顔を青くした。 財布は普段、二つに分けている。 一方に入っているのは精々2000円程度。 もう一方の財布は、グローブの買い替えや、スパイクの買い替え用に貯めている、貯金用(3万円程入っている)]
ベネットに貯金用、渡しちまった。
[財布の中身は諦めた…。]
(141) 2011/08/27(Sat) 22時半頃
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テッドは、ベネットの笑みの意味を、ようやく今悟って、絶望してた。
2011/08/27(Sat) 22時半頃
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[止めに行った方が良いだろうか? いや、今から戻っても手遅れだろう。そう納得してしまった。]
ま、いっか…どうせ、もう新しいものに買い換える事もないだろうし…。
[そう、すでにやめてしまっている以上、練習によって痛む事もなければ、買い替えが必要になる事もないのだから。]
キャッチボールやりてーなぁ。
[そう呟きながらも、再びマウンドの上から投球練習を始めた。]
(155) 2011/08/27(Sat) 23時半頃
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[夢を、見ているのだろうか?]
[薄暗い店内、酒と遠くから流れてくる煙草の匂い。
そして思い出話をする男女の大人達。
彼らの声は変われど、何処かで聞いた事がある様な]
[同時に入り混じる、寮の談話室と廊下の風景。
湿度の高い空気、談笑する少年少女達]
ん…
[メアリーの声が聞こえる。
同時に、意識は夢から引き剥がされて]
……
[…苦しいと、メアリーは言っていた気がする。
でも、その声は何処か嬉しそうな気がしたのは。
その声色に、自分も微か嬉しく感じたのは、気の所為なのだろうか?]
ああ――
[寝呆けた頭では、結論には達せずに通行止めをくらって。
気の抜けた呟きと共に、空を見上げた]
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手遅れだろうけど、取り戻してみるかな。
[思いっきり投球を繰り返せば、少しだけ気分が紛れた気がした。 ボールをポケットに入れて、グラウンドを出る。 それから、一度だけ振り返って]
…あざっしたー!
[深々とグラウンドに向けて頭を下げた。 明日以降はきっとチームメイト達も自主練に来るだろう。 そうなれば、自分がこのグラウンドにくるのは、これが最後になるだろうから]
さてと、コンビニへ行くかね。
(162) 2011/08/28(Sun) 00時頃
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-コンビニ-
[パパッとコンビニに戻れば、大量の花火を買い込むベネットの姿。 ま、わかっていたけどね、と苦笑しながら]
おいベネット、お前財布の中身、バッチリ見たのか…?
(164) 2011/08/28(Sun) 00時頃
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