233 逢魔時の喫茶店
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[おはようと、獏からの言葉に挨拶代わりに笑みを向けて、手元は別の客からのオーダーに忙しい。
もしリツがこう言った店に馴染みがなくとも、きっと映画やドラマで目にした事のあるシェイカーを振って、
使うのはジン、レモンジュース、チェリーリキュール。
兼のワイバーンに差し出したのは、逆三角形のグラスに注がれた、軍用機の名を持つ白いアヴィエーション。]
今度?夜に?
――別に構わないけど、
…トレくん、珍しーね。
[夜に遊びに行くなんて。
新しく友達でも出来た?なんて聞いてみようかとしたのだけれど、それは人のプライベートなので別にいいだろう。
そもそも、お互い子供じゃないし。
まさかその『友達』が自分もよく知る奴とは思いもせず、OKの返事は早急に。
日にちが決まったら教えてねなんて言って、望むなら、日中も休みを出そうか。
ひっそりと持ちかけられたお願いに同じくひっそりと答え、おねだりの様なそれに肩を揺らして笑う。]
ほい、雲の糸できたぜ
[出すと同時、別の料理に取り掛かる。
暫くは厨房は、忙しいようだ**]
お待たせしました
コーヒーと、コーヒーです
お間違えのないよう
[深く濃い香りが立ち込める方を、リツへ。
続いて、芳醇、かつ不思議な香りを湛えた方を、エフへ。
シェフの気持ちが籠った、最初の一杯。
求められれば、それぞれの豆の違いを説明しただろう。
配膳は勿論、二人の会話の隙間を狙って。]
[続いて完成した雲の糸。
ドラゴンの鱗と違い稀少性が高いのか、
試食を頼まれたことはない。
盛りつけこそ可愛らしいが
なんとも形容が難しいそれを何食わぬ顔でトレイに乗せて。]
お待たせしました
[エフの前に運ぶ。伝票などの管理はコテツ任せなので、
そのまま軽く一礼すると、新たな注文を受けにテーブル席へ。]*
ん? んー。まあ、そんなとこ
[休みが貰えない、ということはないだろうと思っていた。
言い出し難かったのは、理由を聞かれた時に。
なんと答えたらいいか困る気がしたから。
客観、ありふれた約束でも。
トレイルにとってはそうじゃないと、こんな時まで意識して。]
――…ありがと、ホレさん
長年、つかず離れずの距離で共に過ごしてくれた、
数少ない人間の、友人に向けてはにかむような笑みと共に礼を。]
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−とある日の−
[その日、いつもより早く目が覚めた。 何か夢を見た気がするが、覚えていない。 寝汗が滲む前髪をかき上げ、シャワーを浴びる。
――緊張、しているのかもしれない。
数日前、店主に取りつけた夜の、休日。 今夜日付を越えたら、その日となるから。
あの日、貰った言葉を。触れた先を。>>24 疑っているわけじゃない。ただ、自身がないだけだ。
過るのは過去の記憶と。 つい最近知った――死と名のつく、絶対で永遠の別離。]
(41) 2015/08/07(Fri) 22時半頃
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……深く考えないで 楽しめば、いいんだよ、な
[いつも通り。できればあの時より更に、昔のように。>>25 酒を、言葉を交わして、また来年って笑顔で手を振って?
脳裏に描くシミュレーションは問題ない。 後は、実践するだけ。
それよりまずは昼の営業だ。 >>0:234彼に褒められた勤勉さは、唯一の取り柄でもある。]
(44) 2015/08/07(Fri) 22時半頃
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別に、いーって。
[そういう顔をされるとくすぐったい。
彼には世話になっているし、沢山働いて貰ってるし。
つまりはまあ、お安い御用と言う訳だ。
歳の近い、世界も近い同族の彼。
お互いヒトとアチラの狭間で感じる事も葛藤も其々だけど、店員と雇用主と言う関係ではなく、もっと親しい間柄と思っているのは、さてお互いだったかもしれない。]
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− cafe ≪Twilight≫ −
行ってらっしゃい
[客より店員の多い現状で、店主の外出を止める理由はない。 いざとなったらケイがいる。 トレイル宛に何もないのは、>>39 今夜休む代わりに昼頑張ると宣言済だからだろう。]
そーいやゴドウィンさん、 最近見てないなー
[追悼会以来、ファミリアへは1度行ったきり。 聞き上手で穏やかなバーテンダーの事を思い出し、 元気にしているだろうか、なんて考えながら。
朝兼昼食のサンドを齧り、コーヒーを啜り。 ケイが借りて来たのとは違う、薄い絵本をめくる。]
(47) 2015/08/07(Fri) 23時頃
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[東洋のとある妖怪をモチーフにしたそれは、 アッと言う間に読み終わってしまった。
手持ち無沙汰になればケイの周りに積まれた、 付箋だらけの本を一部拝借したり。>>36 デザート代わりに、マドレーヌを頂戴したり。
こんな風に過ごしても、出勤さえすれば給料が貰えてしまう。 道楽、とはよく言ったものだ。]
(51) 2015/08/07(Fri) 23時頃
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トレイルは、ホレーショーへの「いただきます」はこころの声で。きっと届いただろう
2015/08/07(Fri) 23時頃
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括るなら……バスケ?
[昼下がり。気の知れた者しかいない穏やかな時間。 ここ数日が異常な賑わいだったとも言える。
コテツが発したのは何かの暗号か、呪文か。>>54 それとも、以前話していたネトゲというやつについてか。 横からページを覗いてみてもちんぷんかんぷんで、 返事を要しない独り言を呟く。
解ることは、ひとつだけ。 目の前で変化への学習に励む男が蛇に変わっても。 ヒトとほとんど変わらない男が、実は天邪鬼でも。]
(57) 2015/08/07(Fri) 23時半頃
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トレイルは、ブローリンの正体が、たとえ悪魔だったとしても。
2015/08/07(Fri) 23時半頃
[まだ、とゆっくり話していい>>+40、に二重の意味で了解したと頷く。
それから、メモを一筆。カウンターの客は初めて来る人間の客だということを、他の客にもこそりと伝えるべく、2〜3枚用意して、オーダーのグラスの下に忍ばせた。]
もう少し、ここに、慣れたら。
[話に興味を示すようだった>>+44ので、この適応力があればいいかと思いながら、まだ一杯のコーヒーでも新鮮な様子>>+42に情報量を制限しようと多少の気遣い。]
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[あの男が、何者であっても。 ――気持ちは、変わらないということ。
静かに瞼を伏せ、絵本を指でなぞる。 一番後ろのページに挟まれたカードは、まだ白紙。
誰も信じない、頼らない、期待なんてしない。 そうして生きてきたつもりだった。 でも、そんなことはなくて。
養父が残してくれた環境は、思いの外優しかったと。 気づいたのはつい最近のこと。 この店がなければ、彼らがいなければ。 トレイルはとっくに、戻れない処まで堕ちていただろう。]
(59) 2015/08/07(Fri) 23時半頃
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[食器も磨き終わり、ドアベルは未だ鳴らないまま。 そわそわと落ち着かなさをあれやこれやで誤魔化している。
その中のひとつでもあった、呟きに。>>61 返す声があれば、ほうと頷きコテツの指を目で追う。]
ああ、前に言ってたみたいに協力して? なんだったっけ、えーっと
コテツが連れてきて、 ケイとブローリンさんが受け止めて それから……
[難しそうだが、興味がないわけじゃない。 以前聞いた説明を思い出し繰り返し。>>1:239]
(65) 2015/08/08(Sat) 00時頃
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ホ、ホレさんなら出かけてくるって どこ行ったかは、知らない
[言いかけた言葉は飲み込み、後半の問いついて ケイとほぼ同時に答える。 お互い子供じゃないから聞かなかった、と言うより。 尋ねる前にそそくさと出て行ってしまった背中。]
えっ? 何、それ そういやケイの初狩りって何だったの
[言いたいことは何となく解るものの、 人狼の息子の運動神経は一般男性の平均レベル。 意味わかんない、と首をひねりながら 客がいない今だからできる問いで話題を逸らそうと。]
(69) 2015/08/08(Sat) 00時頃
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なんも、ないってば……普通、
[二人の性格は理解しているつもりなのに、 ついつい余計に興味を煽るような態度を取ってしまう。 余裕のない証拠だ。
ちなみに今夜は非番ということは伝わっているだろうが、 予定等は一切、話していない。
どうせ遅かれ早かれ知られることではあるし。 予め知られても、困ることなんてないはずなのに。
普通の、ただの、約束なはずなのに。]
――…どうも、しないよ 俺を襲うって言うなら、逃げるけど
[本当か嘘か、真意は掴めないがどちらでも反応は同じ。 トレイルにとって人間は、取るに足らない生き物。 もちろん中には例外もいるが、今でも大概が、その対象。]
(72) 2015/08/08(Sat) 00時半頃
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戦わないってば!
[たとえ倒し方を知っていても。教わっても。>>74 ケイと対峙なんて、冗談でもできるわけがない。
大事な仲間だから、という以外に。 "夜"の姿を、コテツとの応酬を飽きるほど見ているから。]
もう。わかってて言ってるでしょ
[呆れたように嘆息しながら、コテツの肩を小突く。>>77 そんな他愛のないやり取りをしているうちに、 多少は気持ちが落ち着いてきた、気がする。]
(80) 2015/08/08(Sat) 00時半頃
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甘いのね、わかった。
[呼びとめられた声>>+56に注文を受け取って、要望は甘いカクテル。>>+52
シェイカーは使わない。取り出したミキシンググラスに注いだのは、二つの黄金。
片方はビールと、もう片方はジンジャーエール。
何時も使う辛味の強い物ではなく、甘い砂糖の混ぜられた炭酸飲料。
風味はやや薄まるだろうが、甘みを求める彼にはきっと飲みやすいだろうから。
冷えたそれらをバースプーンで混ぜ合わせ、きっと見た目は、ビールと同じ。
背の高いゴブレットグラスに移し替えカウンター越し静かに置けば、黄金のシャンディ・ガフの中で炭酸がパチリと弾けた。]
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[ケイの方はまだ何やら楽しそうに此方を見ている。 出会った頃のことはあまり覚えていないが、
夢か現か。本来の姿で遊んでもらったような気がして。 その時は今よりずっと落ち着かなく、 そして目一杯はしゃいでいた。何も知らず、疑わずに。]
だーかーら、戦わないってば タスケテ、メンゴ! で見逃してよ
[人間の味と蛇の味についてはノーコメント。>>81 この辺は深く考えてはいけない領域だ。
自然と笑みを浮かべながら、ふざけていたから。 扉が開く音に気づくのに、一拍遅れて。]
(86) 2015/08/08(Sat) 01時頃
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[――反応したのは、名前を呼ぶ、声。 弾かれたように振り返り、くちびるが半開きのまま固まる。
唐突な呼び声に対する、単純な驚きと。 夜まで会えないと思っていた顔が見られた、その喜びと。
今日もまた、一人での来店ではなかったことに。>>89 何から処理していけばいいのか、追いつかない。]
……い、らっしゃい?
[あきらかにいつもと違う、 ぎこちないトーンで出迎えの挨拶を返し。 好きな所にどーぞと案内して、それから更に数拍置いて。]
(90) 2015/08/08(Sat) 01時頃
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[ヴェスパタインの、一連の行動の中で。 何が一番違ったか、常ではありえないことは何か。 反芻すれば動揺のあまり、グラスを落としそうになった。]
――…な、 ……
[あんな、温度を感じる声で呼ばれたのは初めてだ。>>84 それとも、トレイルが密かに抱く想いが、 己に都合のいい響きで耳に捉えさせたのか。 経験がないことなので、判別がつかず。
今は何も含んでいない口腔を、掌で覆う。 からからに渇いているのは、先の雑談が原因じゃない。 彼の訪れのお陰で店内は涼しさを増したはずなのに。 ――じわりと、汗が滲む。]
(92) 2015/08/08(Sat) 01時半頃
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[平静を取り戻すまでに、秒針が何周か進んだ。 氷の入った水と、用意したのはコーヒーフロート。 それぞれをトレイに乗せて、テーブルに運ぶ。] 外、そんなに暑かった?
[何テンポも遅れてから、ゴロウにも挨拶と声をかける。 約束を果たしに来たというなら、>>89 接客はその相手に任せるつもりで。>>91]
(96) 2015/08/08(Sat) 01時半頃
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あー……えっと ゆっくり、してって。ふたりとも
[店主の不在については、コテツの説明通り。>>95 ヴェスパタインの、予想外に早い来店については。 何とも言いようがなく、ただ。
――悪いことではないと、暗に告げるように。>>50 去り際、テーブルの陰。 紺の布地をちょんと、指先で引っ張る。 今はこれが、トレイルの精一杯。
コースターの上に置かれたコーヒーフロート。
覚束ない手つきで盛られたバニラアイスは、 先日のものより歪で、少し量が多かった。]**
(97) 2015/08/08(Sat) 01時半頃
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[決して広いとは言えぬ店内。
今夜もあちこちで賑わいを、
時に艶めきを魅せている。
初めて来店したリツが、
どう過ごしているか気になりはしても
時折追加されるオーダーを受け、
配膳する以外は声をかける暇もなく。
コテツのちょっとした計らいや
何より隣にエフがいるから、
さして心配はしていなかったが。]
[回るメモという店員の気遣いに、ホントよく出来た子達だなあ。なんて大変感心して。
やっぱりこの店は自分がサボってても安泰だと、昼間のサボリ算段をつけ始める。
そうだな、一日ぐらい店開けっ放しでぶらついても、何も問題ないだろう。
そもそも昼なんて営業してるようでしてない事の方が多いし。
回ったメモの代償として代わりに他の客からひそひそ話を聞かれるのは自分なのだが、求められれば少しを喋って、しかし深い場所まで知らないから、エフの連れてきた可愛い子。そこまでしか、自分も話す事は出来なかっただろう。]
ケーくん、エスプレッソ一杯頼めるかな。
こっちで"使う"から、エフィさん用に。
カップはこっちで、一度入れ替えるから。
[そう言えば、厨房の彼はカクテル用と分かってくれるだろう。
彼のエスプレットが仕上がるまでの間、ブランデーを適温まで暖めておく。
あまり続けてコーヒーを出し続けるのもどうかと思うが、獏は普段からコーヒーばっかり飲んでるし。
他の味覚の好みを多く知らない上に、夢の入荷はウチには無いのだ。
透明な耐熱ガラスのコーヒーカップに注いだのは、ほんの少しの、苦いエスプレッソ。
それを温めたブランデーと混ぜ合わせ、砂糖はナシ。
熱い液体の上部に甘くないホイップクリームの層を敷いたのなら、ガラスのソ−サーの上に乗せて、]
お待たせしました。
カフェ・コレットです。
[砂糖は彼には、必要無さそうだから。
これならきっと飲める筈。]
[次いで出てきたのは、ほんのりオレンジの香りのする冷たいカクテル。
頼んでないと彼が言うなら、サービスだからと微笑んで
レジ横には、まだ彼用のメモが貼ってある。
使ったのはオレンジジュースと、オレンジリキュールと。
逆三角形のグラスに注いだ色彩が半透明なのは、生クリームを混ぜてあるから。
クリームリキュールなら、きっと彼も飲みやすい。
店内の淡い光に照らされた顔は色々と、少し余裕がなさそうだったから、
カクテルの名はゴールデン・ドリーム。
隣の男の傍で、静かな、眠りを。
ただアルコール度数は少し高めであったから、もしかしたら酔い潰してしまったかもしれない。]
…?
[半透明で無く不透明か。
生クリームの分量を間違えたかなと、もう一度作り直して。
気付いたのが出す前で良かったと、珍しい失態に肩をすくめた。]
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……うん
[ケイの、こういうところがずるいと思うし、 同時に敵わないなと、尊敬もしている。>>111 これまでも、目に見えない様々な場面で 随分助けられてきた。 本人に自覚があるかどうかは、わからないが。]
今なら珍しいコーヒー、飲めるよ
[注文について、ゴロウにそんな揶揄を飛ばし。 テーブルに写真が広がれば、コテツの背を押すだろう。
ニホンについては勿論興味があるから そのうちさりげなく輪に混じるつもりで。
写真以上に、目の前で揺れる黒糸に視線が 奪われるだろう予感は、きっと当たる。]**
(115) 2015/08/08(Sat) 16時頃
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