82 謝肉祭の聖なる贄
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[静かに呼吸してじわりと溜まってきた熱を逃がそうとする。
まだ外からは見えねど、黒衣の下では抑えきれぬものが形を成しつつあった。]
[強くなった花蜜の香をうっそりと身に纏う。
食欲とないまぜになった情欲がじわじわと身のうちを蝕み、苦痛なほどだ。
今また贄が喰われるを見れば、もう歯止めは利かぬ。]
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クックッ……あれらを好むと言えば、羨むか?
[余興をさせている2人を指しての褐色の贄の言葉に。 可笑しそうに目を細め、そう問いをかける]
だが、あれらばかりではなく。 銀灰のと白金のに挟まれておるそれも、引き締まった良い肉をしていそうだが。
[そう言って、また空になった杯を差し出し。 褐色の贄の瞳の奥を覗くように見つめる]
(104) 2012/03/16(Fri) 23時頃
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――だそうだ。
[肩を竦め皮肉な笑いを浮かべる。
内実餓えに苦しみ切羽詰っていても、まだこのスタンスを崩すつもりはないらしい。]
フフフッ…それほどに気に入ったのならば、仕方あるまいな。
[白金の同胞が宣言するのを聞いて、愉しそうに笑う]
[忌々しく恐ろしく恥ずかしく、恨めしい記憶呼び起こす香。
けれどそれにも、怒れ、堂々とあれ、と半ば無意識に意志して。
今。小さな勇気から勢いづいたおおかみには、既におそれは無かった。]
執事 ハワードは、メモを貼った。
2012/03/16(Fri) 23時半頃
[とつとつと脈打つ、娘の心臓の音に耳を傾ける。
この熱くやわらかい肉を引き裂きたいと、じりじりとその身を焦がされながら。]
[年長の同胞たちのこえは、耳に触れども。
アクアマリンに囚われた小さなおおかみからは反応は返らない。]
[だが逆に、この肉の質量を、温かさと心音を、正気を繋ぎ止めるよすがとなす。
今、この娘を喰らうつもりはない。
少なくとも、今はまだ。]
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クククッ……未発育の贄ばかりでつまらぬ事もよくあるが。 今回は、6の贄の内、4が良く育っている。
[最初の贄とまだ若い娘以外は、いずれの肉も旨そうだ――と。 他の贄に炎を帯びたような視線を向け、こちらに上っ面の言葉を投げる褐色の贄へ、そんな言葉を向ける。
他の大神の手がそちらへ伸びるようなことがなければ、空になった杯を逆さにして差し出し。 褐色の贄がそれを受け取るならば、その手の指を贄の口元へと運ぶだろう。
その間も、視線は余興として絡み合わせている長髪と帽子の贄たちに向けられてはいるが]
(132) 2012/03/17(Sat) 00時半頃
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