52 薔薇恋獄
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― 自室 ―
阿呆っ……―――
[楓馬の口から零れた言葉に、思わずそんな単語が零れた。 頬を撫でられれば拒むことはないけれど、眉間の皺が消える事はない。
揺れる碧を見降ろしながら] 『楓馬』を好きな人たちの想いを否定するのか?
――……今、ここに居る俺の存在も否定するのか? 俺は……お前がいなかったら、生きてはない、のに。
[心の裡、上手くない言葉で噛み潰すように落とす。
見降ろす碧の傍に雫がある。 泣かせてしまったかと思えば、それは上から落ちていて、 己が泣いているのだと知る。]
(170) mitsurou 2011/05/27(Fri) 11時半頃
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お前は、俺に、 俺が居なくなれば良かったと言わせたいのか?
[己がいなければ……という想いは、自分にもある。 そして、それは楓馬が、自分がと思えば思うほど深まる想い。]
俺がいなければ、楓馬は蘭香を迷わず選べたかもしれない。 もしかすれば、浜那須先輩の想いにも応えられたかもしれない。
なぁ、俺が、そう想ってなんかないって、思ってるのか?
[言ってはいけないと思えども、止まらなかった。 それほど、今まで1人で抱えていた想いは重い。冗談でなく。]
(171) mitsurou 2011/05/27(Fri) 11時半頃
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ディーンは、文先生いってらっしゃーいノシぶんぶん
mitsurou 2011/05/27(Fri) 12時頃
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― 自室 ―
――……悪い。
[引き寄せられて、抱き締められて、はっと我に返る。
あの件の最中から、どうにも涙腺が弱い。 感情を押さえる箍も、直ぐに外れてしまう。]
(177) mitsurou 2011/05/27(Fri) 12時頃
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大切なんだ。楓馬、お前が……。
そんな風に思っても、誰かに悪いと思っても
大事なんだよ、楓馬。
[伸ばす腕、ぎこちなく、けれど躊躇うことなく抱き締める。 身体を満たす、彼の香りと温もりに、また緩む眦。
――……だから、そんなことを言うなとは、もう言わない。
多分、同じように選べなかった人に想いを馳せながら、 それでも腕の中の温もりは、だからこそ離さない。]
(178) mitsurou 2011/05/27(Fri) 12時頃
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― 自室 ― [首が振られる感触。 おそらく、2人生き続ける限り、俺が、いや俺が……――と言い続けるのだろう。 けれど、それすらも2人だからできること。
そして、聴こえる 俺も の声も。
嗚呼、だから矢張り、罪悪感があっても繋がって生きて行きたいと思う。]
――……嗚呼、行こう。
[眦を舐められたなら、少し驚いた顔をするけれど。 返しに同じ位置に、唇を落とした。
笑う顔に、ぎこちなく頬を持ち上げながら、身も起こし、差し出す手。
楓馬を起こすために。 楓馬と繋がるために。
――……共に、歩いて生ける(行ける)ように。]
(181) mitsurou 2011/05/27(Fri) 13時頃
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ディーンは、ユリシー先輩酷過ぎるwwww
mitsurou 2011/05/27(Fri) 13時半頃
ディーンは、野口先輩に同意した。
mitsurou 2011/05/27(Fri) 18時頃
ディーンは、てつ先輩、大事なことだから3回言っただけですよね?(なでこ
mitsurou 2011/05/27(Fri) 20時半頃
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― 或る夏の日 ―
[ジージーとアブラゼミの声が五月蠅い中、学校へ向かって歩く。若干、通常より3割増しで眉間に皺が寄っているのは、暑さの所為だけではない。]
補講か……―――。
[ぼそっと呟く声は低い。 今まで1度たりとて補講と名のつくものに出席したことはなかったのに。確かに、礼の件で日数が危うくはなりかけていた。それでも、自分が出て、同じクラスで同じ部員の楓馬が隣に居ないのは、迂闊にもあの後風邪をひいてしまった時期があったからか。]
―――……あっ。
[がらっと開けた指定された教室の扉。 監視の教師の姿が――……鳴瀬であることに気がついて、小さく息を飲んだ。どうにも、あれ以来、やはり少し間柄はぎこちなくなっている。視線があってもあわなくても、小さく会釈を向けて、席についた。
やがて配られるプリント。 そこまで難しいものでなければ、鳴瀬が回ってくるころには出来あがっているだろう。少し困った顔をして、採点される時を待っている。]
(207) mitsurou 2011/05/27(Fri) 21時半頃
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― 夏の補講 ―
[プリントは、おそらく1番に解き終えて。 けれど、なかなか立ち上がって教壇の鳴瀬の元に行けない。
ぼぅっと窓の外を見ていた。 楓馬の眸の色に似た、桜の葉の碧が夏の陽に眩しい。 どれくらいそうして居ただろうか。 気がつけば、自分以外に4人程いた補講生の姿は、もしかしたらなかったかもしれない。 そもそも成績が悪くて呼び出されたでなければ、そのようなものだろう。
まるで、一対一を狙っていたかのようになってしまい、困惑する。 それどころか、出来れば避けたいと、思ってしまうのは仕方がない。]
――……鳴瀬先生、できました。
[それでも、ずっとこうしている訳にも行かず。 意を決して窓際の席から腰を浮かした。 向かう先は、教卓だったか。 差し出すプリント――……視線は合わない。合わせない。合わせられない。]
(219) mitsurou 2011/05/27(Fri) 23時半頃
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ディーンは、でも、紅子さんほど甲斐性はない俺。名字甲斐なのにな!!
mitsurou 2011/05/27(Fri) 23時半頃
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[始発電車、ボックス席になっている個所に2人並んで座る。 あの時、マイクロバスの中でそうしたように、楓馬に肩を貸して、眠ることはなかった。 あの時と違うのは、周りに部員が居ないこと。 そして、密やかに膝の上で絡める手の存在。
時折、窓の外、流れる風景を見ていた。
ボックス席の前の席を、嗚呼、そう言えば3人で電車で出かける時は、ボックス席を使うことはあまりなかったなと思いながら見詰めていたのは、目指す駅の1つ前の駅ぐらいだったか。 誰か1人があぶれてしまうから……と、それは暗黙の了解だったように思う。
もし、連れて帰ること叶うなら、帰りは横並びの席に座ろうと、ぼんやりと思った時に横顔に視線を感じた。]
――……嗚呼、起きたか? 次の駅で降りるぞ。
[少し固まっていた表情をぎこちなく笑みに崩して言葉を紡げば、丁度電車が減速していく頃合いだった。]
(226) mitsurou 2011/05/28(Sat) 00時頃
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― 土砂崩れの現場 ―
問題ないさ。キャリーバッグ抱えている訳でなし。
[最寄りの駅から、もくもくと無言で歩いた。 手は……流石に繋げない。 多分、楓馬も同じ気持ちだったろうか。 その事が、少し息苦しい空気の重さに繋がって。 だから、現場についた時、かけられた声に少しだけ安堵の息を吐いた。]
―――……。
[荷物の中から眼鏡を取り出す。 前使っていたものは、おそらくこの土砂の中。 新しい眼鏡は、前のものより少しだけ度が強い。 かけたときに開ける視界に、クラリとしながらも、少しの想いの残滓も見逃さないように紫の眼を眇めた。]
(227) mitsurou 2011/05/28(Sat) 00時頃
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― と或る夏の補講日 ―
[プリントを差し出せば、鳴瀬は黙々と教師の任を務め始めた。 その間の手持無沙汰、泳がした視線の先に古文の指導書。 ふっと、唇の端を歪めた。
踵を返して、少しの間だけ、窓際の席に戻った。]
いまはただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで 言ふよしもがな
[丁度、鳴瀬が採点を終わったタイミング。 ボソリ1つの唄を紡ぐ。 貴方を想うことは止めたけれど、せめてそのことを人づてでなく伝えたい――……そんな内容の百人一首。]
(239) mitsurou 2011/05/28(Sat) 00時半頃
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……平安時代は、手紙で想いを伝えあうのが主流だったようですね。 だから、先生に手紙、書いてみました。
[かさりと差し出す、二つ折りのレポート用紙。 そこに書かれている文字列は、一番上の行だけ。
『私は貴方を……――――。』
まるで謎かけのような言葉。 全てを書かず、行間を読むのが当時の嗜みだったと言う。 今、読むのか、後、読むのか、判らないけれど。 鳴瀬がそこに何を読むかは、彼次第。]
(240) mitsurou 2011/05/28(Sat) 00時半頃
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会計士 ディーンは、メモを貼った。
mitsurou 2011/05/28(Sat) 00時半頃
ディーンは、ぅはゃぅござる。もぐもぐ。
mitsurou 2011/05/28(Sat) 10時半頃
ディーンは、うん、問題ない。問題があるとしたら、てつ先輩から刺される位だネ★
mitsurou 2011/05/28(Sat) 14時頃
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― かつての別荘跡 ―
[楓馬の蘭香を呼ぶ声を聴きながら、眼を眇めて周囲を視ることに集中した。と、視力より先に訴える感覚は、嗅覚――薔薇の香りがした。
はっと、顔をあげた時は、時既に遅し。 ふらふらっと楓馬が歩くのが視界に入る。 そして、ふっと姿が消える。]
――……楓馬っ!!
[咄嗟に伸ばした手は届かない――まるであの時のように。 ざっと、血の気が引いた。 何故、手を繋いでいなかった?後悔が脳裏を過ぎる。]
(285) mitsurou 2011/05/28(Sat) 14時半頃
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この莫迦っ!!!
[慌てて消えた場所へと近寄れば、大丈夫そうな楓馬の姿が見えた。 思わずそう叫ぶ、顔はまだ青ざめたまま、レンズの底の紫は露に揺らめいている。 眉間に皺を寄せて、ぎりっと唇を噛みしめるも、視界の端に薔薇――想いの残滓を見止めれば、そこに行かざるえまい。]
楓馬、俺が行くまでそこから動くなよ?
[1つ釘をさして、安全に降りれる場所を探した。 自慢ではないが、楓馬が落ちた場所を下る運動神経は持ち合わせていない。 体育の評価は、5段階中3だ。 母が、あひるちゃん(評価2)でなくて良かったわね?と言う、身長でカバーしてそこそこというレベル。 どうにか、楓馬が佇む場所まで、別所から下った。]
(286) mitsurou 2011/05/28(Sat) 14時半頃
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楓馬?
[下った先、金色の髪を見止めればまず声をかけた。 無茶させないように、厭だといっても手を繋いでやる……と、幼いころも同じことを思い出すのだけれど。]
――……らん、か?
[上からは見えなかった姿が見えた。 繰り返される行動と、言の葉――楓馬と並んで暫く呆然とする。 けれど……―――]
楓馬も、手伸ばせ。
[物理的に触れられないと判っていても、はっとして手を伸ばした。 楓馬にも促す背後、梢が紅子さんの存在によって揺れたことには、まだ気がついていない*]
(287) mitsurou 2011/05/28(Sat) 14時半頃
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― と或る夏の補講日 ―
――……先生、その答えだと三角ですね。
[目の前で付け足される文字に、微かに相好を崩した。 彼のペンを借りると、『だ』の後に付け足す文字2つ――『った』。
彼が付け足した文字が、己の想いの代弁か、彼の想いなのか判らないけれど。 どちらにしても、現在形では間違いな筈。 ――……そうでなければならない。]
国語の先生達は、そういうところも細かいですよ。
[ペンを返しながら言って、ふっと息を吐いた。 その段階で、初めて、視線を彼と合わせた。]
(289) mitsurou 2011/05/28(Sat) 15時頃
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――……鳴瀬先生、俺は貴方のことが好きでした。
貴方自身として好きな部分がちゃんとありました。 貴方と楓馬は……違う。
でも、楓馬自身と貴方自身を比べることを赦されるなら、 恋情は楓馬に強く感じます。 ――……貴方と楓馬を重ねていると思う程には、 彼の存在は、俺の中で大きいんです。
[時が経ったからこそ、伝えられる想い。 重ねていない部分でも、眼の前の人が好きだった。 けれど、その恋慕の想いは、楓馬を矢張り越えてはあの段階ではなかった、と。]
(290) mitsurou 2011/05/28(Sat) 15時頃
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会計士 ディーンは、メモを貼った。
mitsurou 2011/05/28(Sat) 15時頃
ディーンは、俺のラ神!!!!ちょwwwおまwww喰われろと!!!
mitsurou 2011/05/28(Sat) 15時半頃
/*仕事おわったー!
[なんとなく使ってみるテスト。
ついでにバーナバス[[who]]の隣に座った。]
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― と或る夏の補講日 ―
――……鳴瀬先生は、困った人だな。
[己が訂正して、訂正された文字を見て呟く。 言葉上手く伝わらないもどかしさ。 当時の彼の彼自身の気持ちを比べた訳ではないから。 彼の言葉に困った顔をした。
ジジジっと蝉の鳴く声がする。少しだけ彼の視線を感じる。 そして紡がれる言の葉を聴いて、少し肩を揺らす。]
知ってましたよ……と言ったら傲慢と思われますか? 大事だと言ってくれたから、そうかなとは思ってました。
(297) mitsurou 2011/05/28(Sat) 17時半頃
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でも、それは、あの時の気持ちですよね? そうでなかったら、栖津井先生への今の貴方の気持ちは?
[だから、好きだった、としないと互いに困るのではないかと。 彼の視線が外れた後、視線をあげて言葉にした。
窓から風が吹き込む。 癖のない己の髪は簡単にサラリと揺れるから、 目の前にかかるそれをゆるりとした動作で耳にかけ直した。 その間も、視線は外を見やる鳴瀬へ。 まともに眼は見れないから、目から少し下、言葉を紡ぐ筈の唇に。]
(298) mitsurou 2011/05/28(Sat) 18時頃
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会計士 ディーンは、メモを貼った。
mitsurou 2011/05/28(Sat) 18時頃
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― ある日の街角 ―
[本屋で探す本は、問題集と進路に関するもの。 あれから、オンラインゲームに費やす時間は大分減った。 2,3冊選んで、次は新書の新刊でも……と思って踵を返した時、己を呼ぶ声がした。]
……栖津井先生?
[本屋で問題集の中を改める為もあって、眼鏡をかけていたことが幸いし、振り返った先に声の主を直ぐに見つけることが叶う。]
先生も、何か探しに来られたんですか?
[此処はこの辺りでは専門書も多く扱っている本屋だったから。 鳴瀬との一件もあり、少し栖津井と2人であることに居心地の悪さを感じつつ、それでも顔には出さぬよう、当たり障りのないことを尋ねた。]
(307) mitsurou 2011/05/28(Sat) 19時半頃
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― 街角 ―
嗚呼、暇潰しとかですか?本屋は潰れますよね。
えぇ、そろそろ真面目に考えないといけない時期なんで。
[ボソボソっと短い会話が幾つか。 その後、沈黙が続く。 沈黙に耐えきれず、用もないのにあると言いかけた時。]
――……はい?
いえ、ない、ですけ、ど。
[突然の誘いに、瞬いて。 つい勢いで、是と答えてしまった。]
(313) mitsurou 2011/05/28(Sat) 20時半頃
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― と或る夏の補講日 ―
――……先生、それだと二股ですよ。
[随分、沈黙を作った後、本当に困った声を出す。 呆れたような声を出さないことが、答えではあるのだけれど。]
―――………。
[答案の間違い箇所を一応聴くフリをする。 公式を使う順序を少し間違えていた。 たった一か所、順序を間違えただけで答えは変わる。 運命は、もっと複雑に、多分その繰り返し。
――……そして、正しい答えはきっとない。]
(321) mitsurou 2011/05/28(Sat) 21時頃
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志望校ですか、そうですね、少し迷ってます。 最初は経済学部に行こうと思ってました、数学好きですし。
[会計士になろうかと思ったけれど、 己の名前が、かい けいし という事実に今更気が付いたのはこの間。 ちょっとそれは……と思い悩んでいる。 両親は何を考えてと小一時間、悩んだのだが、 あの天然な母親ならありえるかと納得してしまった。 非常に残念なことではあるけれど。しょうがない。]
法学部も考えてはいます。 父さんに随分迷惑かけたから、跡継ぎたいとも思います。
あとは……――― 高校の数学の教師になろうか、悩んでますよ。
[チラリと向けられた視線を、今回は真っ直ぐに受け止めた。 それが答えだと。貴方自身を好きだという答えだと。]
(322) mitsurou 2011/05/28(Sat) 21時頃
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……鳴瀬先生、キスしましょうか。
[ふっと思いたったように言う。]
それで最後にしませんか。 それで最後にしたい。
[3という数字は難しいから。 赦されるなら2つでも3つでも愛したいけれど。 人の気持ちは複雑だからこそ ――……1つを選ぶことを誠意と示したい。
楓馬に、蘭香に、鳴瀬に、栖津井に……―――。]
(323) mitsurou 2011/05/28(Sat) 21時頃
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ディーンは、って、文先生、マジ鬼畜把握した!!!
mitsurou 2011/05/28(Sat) 21時頃
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― 薔薇の園にて ―
紅子さん……―――?
[相手が同族嫌悪を抱いているとは、流石に思っていないのだが。 楓馬に叱咤激励をする姿に、少しキョトンとして、それでもやはりそうなのか……と思うのは彼の蘭香に対する想いに。 眼差しを送って見れば、なんだか厭そうな顔をされた、かもしれない。
そうこうしてる間に、少しだけ蘭香の紡ぐ言葉が変わった。 まるで、自分たちの存在を認識しているように。 戸惑う楓馬を尻目に、己は手を刺し伸ばしたままだけれど、それだけでは足りない。 蘭香が求めるのは2つの手だから。]
(327) mitsurou 2011/05/28(Sat) 21時半頃
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楓馬、迷う暇なんてない。伸ばせよ手。 伸ばさないで後悔するくらいなら、伸ばした後、後悔したほうがマシだ。 だいたい、伸ばしても後悔はしないだろっ。
[蘭香の姿が霞む様子に焦って叫ぶ。 それは、実体験だから、嘘ではない。 あいた片方の手を伸ばして、楓馬の片手を取った。]
3人で……帰るんだろう?
[紅子さんを入れる余裕が今はなかった。 後で紅子さんに叱られようと思いつつ、掴めたなら楓馬の手を握る力を強めた。]
(328) mitsurou 2011/05/28(Sat) 21時半頃
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ディーンは、ひそかに、ちまセシル[[who]]を愛でている。
mitsurou 2011/05/28(Sat) 21時半頃
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― 喫茶 ハルシオン ―
……いえ、自分の分は自分で払いますよ。 他の生徒に見つかって、ひいきとか言われたら拙くないですか? 此処まで来るウチの生徒って、物好きだとは思いますが。
[栖津井の言葉に、問題児の集まりと言われるゲーム部であっても、基本的に真面目な態度を崩さない蛍紫は、此処でも生真面目に言う。 それを聴き入れられるかは、さて……――。]
此処、前から気にはなってましたが、 流石に1人で入る気にはなれなかったんですよね。
[栖津井に連れられて、 心持重い足取りで本屋の前にある喫茶店に入る。 そこが楓馬のバイト先とはしらない。
――……今まで、あえて聴こうとしなかった。 彼が己のオンラインの姿を知らないのと一緒で、 多分引かないといけないラインだと思っていたから。]
(331) mitsurou 2011/05/28(Sat) 22時頃
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会計士 ディーンは、メモを貼った。
mitsurou 2011/05/28(Sat) 22時頃
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― かつての……(以下略 ―
[手を伸ばして後悔したと……碧の眼が物語れば、ひょいっと片方の眉をあげた。 確かに付属することに後悔がないといえば、自身も否だけれど。
――……蘭香が助かることを、後悔することはない。 そういう意味合いの言葉だったから。
それでも、繋いだ手に力を込めれば、差し出される手。 そのことに、後悔はしていないと思いこむ。 2人だから、こうして、蘭香に手を伸ばせるから。]
(345) mitsurou 2011/05/28(Sat) 22時半頃
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蘭香っ……―――!!
[呼ぶ声も重なっただろうか。 伸ばした3つの手が交差する。 ――……その時、紫の眼は、ほころびる薔薇の世界を視る。]
……夢では、ないよ。
[ほぅっと息を吐いて、すとんっと膝を落とした。 汗ばむ額を撫でる風、薔薇の香りは……――それでもきっとある。 蘭香に安堵の表情を見せながらも、視線は無意識に、本来の薔薇恋獄の主を探していた。]
(346) mitsurou 2011/05/28(Sat) 22時半頃
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― 喫茶 ハルシオン ―
……ふう、ま?
[奢りの件や、こういう雰囲気の所は互いに1人では矢張り入り難いとか、話しながら入ったものだから、一瞬気が付くのは此方の方が遅かった。紫の眼を丸く見開いて、少しの間呆けて彼の姿を見詰めた。]
ああ……―――。
[やがてぎこちなく去って行くのを、見送って、こちらもギギっと栖津井の後を着けて席につく。 以外と冷静な栖津井に、普通はそのような反応なのだろうか、と思う。確かに、他の知り合いに出先であっても、ここまでは動揺しないだろう。動揺してしまったのは、多分相手が楓馬だから。
――……なんだ、あんな可愛い格好、他人に晒してるのか。
そんな風に、少しだけ嫉妬の心が擡げたりもする。]
あっ、では、同じもので。
[取り立てて飲み物にこだわりはないから、栖津井にオーダーを尋ねられれば、そう返す。 まさか、オーダーを楓馬が取りに来ることはないよな?と、それを望むような、望まないような……相変わらず腰の座りが少し悪かった。]
(349) mitsurou 2011/05/28(Sat) 22時半頃
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