258 【突発誰歓】鬼渡し弐
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[ 馬鹿なあたし 何時になったら
そのことと正面切って向き合える? ]
[ …そんなの神様だってわからないさ。 ]
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[ 自嘲めいた囁き声は風のように過ぎて、 声にすらならず、ふわりと浮かんでは消える。
亜沙華の広間に置いてある机を拭いている間も。 玄関の掃き掃除をしている時も。…ずうっと。 捨てたいものを捨てられない惨めなあたしがそこに居る。 ]
…………今日の晩御飯は何にしようかねえ。
[ それでもあたしは殊更大きな声で喋って ( …自分を奮い立たせるみたいに ) お客を迎えて、寝て、起きて、働いて生きていく。 ]
(34) rinaria 2016/11/23(Wed) 13時頃
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こんにちは、ようこそいらっしゃいましたねえ さあさあそんなとこにぽやっとつったってないで中に!
[ 今日もまたやって来た夫婦を笑顔で迎え入れた。 悔やんでも、泣いても、悲しんでも――それでも、 ]
[ *これがあたしの"いつもどおり"だから* ]
(36) rinaria 2016/11/23(Wed) 13時頃
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[あの時、面が割れて一瞬だけ触れた。
光の粒子となったそれは、わたしを鬼に変える事はできなかったけれど、面を継いだ者たちの記憶や思念が流れ込んできた。
その中の記憶の一つに、夕顔が居た。
もう一つ、そっくりな顔をした姉。こちらは双子の朝顔というらしい。
夕顔が掘り起こす、曼殊沙華の根。
それをどうやって使ったか、一部始終がそこで語られていた。
篁が代々、この地で名士を輩出してきたかわかるかい?
子どもの浅知恵なんかで太刀打ちできる相手じゃあない。
消されたくなければ、…───あまり欲を張らない事だ]
わたしが居なくなっても、いい子にしてるんだよ。
[夕顔の柔らかな髪の上に手を置き、そっと頭を撫でた。*]
― 名の知れた家の気苦労 ―
[ 曼珠村には幾つか名の知れた古い家が残っている。
御門の家や、篁の家などがそう。
…但し、古い家である分家同士の確執なんかも多い。
姉と篁の家の二番目の兄さんは婚約しているけど、
彼処の家には一人だけだ!って祖父の教えに則って、
あたしは別の家の人間と許嫁になったわけさ。
親だのその上の祖父祖母だのに嫁ぎ先を決められるなんて
まるで犬や猫みたいだって、姉は嘆いていたけど。
実質的に勘当されたあたしの(元)婚約者様みたいに
家を飛び出してまで言いつけに背くことはしないつもりらしい。
お金持ちの家だし、大事にしてくれるだろうってさ。
別に好きでもないけど、家の決めたことだからって。
そう経たないうちに御門の家と篁の家は婚族になるんだろう。
その時にはあの赤い花の咲いた別の世界で見た顔と
もしかしたら顔を合わせることがあるかもしれないね。 ]
[ …もしかしたら引き取られた誰かとも。 ]
[ 婚約者のいなくなったあたしには、
別の家か、それとも篁の家からか。
また誰か相手を見繕って兎も角家を出そうって話があるらしい。
婚約者に逃げられた娘なんて家の恥なんだってさ。
近くはダメだ、いっそのこと遠くの医者や弁護士を探すかって、
親戚連中が話しているのを、少し前に聞いた。
あたし、逃げないなんて一言だって言っちゃいないのにね。
もしかしたら見合い写真の中に知り合いに似た顔が
あったりしたかもしれないけど、よく見ていないから知らない。
将来性のない仕事。
…つまりは辞め易い仕事ということでもある。 ]
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いっそ貯金をぱーっと使って旅にでも出ちまおうかしら。
[ ふと、そんなことを思いついたのは 全てが終わったあと、村の中も落ち着いてきた頃だったか。* ]
(38) rinaria 2016/11/23(Wed) 13時半頃
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ざんねんです、あきのしんさま
あきのしんさまが食べてくださらなかったから、私も戻ってきてしまいました
しかたないので、ここでいっしょにあそびましょう?
こんどはあなたを恨みつづけてあげますよ
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