42 廃棄人形ーeverlasting love marionetteー
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彼女の事情の全てを察することは出来ないが、「お父様」という単語に幾許かの親近感を覚えた]
これ…あの部屋の?
…まいったなあ、あそこの資料って結構珍しいの多いから…。
それにそうでなくても、図書館って全部の本に番号振ってあるだろ。
下手したらそっから足がつく。
[そう言って困ったように視線を宙に投げる。]
できるなら、燃やしちまうのが手っ取り早いかな…。
・・・そうだったんですか。
・・・・・・危ない所でした。
燃やす・・・ですか。でも私は火を扱えませんし・・・
[サイラスの言葉に困ったように少しだけ眉を下げ]
・・・・・・さっそくですが、お手伝いしてもらってもいいですか?
[サイラスに聞いた]
分かった。多分、俺なら上手いこと処理もできる。
[仮に足がついたところで、それで身が危険になるのは少女ではなく己。
先ほどまで青い顔で怯えていたのに、今はあまり怖いとは思わなかった]
じゃ、こっちに貸してくれ。
[差し出した手の意味は、周りの人間には分からないだろう]
はい、よろしくお願いします。
[差し出された手に本を手渡す]
[人通りの少ない角のたばこ屋で、普段は吸わないたばこと、ライターを買った。
その次は雑貨屋でカッターナイフ。
全ての買い物を済ませたら、それらを持って公衆トイレへと駆け込んだ。
ここで本を切り刻み、枯葉と共に火をつけるつもりだった。
このまま水に流してもよかったが、全てをそれで処理するには時間がかかりすぎる。
すぐに流れる分だけを処理して、ページを減らした]
ふーっ……。
[なにせ人を殴り倒せるほどの本だ。
かなりの量があって骨が折れたが、ゆっくりもしてられない]
[思いついた軽口があるにはあったのだが、
今は言う気分になれなかった]
若者が悩む内容なんて、色恋沙汰に決まってんだろ。なんて。
[言える訳がなかった]
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