149 【凍った】カオスバトル決戦【リス】
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[森の中をひた走る。 足場の悪さは夏生の疾走に余り影響を及ぼさない。硬く重たい筋肉では無いが、バネのようなしなやかさが抜群のバランス感覚を生み出している。 草の生い茂る悪路を一度も転ぶ事なく廃屋に辿り着いた。]
……っぐ、
[どさり、と床の上に生ハム(原木)を投げ出すと、律木を膝の上に抱きかかえたまま、壁に凭れてずるずると座り込む。右脇腹に鈍い痛みが走る。 走り出した瞬間に背後からの一撃、ゴリラーーではなく、伊藤の放った凶器…恐らくは、凍ったリスであろう。]
っは…やるじゃ無ェの、伊藤サン。
[ぜいぜいと乱れた息の合間、苦笑と共に漏らした。 凍ったリスとかノーマーク過ぎる。今後あの武器には気を付けねばなるまい。
己の油断を省み、額を滑り落ちた汗を拭おうと片手を上げてーー思い出した、膝の上の女性の存在。
青い顔で口許を押さえる、律木 市。]
(165) 2013/10/23(Wed) 22時頃
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う、うぁ、うぇあああ!ご、ごめん!勝手に触ってごめん!
[律木の背中を支えていた腕や密着した箇所から感じる女性らしい柔らかさに一気に血の気が引く。
しまった。やらかした。
頭に血が登って何も考えていなかった。慌てて手を離し上体を逸らして彼女と自分の距離を開こうとする。 最も、膝に律木を乗せたままでは大した効果は無いのだが。
自分から攫った手前、退いてくれとも言えず。 動揺丸出しの困った顔で、夏生は律木の反応を待った]
(172) 2013/10/23(Wed) 22時半頃
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……っっ、ご、ごめんて。悪気は無かった、やましい気持ちで触った訳じゃ無ェし、その、ちょっとした手違いなんだ。
[警戒露わに自分の膝から跳び退った律木に、よく分からない弁明をする。
いくらコロシアイとは言え、武器で殺傷するのと許可無く女性に身体的接触を図るのは別、…別か?いや別だ。うん、少なくとも夏生の中では全くの別問題であって。
何か布の切れ端に包まれた武器らしきものを構えてこちらを睨む律木が、酷く怒っているように見える。
それを見れば見るほど、誤解を解かねば、と内心焦る。 言い訳がましくとも不名誉な誤解よりはマシだ、先ずは冷静に、冷静に、律木を落ち着かせなくてはいけない。
夏生は壁に凭れた姿勢は変えず、恐る恐る、といった感じで慎重に言葉を紡ぐ。]
え、…えと…、こ、殺した方がよ、良かった?
(179) 2013/10/23(Wed) 23時頃
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殺させない…僕の、大事な仲間を……。
[そう、ユリちゃんは僕の大事な仲間。初めての仲間。
世間は僕が勇者である事を認めてくれない。
だけど…ユリちゃんだけは、僕を認めてくれる。
大事な無二の仲間を、こんなとこで殺させるもんか!]
ユリちゃんは僕が守る!!!!
[僕は、もうユリちゃんをこの手で殺すなんて事を考えていなかった。
──否。
彼女が誰かに殺されるくらいなら、僕が殺す。]
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…………。
[どうやら触ったことでお怒りでは無い模様。安堵感に、ふ、と軽く息を吐いた。
>>182少し和らいだ視線に緊張を解いて、座り直す。 何とか変態という名の紳士の汚名を着せられる不名誉は回避出来たらしい。
胡坐をかいて、痛む脇腹に手を遣る。 律木が見つけた会話の糸口は、夏生にとって打撲の痛みよりも遥かに重い。
促されているのだろう。床に視線を落とし、そうと言った。眦に、愛おしさと幾許かの哀惜を滲ませて。]
……妹とね。間違えたンだ。それだけ。
[だから、『手違い』。]
(187) 2013/10/23(Wed) 23時半頃
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[ままごとに付き合うのも家政婦の仕事だ。
確か二人は勇者と従者(という設定)だったか。]
(ふむ、ならアタシは―――)
[さしずめ、1ってところか。
1. 勇者に試練を与える神様
2. 勇者を導く魔法使い
3. 勇者に加護を与える泉の精]
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……はは。ま・ふにゃふにゃのちびガキと成熟した女性を一緒にしちゃ悪かったよな、どのみち。
[意図を読んだらしい律木に、がしがしと髪を掻き散らし、へらり笑みを向ける。
唯一の武器である生ハム(原木)は少し離れた床の上。それを手にする素振りも無く、夏生は再び視線を床に落とした。
ひらひらと律木に手を振る、退出を促す仕草。]
言ったろ?アンタにはロリコンの唾液が染み込んだ生ハムなんてけったいなモノ使わ無ェって。
……行って。 森ン中は人数が多い。上手に迂回しな。――気ィ付けて。
[言うと、返事を待たずに目を閉じた。 律木が出て行っても残っても、夏生は何も言わないだろう。]
(195) 2013/10/24(Thu) 00時半頃
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[僕の視線は、芙蓉さんの胸元に注がれる。
ふくよかな胸元に僕は興味がない。
狙うはただ、心臓。]
[懐に飛び込んできたノックスの狙いは心臓。
しかし、家政婦がそんな簡単に殺されていては雇い主の身など守れたものではない。]
[鍔競り合うためのチュッパチャプス一本とは別に、脇からもう一本のチュッパチャプスを取り出す。
カウンターを狙って、飛び込んでくるノックス勇者の心臓に返しの刃(芯棒)を刺しに行く。]
[はたしてノックスは風車に挑む愚かな勇者なるや?
その真価は、この攻防が見定める―――!]
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……、さて、と。
[>>198ちいさく礼を述べて出て行った律木の気配が遠のくと、ゆるりと立ち上がる。
シャツを捲って脇腹の状態を確かめる。表皮に損傷無し。僅かな腫れ認められる、おそらく鬱血するだろう。
荒れた廃屋を家探しし、程よい手桶と埃を被ったタオルを見つけてくると、少量の飲料水を注いで浸した。
軽く絞ったタオルを患部に当てる。 打撲は初期対応が大切。冷やすに限る。 幸い、凍らせたリスがある程度の硬度を保っていられるような気温だ。ペットボトルの水は十分に冷えていた。]
……りっちゃンが無事に森を抜けれますように。
[死角の無い壁際に座り込み、全力疾走した身体を休ませる間。 今、ひと時くらい、彼女の味方でもいいだろう。
膝を抱え込むようにして、夏生は短い休息に入った。]
(226) 2013/10/24(Thu) 01時半頃
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[僕の太刀筋は見破られていたのか、彼女はカウンター攻撃に出るような動きを見せた。]
甘い──!
[先手必勝、先に動いた僕の方に分、そしてリーチの差が僕らの命運を分けたようだ。
しかし、神に上り詰めた芙蓉さんのこと、チュプスを手放し、カウンターの手を緩めるとは、思えなかった]
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